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グランプリ・千葉2016

観戦記事

第14回戦:宮島 拓人(新潟) vs. 市川 ユウキ(神奈川)

By Sugiki, Takafumi

 2,500人以上の参加者を集め開催されているグランプリ・千葉2016もスイスラウンドは残り2回戦。シングルエリミネーションへのボーダーである2敗ラインまでに残る精鋭はすでにわずか40人に絞られた。

 マジックを真剣に始めてからわずか半年の新鋭がその一角に残っているとは、にわかに信じがたいかもしれない。しかし、着実にその歩みを一歩一歩進め、ボーダーラインに残っている新鋭が宮島 拓人(新潟)。そして、宮島はこのグランプリで最も大きな壁に立ち向かうこととなる。

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 その相手は、市川 ユウキ(神奈川)。プロツアー『マジック2015』プロツアー『ニクスへの旅』の2つのプロツアーでトップ8の経験があり、今年も、グランプリ・京都2016でチーム戦優勝、グランプリ・クアラルンプール2016ではベスト4と素晴らしい戦績を残している。

 市川は、宮島が競技マジックを始めてわずか半年のプレイヤーにも関わらず、テーブルを挟んで対峙していることに、直に感嘆の声を上げつつも、簡単にはここから先へは向かわせないという闘志を瞳から感じさせる。宮島の高く険しい壁への挑戦が今はじまる。

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ゲーム1

 4色デルバーを操る市川が《思考掃き》で手札を回転させつつ、宮島の《秘密を掘り下げる者》を《稲妻》で処理にかかった1ターン目の攻防がいきなりのクライマックス。これを宮島が《意志の力》すれば、市川も宮島の《意志の力》を《意志の力》で打ち消し、《秘密を掘り下げる者》を巡る激しい攻防は市川が制することとなる。さらに市川は《不毛の大地》で宮島の《Volcanic Island》を破壊する。

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 宮島は土地が《Volcanic Island》のみの手札をキープしていたため、パーマネントを置けないままターンを終了、対する市川も追加の土地を置けないまま、ジリジリとした展開が続く。市川は《思考掃き》でドローを掘り進めることはできるのではあるが、あえて使わず、宮島の展開を裁くためにどっしりと構えている。

 先に展開をしたのは宮島。《沸騰する小湖》を残して、《Volcanic Island》から《秘密を掘り下げる者》をプレイする。対する市川は《Volcanic Island》から{U}を出して、《目くらまし》。ここで宮島が《沸騰する小湖》を切って、《目くらまし》のための土地を用意しようとすると、市川の手札にある《もみ消し》にはまってしまうのであるが、それを察知し、宮島はそのまま打ち消されることを選択する。宮島が優先権をパスすると、市川は余らせた{U}を使って《思考掃き》。市川のマナが無くなったことで、宮島は《沸騰する小湖》を安全に《》に変えることができ、《僧院の速槍》をプレイ。市川に1点のダメージを与える。

 市川は1枚目の《僧院の速槍》には《稲妻》で対処するも、宮島が繰り出した2枚目の《僧院の速槍》には対処ができない。代わりに市川も《秘密を掘り下げる者》と《死儀礼のシャーマン》をプレイし、ダメージレースを仕掛ける。宮島は《稲妻》で《死儀礼のシャーマン》に対処するも、《秘密を掘り下げる者》を討ち取ることはできず、《秘密を掘り下げる者》がしっかり《昆虫の逸脱者》に変身。《僧院の速槍》と《昆虫の逸脱者》がノーガードの殴り合いを繰り広げる。

 市川が追加のダメージソースとしてプレイした《死儀礼のシャーマン》は宮島の《意志の力》に阻まれる。ここで宮島に好プレイ。《発展の代価》をおとりに使って市川に《呪文貫き》を使わせ、《稲妻》で《昆虫の逸脱者》を除去することに成功。

