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行弘賢のよくわかる!リミテッド講座

2016.10.28

行弘賢のよくわかる!リミテッド講座 第16回:『カラデシュ』ドラフト 答え合わせ編

 皆さんこんにちは! 今回は前回から続いての後編ということで、いつも同様に「新環境リミテッド:プロツアー後の振り返り」をしていきましょう。

 今回もプロツアーに参戦してきたので、プロツアー後の振り返り、しっかりやらせていただきます。

1.プロツアーを終えて環境のまとめ

 前回の記事でも書いた通り、僕が感じた最初の印象がこれです。

  • 機体は装備品のような性能だが、使えるアーキタイプを選ぶので気軽に採用するのはためらわれる
  • 《予言のプリズム》がコモンにあり多色化が容易で、カードパワーが高いデッキを作れそう
  • エネルギーシナジーが強力なので積極的に取り入れたい

 そして、その後の実際の練習過程やプロツアー『カラデシュ』で感じた環境の印象とファーストインプレッションの差、つまり「的中度」を点数にすると、以下のようになりました。

50点:機体は装備品のような性能だが、使えるアーキタイプを選ぶので気軽に採用するのはためらわれる

 機体は基本的に攻めに特化した装備品のような性能なので、デッキこそ選ぶものの、一部の機体はそれをピックできたら攻めのアーキタイプを目指すことが許されるほどに強力でした。

 もちろん何にでも入る部類のカードではないので気軽に採用するのは良くないですが、気軽にピックして機体に合わせたデッキを作るのも一つの手です。

80点:《予言のプリズム》がコモンにあり多色化が容易で、カードパワーが高いデッキを作れそう

 《予言のプリズム/Prophetic Prism(KLD)》だけではなく、《霊気との調和/Attune with Aether(KLD)》や《野生の放浪者/Wild Wanderer(KLD)》のようなマナベースを整えるカードが豊富で、多色化したカードパワーの高いデッキは作りやすい環境でした。

 ですが、ビートダウンの猛攻が激しいのもまた間違いない環境の一面で、マナベースを揃えてカードパワーが高いカードをプレイする遅いデッキを咎めてくるアーキタイプも多いので、手放しにカードパワーが高いデッキを作りに行くと痛い目に遭うこともあります。

60点:エネルギーシナジーが強力なので積極的に取り入れたい

 エネルギーシナジーは各種カードが揃って動き出せば確かに強力なのですが、それらを揃えるよりも単体の機体やレアパワーに頼ったデッキの方が一手早いため、エネルギーシナジーを中心に組むメリットは少ないです。

 唯一赤緑だけは《亢進するサイ/Thriving Rhino(KLD)》や《亢進する地虫/Thriving Grubs(KLD)》などエネルギーをそのままクリーチャーのパワー/タフネスに変換しつつ、機体と組み合わせて小細工無しの強力なビートダウンが組めるので、この2色の場合はエネルギーシナジーを積極的に取り入れたいです。


 というわけで、今回の予想的中度は全体的に残念な感じとなってしまいました。申し訳ございません! 機体が予想以上に強力で、エネルギーが思いのほか強力なシステムではなかったのが原因でした。

 機体は《改革派の貨物車/Renegade Freighter(KLD)》が思った以上に強力で、環境のあらゆるビートダウンの後押しをしているので、強力なビートダウンに対抗できるかどうかに焦点を当てなければいけないのが現在の環境です。

 また、《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》に寄せたアーティファクトと青をピックするアーキタイプは《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》が5/6でアンブロッカブル能力が付いていて攻守に渡って活躍できるので、ビートダウン・ミッドレンジどちらにも相性が良い「ソリューション」に近いアーキタイプとして、最近では人気が高いアーキタイプの一つです。

2.新・環境のまとめ

 以上の点を加え、前回のファーストインプレッションと統合した環境のまとめは以下のとおりです。

  • 機体は《改革派の貨物車/Renegade Freighter(KLD)》を始めとしてビートダウンで使えば強力なものが多いので、機体を中心としたビートダウンを組もう。
  • 《予言のプリズム/Prophetic Prism(KLD)》などのマナベースカードで多色を目指す戦略は悪くはないが、しっかりとビートダウンへの対策は怠らないようにしよう。
  • エネルギーシナジーはあまり固め取らずに、使いやすいものだけを選んでデッキに入れよう。
  • 《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》は環境的に非常に強力なクリーチャーなので、これを中心にしたアーキタイプを組む意識を持とう。

