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行弘賢のよくわかる!リミテッド講座

2016.02.12

行弘賢のよくわかる!リミテッド講座 第10回:『ゲートウォッチの誓い』ドラフト 答え合わせ編

 皆さんこんにちは! 今回は前回から続いての後編ということで、いつも同様に「新環境リミテッド:プロツアー後の振り返り」をしていきましょう。

 今回は僕はプロツアーに参加していないので、僕が参加したグランプリ・名古屋2016の経験と、プロツアー『ゲートウォッチの誓い』で全勝したプロたちの意見を参考に、実際にどのような環境だったかを改めて解説させていただきます。

1.プロツアーを終えて環境のまとめ

 前回の記事でも書いた通り、僕が感じた最初の印象がこれです。

  • システムクリーチャーの種類が多く、システム環境になりそう
  • 除去が強くなった
  • {C}マナのカードが強いので使い得
  • 「怒濤」「支援」というテンポが良い能力により、強力なビートダウンが組めそう

 そして、その後の実際の練習過程やグランプリ・名古屋で感じた環境の印象とファーストインプレッションの差、つまり「的中度」を点数にすると、以下のようになりました。

30点:システムクリーチャーの種類が多く、システム環境になりそう

 システムクリーチャーを並べて機能させるゲーム展開にならないほど環境の速度は早く、お互いがシステムを並べ合うようなゲームにはなかなかなりませんでした。

 とはいえ、システム自体は機能すれば強く、デッキのスパイスとしてシステムクリーチャーを採用する分には十分な活躍はします。

70点:除去が強くなった

 《忘却の一撃/Oblivion Strike(OGW)》、《孤立領域/Isolation Zone(OGW)》、《巨岩投下/Boulder Salvo(OGW)》のコモン3大除去は最近のリミテッド環境でも抜けた性能であり、除去は『戦乱のゼンディカー』だけの環境に比べて明らかに強くなったといえます。

 これらの除去自体は信頼できる性能なのですが、いかんせん「支援」が低マナ域の本来なら除去しなくてもいいはずのクリーチャーを強化してしまうので、除去をたくさん集めるドラフトでは対処しきれずテンポ負けしてしまいます。

 そういう意味では除去よりクリーチャーの方が強い環境なので、控えめで70点の的中度としました。

0点:{C}マナのカードが強いので使い得

 確かに{C}マナを使用するカードは強力なのですが、ドラフト中に{C}マナを出すカードを集めるにはかなりの手数を費やす上に、それらを複数デッキに採用すると色事故を起こしてしまうので、基本的には{C}マナを使うカードは扱いづらいものでした。

100点:「怒濤」「支援」というテンポが良い能力により、強力なビートダウンが組めそう

 この環境は、この2つのキーワードによる「壮絶なテンポゲー」を制することができるかが勝敗の鍵を握ります。「プロツアー『ゲートウォッチの誓い』ドラフト全勝者たち」の記事中で八十岡プロが「赤白」で2回3-0したのも、この「怒濤」「支援」を両方とも使えるアーキタイプであるからに他なりません。

 といったところで、今回はかなりムラが激しい的中度になってしまいました。予想以上に環境が速いこともあり、{C}マナのカードや、システムクリーチャーを機能させるのが難しいという点を見誤ってしまいました。

 そういう意味でも、今回予想できなかったのは「環境が速い」という点です。

 「怒濤」「支援」による環境の高速化はもちろんあるのですが、膠着状態になるとシステムが動き出してしまうので、システムを持たない長期戦を望まないアーキタイプは基本的に早い決着を目指します。

 普段なら除去やカウンターでゆっくりとしたゲーム展開に持ち込む「青黒」のようなカラーコンビネーションですら、攻めて膠着しないようなゲーム展開に持ち込んできます。

 遅くコントロールするアーキタイプは押されている盤面を覆す優秀なレアを引いた人だけが目指せるアーキタイプであり、結果、卓に人数が少なく、基本攻め合いになる環境であるといえます。

