EVENT COVERAGE

グランプリ神戸11

読み物

Round 7: 橋詰 祐也(埼玉) vs. 藤本 太一(東京)

By 金 民守 Round 7
Game 1
 7回戦の全勝対決は赤単に黒をタッチした橋詰と、《戦争門》型のオーメンヴァラクートを操る藤本の二人。  ブロッカーも生物除去もない藤本がいかに赤単に間に合わせてコンボを決めるか。スタンダードでは久しく見なくなった即死コンボVSスライの純粋なスピード対決がそこにはあった。
藤本 太一
藤本 太一
 ダイスは藤本に味方した。値千金のプレイファーストで土地2枚に《定業》《不屈の自然》とで序盤からフル稼働できるハンドを当然のごとくキープ。  対する橋詰も後手ながら《ゴブリンの先達》によって1ターン目からクロックを刻めるハンドをキープ。  藤本の1ターン目。フェッチを起動してライフ19から《定業》で早速《虹色の前兆》を手に入れる。  橋詰にターンが渡り、《ゴブリンの先達》のアタックによって藤本のライフは17に。公開されたカードは土地。  2ターン目。藤本は《マナ漏出》を構えるか《不屈の自然》でマナを伸ばすかの二択でもちろん後者を選択。すでにクロック用意されている以上、現状維持は得策ではないという判断だ。止まっていても現状は悪化するばかり。今の藤本には速度が、人を殺せる速度が必要だ。  ターンが返って橋詰の2ターン目。  1ターン目と同じく《ゴブリンの先達》が藤本にカード1枚をさし出してライフ2点を奪う。さらに盤上に《板金鎧の土百足》が追加されてターンエンド。藤本のライフは残り15。  3ターン目。フェッチランドによる多重上陸を考慮すると、藤本に残されたターンは期待値3ターンを切るであろう。これを仮に2.5ターンだと設定しよう。2.5という平均値が今回どう顕在化するか。残り3ターンなら勝利の天秤は大きく藤本に傾く。これが残り2ターンなら、藤本は次のターンに勝利しなくてはいけない計算になる。  ・・・が、そんな外野の緊張などよそに藤本は一握りの逡巡もなく高速でカードを捌く。  無限の選択肢を高速で取捨選択する藤本の目は「正解は一つだ。迷う要素はない」とでも言うかのようだ。このターン藤本の選択は《戦争門》X=0。3ターン目にして場に5枚目の土地が並ぶ。  ターンは返って橋詰の3ターン目。  カウンターを構えて欲しかった。でなければ《精神を刻む者、ジェイス》でもよかった。コンボパーツを求めてターンを使って欲しかった。しかし目の前の不機嫌そうな対戦相手はノータイムでマナを伸ばしてきた。場に《虹色の前兆》は出ていないが、対戦相手の動きが明らかに殺気を帯びている。不吉な予感で表情を曇らせる橋詰はセットランドから2体によるアタックで5点のダメージを積み重ね、2体目の《板金鎧の土百足》を追加してターンを終える。藤本のライフは10。  4ターン目。セットランド。6マナ。  キャスト《虹色の前兆》、  キャスト《風景の変容》。  橋詰のライフは-52。 橋詰 0-1 藤本
Game 2
橋詰 祐也
橋詰 祐也
 橋詰はなんと10枚の大量サイドボーディングを敢行。  内訳は《トンネルのイグナス》×4、《思考囲い》×4、追加の《呪詛術士》×2。はっきりと事前に藤本のデッキタイプを睨んだサイド構成だ。《ゴブリンの先達》を抜いて妨害手段を投入しているところを見ると、絶対速度ではなく相対速度で勝負する選択にスイッチしたように見える。  対する藤本のサイドは《絡み線の壁》×3、《審判の日》×3、《悪斬の天使》×1。追加の勝ち手段として《太陽のタイタン》を採用するかどうかで最後まで悩んでいたが、最終的にフィニッシャー枠は《風景の変容》を優先したようだ。  注目のファーストハンド。橋詰はフェッチ2枚を含む4枚のランドに《トンネルのイグナス》《地獄火花の精霊》《板金鎧の土百足》《思考囲い》という構成。黒マナがないのでファーストターンのアクションはないが、デッキ構成を考えるとまずまずのハンドをキープ。  《板金鎧の土百足》の返しで《絡み線の壁》が展開される静かな立ち上がり。続いて《トンネルのイグナス》が追加され、次のターンにはセットフェッチから《地獄火花の精霊》のヘイストアタックにより《絡み線の壁》が《板金鎧の土百足》をチャンプブロック。その間、藤本は止まった土地を《戦争門》で無理やり伸ばして中盤に向けて準備を急ぐ。2回のアタックとフェッチ起動により藤本のライフは7。  藤本に4マナが揃うと、橋詰が展開した圧倒的なクロックに《審判の日》が訪れた。藤本はハンドにある天使と青いプレインズウォーカーを眺めて少考した後、ターンを返す。  墓地から《地獄火花の精霊》がフラッシュバックし藤本を襲う。藤本のライフは4。顔をしかめる藤本に《思考囲い》が襲いかかる。  公開されたハンドは《審判の日》×2、《精神を刻む者、ジェイス》《悪斬の天使》《戦争門》《風景の変容》。  ウルトラ高カロリーなこのハンドから橋詰は《悪斬の天使》を落としてターンを返す。  クロックのなくなった戦場に着地する《精神を刻む者、ジェイス》。そして藤本がノータイムで橋詰のライブラリーを検閲すると、そこにはなんと《炎の投げ槍》が!! ライフ4の藤本にとってもちろんこれは不許可。思わず胸をなでおろしてターンを返す。このプレイが全てだった。  手持ちのリソースをオールインして削った16点だった。  ここから残り4点を削るためのリソースを橋詰は辛抱強く待った。  しかしその間、藤本の側には新世代の青い悪魔が付き添っていて、橋詰の4倍のスピードでライブラリーを掘り進んだ。  この悪魔が藤本に《風景の変容》を運ぶための数ターンに比べると、橋詰が残りの4点分の弾丸を補充するために費やす時間は、まるで永遠かのように思えた。 橋詰祐也 0-2 藤本太一
  • この記事をシェアする