 皆さんもぜひ、これらの要素を意識しながらピックしてみてください。


 さて、次はこの環境で実際にどのようなアーキタイプが活躍しているか、代表カードとともに解説していきます。前回紹介しなかったアーキタイプを中心に紹介していきますね。

3.各種注目アーキタイプ

青白《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》

 アーティファクト分だけマナコストが軽くなる《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》を白の《歯車工の組細工/Cogworker's Puzzleknot(KLD)》や製造の《光袖会の職工/Glint-Sleeve Artisan(KLD)》などでバックアップし、《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》を早期ターンにプレイするのを目的としたアーキタイプです。

 構成上アーティファクトクリーチャーばかりになるので《鋳造所の隊長/Chief of the Foundry(KLD)》が一番上手く使えるアーキタイプなので、これも見かけたらぜひピックしましょう。

 青白はレア以下では最強クラスのスペックを誇る《雲先案内人/Cloudblazer(KLD)》も使えるので、デッキのシナジーとは関係ありませんが、優先的にピックするようにしましょう。

赤黒機体

 赤黒機体は《夜市の見張り/Night Market Lookout(KLD)》や《尖塔横の潜入者/Spireside Infiltrator(KLD)》で機体に搭乗し、間接的にダメージを与えつつ機体による強力なビートダウンをするアーキアイプです。

 赤黒機体の名前通り優先的にピックするのはまず機体から。特に《改革派の貨物車/Renegade Freighter(KLD)》と《航空艇/Sky Skiff(KLD)》はあるだけ良いので見たらピックするようにしましょう。

 赤と黒はコンバットトリックが豊富で強力で機体と合わせて使うにうってつけのものばかり。《活力の奔出/Rush of Vitality(KLD)》や《撃砕確約/Built to Smash(KLD)》、《隠然たる襲撃/Subtle Strike(KLD)》は優先度は高くなくて良いものの、合わせて2枚以上はデッキに入れられるように意識してピックしましょう。

製造《鼓舞する突撃/Inspired Charge(KLD)》

 製造持ちのクリーチャーでトークンを並べて《鼓舞する突撃/Inspired Charge(KLD)》でフィニッシュするアーキタイプです。

 製造持ちのクリーチャーが白・緑・黒の3色なので、白+黒or緑で組むことになります。

 白黒の場合は《襲拳会の部隊/Maulfist Squad(KLD)》が威迫持ちで横並び展開にうってつけで、緑だと《ピーマの先導/Peema Outrider(KLD)》はもちろんのこと、《渦跡の鷹/Eddytrail Hawk(KLD)》で緑の高打点の地上のクリーチャーを飛ばしながら最後の《鼓舞する突撃/Inspired Charge(KLD)》の攻撃を通しやすくなります。

 一応白だけあれば《鼓舞する突撃/Inspired Charge(KLD)》自体は使えるので、赤・青と組む際も横並び展開するデッキの場合は止めの一撃として1枚は採用を検討してみましょう。


 以上、3つの注目のアーキタイプでした。

 他にも「青黒《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》」や、「青緑エネルギー」等まだまだたくさんのアーキタイプがありますので、ぜひ皆さんで新たなるアーキタイプを見つけてみてください。

4.『カラデシュ』のトップコモン&アンコモン

 前回も『カラデシュ』の各色トップ3を挙げましたが、今回はその改訂版です。

 前回から評価が変わってトップ3から抜けたカードと入ったカードを解説していきますので、前回の記事を読んでいない方はぜひそちらも確認していただけたらと思います。

白・アンコモン
今回のトップ3前回のトップ3
《空鯨捕りの一撃/Skywhaler's Shot(KLD)》《空鯨捕りの一撃/Skywhaler's Shot(KLD)》
《たなびき織りの天使/Wispweaver Angel(KLD)》《たなびき織りの天使/Wispweaver Angel(KLD)》
《空中対応員/Aerial Responder(KLD)》《博覧会場の警備員/Fairgrounds Warden(KLD)》

in

《空中対応員/Aerial Responder(KLD)》:一度場に定着さえしてしまえばひっくり返すのが難しいダメージレースの展開を作れる、強烈なゲームメイカーです。

out

《博覧会場の警備員/Fairgrounds Warden(KLD)》:除去内蔵の強力なクリーチャーですが、機体に対応できないソーサリー除去になりがちなので評価を下げました。

