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グランプリ・京都2016

観戦記事

第7回戦:チーム 加藤/菱田/上田 vs. チーム 加藤/八十岡/覚前

By Sugiki, Takafumi

覚前「僕と、......京都でもチーム組んでください!!!」

 まるで、思春期の甘酸っぱい告白シーンのようなセリフ。ある日の、晴れる屋の練習合宿施設『晴れるーむ』での一コマだ。ワシントンDC、北京に続いて、八十岡がチームメイトに選んだのは、加藤、覚前の2人。覚前はワシントンDC、北京での自身プレイに不甲斐なさを感じており、八十岡が再度チームを組んでくれることは無いかもと内心思っており、八十岡が京都のチームメイトとして引き続いて選んでくれたことに心底喜んだそうだ。

 対する加藤/菱田/上田は、滋賀県大津にある「ゲームプラザ元気302」にてマジックを楽しんでいるローカルチームで、これまでに特に目立った戦績は無いとのことだ。


チーム 加藤/菱田/上田(写真左) vs. チーム 加藤/八十岡/覚前(同右)
C卓 上田 vs. 覚前 ゲーム1

 先攻の覚前は赤黒の綺麗なマッドネスデッキを携える。《ガイアー岬の山賊》を3ターン目に走らせて攻撃が通る。上田は《捨て身の歩哨》を盤面に出し、2度めの攻撃をチャンプブロックすることで、3/2のエルドラージ・ホラー・クリーチャー・トークンを出して目の前の脅威への抑止力とする狙いだ。対する覚前も、さらなる脅威として《吠え群れの狼》を盤面に追加する。

 ここで、上田は自身のクリーチャーを強化しつつ、相手の盤面から1体クリーチャーを除去するという超強力エンチャント、《揺るぎない信仰》を3/2クリーチャー・トークンにプレイ。《ガイアー岬の山賊》を追放して5点の攻撃。これで、攻守が一気に逆転する。

 覚前が盤面に追加したクリーチャーは《熱錬金術師》。《吠え群れの狼》で攻撃して、上田のライフは14。盤面だけ見れば、《揺るぎない信仰》がついて5/4となったクリーチャー・トークンの5点ダメージに対して、《吠え群れの狼》+《熱錬金術師》のタップ能力の4点のダメージと、依然上田の方がダメージレース上では有利だ。

 上田は次のターンも5/4となったクリーチャー・トークンで攻撃し、覚前のライフは10。上田は残念ながらここで後続を出すことができない。覚前も再度《吠え群れの狼》で攻撃し上田のライフは11、さらに追加のプレッシャーとして、《集合した頭目》を盤面に加えターンを返す。

 ターンをもらった上田は、《集合した頭目》を《絞首束縛》で除去して、三度目の5/4クリーチャー・トークンでの攻撃。これで、覚前のライフは5となり、次のターンからはブロッカーを差し出さなければならない。

 しかし、覚前には秘策があった。上田のターン終了時に《熱錬金術師》で1点を与え上田のライフは10。ターンをもらった覚前は、《敵意借用》で《吠え群れの狼》のパワーを上げ、《熱錬金術師》で上田に1点、《吠え群れの狼》で攻撃し、上田のライフは残り3。この3点を覚前は残り1枚の手札《焼夷流》で削りきった。

上田 0-1 覚前

C卓 覚前 vs. 上田 ゲーム2

 先手の上田の《霊体の羊飼い》がファーストアクション。対する覚前は《苦しめる声》で手札を整えた後、《死の重み》で《霊体の羊飼い》を除去する。上田が《不屈の聖戦士》、覚前が《貪欲な求血者》を盤面に出した後、上田は《絞首束縛》を《貪欲な求血者》にプレイ。無理やりこじ開けて攻撃にかかる。

 ここから覚前は《ヴィルディン群れの除けもの》を3連打。上田も除去が豊富な手札であり、《集団的努力》、《絞首束縛》の2枚目を使って2体までは除去するも、3体目の《ヴィルディン群れの除けもの》を除去できず、上田は2回の《ヴィルディン群れの除けもの》の攻撃を受けて、ライフが8まで落ち込む。

 覚前が《錬金術師の挨拶》で上田の盤面をまっさらにし、このまま覚前が押し切るかと思われたが、上田は3枚目の《絞首束縛》をトップデッキして《ヴィルディン群れの除けもの》にエンチャントし、さらに次のターンには《消えゆく光、ブルーナ》をトップデッキ!

