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グランプリ・千葉2016

観戦記事

第8回戦: 三原 槙仁(千葉) vs. Lee, Shi Tien(香港)

By 宮川 貴浩

 レガシーという過酷なフォーマットに、歴戦の強者たちも次々と倒れていく。そんな中、初日も残すところあと2戦となったところで、強豪中の強豪たちによる果たし合いがついに実現した。

 日本のグランプリでもおなじみのプラチナ・プロであるリー・シー・ティエン/Lee, Shi Tienは、アグレッシブなデルバーデッキをこの戦いのパートナーに選んだ。対する殿堂顕彰者・三原の得物は、環境随一のコントロール力を誇る奇跡デッキだ。

 対照的な二つのデッキ。使い手はともに超一流。すべてが見どころと言っても過言ではないこのマッチを制するのはリーの矛か、それとも三原の盾か。

ゲーム1

 1マリガンのリーは、《汚染された三角州》から《Underground Sea》、そして《死儀礼のシャーマン》と、マリガンを感じさせないスタートで1ターン目からプレッシャーをかけていく。

 この《死儀礼のシャーマン》に対して三原は即座に《剣を鍬に》を撃ち込むが、リーは《目くらまし》で応戦。序盤からレガシーならではの軽量呪文による激しい攻防が行われた。

 リーはさらに《秘密を掘り下げる者》を追加。三原はデッキのキーカードの一つである《相殺》を着地させ、再度唱えた《剣を鍬に》で今度こそ《死儀礼のシャーマン》を除去することに成功するが、リーの《秘密を掘り下げる者》がすぐに変身し、息をつく暇がない。

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奇跡が起こる前に試合を決めればいい。そう言わんばかりの怒涛の攻めを見せるリー。

 三原はリーの猛攻を捌ききるべく《瞬唱の魔道士》で《剣を鍬に》を使いまわし、《秘密を掘り下げる者》も除去。だが、リーが送り出していた二体目の《秘密を掘り下げる者》が陰謀団式療法/Cabal Therapy(EMA)》をめくりながらすみやかに変身すると、三原も思わず苦笑いを見せた。

 そして、ここでリーが唱えたのはダメ押しの《真の名の宿敵》。

嘘のような能力。プロテクション「あなた」

 手札に打ち消しのない三原は、これを通さざるを得ない。残された対処法は一気に盤面を流せる《終末》のみ。《瞬唱の魔道士》で《思案》をフラッシュバックしながら、必死に最後の希望を探しにいく。

 2枚の《稲妻》を手札に温存して三原を焼き尽くすタイミングを窺っていたリーは、三原が戦場を支えようと《僧院の導師》を送り出した隙にこれらを撃ち込み、いよいよ相手のライフを残り1にする。

 しかし、ここでついに三原が《終末》を引き当てた。

 絶対に通せない《死儀礼のシャーマン》も《相殺》の効果で打ち消すことに成功した三原は、残りライフ1点でなんとか踏みとどまる。しかし、リーもきっちり《秘密を掘り下げる者》を引いており、次のターン変身しなくてもぴったり三原のライフを0にできる状態だ。《不毛の大地》で2枚の《Tundra》を割り、白マナも出ないようにしている。

 一縷の望みをかけて《渦まく知識》をキャストした三原。リーは鏡映しのように《渦まく知識》で答える。そして、リーの手から試合を決める《稲妻》が唱えられた。

三原 0-1 リー

ゲーム2

 《師範の占い独楽》で文句なしのスタートを切った三原に対し、リーは《ギタクシア派の調査》で三原の手札を確認。公開されたのは《乾燥台地》、《渦まく知識》、《精神を刻む者、ジェイス》、《摩耗+損耗》、《師範の占い独楽》の5枚だ。

 これを確認したリーは《秘密を掘り下げる者》、《渦まく知識》、《真髄の針》と複数ある1マナのアクションの中から、少し考えたのちに《秘密を掘り下げる者》を唱えることを選択する。

 2枚目の土地がないリーは《渦まく知識》で土地を探しにいくが、ライブラリートップの3枚に土地はない。そうこうしているうちに三原の《師範の占い独楽》がぐるぐると回り始め、《相殺》が置かれてソフトロックが完成してしまうと、リーは3ゲーム目で決着をつけることを決めた。

三原 1-1 リー

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1ターン目から無数の可能性が存在し、一つのミスが負けに直結するこの環境。一つ一つの所作から緊張が伝わってくる。
ゲーム3

 再びのマリガンに見舞われたリー。《真髄の針》、《呪文貫き》、《意志の力》、《冬の宝珠》と、クロックこそないが妨害手段が豊富な手札をキープする。

 《渦まく知識》から待望の《死儀礼のシャーマン》を手に入れたリーは、唯一のクリーチャーで地道に三原のライフを減らしていき、三原の《ヴェンディリオン三人衆》は《目くらまし》で、《僧院の導師》は《意志の力》で、《剣を鍬に》は《呪文貫き》で次々と打ち消していく。

 戦場には《死儀礼のシャーマン》だけが残り、しばらくにらみ合いが続かと思われたとき、そのカードは三原によって唱えられた。

 ここまで頑なに基本土地を並べていた三原が満を持して見せたその一枚は、《基本に帰れ》。これが通り、基本でない土地しかコントロールしていないリーは非常に窮屈な戦いを強いられる。

この状況では、「対戦相手の土地はアンタップしない」と書いてあるに等しい強烈なカード

 《仕組まれた爆薬》で《死儀礼のシャーマン》を破壊されると、《不毛の大地》も《真髄の針》も手札で腐り、いよいよやることがなくなってくるリー。しかし、これで終わらないのがこの男だった。

 しっかりと《グルマグのアンコウ》を引き込み、三原がトップに積んでいた《終末》から《意志の力》でそれを守ると、《精神を刻む者、ジェイス》も最後の手札となった《紅蓮破》で対処する。フルタップながらも押し切れる可能性が見えてきた。

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これぞ奇跡使いという巧みな捌きっぷりを見せる三原。いつでもすべてに対する解答を持っているかのように思えてくる。

 だが、三原は二転三転する戦況にも焦っていなかった。《僧院の導師》と《瞬唱の魔道士》によるフラッシュバックでクロックとブロッカーを用意し、少しずつ押し返してゆく。最後はリーが追加の土地から展開した《秘密を掘り下げる者》に対して《紅蓮破》の存在を見せると、ついにこの激戦に終止符が打たれるることとなった。

三原 2-1 リー

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