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行弘賢のよくわかる!リミテッド講座

2017.02.16

行弘賢のよくわかる!リミテッド講座 第18回:『霊気紛争』ドラフト 答え合わせ編

 皆さんこんにちは! 今回は前回から続いての後編ということで、いつも同様に「新環境リミテッド:プロツアー後の振り返り」をしていきましょう。

 今回もプロツアーに参戦してきたので、プロツアー後の振り返り、しっかりやらせていただきます。

1.プロツアーを終えて環境のまとめ

 前回の記事でも書いた通り、僕が感じた最初の印象がこちら。

  • 機体が弱くなった
  • クリーチャーが全体的に弱くなった
  • 紛争が使いにくそう
  • アドバンテージを取るカードが増えた

 そして、その後の実際の練習過程やプロツアー『霊気紛争』で感じた環境の印象とファーストインプレッションの差、つまり「的中度」を点数にすると、以下のようになりました。

50点:機体が弱くなった

 機体自体の性能は格段に落ちたのですが、それよりもクリーチャーの性能も格段に落ちたため、装備品のように働く機体自体の価値は以前の環境よりも重要になりました。特に『カラデシュ』の機体は非常に強力で、『カラデシュ』の機体がゲームを決める割合が高くなりました。

100点:クリーチャーが全体的に弱くなった

 クリーチャーの性能がとにかく下がりました。基本的なクリーチャーのサイズが『カラデシュ』に比べ低下したため、ダメージレースを制しやすい飛行や威迫のような継続的クロックの価値が上がりました。

70点:紛争が使いにくそう

 紛争は案の定シナジーを意識しなければ達成が難しく、達成のための下準備のカードをピックするために手順を費やしてしまうので、案の定ただ強いという能力ではありませんでした。

 ただし攻めを意識すれば自然とクリーチャーを相討ちさせることで達成できるので、攻めを意識したアーキタイプなら紛争を上手く使えます。

30点:アドバンテージを取るカードが増えた

 アドバンテージを取るカードは増えたものの、機体や攻撃した際にトークンを出す《霊気急襲者/Aether Swooper(AER)》のような攻めで強いカードが環境に多いため、守り切るのが難しく消耗戦にすらできないので、基本的にはこれらのカードを上手く使いアドバンテージ差で勝つ戦略はオススメできません。


 というわけで、今回の予想は大筋では合っていたものの、思った以上に攻めに特化したカードが機能し、受ける側のカードが弱かったため、環境の速度を見誤った結果となってしまいました。

2.新・環境のまとめ

 以上の点を加え、前回のファーストインプレッションと統合した環境のまとめは以下のとおりです。

  • 機体はできる限り使う。そのために、搭乗できるサイズのクリーチャーをピックするよう心がける。
  • コモンのクリーチャーが全体的に弱い上、受けに適したクリーチャーが限られているため、飛行や威迫のような回避能力が付いたクリーチャーを高めにピックして攻めるデッキを組む。
  • 紛争のカードは強力ながら、受けだと上手く使えないので攻めを意識した構成で使うようにしたい。
  • 消耗戦の後アドバンテージ差で勝つのは強力な除去や強力なレアが無いと難しいので、レアを初手で引いた場合以外は受けるデッキを組まないようにする。

 皆さんもぜひ、これらの要素を意識しながらピックしてみてください。


 さて、次はこの環境で実際にどのようなアーキタイプが活躍しているか、代表カードとともに解説していきます。前回紹介しなかったアーキタイプを中心に紹介していきますね。

3.各種注目アーキタイプ

赤白機体

 赤白機体は《改革派の車輪職人/Renegade Wheelsmith(AER)》をピックできた時に狙うべきアーキタイプで、機体に搭乗するだけで効果を発揮するため、機体との相性が抜群です。

 特に《移動駐屯所/Mobile Garrison(AER)》と組み合わせた際は、《改革派の車輪職人/Renegade Wheelsmith(AER)》をアンタップし再度機体に乗ることでブロックさせない能力を2回誘発させることができ、非常に相性がいいです。

