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グランプリ・千葉2015

観戦記事

第5回戦:品川 一成(石川) vs. 浅原 晃(神奈川)

By 矢吹 哲也

 4000人に迫る圧倒的な数のプレイヤーが、一斉にパックを開封する音。ひとつひとつの音は小さいが、それらは重なり合い、増幅し合い、この広い会場内に響き渡る。

 それは、始まりの合図。マジックを歴史に刻む最初の音。マジック界史上最大規模の週末は、ここ千葉の地から始まった。戦いは早くも熱を帯び、すでに激闘の跡は刻まれている。初日の折り返しを迎えたここでは、浅原 晃と品川 一成の試合をお届けしよう。

 スリーブ無しのデッキをシャッフルし始める浅原。「サイドボーディングがけっこう多いので、(スリーブの入れ換えが)面倒なんですよね」と語る彼のデッキは、白青のアーティファクト戦略だ。試合後に今回のシールド・デッキの出来を聞くと「ちょっと......いや、かなり微妙」とやや顔を曇らせた浅原だったが、成績はここまで4勝1敗。まだまだここで折れるわけにはいかないだろう。

 一方の品川 一成は、今回がグランプリ初参加。普段は競技的な環境でプレイしないものの、この一大イベントに駆けつけたという。奇しくも浅原と同じ白青のアーティファクト戦略を取った彼は、初めてのフィーチャー・マッチに緊張した面持ちで臨む。


品川 一成 vs. 浅原 晃

ゲーム展開

 両者動き出しは1ターン目。浅原が《銅の甲殻》を繰り出すと、品川は《ダークスティールの斧》。浅原は続くターンに《コーの決闘者》を続け、一方の品川は《帆凧》を盤面に追加する。

 両者ともアーティファクトを軸にしたデッキ同士となったこの試合は、4ターン目に《磁石マイア》を追加した浅原が先行していく。《蒸気の絡みつき》でテンポを取る品川に対し、浅原は白の小型クリーチャーの展開を止めず攻勢をかけ続ける。

 品川はそれを止めるべく、《まばゆい魂喰い》を戦場へ。しかし浅原の展開が終わらない。装備品を身につけた《宮廷のホムンクルス》と《古の法の神》、そして《磁石マイア》で総攻撃をしかけると、品川は自軍すべてを使ってなんとかライフを2点残した。

 しかし逆転の秘策は見出せず。1ゲーム目は横に広く展開された浅原の軍勢が奪っていったのだった。


浅原の白の軽量クリーチャーが、品川の戦場になだれ込む

「サイドボーディングが多い」との言葉通り幾度となくカードを入れ換えた浅原は、デッキを白青から白赤に変えた。一方の品川も、白青のデッキを「メインよりこっちの方が強かった」と語る赤緑タッチ白に変えて次のゲームに挑む。

 2ゲーム目も互いに素早い動きでゲームが進んだ。2ターン連続で《宮廷のホムンクルス》を繰り出した浅原は、3ターン目にも《空狩人の散兵》。しかし品川の繰り出した《竜魂の騎士》が持つ先制攻撃が、浅原の動きを止める。そこへ《帆凧》を装備させ飛行に対しても睨みを利かせた品川だったが――浅原も《拘引》を引き込んだ。

 これで攻勢に出た浅原。だがしかし、そこへ品川の《隔離する活力》と《炎の覆い》が突き刺さる。盤面を一気にひっくり返された浅原はその後も戦線を維持できず、襲い来る赤と緑のクリーチャーの群れを前に膝を屈した。

サイド後の品川のデッキには、浅原の軍勢を的確に仕留める除去が豊富に入っていた

 3ゲーム目は互いにマリガンし6枚の手札でスタート。浅原の手札から軽量クリーチャーは現れず、《鎌切り》で戦線を作った。しかし品川の《ヴィーアシーノの殺戮士》への《拘引》は《巨森の蔦》で防がれ、さらに《鎌切り》も《天羅至の掌握》で砕かれた。


サイド後の色変えがしっかりと噛み合った品川

 《血まみれ角のミノタウルス》を戦線に加えた品川は、浅原の繰り出した《黄昏の守護者、秘加理》も《垂直落下》で対処し攻撃を加える。浅原は2枚目の《拘引》で《血まみれ角のミノタウルス》は止めたものの、《種のばら撒き》を含む「横の展開」をやり返され、この試合を落とすことになったのだった。

品川 2-1 浅原
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