 《消えゆく光、ブルーナ》への解答を用意できなかった覚前は3ゲーム目へ進むことを選択せざるを得なかった。

上田 1-1 覚前

C卓 覚前 vs. 上田 ゲーム3

 先手の覚前が《貪欲な求血者》、《貪欲な求血者》で《マウアー地所の双子》を捨ててマッドネス、《吠え群れの狼》と綺麗な展開を見せる。

 上田も《信者の杖》、《鉄覆いの処刑者》、《アヴァシン教の宣教師》と及第点な展開を見せているものの、覚前は5ターン目に《錬金術師の挨拶》をマッドネスして《アヴァシン教の宣教師》に、さらに《ガイアー岬の山賊》をプレイし、フルアタック。《鉄覆いの処刑者》が《吠え群れの狼》をブロックするも9点のダメージが上田に入り、ライフが5。

 上田は《シガルダ教の僧侶》、《霊体の羊飼い》をブロッカーとしてプレイし耐える姿勢を見せるものの、覚前は3体で攻撃し、1体がブロッカーを受けず上田に3点のダメージを与えライフが2。そして、その最後の2点はまたも《焼夷流》が削りとった。

上田 1-2 覚前


チーム 加藤/八十岡/覚前

 A卓の加藤対決は加藤/菱田/上田側が制し、マッチの行方は、B卓の八十岡と菱田の対戦に委ねられた。

B卓 菱田 vs. 八十岡 ゲーム3

 菱田が《熱錬金術師》、《薄暮のニブリス》、《霜のニブリス》と展開し、八十岡が《エムラクールの加護》で《薄暮のニブリス》、《絞首束縛》で《霧のニブリス》を除去する展開。続いて菱田が展開した《悟った狂人》から出てきた3/2クリーチャー・トークンに八十岡が《闇の救済》を撃ち、攻守が逆転するかと思われたが、菱田がしっかりと《取り繕い》でカウンターしペースを握る。

 八十岡は一度の攻撃を許したものの、追加の除去として《絞首束縛》で3/2クリーチャー・トークンを抑えこみ、《信仰持ちの聖騎士》を展開。しかし、《熱錬金術師》がダメージを刻み、八十岡のライフは12まで落ち込んでいる。

 菱田は追加の脅威として《くすぶる狼男》を展開、対する八十岡はクリーチャーが戻ってこないことはもったいないところであるが、《消えゆく光、ブルーナ》をプレイする。

 菱田は《くすぶる狼男》を《噴出する戦慄狼》に変身させて攻撃に繰り出し、攻撃時の誘発型能力で《消えゆく光、ブルーナ》にダメージ。ブロックされないように牽制する。八十岡は悩んだ後《不屈の聖戦士》でチャンプブロック。《不屈の聖戦士》のトークン生成能力も使いながらチャンプブロックを繰り返し、その間に《消えゆく光、ブルーナ》で殴りきりたいところである。

 しかし、八十岡はチャンプブロックできるクリーチャーを引かない。《消えゆく光、ブルーナ》のみがブロッカーに残り、ライフが6の盤面を迎えてしまいやむなく《消えゆく光、ブルーナ》を《噴出する戦慄狼》へのブロッカーとして差し出す。クロックを刻んでいる《熱錬金術師》をなんとかしたいところであるが、それどころか菱田が2枚目の《熱錬金術師》を盤面に追加。盤石な体制を作り上げる。

 2枚の《熱錬金術師》への対抗策を用意できなかった八十岡は、投了を宣言した。

菱田 2-1 八十岡


大金星を挙げたチーム 加藤/菱田/上田
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RESULTS

対戦結果 順位
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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