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グランプリ・神戸2014

観戦記事

第7回戦:原田 真雄(千葉) vs. 藤村 和晃(大阪)

By 小山 和志

 時刻は午後5時を過ぎたところだ。ようやく9回戦の3分の2が終了し、いよいよグランプリ初日の佳境を迎える。このラウンドを終えて、全勝者は最速での初日突破が確定するのだ。そんな中から、藤村 和晃(大阪)と原田 真雄(千葉)の対戦をお届けしよう。

 藤村和晃はプロツアー予選突破、昨年のグランプリ・静岡トップ8、そして先日行われたワールド・マジック・カップ予選では惜しくも2位に終わったが、今最も波に乗っているプレイヤーの1人だろう。このグランプリ・神戸でビッグウェーブを起こすことはできるのか。もちろん、遠路はるばる千葉からやってきた対戦相手の原田真雄もストレートでの初日突破を目指している。

 この全勝対決を制し、初日突破を確定させ、グランプリ2日目というという海に漕ぎ出すのはどちらのプレイヤーか。


左:原田 真雄(千葉)  右:藤村 和晃(大阪)

ゲーム1

 ダイスロールで19を出した藤村が先手、初手を見るや否やキープすると、電光石火で《》から《血清の幻視》でスタートする。一方の原田も7枚をほぼ即決でキープすると、《血清の幻視》で手札を整えたばかりの手札を《思考囲い》で攻める。

 藤村の手札は、

 というもの。ここから《差し戻し》を抜き去る。《呪文滑り》...ということは藤村のデッキは《欠片の双子》か。その予想通り、藤村は3ターン目、《詐欺師の総督》をキャストし、原田の土地を縛っていく。

 原田は《思考囲い》の2発目をキャスト、対応して藤村は《ヴェンディリオン三人衆》をキャストし、それには《突然の衰微》が差し向けられる。藤村は《よじれた映像》でキャントリップすると、お互いの手札が公開され、藤村のコンボが揃っていないことがあらわになる。それを確認した原田は《強情なベイロス》を召喚し、クロックを引き上げ一気呵成の態勢をとる。

 藤村も《瞬唱の魔道士》から《血清の幻視》で手札を整えるが、いかんせん原田から追加で繰り出されるハンデス、《コジレックの審問》が厳しい。さらに原田は《闇の腹心》を追加し、藤村を着々と追い詰めていく。

 だが、度重なる《血清の幻視》で逆転の機会を虎視眈々と狙っていた藤村は、《呪文滑り》を《突然の衰微》で破壊された返しに、《やっかい児》から《欠片の双子》!

 ......しかし、これをキッチリ《化膿》でかわした原田が1本目を制す。

原田 1-0 藤村

 お互いがほとんど悩むことなく、ゲームは超高速で進んだ。濃密なやり取りが続いたにもかかわらず、かかった時間はわずか10分足らず。この2人のやり込み具合が推し量れる。


大波に乗れるか、藤村和晃

ゲーム2

 再び先手は藤村、お互いにマリガンは無し。後手原田の《コジレックの審問》が最初の動き出しとなる。

 ここから《詐欺師の総督》を抜いた原田は2ターン目に、少し考えて《新緑の地下墓地》から《》を持ってくると、《漁る軟泥》をプレイ。さらに次のターンには《ヴェールのリリアナ》が舞い降り、盤面を着々と固めていく。

 藤村は《誘惑蒔き》をキャストし、《ヴェールのリリアナ》の[-2]能力の供物には奪った《漁る軟泥》、を捧げ、そして次のターンには《ヴェールのリリアナ》を退場させる。

 だが、ここまでは織り込み済みの原田。《タルモゴイフ》から《思考囲い》、《コジレックの審問》と手札破壊を2連発。

 そして藤村の手札は...すべて土地!

 これには思わずお互い苦笑いし、藤村は「呪文が増えねー...どうなってんだ!」と愚痴をこぼす。もちろん、だからといって原田は攻勢を緩めない。盤上に《強情なベイロス》を追加する。

 ついに《血清の幻視》を引き込んだ藤村はキャストすると、この試合両者を通じて初めて長考し、両方上へと乗せる。藤村は《強情なベイロス》を《誘惑蒔き》でブロックし、《僻地の灯台》を起動、《稲妻》で《強情なベイロス》を処理する。ここで、藤村の残りライフは5だ。

 藤村は《瞬唱の魔道士》で《血清の幻視》を使いまわし、これは《突然の衰微》で墓地へ葬られるが、《やっかい児》で《タルモゴイフ》を一時停止させ、細いながらも逆転への道筋を作り上げようとしていく。一方、原田は《漁る軟泥》をキャスト、ダメージ源を追加する。

 この2体を処理しないと、コンボ達成どころかライフがなくなってしまう藤村は《広がりゆく海》でドローを進め、《謎めいた命令》で1ターンをしのぐ。《瞬唱の魔道士》があればもう1ターン延命ながらドローを進めることができる。

 だが、このタイミングで原田は藤村の墓地の《謎めいた命令》を《漁る軟泥》で追放するナイスプレイ。実際、藤村は手札に《瞬唱の魔道士》を持っていたため、1ターンと1枚をこのプレイで稼ぎ出したことになる。

 これで苦しくなった藤村は《広がりゆく海》2連発でドローを進めるが、この《謎めいた命令》追放は果てしなく大きかった。ドローを進めども、解決策を見つけられなかった藤村は原田のアタックを待つまでもない、とカードを片付けた。

原田 2-0 藤村
原田真雄Win!

嬉しい2日目進出となった原田真雄

 原田にとっては、初のグランプリ初日突破、ということらしく、ラウンド後は対戦相手を思いやって、控えめながらもとても良い笑顔を見せてくれた。

 一方、敗れた藤村は悔しさを滲ませながらも語ってくれた。

「緑黒は一番当たりたくない相手でした。コンボ達成は高望みすぎるので、枚数を減らして、《仕組まれた爆薬》でまくるプランでした。逆転の目はあったのですが...3枚入っている《仕組まれた爆薬》を引けなかったのは運がなかったですね」

 印象的だったのは、先ほども少し触れたが、両者のプレイングの速さだ。モダンというフォーマットにおいて度々訪れる選択肢、例えば《血清の幻視》の占術や手札破壊で何を落とすか、などは決して簡単なものではないと筆者は思うのだが、この2人の対戦はほとんどスピードを落とすことなく終了した。普段やり込んでいるから、と言ってしまえばそれまでなのかもしれないが、このグランプリに懸ける両者の多大な練習量を垣間見た気がした。

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