 ピックの際は「いかに相手のライフを削りきるか?」を考えて、攻めのビジョンを持ってピックしていくと環境に合ったデッキが組めると思います。

新・環境のまとめ

 以上の点を加え、前回のファーストインプレッションと統合した環境のまとめは以下のとおりです。

  • システムクリーチャーや{C}マナを必要とするクリーチャーのような、序盤戦に影響を与えないカードは扱いづらく、ピックする際はそれらをどう扱うかを考えなければうまく機能させるのは難しい。
  • 強力な除去をピックすることはもちろん大事だが、「怒濤」「支援」によるテンポ合戦に負けないように、できるだけコントロール路線ではなく、ビートダウンになるようにピックしていく。
  • お互いがいかに攻めるかを考える環境であることから、どのカラーコンビネーションでも攻めの姿勢を持つことが大切。

 皆さんもぜひ、これらの要素を意識しながらピックしてみてください。

 さて、次はこの環境で実際にどのようなアーキタイプが活躍しているか、代表カードとともに解説していきます。前回紹介しなかったデッキを中心に紹介していきますね。

2.各種注目アーキタイプ

「赤白同盟者ビートダウン」

 相手の邪魔なクリーチャーを優秀な除去である《巨岩投下/Boulder Salvo(OGW)》や《孤立領域/Isolation Zone(OGW)》で除去しながら、赤と白の優秀な同盟者クリーチャーで軽快なビートダウンをするアーキタイプです。

 もし押し切れずに膠着してしまっても、《ザダの猛士/Zada's Commando(OGW)》や《落とし子縛りの魔道士/Spawnbinder Mage(OGW)》など膠着状態でも強いクリーチャーが数多く存在し、それなりに長期戦になっても粘り強く戦えるのが特徴です。

「赤緑支援ビートダウン」

 上陸というアーキタイプこそ失ってしまった赤緑ですが、意外にも「怒濤」「支援」両方を使えるカラーコンビネーションで、強烈な攻めを継続して行うことができます。

 赤緑はクリーチャーの質が良く、クリーチャーには困らないので、とにかく「支援」のカードをかき集め、クリーチャーをバックアップしていきましょう!

「青黒欠色ビートダウン」

 青黒といえば守るイメージがありますが、この環境の青黒は攻めます!

 というのも、《空の探索者/Sky Scourer(OGW)》が守りには向かない2マナ域であるため、カードプール的に攻めた方が良いのです。

 《空の探索者/Sky Scourer(OGW)》を上手く使うために、基本は欠色のカードを中心にピックしていきます。《コジレックの叫び手/Kozilek's Shrieker(OGW)》は無色マナさえ供給できれば文句ない打点を叩き出すので、青黒をやる場合は意識して高めにピックしましょう。


 以上、3つの注目のアーキタイプでした。

 他にも「赤黒欠色」や、「緑黒ビートダウン」などまだまだたくさんのアーキタイプがありますので、ぜひ皆さんで新たなるアーキタイプを見つけてみてください。

3.『ゲートウォッチの誓い』のトップコモン&アンコモン

 前回も『ゲートウォッチの誓い』の各色トップ3を挙げましたが、今回はその改訂版です。

 前回から評価が変わってトップ3から抜けたカードと入ったカードを解説していきますので、前回の記事を読んでいない方はぜひそちらも確認していただけたらと思います。

白・アンコモン
今回のトップ3前回のトップ3
《救援隊長/Relief Captain(OGW)》《救援隊長/Relief Captain(OGW)》
《同盟者の援軍/Allied Reinforcements(OGW)》《鑽火の輝き/Immolating Glare(OGW)》
《草原の滑空獣/Steppe Glider(OGW)》《草原の滑空獣/Steppe Glider(OGW)》

in

《同盟者の援軍/Allied Reinforcements(OGW)》:恥ずかしながら前の記事を書いた時は5マナのカードだとだと勘違いしていました。4マナでこの効果ならかなりコストパフォーマンスが良いと言えます。

out

《鑽火の輝き/Immolating Glare(OGW)》:ダメージレースになりやすい環境なので優秀な除去なのですが、《同盟者の援軍/Allied Reinforcements(OGW)》と比較して順位を下げました。

