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グランプリ・クアラルンプール2016

観戦記事

第4回戦:Coo, Rei Anthony(フィリピン) vs. 八十岡 翔太(東京)

By Masashi Koyama

 プロツアー『カラデシュ』を制した八十岡翔太がグランプリ・クアラルンプール2016に登場!

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 見事シーズン最初のプロツアーを制し、来シーズンのプラチナ・レベルと世界選手権参加権を射止めた彼がこのグランプリでどのようなデッキを使用するのだろうか。普通であれば優勝デッキを持ち込むところであろうが、「《霊気池の驚異》を起動しているかもしれない」(参考:八十岡翔太のプロツアー『カラデシュ』☆優勝☆レポート)とこぼしている八十岡のデッキ選択は、今世界中の注目を集めていると言っても過言ではないだろう。

 そして、その八十岡のデッキが判明する、不戦勝明けの第4回戦。対戦相手はフィリピンからやってきたクー・レイ・アンソニー/Coo, Rei Anthony。

 プロツアーチャンピオンを前に緊張気味ではあるが、嬉しそうに八十岡に握手を求め、注目の試合が開始された。


プロツアー王者・八十岡のデッキは果たして?
ゲーム1

 赤白機体を操るクーが《平地》から《スレイベンの検査官》《経験豊富な操縦者》と序盤から積極的動いていく。

 一方、八十岡。《進化する未開地》から《》、そして《燻る湿地》を置き......第3ターンに《氷の中の存在》!

 八十岡が持ち込んだのは《霊気池の驚異》デッキではなく、やはり謹製のグリクシス・コントロールだった!

 この《氷の中の存在》をブロックからの《蓄霊稲妻》で失った八十岡は《苦い真理》で手札を補充し、《模範操縦士、デパラ》を追加されるも《光輝の炎》で一掃する。さらに《鋭い突端》も《無許可の分解》で討ち取り、的確に盤面を落ち着かせていく。


八十岡はいつもと変わらず冷静なプレイを見せる

 クーは大きな脅威を追加することができず、《模範的な造り手》と《経験豊富な操縦者》しか追加できない。対して八十岡は、2枚目となる《氷の中の存在》、そして《精神背信》でクーの手札から《大天使アヴァシン》を引っこ抜くと、差し向けられた《石の宣告》を《否認》し、さらにクーのクリーチャーへと除去を差し向け、《氷の中の存在》が《目覚めた恐怖》となり、一転攻守が入れ替わる。

 この《目覚めた恐怖》へ差し向けられたクーの2枚目となる《石の宣告》は《奔流の機械巨人》からの《否認》で打ち消され、最後の抵抗である《密輸人の回転翼機》を覚醒での《風への散乱》で勝負あり。

八十岡はプロツアーから新たに《風への散乱》を採用

 まずは八十岡がプロツアー後初のゲームを先取。

クー 0-1 八十岡

ゲーム2

 先手、クーの《模範的な造り手》《ピア・ナラー》、2ターン連続での《高速警備車》に八十岡が《流電砲撃》×2、《蓄霊稲妻》×2とひたすら除去を重ねていく展開。

 クーがさらに《模範的な造り手》《ピア・ナラー》と重ねたところで、八十岡が《光輝の炎》でこれらを一掃し、盤面上ははクーの攻撃をすべて捌いてみせる。

 だが、八十岡はここで5枚目の土地を引き込めず、アンタップ状態の土地を1枚しか用意することができない状況になり、クーの脅威に対して無防備になってしまう。そしてカウンターを心配することのないクーは、満を持して最後の手札である《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》をプレイ!

 これに対し、八十岡は《秘密の解明者、ジェイス》で回答を掘り進めるが、クーはさらに《模範操縦士、デパラ》《密輸人の回転翼機》《無私の霊魂》と続々後続を追加し、八十岡に対し一気に勝負を決めにかかる。

=

 だが、プロツアー王者は伊達ではない。

 《稲妻織り》を召喚すると、クーのアタックに対し、《奔流の機械巨人》から《蓄霊稲妻》を《無私の霊魂》へ差し向け除去へのガードを下げると、さらに《光輝の炎》でまたもクーのクリーチャーを一掃、ここから《奔流の機械巨人》と《さまよう噴気孔》でダメージを詰め始める。クーのライフが一気に削り取られ、ライフはクーと八十岡がともに6で並ぶことになる。


追い詰められたクーは反撃を見せる

 ここで八十岡は《稲妻織り》を残し、《さまよう噴気孔》と《奔流の機械巨人》でアタック。だが、クーがここで引き込んでいたのは、この盤面への最高の解答である《大天使アヴァシン》!

 これで《さまよう噴気孔》が討ち取られてしまい、クーのライフを1点を残したまま、八十岡はターンを返す他ない。

 返すターンに《スレイベンの検査官》を引き込まれ、《密輸人の回転翼機》まで起動されると、八十岡は盤面を片付けたのだった。

クー 1-1 八十岡

ゲーム3

 クーが《模範的な造り手》《無私の霊魂》とダメージクロックを順調に用意するスタート。

 八十岡は《無私の霊魂》に《流電砲撃》を合わせるが、土地が3枚でストップしてしまう致命的な状況に。

 手札に《否認》を抱える八十岡は《光輝の炎》を我慢し、《流電砲撃》で飛行機械・トークンを処理しようとするが、ここに合わせられたのは先程ゲームを決めた《大天使アヴァシン》!

 このクリーチャーたち自体は返しに《光輝の炎》と《流電砲撃》で除去するのだが、土地が止まっている八十岡は手札に《否認》を抱えているにも関わらず、フルタップにならざるを得ない。

 そして、この隙にクーが唱えたのはまさに恐れていた《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》!

 この重い一撃には、八十岡といえど土地を満足に伸ばせていない状況で対処するのは難しい。

 《氷の中の存在》と《稲妻織り》と並べ、クーの攻勢を耐えようとするのだが、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》へ対処ができない。

 《氷の中の存在》がいいタイミングで変身すれば......というところではあるのだが、2枚の《鋭い突端》をも引き込んだクーの圧力の前に、八十岡は握手を求め潔く手を伸ばしたのだった。

クー 2-1 八十岡

クー・レイ・アンソニー Win!
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