白・コモン
今回のトップ3前回のトップ3
《プロペラの先駆者/Propeller Pioneer(KLD)》《プロペラの先駆者/Propeller Pioneer(KLD)》
《特権剥奪/Revoke Privileges(KLD)》《特権剥奪/Revoke Privileges(KLD)》
《光袖会の職工/Glint-Sleeve Artisan(KLD)》《断片化/Fragmentize(KLD)》

in

《光袖会の職工/Glint-Sleeve Artisan(KLD)》:製造がシナジーの起点になるアーキタイプが多いので評価を上げました。

out

《断片化/Fragmentize(KLD)》:使い勝手の良い置物破壊ですが、意識せずともピックできることが多いため評価を下げました。

青・アンコモン
トップ3(変更なし)
《天才の片鱗/Glimmer of Genius(KLD)》
《巧みな交渉術/Shrewd Negotiation(KLD)》
《ヒレナガ空鯨/Long-Finned Skywhale(KLD)》
青・コモン
今回のトップ3前回のトップ3
《理論霊気学者/Aether Theorist(KLD)》《理論霊気学者/Aether Theorist(KLD)》
《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》《上天の貿易風/AEther Tradewinds(KLD)》
《誤動作/Malfunction(KLD)》《亢進する亀/Thriving Turtle(KLD)》

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《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》:攻守に渡って活躍できる明確な青のトップコモンです。この見逃しは正直申し訳ないです...。

《誤動作/Malfunction(KLD)》:機体にも干渉できるほぼ完全除去は優秀です。

out

《上天の貿易風/AEther Tradewinds(KLD)》:使い勝手の良いバウンスですが、相対的に評価を下げました。

《亢進する亀/Thriving Turtle(KLD)》:一回攻撃しないと壁役としては不十分で、途中で引いた時の弱さが目立つため評価を下げました。

黒・アンコモン
今回のトップ3前回のトップ3
《本質の摘出/Essence Extraction(KLD)》《本質の摘出/Essence Extraction(KLD)》
《霊基体の匪賊/Aetherborn Marauder(KLD)》《霊基体の匪賊/Aetherborn Marauder(KLD)》
《楕円競走の無謀者/Ovalchase Daredevil(KLD)》《奥の手/Underhanded Designs(KLD)》

in

《楕円競走の無謀者/Ovalchase Daredevil(KLD)》:アーティファクトを戦場に出すのは容易なため、繰り返し相手にプレッシャーを与えられる優秀なクリーチャーです。

out

《奥の手/Underhanded Designs(KLD)》:完全除去は悪くはないですが、設置から条件達成までが少し悠長なので評価を下げました。

黒・コモン
今回のトップ3前回のトップ3
《当然の結論/Tidy Conclusion(KLD)》《当然の結論/Tidy Conclusion(KLD)》
《襲拳会の部隊/Maulfist Squad(KLD)》《短命/Die Young(KLD)》
《隠然たる襲撃/Subtle Strike(KLD)》《亢進するネズミ/Thriving Rats(KLD)》

in

《襲拳会の部隊/Maulfist Squad(KLD)》:使い勝手の良い製造持ちクリーチャーとして攻めの中心となるので評価を上げました。

《隠然たる襲撃/Subtle Strike(KLD)》:強力なコンバットトリックとして評価を上げました。

out

《短命/Die Young(KLD)》:エネルギー補給の薄いデッキでは除去としての質が信用できないため評価を下げました。

《亢進するネズミ/Thriving Rats(KLD)》:攻めで使う分には強力なクリーチャーですが、受ける時は頼りなくムラが目立つカードなので評価を下げました。

赤・アンコモン
今回のトップ3前回のトップ3
《蓄霊稲妻/Harnessed Lightning(KLD)》《蓄霊稲妻/Harnessed Lightning(KLD)》
《襲拳会の扉破り/Maulfist Doorbuster(KLD)》《焼夷式破壊工作/Incendiary Sabotage(KLD)》
《改革派の霊気砲手/Aethertorch Renegade(KLD)》《改革派の霊気砲手/Aethertorch Renegade(KLD)》

