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グランプリ・香港2017

観戦記事

第9回戦:松本 昌隆(和歌山) vs. Lee, Shi Tian(香港)

By Masashi Koyama

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 香港の雄、リー・シー・ティエン/Lee, Shi Tian

 プラチナ・プロとして世界中を転戦する彼にとって、地元香港でのグランプリ開催は実に2年ぶりとなり、この大会にかける思いもひとしおだろう。

 リーは強力なシールドプールを引き当て、強力な赤緑恐竜デッキを構築した。さらに対戦相手によっては白黒や青白にサイドボーディングができるという、まさに「鬼に金棒」状態だ。

 一方、ここまで日本勢唯一の全勝として香港の傑物に挑むのは、和歌山から来た松本 昌隆だ。

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 松本は20年以上マジックを続けているプレイヤーであり、プロツアー『神々の軍勢』では日本人最上位も記録している。

 現在はなんと四児のパパということで、家庭と両立しながらも年に何度かはグランプリに参戦しているという。

 そんな松本は綺麗な白赤デッキを組み上げており、地元から2400km以上離れた地で家族に勝利を届けるべく、プラチナ・プロとの戦いへ臨む。

 ガッチリと握手を交わし、グランプリ・香港2017初日最終戦が始まった。

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ゲーム1

 後手のリーが《恐竜との融和》から《貪欲な短剣歯》を手札に加え、《マーフォークの枝渡り》という立ち上がり。

 松本は《猛竜の相棒》から《縄張り持ちの槌頭》を展開したところで、リーは《貪欲な短剣歯》ではなく《火炎砲発射》でこれを除去することを選択する。

 松本は《猛竜の群れ》で盤面を押し戻し、リーが《翡翠の守護者》を召喚した返しにこれで攻撃。ブロックした《マーフォークの枝渡り》を《鉤爪の切りつけ》で除去し、さらに《軍団の上陸》で吸血鬼・トークンを追加と攻め手を切らさない。

 が、リーはここで《怒り狂う長剣歯》!

 この猛った恐竜が《猛竜の相棒》と吸血鬼・トークンを踏み潰す!

 《怒り狂う長剣歯》自体は攻撃した際にコンバットトリックを絡めた松本のブロックで失うが、《貪欲な短剣歯》《葉を食む鞭尾》《激情の猛竜》《深海艦隊の扇動者》と並べ、今度はリーが松本を攻め立てていく。

 松本は《駆り立てる僧侶》でダメージレースを盛り返そうとするが、リーの恐竜たちに比べ、現状はサイズも数も劣っている状況だ。

 リーの攻撃に対しブロックで相打ちを取っていくが、リーのもとに《葉を食む鞭尾》と《深海艦隊の扇動者》が残り、松本の盤面は《軍団の上陸》を除きまっさらに。

 松本は自らのドロー・ステップにカードを引いてみるものの、リーの軍団に踏み潰されてしまったのだった。

松本 0-1 リー


1本目を取ったリーはシャッフルの最中にカメラに笑顔を向ける余裕がある
ゲーム2

 ともにマリガンから、松本が《繁雑な火炎砲》というタフネス2以下を牽制する大砲を設置する立ち上がり。

 リーは《恐竜との融和》で《激情の猛竜》を手に入れそのまま召喚。松本はすぐさまこれを《繁雑な火炎砲》で除去するが、リーは《皇帝の先兵》を追加。松本はこれを《崇高な阻止》で押しとどめる。

 が、さらななるリーの脅威は《ヴァンスの爆破砲》。このエンチャントを前にしては、長期戦は得策ではない。松本は《薄暮の賛美者》を2体召喚し、多量のカードアドバンテージがリーに供給される前に勝負をつけるべく、攻勢に回る。

 が、そんな松本の吸血鬼たちをあざ笑うかのような《魔学コンパス》。


なんとか2本目をもぎ取りたい松本だが、厳しい戦いとなる

 これが《オラーズカの尖塔》へと姿を変え、さらに《太陽冠のハンター》が大ダメージの予感を掻き立て、松本からリーを守る盾となる。

 リーはさらに《葉を食む鞭尾》と《翡翠の守護者》で盤面を固めつつ、《太陽冠のハンター》で攻撃へ向かう。

 《オラーズカの尖塔》によりコンバットトリックが事実上無効化されている松本は《薄暮の賛美者》で攻撃を続けるが、後続はなく4点のクロックに留まるのに対し、リーは《翡翠の守護者》と《太陽冠のハンター》で一挙8点! ここでダメージレースが、リーの8に対し松本が6と逆転し、松本は《猛竜の幼生》を盤面に加えながら守勢に回らざるを得なくなってしまう。

 《ヴァンスの爆破砲》でアドバンテージを得続けているリーは続々と援軍を追加。守りを固める松本に対し《太陽冠のハンター》と《翡翠の守護者》で攻撃。

 松本は《猛竜の幼生》で《太陽冠のハンター》をブロックし、「激昂」により残りライフは3。

 そして、リーが唱えたのは......

 これが《太陽冠のハンター》と「格闘」し、ピッタリ松本のライフは削りきられてしまったのだった。

松本 0-2 リー

リー・シー・ティエン 初日全勝!
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