 宮島だけにダメージソースが残る。市川は引けども引けども、《僧院の速槍》を除去できるカードを引かない。そのまま宮島の《僧院の速槍》が市川のライフを削りきった。

宮島 1-0 市川

 市川は、先手では弱い《意志の力》を抜き、《ヴェールのリリアナ》、《紅蓮破》、《赤霊破》などをサイドインする。

ゲーム2

 市川は、《もみ消し》、《秘密を掘り下げる者》、《死儀礼のシャーマン》と土地が4枚という手札をキープする。

 市川が《死儀礼のシャーマン》、《秘密を掘り下げる者》と軽快に展開するのに対して、後攻である宮島は、《稲妻の連鎖》で《死儀礼のシャーマン》に対処して、《秘密を掘り下げる者》に対しては、《渋面の溶岩使い》をプレイし、これを巡るカウンター合戦にも勝利。1ターンは攻撃を甘んじて受けるものの、《昆虫の逸脱者》を処理することに成功する。

 対する市川も、このまま《渋面の溶岩使い》が戦場に残り続けると、《グルマグのアンコウ》以外のクリーチャーがプレイできないため、《突然の衰微》で《渋面の溶岩使い》に対処。場をイーブンに戻す。

 市川は、宮島のフェッチランドを《もみ消し》して宮島の展開を抑えたうえで《ヴェールのリリアナ》をプレイ。すでに市川は手札が無く、一方的に宮島に手札を捨てさせることで、アドバンテージを稼ぎにいく。宮島はやむなく2ターンに渡って火力を《ヴェールのリリアナ》に打ち込んで除去するも、失ったアドバンテージは大きい。宮島が《僧院の速槍》を連打し、ライフを削りにいくも、市川はしっかりと《突然の衰微》や《稲妻》を引いており対処。

 市川が《渦まく知識》から《グルマグのアンコウ》を探し出してプレイしたところで、投了を選択した。

宮島 1-1 市川

 市川はサイドボーディングで、後手では弱い《目くらまし》を抜いて、代わりに《意志の力》を戻す。

ゲーム3

 宮島の果敢なる挑戦を助けるかのごとく《僧院の速槍》、《嵐追いの魔道士》が手札に駆けつける。市川が《意志の力》でそれを阻もうとするも、宮島はひょいっと土地を戻して《目くらまし》。

 果敢のために宮島が《ギタクシア派の調査》で覗いた市川の手札には、《稲妻》、《突然の衰微》と除去が控えているが、肝心の土地が《Underground Sea》2枚。さらに《渦まく知識》でライブラリーを掘り進めるも、肝心の土地が見当たらない。

 市川は{R}や{G}のために《死儀礼のシャーマン》をプレイする。対して、ターンが帰ってきた宮島は、《死儀礼のシャーマン》は当然活かしてはおけないと《真髄の針》をプレイ。市川はやはり当然《真髄の針》を《意志の力》で打ち消す。

 宮島は追加で《渦まく知識》を唱え、手札を整えた後、果敢で強化された《僧院の速槍》と《嵐追いの魔道士》で攻撃。これで市川のライフは残り6だ。

 市川は「難しいな」とぼやきながら、自身のターンに《嵐追いの魔道士》に対して《稲妻》。そして宮島は《Underground Sea》が2枚並ぶ市川に対して《発展の代価》をプレイして、市川のライフは残り2。

 宮島が《僧院の速槍》を攻撃に繰り出すと、市川ははっきりとした声で「負けました。」と投了を宣言した。

 市川のその声は、ここまで立派な成績を残し、そして立ちはだかった自らすら乗り越えて進んでいく新鋭・宮島の勝利を祝福し、力強く後押しする気持ちを感じさせる。宮島はそれを受けて「次も頑張ります。」と応え、次の第15回戦で長かった宮島の千葉での道のりも一里塚を迎える。

宮島 2-1 市川

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