 赤白という線が細い色の性質上、白の飛行クリーチャーを優先的に集めて、継続的に攻める形にしないと息切れしやすいので注意しましょう。

赤黒即席

 赤黒即席は《霊気毒殺者/Aether Poisoner(AER)》や《霊気追跡者/Aether Chaser(AER)》等のアーティファクトを生み出すカードで攻めつつ、《搾取工区の喧嘩屋/Sweatworks Brawler(AER)》などの優秀な即席クリーチャーを早いターンにプレイするアーキタイプです。

 除去を絡めたビートダウンをしても良し、ある程度除去でかわしながら《湿原の運び屋/Fen Hauler(AER)》のような太いクリーチャーで勝つも良しとピックの幅が広く、困った時にこの2色でピックすればデッキの形になりやすいため、オススメのアーキタイプです。

青白飛行

 青白飛行は、《霊気急襲者/Aether Swooper(AER)》や《内陸のドレイク/Hinterland Drake(AER)》などの飛行クリーチャーを《暁羽の鷲/Dawnfeather Eagle(AER)》でバックアップして攻めるアーキタイプです。

 現環境は地上クリーチャーの質がそこまで高くないため、いつもより飛行クリーチャーでのダメージレースがしやすい環境なので、飛行による継続クロック戦略は上手くいきやすいです。

 ただし、その分地上を止めるのが難しいことも多いので、飛行戦略をする場合、地上クリーチャーは相手のクリーチャーを止める《難破船ウツボ/Shipwreck Moray(AER)》のようなカードに注目して、「地上を止めて飛行で殴る」意識を持ちましょう。


 以上、3つの注目のアーキタイプでした。

 他にも「赤緑エネルギー」や、「黒白紛争」等まだまだたくさんのアーキタイプがありますので、ぜひ皆さんで新たなるアーキタイプを見つけてみてください。


4.『霊気紛争』のトップコモン&アンコモン

 前回も『霊気紛争』の各色+アーティファクトのトップ3を挙げましたが、今回はその改訂版です。

 前回から評価が変わってトップ3から抜けたカードと入ったカードを解説していきますので、前回の記事を読んでいない方はぜひそちらも確認していただけたらと思います。

白・アンコモン
今回のトップ3前回のトップ3
《飛行機械による拘束/Thopter Arrest(AER)》《飛行機械による拘束/Thopter Arrest(AER)》
《浮遊化改造/Aerial Modification(AER)》《守護フェリダー/Felidar Guardian(AER)》
《急降下飛空士/Airdrop Aeronauts(AER)》《急降下飛空士/Airdrop Aeronauts(AER)》

in

《浮遊化改造/Aerial Modification(AER)》:どんなクリーチャーでも一瞬にしてフィニッシャーに仕上げ、ダメージレースをひっくり返す強力なエンチャントです。機体に付けた際絶大な効果を発揮する点も見逃せません。

out

《守護フェリダー/Felidar Guardian(AER)》:紛争との相性は非常に良いのですが、そもそも紛争の戦略が強力なものではないので評価を下げました。

白・コモン
今回のトップ3前回のトップ3
《暁羽の鷲/Dawnfeather Eagle(AER)》《暁羽の鷲/Dawnfeather Eagle(AER)》
《光に目が眩む/Caught in the Brights(AER)》《光に目が眩む/Caught in the Brights(AER)》
《大胆な潜入者/Audacious Infiltrator(AER)》《精緻会の改革派/Countless Gears Renegade(AER)》

in

《大胆な潜入者/Audacious Infiltrator(AER)》:アーティファクトにブロックされない能力は思った以上に回避能力として機能し、単体でほとんどの機体に搭乗できることもあり、強力な2マナクリーチャーとして評価を上げました。

out

《精緻会の改革派/Countless Gears Renegade(AER)》:紛争を達成したボーナスが魅力的ではなく、ただのバニラに近い性能なため評価を下げました。

