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グランプリ・神戸2015

観戦記事

第15回戦:松本 悠希(東京) vs. Pavel Matousek(チェコ)

By 宮川 貴浩

 決勝ラウンドの座を懸けて、国境を越えた試合が始まる。「日本が好きです」と日本語で語ってくれたパヴェル・マトウセク/Pavel Matousekは、チェコからの刺客。日本には数えきれないほど来ているそうだ。選択したデッキも「緑青ランプ」と、一味違う。

 迎え撃つ日本の松本は、The Limits2010をはじめ競技マジックシーンで数々の活躍を見せる実力者。最大勢力のアブザンではないものの、王道デッキの「エスパー・ドラゴン」を使用してここまで勝ち上がってきた。

 松本が地元日本勢の意地を見せるか、はたまたマトウセクが異国の地でさらなる旋風を巻き起こすのか。


他国のプレイヤーと交流できるのもマジックの大きな魅力のひとつだ
ゲーム1

 マトウセクは《伐採地の滝》をタップインし、《葉光らせ》でマナ加速を図る。次いで《爪鳴らしの神秘家》を唱え一気に高マナ域にジャンプアップしようとするが、これは松本が《龍王オジュタイ》を公開しながら《シルムガルの嘲笑》で打ち消す。

 松本は《苦い真理》で手札を充実させ、《葉光らせ》は《究極の価格》で除去するが、この時点でライフは既に9。《ヴリンの神童、ジェイス》で、ここからの巻き返しを図る。

 マトウセクが《巨森の予見者、ニッサ》を出した返しのターンに、松本は《龍王オジュタイ》を捨てながら《ヴリンの神童、ジェイス》を《束縛なきテレパス、ジェイス》へと変身させる。さらには《龍王オジュタイ》を手札から着地させ、一気に反撃開始かと思われた。

 ところが、ここでマトウセクが唱えたのは、《水の帳の分離》!

追加ターンはロマン。覚醒すれば宇宙。

 追加ターンを得たマトウセクは、《巨森の予見者、ニッサ》を《精霊信者の賢人、ニッサ》へと変身させ、[+1]能力を使用した後に《精霊龍、ウギン》をキャスト。[-X]をX=5で能力を起動し、盤面をまっさらにする。

 諦めない松本が3枚目の《龍王オジュタイ》を戦場に出すと、これにはマトウセクも苦笑い。だが、マトウセクが戦場に追加したのは、それを遥かに上回るインパクトの《絶え間ない飢餓、ウラモグ》だった。

まごうことなき環境最強のフィニッシャー

 土地を2枚追放された松本は、《龍王オジュタイ》で本体にアタックし、数少ない解決策を探す。しかし、この状況を打破する術はなく、マトウセクが先勝した。

マトウセク 1-0 松本

ゲーム2

 手札破壊でマナ加速を防ぎたい松本は、開始早々に《強迫》をプレイ。土地、《巨森の予見者、ニッサ》、《深海の主、キオーラ》、《爆発的植生》という手札から、《爆発的植生》を捨てさせる。

 次ターンに松本が再度《強迫》を撃つと、増えていたのは《精霊龍、ウギン》。松本は《深海の主、キオーラ》を抜いた。

 《巨森の予見者、ニッサ》を戦場に送り、《伐採地の滝》とともにクロックを刻み始めるマトウセクに対し、松本も《ヴリンの神童、ジェイス》を着地させて戦力を整えようとする。

 《ヴリンの神童、ジェイス》により待望の5枚目の土地を手に入れた松本は、同一ターンに《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》、《黄金牙、タシグル》と一気に展開。一転攻勢に出た。


ギアを切り替え、勝負を決めにかかる松本

 しかし、マトウセクは《ニッサの復興》で悠々と土地とライフを確保しつつ、《巨森の予見者、ニッサ》を《精霊信者の賢人、ニッサ》へと変身させる。

 早急に勝負を決めたい松本は、《精霊信者の賢人、ニッサ》を《黄金牙、タシグル》で落とし、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》もクリーチャー化してマトウセクのライフにプレッシャーをかけていく。

 だが、マトウセクはついに《精霊龍、ウギン》をキャストし、更に《ウギンの聖域》で《絶え間ない飢餓、ウラモグ》をサーチした。


ここ一番の舞台でも実に楽しそうにプレイをするマトウセク

 せめて《精霊龍、ウギン》だけでも《軽蔑的な一撃》で打ち消そうとする松本だが、そこに突き刺さったのはマトウセクの《払拭》だった。

効果範囲は狭いが、その分ハマった時の威力は絶大

 再び《精霊龍、ウギン》のマイナス能力で無人の荒野と化した戦場にマトウセクの《絶え間ない飢餓、ウラモグ》が着地すると、松本は握手を求めて手を差し出した。

マトウセク 2-0 松本

 終始笑顔が印象的だったマトウセク。松本も試合後に悔しさをにじませながらも、「グッドラック」とマトウセクの健闘を祈っていた。いかなる時もマジックに対する愛を忘れない。それが彼らの強さの秘密なのかもしれない。

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