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グランプリ・千葉2015

観戦記事

第10回戦:渡辺 雄也(神奈川) vs. 高野 将樹(千葉)

By 平林 和哉

 『モダンマスターズ 2015年版』ドラフト。

 他環境のドラフトと違い、アーキタイプという概念が強く押し出された環境で、言うなればリミテッドというより構築戦に近いセンスが問われるフォーマットである。

 金属術、トークン戦略、はたまた多色。
 どのコンセプトに飛び込むかが肝要であり、カードパワーではなく全体の完成度を競う。まさにドラフトの名にふさわしい環境と言えよう。

 だがそう言ってしまえば、高野のドラフティングは素晴らしいものだった。
 《頭蓋囲い》2枚と《求道者テゼレット》を併せ持つ、卓に一人の白青金属術を完成させているのだから。

 お世辞にもドラフトが上手くいったとは言えなかった渡辺。
 余程の運に恵まれなければ、この苦境を乗り越えることはできないだろう。


渡辺 雄也 vs. 高野 将樹

ゲーム1

 先手高野のマリガンでゲームが始まった。
 高野の《きらめく鷹の偶像》からゲームが開始され、かたや渡辺は遅れてきた《ツカタンのサリッド》を2ターン目に出すのみで土地が止まってしまう。

 一方高野はマリガンを感じさせない動きで、第3ターンには2体目の《きらめく鷹の偶像》、第4ターン《ダークスティールの城塞》を置きながらの《フェアリーの機械論者》で《マイアの処罰者》を手札へ、と全くの絶好調だ。

 そのまま高野が《突風掬い》《マイアの処罰者》と並べる間にも、渡辺の土地は2枚のままだった。

渡辺 0-1 高野


高野 将樹

ゲーム2

 渡辺が後手を選択。通常珍しい行為ではあるが、《名も無き転置》主体の除去デッキということでやむなく、とのことである。

 高野が《マイア鍛冶》からゲームを始めると、《旅人のガラクタ》でスタートした渡辺は《病に倒れたルサルカ》で速やかに除去。
 しかし高野は《きらめく鷹の偶像》《フェアリーの機械論者》と並べ立て、《フェアリーの機械論者》が《フェアリーの機械論者》を呼び出すベストムーブだった。

 またぶん回りか。
 ...と言いたいところだが、「卓一」金属術は伊達ではない。
 完成度ゆえに安定して動ける、まさしく成功デッキの鑑。

 手数で劣る渡辺は、《旅人のガラクタ》によるブーストから《戦慄の徒食者》を場に。
 予定されていた2体目の《フェアリーの機械論者》が《鎌切り》を持ってくると、渡辺は選択を迫られる。

 つまり《吸血鬼ののけ者》による絆魂で航空戦略と戦うか、2体の《血の座の吸血鬼》で急戦を行うか。
 状況は極めて不利であり、劣勢を巻き返す何かが必要なところだ。

 《戦慄の徒食者》の攻撃を通した後、じっくりと考えて出した結論は《吸血鬼ののけ者》を狂喜で。
 やはり航空戦略の被ダメージに正面から応ずるのは不利と考えたのだろう。まずはゲームを少しでの長引かせる選択肢を。

 だが高野の回答は完璧だった。
 《鎌切り》に次いでプレイされたのは致命的な《頭蓋囲い》!
 突然12点のダメージが渡辺に与えられ、残りライフはわずかに2。

 この時点で事実上のゲームは終了していた。
 何故なら渡辺はインスタントの除去を持ち合わせていなかったからだ。持つのは《骨の粉砕》のみ。
 トップデッキした《名も無き転置》があってすら、何もかもが遅すぎた。

 渡辺のライフは《吸血鬼ののけ者》の絆魂により6へ。
 高野には《きらめく鷹の偶像》《フェアリーの機械論者》《鎌切り》《頭蓋囲い》。(前ターン《骨の粉砕》で《頭蓋囲い》付きの《フェアリーの機械論者》が除去されている)

 高野が《鎌切り》を《フェアリーの機械論者》へと装備の宣言を行えば、渡辺としては《名も無き転置》で応じるより他ない。
 残る《きらめく鷹の偶像》+装備《頭蓋囲い》=2+4=アタック6点。
 渡辺のライフも6。

渡辺 0-2 高野

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 高野の金属術アグロが渡辺を蹂躙したマッチだった。
 ドラフト時点の不利を覆すことは難しく、たとえ渡辺でもどうにもならないゲーム展開となってしまったが、それもまたマジック。

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