青・アンコモン
今回のトップ3前回のトップ3
《戦利品の魔道士/Trophy Mage(AER)》《戦利品の魔道士/Trophy Mage(AER)》
《航空船の略取者/Skyship Plunderer(AER)》《守られた霊気泥棒/Shielded Aether Thief(AER)》
《風友会の強襲者/Wind-Kin Raiders(AER)》《解析調査/Reverse Engineer(AER)》

in

《航空船の略取者/Skyship Plunderer(AER)》:貴重な2マナのパワー2飛行クリーチャーだけでなく、さまざまなカードとシナジーする強力なクリーチャーです。

《風友会の強襲者/Wind-Kin Raiders(AER)》:コストこそ重いものの、単体で勝ち切る性能を持った飛行クリーチャーなので評価を上げました。

out

《守られた霊気泥棒/Shielded Aether Thief(AER)》:能力は強力なのですが、基本的には攻めを意識したいので相対的に評価を下げました。

《解析調査/Reverse Engineer(AER)》:使えるアーキタイプが限定的なので評価を下げました。

青・コモン
今回のトップ3前回のトップ3
《内陸のドレイク/Hinterland Drake(AER)》《砦の発明者/Bastion Inventor(AER)》
《置き去り/Leave in the Dust(AER)》《置き去り/Leave in the Dust(AER)》
《霊気急襲者/Aether Swooper(AER)》《否認/Negate(AER)》

in

《内陸のドレイク/Hinterland Drake(AER)》:3マナにも関わらず2/3飛行と素晴らしいサイズを持った優秀な飛行クリーチャーであることをなぜか見落としていたので評価を上げました。

《霊気急襲者/Aether Swooper(AER)》:即席をはじめ、さまざまなカードとシナジーする強力な2マナの飛行クリーチャーであるため評価を上げました。

out

《砦の発明者/Bastion Inventor(AER)》:即席以外のアーキタイプでは使いにくいため評価を下げました。

《否認/Negate(OGW)》:基本的に、他のアーキタイプの中心になるカードを優先したいため評価を下げました。

黒・アンコモン
今回のトップ3前回のトップ3
《致命的な一押し/Fatal Push(AER)》《致命的な一押し/Fatal Push(AER)》
《復讐に燃えた反逆者/Vengeful Rebel(AER)》《復讐に燃えた反逆者/Vengeful Rebel(AER)》
《才気ある霊基体/Gifted Aetherborn(AER)》《枉惑な調達者/Sly Requisitioner(AER)》

in

《才気ある霊基体/Gifted Aetherborn(AER)》:こんな強いことだけ書いてあるカードが、なぜ選外に漏れていたのか......。

out

《枉惑な調達者/Sly Requisitioner(AER)》:コストが重いわりに、システムとしても思った以上に機能しなかったため評価を下げました。

黒・コモン
トップ3(変更なし)
《果敢な爆破/Daring Demolition(AER)》
《霊気毒殺者/Aether Poisoner(AER)》
《湿原の運び屋/Fen Hauler(AER)》
赤・アンコモン
トップ3(変更なし)
《屑鉄会の勇者/Scrapper Champion(AER)》
《無謀なレーサー/Reckless Racer(AER)》
《飲み込む炎/Hungry Flames(AER)》

 《暴力の激励/Invigorated Rampage(AER)》は優秀なコンバットトリックなので、場合によっては優先してピックしても全然かまいません。

赤・コモン
今回のトップ3前回のトップ3
《チャンドラの革命/Chandra's Revolution(AER)》《チャンドラの革命/Chandra's Revolution(AER)》
《搾取工区の喧嘩屋/Sweatworks Brawler(AER)》《搾取工区の喧嘩屋/Sweatworks Brawler(AER)》
《霊気追跡者/Aether Chaser(AER)》《ショック/Shock(AER)》