白・コモン
今回のトップ3前回のトップ3
《孤立領域/Isolation Zone(OGW)》《孤立領域/Isolation Zone(OGW)》
《オンドゥの戦僧侶/Ondu War Cleric(OGW)》《オンドゥの戦僧侶/Ondu War Cleric(OGW)》
《マキンディの飛空士/Makindi Aeronaut(OGW)》《落とし子縛りの魔道士/Spawnbinder Mage(OGW)》

in

《マキンディの飛空士/Makindi Aeronaut(OGW)》:同盟者でありつつ、飛行の2マナ域なので、支援・盟友どちらとも相性が良く、ピックの優先順位は高いです。

out

《落とし子縛りの魔道士/Spawnbinder Mage(OGW)》:優秀なシステムクリーチャーですが、軽いカードを優先的にピックしたいので、順位を下げました。

青・アンコモン
今回のトップ3前回のトップ3
《歪みの預言者/Prophet of Distortion(OGW)》《歪みの預言者/Prophet of Distortion(OGW)》
《竜巻の種父/Cyclone Sire(OGW)》《竜巻の種父/Cyclone Sire(OGW)》
《思考刈り/Thought Harvester(OGW)》《水脈の乱動/Roiling Waters(OGW)》

in

《思考刈り/Thought Harvester(OGW)》:4マナ2/4飛行とマナレシオが優秀で、嚥下能力クリーチャーが少なくなり使いづらくなった昇華者も、ライブラリーを追放する能力で上手く機能さ

ることができる優秀なクリーチャーです。

out

《水脈の乱動/Roiling Waters(OGW)》:能力は非常に強力なのですが、いかんせん7マナまで伸びる機会が少なく、コストの重さが気になるので順位を下げました。

青・コモン
今回のトップ3前回のトップ3
《目潰しドローン/Blinding Drone(OGW)》《目潰しドローン/Blinding Drone(OGW)》
《ジュワー島の報復者/Jwar Isle Avenger(OGW)》《ジュワー島の報復者/Jwar Isle Avenger(OGW)》
《封止の被膜/Containment Membrane(OGW)》《耕作ドローン/Cultivator Drone(OGW)》

in

《封止の被膜/Containment Membrane(OGW)》:タッパーなどと合わせるとほぼ完全除去として機能する上、怒濤でプレイした時のテンポの良さは青のトップコモンにふさわしい性能です。

out

《耕作ドローン/Cultivator Drone(OGW)》:{C}マナを継続的に供給できるのは青にとって嬉しい要素なのですが、いかんせん{C}マナのカードが扱いずらいということもあり、意識せずとも流れてくるので順位を下げました。

黒・アンコモン
トップ3(変更なし)
《闇の掌握/Grasp of Darkness(OGW)》
《マラキールの占い師/Malakir Soothsayer(OGW)》
《本質を蝕むもの/Essence Depleter(OGW)》
黒・コモン
今回のトップ3前回のトップ3
《殺戮ドローン/Slaughter Drone(OGW)》《吸血鬼の特使/Vampire Envoy(OGW)》
《忘却の一撃/Oblivion Strike(OGW)》《忘却の一撃/Oblivion Strike(OGW)》
《コジレックの組み換え/Kozilek's Translator(OGW)》《タールの罠/Tar Snare(OGW)》

in

《殺戮ドローン/Slaughter Drone(OGW)》:黒の攻守に渡って活躍できる2マナ域。黒のもう一種の2マナ域である《空の探索者/Sky Scourer(OGW)》は汎用性が低いため、《殺戮ドローン/Slaughter Drone(OGW)》は優先してピックしましょう。

