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グランプリ神戸11

読み物

Round 10: 藤本 太一(東京) vs. 阿嘉 俊介(沖縄)

By 金 民守 Round 10  グランプリ・神戸第10ラウンド、栄えある全勝対決の席についたのは、最新型の《戦争門》ヴァラクートを操る藤本と、マジック創生期から連綿とメタゲームの一角に座り続ける白単ウィニーを駆り、見事ここまで勝ち上がってきた阿嘉の二人。  グランプリ神戸2011参加者全711人のうち、ただ一人の全勝をかけた戦いが始まった。
Game 1
 先手阿嘉がノーランドでマリガン。新たに手にとった6枚は《風立ての高地》を含む2枚のランドと複数枚の2マナ生物という内容。阿嘉はこれを静かにキープ。  《風立ての高地》に秘匿してターンを返す。  そして迎える藤本のファーストターンだが、ここで藤本がセットランド前に長考に入る。
藤本 太一
藤本 太一
 藤本のデッキが6マナで、ランドを6枚並べてやることは決まっている。人を殺せる《風景の変容》を撃つ。シンプルかつ強烈なこのアクションが藤本の全てだ。  ならばそこから逆算して、どのような状態で5マナ目を迎えるかを限定することができる。  さらにそこから逆算してどのような4マナを、3マナを、2マナを、1マナを迎えるべきか。藤本の思考が連鎖する。可能性が分岐する。  5+4+3+2+1=15  8枚の確定情報と52枚の不確定情報を頼りに15マナを最効率で使う分岐を検証する。そして藤本がだした1マナ目の使い道は《海辺の城塞》のタップインであった。  2ターン目。阿嘉が《白蘭の騎士》をキャストしてターンを返す。藤本が再度思索に耽る。1ターン目で藤本が考えた約半分の時間で答えが出る。  セットランドから《探検》で《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》を追加で置いてマナを伸ばす。  3ターン目。阿嘉は《白蘭の騎士》でアタックしてから2枚目の《白蘭の騎士》を展開。ライブラリーから《平地》を置いてさらに《風立ての高地》をセット。ターンを返す。  藤本の3ターン目。セットランド。少し何かを確認する素振りをした後、《不屈の自然》でマナを伸ばす。藤本の前に5マナが並ぶ。  4ターン目。阿嘉のアタックで藤本のライフは14。《ミラディンの十字軍》を盤面に追加。  藤本の4ターン目。藤本は6枚目のランドをセットする。  《虹色の前兆》、  《風景の変容》。  ギャラリーは確信する。この男の強さは本物であると。 阿嘉 俊介 0-1 藤本 太一
Game 2
阿嘉 俊介
阿嘉 俊介
 阿嘉はこのマッチアップで仕事をしない《精霊への挑戦》を4枚抜き、《イーオスのレインジャー》《静寂の守り手、リンヴァーラ》《肉体と精神の剣》をサイドイン。  正直な感想をいうと、辛い。見ているだけで阿嘉の苦悩が伝わってくるサイドボーディングだ。キルターン4から5のコンボデッキ相手に4マナの速攻を持たない生物をサイドインせざる得ないという事実。しかし阿嘉は諦めない。最善の60枚を追求して最後まで悩みぬく。サイド後藤本が投入してくるであろう《悪斬の天使》や《太陽のタイタン》への解答の《流刑への道》を減らすべきかどうか最後まで悩みぬく。そして決断する。Game 2が始まった。  Game 2の阿嘉は1ターン目からクロックを並べることに成功した。  《運命の大立者》を連打して藤本のライフを攻める。  藤本は2ターン目3ターン目とマナ加速を重ねる。  ゲームが大きく動いたのは、やはり4ターン目だった。阿嘉が《幽体の行列》を場に投下して藤本の残りターンが2になる。  そして藤本のターン。《虹色の前兆》キャストから《戦争門》で6枚目の土地としてセカンド《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》が場に登場し、通常のセットランドと合わせて計4回の噴火が解決されると、藤本の残りターンは10に変わっていた。  阿嘉は諦めない。再度《幽体の行列》によって場のクロックを4に引き上げる。  しかし藤本は《審判の日》により場を一掃し、次のターンには《精神を刻む者、ジェイス》という悪夢のようなアドバンテージマシーンを場に投下する。  三たび展開される阿嘉の《幽体の行列》だが、藤本はそれを無視してフェッチと《不屈の自然》による6度の噴火を阿嘉に浴びせかける。  阿嘉と藤本がお互いに全力を尽くした者同士の独特の清々しさで「まぁ相性的に9:1。いや、99%無理くらいだと思ってますから」と感想戦を始めたのは、その数秒後だった。 阿嘉 俊介 0-2 藤本太一
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