in

《霊気追跡者/Aether Chaser(AER)》:攻めを継続しやすいだけでなく、即席のためのアーティファクトにカウントできる優秀な2マナクリーチャーです。

out

《ショック/Shock》:優秀な除去ですが、除去できる幅の狭さが気になることが多かったため評価を下げました。

緑・アンコモン
今回のトップ3前回のトップ3
《起伏鱗の大牙獣/Ridgescale Tusker(AER)》《起伏鱗の大牙獣/Ridgescale Tusker(AER)》
《巨怪の猛攻/Monstrous Onslaught(AER)》《巨怪の猛攻/Monstrous Onslaught(AER)》
《襲拳会の革命家/Maulfist Revolutionary(AER)》《ピーマの霊気予見者/Peema Aether-Seer(AER)》

in

《襲拳会の革命家/Maulfist Revolutionary(AER)》:《たかり猫猿/Scrounging Bandar(AER)》との相性があまりにも強力。地味にエネルギーも増やせるのも嬉しいですね。

out

《ピーマの霊気予見者/Peema Aether-Seer(AER)》:システムクリーチャーとしては悪くありませんが、相対的に評価を下げました。

 また、《造命師の贈り物/Lifecrafter's Gift(AER)》は+1/+1カウンターを置くクリーチャーが多い時は非常に強力なコンバットトリックになるので、ぜひ最優先でピックしましょう。

緑・コモン
トップ3(変更なし)
《霊気流の豹/Aetherstream Leopard(AER)》
《造命物騎兵/Lifecraft Cavalry(AER)》
《たかり猫猿/Scrounging Bandar(AER)》
アーティファクト・アンコモン
今回のトップ3前回のトップ3
《バリケード破り/Barricade Breaker(AER)》《歯車組立工/Cogwork Assembler(AER)》
《鎮定工作機/Pacification Array(AER)》《鎮定工作機/Pacification Array(AER)》
《暴走急行/Untethered Express(AER)》《暴走急行/Untethered Express(AER)》

in

《バリケード破り/Barricade Breaker(AER)》:アーティファクトカウントさえしっかり取れれば色を問わず非常に強力なサイズになるクリーチャーです。

out

《歯車組立工/Cogwork Assembler(AER)》:強力なシステムクリーチャーですが、環境的に攻めが強い環境なので相対的に評価を下げました。

 また、《暴走急行/Untethered Express(AER)》と《鎮定工作機/Pacification Array(AER)》はどちらも1枚で相手の盤面を打開できる強力なカードなので、どの色のコモン・アンコモンより優先してピックしましょう。

アーティファクト・コモン
今回のトップ3前回のトップ3
《改革派の地図/Renegade Map(AER)》《改革派の地図/Renegade Map(AER)》
《移動駐屯所/Mobile Garrison(AER)》《歩行貯蔵器/Reservoir Walker(AER)》
《鉄装破壊車/Irontread Crusher(AER)》《鉄装破壊車/Irontread Crusher(AER)》

in

《移動駐屯所/Mobile Garrison(AER)》:攻めが強い環境で機体の価値が上がったため、評価を見直しました。

out

《歩行貯蔵器/Reservoir Walker(AER)》:受ける際は必要になることもありますが、優先してピックするほどではありません。

 《鉄装破壊車/Irontread Crusher(AER)》と《改革派の地図/Renegade Map(AER)》はそれぞれ攻めとシナジーの受けが広いカードであるため、各色のトップコモンの次点くらいでピックすると良さそうです。


 以上、各色トップ3でした。皆さんと評価が違う部分ももちろんあると思いますので、ぜひ比較してみてください。

5.最後に

 『カラデシュ』に引き続き前編・後編とやらせていただきましたが、いかがでしたか? 感想いただけましたら今後の参考とさせていただきますので、ぜひTwitterなどでお送りください。

 今回のプロツアー『霊気紛争』は最終成績12勝4敗と非常に良い結果で終われたものの、リミテッドラウンド3勝3敗と今年のドラフトマスターの座は絶望的となってしまい、非常に悔しい結果となりました。

 次回のプロツアー『アモンケット』では、このリベンジとばかりにドラフトをやり込むつもりなので、ぜひ次回のプロツアーも応援のほど、よろしくお願いいたします!

 では次回も新セット発売直前にお会いしましょう。それでは!

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