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グランプリ・神戸2014

観戦記事

第11回戦:行弘 賢(和歌山) vs. 森 勝洋(東京)

By 矢吹 哲也

「いやあ、ここで当たるかあ」

行弘「このラインでやりたくなかったなあ、初日2敗のツラさよ」

「俺は誰と当たってもいいけどね」

 両者ともここまで2敗のいわゆる「崖」。第11回戦にして、トップ8への道に立ちふさがる大きな障害がそれぞれの前に姿を現したのだ。

「ビデオマッチが良かったね」と森がつぶやくと、「いや、ここも悪くないっすよ」と行弘。

「うん、ともあれ広いテーブルでできる」と森も頷く。

 軽快にトークを交わす両者に、気負いはない。さすがにフィーチャー・マッチ・テーブルの広さも、何かをかけた大きな試合も、慣れたものである。


左:「ゴールド・プロ」行弘 賢、右:「世界王者経験者」森 勝洋

それぞれのデッキ

「プレイうまい人がこうして2敗してるってことはデッキ弱いんじゃ」と言う行弘に「デッキ強いよ、2敗する予定じゃなかった」と言い放った森が選択したのは、「吹き荒れる潜在能力」。「こいつが出るだけで勝つ」と《吹き荒れる潜在能力》を示しながら語る森は、行弘の白黒緑が手札破壊を放っても表情ひとつ変えなかった。

 この試合の鍵となるのは、コンボを有する森とそれを阻む手段を持つ行弘の、手札を巡る攻防だ。

試合展開


森 勝洋

 開幕は行弘の《コジレックの審問》から。《呪文嵌め》《血清の幻視》2枚、《裂け目の突破》、土地という森の手札が公開され、行弘は《呪文嵌め》を取り去る。

 森は《血清の幻視》からゲームを始めるとやや渋い顔。続けて2枚目も使い、手札を整えにかかった。

 そこへ行弘が《思考囲い》。森はさらなる《血清の幻視》。抜かれては引き、「占術」を絡め、森の手札の入れ替わりが激しく行われる。

手札破壊vs.手札補充

 しかしその後攻勢に出たのは行弘の方だった。《未練ある魂》を通した次のターン、《思考囲い》で森の《謎めいた命令》を誘い出し、《タルモゴイフ》を着地。さらに《刃砦の英雄》を送り出すが、これは《差し戻し》を受け、戦場に降り立つのはおあずけとなる。

 ターンを迎えた森は《トレイリア西部》を「変成」し《羽ばたき飛行機械》を手札に。コンボの完成をじっと待つ。

 森のライフは残り11。盤面の上で優位に立つ行弘は熟考し「詰めろ」をかけた。再び《未練ある魂》のトークンと《タルモゴイフ》のセットを戦場に追加すると、森の猶予をあと1ターンにする。

 対する森の妙手は......ここでは見られず。ひとしきり盤面を確認すると、カードを片付けた。

 試合前の軽口は消え失せ、両者とも自身のデッキに真剣な眼差しを送る。この一戦を制し持ち堪えるのはどちらになるのか。


行弘 賢

 行弘が2ゲーム目も《コジレックの審問》を差し向けると、森のキープは《卑下》以外土地というものだった。《トレイリア西部》2枚と《僻地の灯台》が含まれるこの初手、吉と出るか凶と出るか。

 行弘は2ターン目《タルモゴイフ》で攻め手を用意し、森は《熟慮》と《血清の幻視》でドローを進める。続けて行弘が繰り出した《ミラディンの十字軍》には《稲妻》が当てられた。

 しかし行弘の攻勢は止まらない。《刃砦の英雄》が行弘の盤面に降り立つと、さらなる手札破壊で前方確認を終え、《タルモゴイフ》と《刃砦の英雄》で森のライフを一気に取り去ったのだった。

行弘 2-0 森

「20枚以上掘ったんだけどなあ」と不運を嘆く森。

「出るだけで勝つ」森のデッキのキー・カード《吹き荒れる潜在能力》は、この試合中ついに一度もその姿を見せなかった。

 だが今大会はまだ終わっていない。感想戦も済ませた両者は、またそれぞれの道を行く。

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