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グランプリ・千葉2016

戦略記事

デッキテク:冨澤晋の「厳かなモノリス・エルドラージ」

by Masashi Koyama

 『ゲートウォッチの誓い』以来猛威を振るうエルドラージ・デッキ。このグランプリでも多数のプレイヤーが選択し、2日目へも多く進出者を輩出している。

 そんなエルドラージの魅力は何と言ってもその「ブン回り」にある。《エルドラージの寺院》《ウギンの目》レガシーに存在するいわゆる「2マナ土地」の《古えの墳墓》《裏切り者の都》と合わさって、ゲーム序盤から次々と巨大な脅威を繰り出していく様は圧巻だ。

 そんな「ブン回り」をさらに追求し、「あるカード」を投入することで推し進めようとしたプレイヤーが冨澤晋だ。

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 普段からレガシーをたしなんでいる彼は、このグランプリに向けてエルドラージを調整してきたといい、話を伺うと1枚のカードを提示してくれた。

「もともとエルドラージを調整していて、《高速警備車》なんかを試していて、でもしっくりこなくて。同型対決がどうしても先手有利なゲームになってしまうので、いいカードを探していたんですよ。友人に薦められて試してみたところすごく感触が良くて」

 1ターン目に「2マナ土地」から《厳かなモノリス》を置いて、2ターン目に《ウギンの目》を出せば、そのまま《忘却蒔き》や《難題の予見者》と《現実を砕くもの》を同時展開できる「ブン回り」があるといい、明らかに速度を増したエルドラージ・デッキのように見える。

冨澤 晋 - 「厳かなモノリス・エルドラージ」
グランプリ・千葉2016 / レガシー (2016年11月26~27日)[MO]
4 《古えの墳墓
4 《裏切り者の都
4 《エルドラージの寺院
4 《ウギンの目
4 《魂の洞窟
3 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
2 《不毛の大地

-土地(25)-

4 《エルドラージのミミック
3 《作り変えるもの
4 《難題の予見者
4 《現実を砕くもの
4 《忘却蒔き
1 《終末を招くもの
4 《果てしなきもの
1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ

-クリーチャー(25)-
4 《虚空の杯
4 《厳かなモノリス
2 《歪める嘆き

-呪文(10)-
2 《ワームとぐろエンジン
1 《終末を招くもの
1 《自然もどき
3 《アメジストのとげ
2 《漸増爆弾
2 《四肢切断
4 《虚空の力線

-サイドボード(15)-

 また、最速で4ターン目には《絶え間ない飢餓、ウラモグ》に到達できるケースもあり、そうなってしまえばレガシー環境と言えど、対処できるデッキは多くない。

「一般論として、《厳かなモノリス》はカウンターされにくいです。エルドラージは《虚空の杯》があるデッキなので、どうしてもそちらに目が向いちゃいますからね。そうすると2ターン目に《現実を砕くもの》が走ります」

 《厳かなモノリス》に《意志の力》を使ってもらえるのであれば、それはそれで構わないとのことで、その後の展開の部分で勝負ができるという。

 また、ミラーマッチやデス&タックスで鍵となる《忘却蒔き》を早期にプレイできることが非常に大きいメリットとのことだ。

「ミラーマッチは言わずもがなですが、デス&タックス相手に《不毛の大地》や《リシャーダの港》がめくれれば大きく勝利に近づきますね。単純にマナジャンプでもありますし、そのまま土地を割って蓋をしてもいいし」

 ただ、このカードを採用することによるデメリットも同時にあるようで......

「まず、《突然の衰微》なんかで割られちゃうことですね。あとは《厳かなモノリス》を採用したことで《四肢切断》などのスペルはどうしても削らざるを得ませんでした」

 仕方がないとはいえ、有用な呪文の枠が減少してしまうのは明確なデメリットのようにも思われる。ただ、エルドラージ・デッキが元々苦手とする高速コンボ系のデッキに対し、どうしても速度アップが必須だったということで、そこはしっかり割り切っての《厳かなモノリス》採用だという。

 通常のエルドラージに慣れてしまっているプレイヤーのセオリーを崩して勝利することも多く、現状はメリットがデメリットを上回っているようだ。

 サイドボードに目を向けてみると、《ワームとぐろエンジン》が採られているが、これはバーンなどのライフを削るデッキへの対策だ。《厳かなモノリス》があれば2ターン目に着地が可能で、そうなってしまえば先手後手関わらず勝利は揺るぎないものになるだろう。

 冨澤は1日目を8勝1敗の好成績で終えており、2日目も彼が「豪腕」を発揮することができれば、上位進出が期待できそうだ。

 「ブン回り」が大好きなプレイヤーは一度エルドラージ・デッキに《厳かなモノリス》採用を検討してみてはいかがだろう。

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