《コジレックの組み換え/Kozilek's Translator(OGW)》:{C}マナを供給するクリーチャーとして優秀です。自分のターン、相手のターンどちらでもマナを出せるので、見た目以上に使い勝手が良いです。

out

《吸血鬼の特使/Vampire Envoy(OGW)》:優秀なシステムクリーチャーですが、攻め合いをする環境では、若干物足りない性能なため順位を下げました。

《タールの罠/Tar Snare(OGW)》:除去として使うには少し物足りない性能なので、順位を下げました。

赤・アンコモン
トップ3(変更なし)
《食い荒らす炎/Devour in Flames(OGW)》
《怒りの具象化/Embodiment of Fury(OGW)》
《抑圧的支配/Press into Service(OGW)》
赤・コモン
今回のトップ3前回のトップ3
《巨岩投下/Boulder Salvo(OGW)》《巨岩投下/Boulder Salvo(OGW)》
《ゴブリンの自在駆け/Goblin Freerunner(OGW)》《ゴブリンの自在駆け/Goblin Freerunner(OGW)》
《ザダの猛士/Zada's Commando(OGW)》《アクームの炎探し/Akoum Flameseeker(OGW)》

in

《ザダの猛士/Zada's Commando(OGW)》:貴重な2マナの同盟者というだけでなく、先制攻撃や盟友のシステムも持つ、スーパー2マナクリーチャーです。

out

《アクームの炎探し/Akoum Flameseeker(OGW)》:順位を落とすには惜しいほどに強力なシステムクリーチャーですが、《ザダの猛士/Zada's Commando(OGW)》と比較で順位を下げます。ぶっちゃけ《アクームの炎探し/Akoum Flameseeker(OGW)》まで入れてトップ4にしてもいいくらいですが。

緑・アンコモン
今回のトップ3前回のトップ3
《種子の守護者/Seed Guardian(OGW)》《産み落とす巨体/Birthing Hulk(OGW)》
《洞察の具象化/Embodiment of Insight(OGW)》《洞察の具象化/Embodiment of Insight(OGW)》
《ニッサの裁き/Nissa's Judgment(OGW)》《ニッサの裁き/Nissa's Judgment(OGW)》

in

《種子の守護者/Seed Guardian(OGW)》:飛行によるビートダウンが強力な環境だけあり、到達は頼もしいです。死亡時に出るトークンも案外馬鹿にできず、4マナ域のクリーチャーの中でも一際強力です。

out

《産み落とす巨体/Birthing Hulk(OGW)》:性能は文句ないのですが、7マナという重さがやはりネックですね。

緑・コモン
今回のトップ3前回のトップ3
《忍び寄りドローン/Stalking Drone(OGW)》《忍び寄りドローン/Stalking Drone(OGW)》
《模範提示/Lead by Example(OGW)》《末裔招き/Scion Summoner(OGW)》
《鞍背ラガーク/Saddleback Lagac(OGW)》《鞍背ラガーク/Saddleback Lagac(OGW)》

in

《模範提示/Lead by Example(OGW)》:戦闘で相手を討ち取り、さらに強化された自陣のクリーチャーが残ってしまえば、もはや負ける方が難しいですね。

out

《末裔招き/Scion Summoner(OGW)》:トークンを呼び出した上に、自身も2/2と悪くない性能なのですが、活躍できるアーキタイプが少なく、若干ボンヤリしたカードなため順位を落としました。

無色とアーティファクト・アンコモン
トップ3(変更なし)
《次元の歪曲/Spatial Contortion(OGW)》
《歪める嘆き/Warping Wail(OGW)》
《甲殻の外套/Chitinous Cloak(OGW)》
無色とアーティファクト・コモン
トップ3(変更なし)
《予見者のランタン/Seer's Lantern(OGW)》
《面晶体の這行器/Hedron Crawler(OGW)》
《形状の管理人/Warden of Geometries(OGW)》

 以上各色トップ3でした。皆さんと評価が違う部分ももちろんあると思いますので、ぜひ比較してみてください。

4.最後に

 今回の記事はこれで終わりです。『戦乱のゼンディカー』に引き続き前編・後編とやらせていただきましたが、いかがでしたか? 感想いただけましたら今後の参考とさせていただきますので、ぜひTwitterなどでお送りください。

 今回はプロツアーに出場できず、なんとも悔しい結果となってしまいましたが、次回の記事ではプロツアーに出場できる状態で皆さんとお会いできるよう頑張りますので、是非これからも応援いただけるとありがたいです。

 では次回も新セット発売直前にお会いしましょう。それでは!

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