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グランプリ・千葉2016

観戦記事

第9回戦:田中 久也(東京) vs. 松田 雅志(千葉)

By 矢吹 哲也

 初日最終戦、フィーチャー・マッチに呼ばれたふたりがこの舞台に上がる様子は対照的だった。

 松田 雅志はマジックを始めたのが1年ほど前で、グランプリ参加は3度目という非常にフレッシュなプレイヤーだ。やはり、というべきか、緊張した様子がこちらにまで伝わってくる。ジャッジがフィーチャー卓についての説明をし、最後に「どうぞ皆さん、緊張せずいつも通り楽しくプレイしてください」と付け加えたのだが、むしろ恐縮してしまったようだ。

 一方の田中 久也は、「呼ばれるなら全勝でビデオ卓を迎えたかったなあ」とニヤリ。マジックと20年以上付き合い、それこそレガシーで使われるカードが「遺産」ではなく現役だった頃をよく知る古豪が、堂々のフィーチャー・マッチ・エリア凱旋だ。

 両者ともにここまで1敗の成績で、ここで勝って良い形で折り返しを迎えたい。新鋭と歴戦の雄。辿ってきた道は違えど、ここで目指す先は同じだ。


田中(写真左) vs 松田(同右)

ゲーム展開

 先手の松田が《》を見せ、続けて2枚目の《》を並べて《アトランティスの王》。これで松田のデッキが「マーフォーク」であることが確定すると、「デス&タックス」を操る田中はすぐさまそのターンの終了時に《剣を鍬に》を差し向ける。松田はそれを《目くらまし》でかわし、ターンを迎えた田中が繰り出した《石鍛冶の神秘家》も《意志の力》で打ち消した。

 松田の次なる手はX=1の《虚空の杯》。対する田中は「コー」を指定した《魂の洞窟》で再び《石鍛冶の神秘家》を唱える。《殴打頭蓋》を手札に加えた田中を前に攻勢が止まった松田は、苦しい顔を見せ、ターンを渡す。

 田中はその隙に《スレイベンの守護者、サリア》を戦線に追加すると、続けて《火と氷の剣》を繰り出し、《スレイベンの守護者、サリア》へ装備。強烈な装備品を前に打つ手のない松田は、「次行きましょう」と投了を宣言した。

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「これで9回戦で8種類のデッキと当たった」と今大会の環境の多様さに驚きの声を上げる田中。熟練者ならではの余裕を感じる。

 第2ゲーム、《銀エラの達人》からマーフォーク軍団を繰り出す準備を始めた松田だが、悠長な展開は許されない。田中は2ターン目に再び《魂の洞窟》から《石鍛冶の神秘家》を戦場へ送ると、《梅澤の十手》を手札へ加えた。しかし松田は《四肢切断》で《石鍛冶の神秘家》を除去すると、田中が戦線を固めるべく《スレイベンの守護者、サリア》を繰り出したのに対して《アトランティスの王》を加え、田中の守備を突破する。

 《剣を鍬に》で《アトランティスの王》を除去したのもつかの間、松田は《真珠三叉矛の達人》を戦線に加え、攻撃の手を緩めない。総攻撃を前にした田中にこれを捌き切る展望は見えず、カードを片付けた。

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「大学の卒業記念に《意志の力》を4枚揃えてレガシーに参入した」と言う松田。モダンでも使用していた「マーフォーク」をバージョンアップした、ただひとつの武器を握りしめ、大型イベントでの成功を目指して駆ける。

 そして迎えた最終ゲーム。田中が発した「先攻もらいます」の宣言も重みを増したようだ。しかし勝負は一瞬のことだった。

 1ターン目は互いに《霊気の薬瓶》を設置。土地が1ターン止まった田中だったが、何とか《平地》を引き込み事なきを得る。

 しかし松田が繰り出した《真の名の宿敵》が《幻影の像》で2体に増えると、《アトランティスの王》2枚の力も加わり一挙10点ものクロックが田中を襲った。あまりに早い展開に1ターンの猶予も許されなくなった田中は、盤面を見渡し肩を落としたのだった。

田中 1-2 松田

松田、初日1敗を守り好ポジションで2日目へ!
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