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グランプリ・静岡2017春

観戦記事

第13回戦:髙橋 希(東京) vs. 渡邉 祟憲(宮城)

By Hiroshi Okubo

 ここまで1敗の好成績で勝ち上がり、トップ8進出まであと一歩のところまで来ている髙橋 希(東京)の前に立ちはだかるのは本グランプリ第13回戦開始時点で唯一の全勝者・渡邉 祟憲(宮城)だ。

 上位進出へ向けて両者とも譲れないマッチアップ......のはずなのだが、試合前にデッキチェック中が挟まったこともあってか、非常にリラックスした様子で歯を見せながら歓談に花を咲かせる。まるでフライデー・ナイト・マジックのような和やかさである。

渡邉「僕あの頃はクイックントースト使ってましたよ」

髙橋「あぁ、懐かしい。ビビッド、ビビッド、《熟考漂い》みたいな?」

渡邉「そうそう。でもあの頃に比べるとパーマネントだいぶ強くなりましたよね」

髙橋「逆にスペルは弱くなってる。まさか構築で《殺害》が使われるとは(笑)」

 ここまで来たら出たとこ勝負ということか、出身地や年齢・マジック歴といった話題から『ローウィン』環境のスタンダードの話まで飛躍したところでデッキチェックが終わり、ジャッジから両者にデッキが返却された。

 どれだけプレイヤーがリラックスムードでも、勝負は勝負。果たして勝利の女神はどちらに微笑むのだろうか?


髙橋 希 vs. 渡邉 祟憲

試合展開

第1ゲーム

 先攻の髙橋が《花盛りの湿地》から《霊気との調和》をプレイしたところで、渡邉がライフメモに「蛇」と書き加える。髙橋は続くターンに《緑地帯の暴れ者》を戦場に送り込み、第3ターンに《ピーマの改革派、リシュカー》でタフに攻め立てていく。さすがにここまで勝ち進んできた2名だけあって、動作もプレイ宣言もゲーム進行もスピーディだ。

 対する渡邉も《模範的な造り手》、《キランの真意号》、《屑鉄場のたかり屋》とプレイしながら《致命的な一押し》で《緑地帯の暴れ者》を除去しつつクロックを刻む好スタート。両者序盤のリードを激しく奪い合う。


渡邉 祟憲

 だが、五分五分の形勢になると1マリガンしている髙橋にはやや厳しい。《ピーマの改革派、リシュカー》をレッドゾーンに送り込みながら《光袖会の収集者》と《屑鉄場のたかり屋》をプレイして様子を見るが、返す渡邉が叩きつけたのは《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》!

 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》で《キランの真意号》をクリーチャー化しながら10点クロックで髙橋に迫ると、もはや《光袖会の収集者》でのドローを合わせても逆転の手立てはなくなってしまうのだった。

髙橋 0-1 渡邉

第2ゲーム

 先攻の髙橋が《精神背信》で《苦い真理》×2、《キランの真意号》、《停滞の罠》、《致命的な一押し》という渡邉の手札から《苦い真理》を抜き、アドバンテージ合戦に備えるところで第2ゲームが動き出す。

 続く第3ターンには2枚目の《精神背信》で《苦い真理》を奪い取り、さらに《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》で畳みかけていく。

 序盤を大きくリードされてしまった渡邉。第4ターン、思わずドローする手に力を込めると――

 手札が次々抜かれるなら、トップデッキすればいいじゃない。そう言わんばかりのトップ《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》!

 流れるような手つきでプレイして[0]能力起動、《キランの真意号》クリーチャー化までを済ませて髙橋の《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》を落とすと、髙橋も苦笑いしながら「そんなの聞いてないよw」と頭を抱える。


髙橋 希

 渡邉の手札をすでに知っている髙橋はそこに除去がぎっしり詰まっていることも理解している。

 つまり、この状況を巻き返すことは到底できないということも。

髙橋 0-2 渡邉

 あっという間に終了した――それこそ、試合前のデッキチェックの時間の方が長かったかもしれないくらいあっという間だった第13回戦を終えて、両者とも固く握手を交わす。

髙橋「すごい剛腕でしたね......今日は『渡邉さんの日』なのかもしれないですね。このあともがんばってください!」

渡邉「そちらもまだ2敗ですよね。トップ8で会うかも?」

髙橋「それは絶対イヤwwwもう当たりたくないよ!」

渡邉「そんなこと言わないでくださいよ~」

 新たな戦友との出会いもまたグランプリの魅力の一つか。すっかり意気投合した渡邉と髙橋は、試合後も笑顔で言葉を交わすのだった。

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