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グランプリ・神戸2014

観戦記事

第3回戦:Rahman A. Aryabhima(東京) vs. 小北 雄史(大阪)

By 矢吹 哲也

 ワールド・マジック・カップ。それは70を超える国々の代表が一堂に会し、「世界最強チーム」の座を求めて戦う一大イベント。各国の代表はそれぞれの国からの応援を背に、今年はフランス、ニースの地へ飛ぶことになる。

 我らが日本チームのキャプテンを務めるのは、2012年の第1回大会から3連続での代表入りとなる渡辺雄也だ。今回もプロ・ポイント・ランキング国内1位で選出された彼について、もはや多くを語る必要はないだろう。同時開催の世界選手権2014を含め、その活躍に大いに期待したい。

 そしてつい先週、渡辺と共に戦う3人の戦士のうちひとりが、東京予選を経て決定した。

 渡辺と並び写る彼の名は、アリャビマ・アウリア・ラーマン/Rahman A. Aryabhima。東京在住のインドネシア人プレイヤーが、大和魂をその胸に宿したのだ。フィーチャー・マッチ・エリアに現れたところで代表入りを祝福すると、アリャビマははにかみながら「ありがとうございます」と礼をひとつ返す。

 そんな彼と対するのは小北 雄史だ。グランプリ・名古屋2012でトロフィーを掲げた姿が記憶に新しいだろう。お気づきだろうか――実はこの試合、そのグランプリ・名古屋2012で決勝を争ったふたりによる戦いなのだ。

「お久しぶりです、まさかこんなところで当たるなんて」フィーチャー・マッチ・エリアに入った小北はアリャビマにそう声をかけ、握手を求めた。

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 固く握手を交わす両者の脳裏に、当時の戦いは「フラッシュバック」しただろうか。

 生放送でカメラも向けられた注目の再戦をお届けしよう。

それぞれのデッキ

 アリャビマが今大会に選択したのは「青緑感染」。不安定ながらも圧倒的なスピードを誇るデッキだ。ワールド・マジック・カップ2014東京予選でも「白赤バーン」を選択したように、彼は長い大会での体力的な面を見据えて、1試合にあまり時間がかからないデッキを好んでいる。

「バーンでもよかったんですが、サイド後のライフゲインが厳しくて。感染なら回復されることはありませんから」と、アリャビマはデッキ選択の決め手を語る。

 一方の小北は「欠片の双子」。選択の理由を尋ねると、「やっぱり楽しいから」と笑顔を見せた。「正直に言うとこれしか使い慣れたものがなかった」と続けた小北だが、Magic Onlineでの調整も経てしっかりと仕上げてきた様子だ。


小北 雄史

試合展開

 小北がマリガンを喫し6枚スタート。アリャビマが《荒廃の工作員》で先に仕掛けたものの、小北はそれに《呪文嵌め》を差し向ける。アリャビマは次のターンに《ぎらつかせのエルフ》を繰り出してターンを渡したが、ターンの終わりに小北の手札から《やっかい児》が飛び出し、土地を寝かされる前に《シミックの魔除け》でこれをバウンスすることになった。

 1点の毒ダメージを受けた小北は再び、アリャビマのターンの終わりに《やっかい児》。自分のターンを迎えると《欠片の双子》で勝負に出る。

今大会でも幾度となく見ることになるであろう2枚コンボ

 アリャビマは《呪文貫き》でコンボを阻むと、迎えた自分のターン、《古きクローサの力》で感染クリーチャーのパワーを跳ね上げ、さらに《変異原性の成長》を重ねると小北を一気に毒に冒した。続く《荒廃の工作員》による攻撃を《謎めいた命令》の「クリーチャーをタップする」モードでしのごうとする小北だが、そこへ2枚目の《呪文貫き》が刺さるのだった。

攻防にわたり小北のデッキを「貫く」1枚。

アリャビマ・アウリア・ラーマン

 2ゲーム目は両者ともにダブルマリガンという波乱の幕開け。両プレイヤーとも思わず苦笑を浮かべ、視線を合わせる。

 小北は《血清の幻視》からゲームを始め、手札の調整をはかった。一方のアリャビマは《貴族の教主》でスタート。双子コンボを潰す《倦怠の宝珠》をプレイしたアリャビマだったが、小北の《呪文嵌め》がそれを阻む。

 アリャビマは《ぎらつかせのエルフ》を「賛美」と《ペンデルヘイヴン》で支援し攻撃。しかし小北の手札にはこれに対処するすべがない。毒による死が目前に迫る中、小北は《呪文滑り》を繰り出し時間を稼ごうとするものの、そこへ《シミックの魔除け》のバウンスが差し向けられた。アリャビマの攻撃宣言と強化呪文を見ると、小北は右手を差し出すのだった。

アリャビマ 2-0 小北

 試合を終えた両者は、「ぜひまた明日、ここで」と約束を交わす。

 戦いはまだ始まったばかりだ。

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