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グランプリ・神戸2014

観戦記事

第13回戦:橘 健太郎(東京) vs. 市川 ユウキ(神奈川)

By 小山 和志

 プラチナ・プロ、市川ユウキの登場だ! 2連続プロツアートップ8というド派手な実績を引っ下げ、この神戸の地に凱旋してきた。このグランプリでもここまで2敗と、負けられない戦いが続くが、そういった戦いはむしろ彼にとってお手のもの、といったところではないだろうか。

 一方、世界最高峰のプロに挑むは橘 健太郎。ここで負ければ上位争いから脱落するのだ。相手が実績のあるプロであろうが関係なく、勝利を重ねるしか道はない。

「プロツアー予選の決勝ラウンドみたいなもんですね。3-0で抜け、と」と市川が笑顔で語りかけ、橘も笑って同意する。記事に掲載される握手の写真も両者にこやかに撮り終え、和やかにゲームが始まった。


橘健太郎(写真左)、市川ユウキ(写真右)

ゲーム1

 両者ともに7枚スタート。先手橘が《ちらつき蛾の生息地》から《信号の邪魔者》でスタート、親和だ。さらに、《バネ葉の太鼓》から《鋼の監視者》と繋げる。

 市川はこの《鋼の監視者》を《呪文嵌め》で退けると、《血清の幻視》で手札を整え《踏み鳴らされる地》をタップインし、土地を全て寝かせてターンを返す。


最高のプロレベル、プラチナまで上り詰めた市川ユウキ

 フルタップの隙に橘は《信号の邪魔者》の2枚目、《頭蓋囲い》と続け、まずは5点。続くターンに《電結の荒廃者》をキャスト、これが通り、市川の残りライフはわずかに6。何もしなければ次のターンには削りきられてしまう。

 だが、ここで市川の宝刀が炸裂する。ターンエンドに市川は《詐欺師の総督》。これが《バネ葉の太鼓》をタップすると、返す刀で一閃、《欠片の双子》で勝負をあっさりと決めた。

橘 0-1 市川

「和やかにゲームが始まった」と書いたが、ゲームが始まってしまうと、お互いにゲームに関係する最小限しか言葉を交わさず、張り詰めた空気が両者、そしてギャラリーを包む。それもそのはず、ここは負ければトップ8の道が閉ざされる崖っぷちの2敗ラインなのだ。

ゲーム2

 橘が初手7枚を見て意を決したように7枚でキープすると、親和デッキの真骨頂、爆発的な展開を見せつける。先手第1ターン《ちらつき蛾の生息地》、《オパールのモックス》、《バネ葉の太鼓》、《羽ばたき飛行機械》、《電結の荒廃者》と一挙5枚を展開するロケットスタートだ。続いて《空僻地》から《刻まれた勇者》を連続キャストと理想的な展開で、一気に市川を追い詰める。


親和の爆発力を見せつけた橘健太郎

 《刻まれた勇者》の2体目がキャストされたターンの終了時に、市川は《古えの遺恨》で《電結の荒廃者》を破壊する。これが《オパールのモックス》を食べて、2個の+1/+1カウンターが《刻まれた勇者》へと「接合」される。

 そして、市川は《仕組まれた爆薬》をX=3でキャスト。起動が次のターンになる関係上、残りライフは4になるものの、単なる除去呪文では触れることができないガンを一気に処理しにかかる。そして、少し考えたのちに《バネ葉の太鼓》を《古えの遺恨》をフラッシュバックで破壊する。《感電破》さえ封じれば逆転できる、という算段だ。

 頼みの《刻まれた勇者》を失った橘は、何とか食らいつこうと《信号の邪魔者》を召喚、次に攻撃が通れば一気に市川のライフを0へと追い込むことができる状況を作った。

 だが、市川は崩れない。《やっかい児》で《信号の邪魔者》をタップし、これが《ちらつき蛾の生息地》と相打つ。そして、市川が《よじれた映像》で《信号の邪魔者》を除去し、《呪文嵌め》で《大霊堂のスカージ》を打ち消すと、橘は追加戦力を投入することができず、ここで一気に攻守が入れ替わる。

 そして、ゲームが決まるときは一瞬だ。市川が再度懐から刀を抜く。すなわち、あなたのアップキープに《詐欺師の総督》を、自身のターンに《欠片の双子》を。

宝刀、一閃

 勝敗が、決した。

橘 0-2 市川
市川 ユウキWin!

 プロツアー前に回していたデッキをほぼそのまま持ち込んだという市川。この神戸へ向けては3日しか練習できなかったそうだが、プレイの切れ味にはもはや凄みさえ感じる。「とりあえずあと2つですね」と語るが、その眼は間違いなくその後の決勝ラウンド3回戦、そしてその先に見えるトロフィーを捉えているはずだ。

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