in

《襲拳会の扉破り/Maulfist Doorbuster(KLD)》:相手の厄介なクリーチャーを避けつつ攻撃できる、非常に攻めに優れたクリーチャーです。

out

《焼夷式破壊工作/Incendiary Sabotage(KLD)》:カードは依然として強力という評価ですが、使えるアーキタイプが非常に狭い為評価を下げました。

赤・コモン
今回のトップ3前回のトップ3
《溶接の火花/Welding Sparks(KLD)》《溶接の火花/Welding Sparks(KLD)》
《亢進する地虫/Thriving Grubs(KLD)》《亢進する地虫/Thriving Grubs(KLD)》
《気ままな芸術家/Spontaneous Artist(KLD)》《チャンドラの螺旋炎/Chandra's Pyrohelix(KLD)》

in

《気ままな芸術家/Spontaneous Artist(KLD)》:何にでも速攻を付与できるだけでなく、自分自身も3/3速攻にすることもでき、速攻ビートダウンの要のクリーチャーです。

out

《チャンドラの螺旋炎/Chandra's Pyrohelix(KLD)》:インスタントのダメージ振り分け呪文は強力ではあるのですが、2点で倒したいクリーチャーが環境に少ないため評価を下げました。

緑・アンコモン
トップ3(変更なし)
《牙長獣の仔/Longtusk Cub(KLD)》
《導路の召使い/Servant of the Conduit(KLD)》
《高木背の踏みつけ/Arborback Stomper(KLD)》
緑・コモン
今回のトップ3前回のトップ3
《ピーマの先導/Peema Outrider(KLD)》《ピーマの先導/Peema Outrider(KLD)》
《霊気との調和/Attune with Aether(KLD)》《人工物への興味/Appetite for the Unnatural(KLD)》
《亢進するサイ/Thriving Rhino(KLD)》《亢進するサイ/Thriving Rhino(KLD)》

in

 《霊気との調和/Attune with Aether(KLD)》:エネルギービートダウン、多色化と緑のどちらのアーキタイプでも使える優秀な呪文です。

out

 《人工物への興味/Appetite for the Unnatural(KLD)》:インスタントで機体に触れる貴重な除去ですが、相対的に評価を下げました。

番外編:アーティファクト
アンコモン
トップ3
《捕獲飛行機械/Snare Thopter(KLD)》
《鋳造所の隊長/Chief of the Foundry(KLD)》
《金線の使い魔/Filigree Familiar(KLD)》

《捕獲飛行機械/Snare Thopter(KLD)》:飛行速攻でパワーが3とプレッシャーを与えるに十分なスペックがなんにでも入るとなれば、喜んでピックしちゃいますよね。

《鋳造所の隊長/Chief of the Foundry(KLD)》:機体や製造から出るトークンなど、強化するアーティファクトクリーチャーには困りません。

《金線の使い魔/Filigree Familiar(KLD)》:相討ちしたらアドバンテージ、場にあれば《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》のコスト軽減にと、使い勝手の良い優秀な3マナ域です。

コモン
トップ3
《改革派の貨物車/Renegade Freighter(KLD)》
《航空艇/Sky Skiff(KLD)》
《自己組立機械/Self-Assembler(KLD)》

《改革派の貨物車/Renegade Freighter(KLD)》:今さら言うまでもないですが、あらゆるコモンの中でもトップクラスに優秀なカードです。

《航空艇/Sky Skiff(KLD)》:《夜市の見張り/Night Market Lookout(KLD)》とのコンボはダメージレースをするのが馬鹿らしくなる、優秀なコンボです。

《自己組立機械/Self-Assembler(KLD)》:合計3枚以上集まると、途端にそれが勝ち筋になり得る、強力なフィニッシャーです。


 以上、各色トップ3でした。皆さんと評価が違う部分ももちろんあると思いますので、ぜひ比較してみてください。

5.最後に

 『異界月』に引き続き前編・後編とやらせていただきましたが、いかがでしたか? 感想いただけましたら今後の参考とさせていただきますので、ぜひTwitterなどでお送りください。

 今回のプロツアー『カラデシュ』はリミテッドラウンド4-2と目標の5-1を下回ってはしまいましたが、まだまだ今年のリミテッドマスターは狙っていますので、是非次回のプロツアー『霊気紛争』(ダブリン)でも応援いただけますと幸いです。

 では次回も新セット発売直前にお会いしましょう。それでは!

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