Magic The Gathering Products TAKARATOMY Wizards


読み物

第1回:グランプリ・オークランド

第1回:グランプリ・オークランド

 長いようで短かったオフも過ぎ去り、いよいよ2010年シーズンが開幕しました。今年もレベルを維持する為のプロポイントを求めて東へ西へ、たまに南へと、空飛ぶ鉄の棺桶に揺られて1日分の《時間のねじれ/Time Warp》を繰り返す日々の始まりです。いつもの事ですが今年もどうなることやら...

 お久しぶりです、そして長らくお待たせしました、あるいははじめましてかもしれません。

 諸事情により中断していた『マジックプレイヤー的地球の歩き方』ですが、ようやく連載第1回をスタートすることが出来ました。この連載はあるトーナメントマジックプレイヤーの週末の行動をまとめて、その翌週の木曜日に掲載する予定です。大体はグランプリやプロツアー、日本選手権といったプレミアイベントになると思いますがスケジュール的な都合で旅先でのこぼれ話となったりする週もあると思います。

 さて、今期初グランプリの開催地はカリフォルニア州オークランド。

 日本人には馴染みの無い地名ですが実はサンフランシスコの隣街、湾を囲んで大都市圏を構成している立地条件、去年からルイス=スコット=バルガスをアイコンとして積極展開しているチャネルファイアーボールドットコムのお膝元という事もあってか他のカードショップの出店も活発です。

 そして何よりも重要なのは翌週のプロツアーサンディエゴに向けて経由地として選びやすいという事。

 そのおかげでアメリカばかりかヨーロッパの強豪達もかなりの人数が参加しています。もちろん日本のプレイヤー達も例外ではなく、今回の旅は斎藤 友晴(編注:2007年度年間最優秀選手)、渡辺 雄也(編注:2009年度年間最優秀選手)、三田村 和弥(編注:プロツアー・ホノルル2009優勝)、高橋 優太(編注:グランプリ・静岡、グランプリ神戸2連覇)、八十岡 翔太(編注:2006年度年間最優秀選手)、そして私(編注:2008年度年間最優秀選手にしてこの記事の筆者)と合計6名がグランプリに参加しつつ、そのまま翌週のプロツアーサンディエゴに参加するという、おおよそ2週間のアメリカ行きとなります。

 成田空港で合流して機内では体調が悪かったこともあって薬の力も借りつつ全力で睡眠、目が覚めればそこはアメリカ。もっとも寝すぎたせいで入国書類を記入していなくて少し慌てました。思いのほか入国審査の行列の解決がスムーズで、これは機内でやっておくべきだったと少し後悔しました。しかし、より慌てないといけなかったのはその後です。

jpg

 サンフランシスコに到着してからオークランドに向かうには空港からサンフランシスコ市内、そして外延の市まで接続しているBARTという電車に乗れば良い事までは調べてたのですがどの駅が最寄り駅までかは全くの未知数。この難問に我々、日本を代表するマジックプレイヤー精鋭集団が考え出した結論は

『適当に降りてみる』

 これが見事成功、市街地からは地下を潜っているBARTの駅を降りてみるとそこには会場となるマリオットホテルがあるではないですか!あとはうろ覚えの地図を頼りにホテルを見つけてチェックイン、というより会場の隣なので流石に迷う必要がありません。それにしても中々に快適なロケーションです。

jpg

 会場に近いのもありますが道路を挟んだ対面にはスーパーマーケット、1ブロック歩けばそこはチャイナタウンで食べ物には困りそうにないのは大きなメリット、大会中はもとより直前調整やらでどうしても出不精になってしまうマジックプレイヤーには非常に魅力的に写ります。

jpg

 案の上、チャイナタウンで中華を食べ、スーパーで買出しをした後は誰一人外に出ず、当然のように惰眠をむさぼる日本人が6人。私はともかく他の5人の名誉の為に時差ぼけがきつかったという事にしておきましょう。

 今年初のプレミアイベントはエクステンデッドからです。私が使用したデッキは三田村 和弥製作のZOO。《野生のナカティル/Wild Nacatl》《タルモゴイフ/Tarmogoyf》《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》といった緑白赤の優秀クリーチャーを《稲妻/Lightning Bolt》《流刑への道/Path to Exile》《バントの魔除け/Bant Charm》と、これまた優秀な除去カードでサポートするというデッキ、従来のZOOより大型クリーチャーが多い構成と《バントの魔除け/Bant Charm》が投入されているところが特徴。

 《バントの魔除け/Bant Charm》はこの1枚でクリーチャー除去とアーティファクトに依存した《飛行機械の鋳造所/Thopter Foundry》+《弱者の剣/Sword of the Meek》への対策、カウンター呪文としても機能するというマルチタレントさでデッキに柔軟性が増しました。来週のプロツアーがスタンダードとドラフトという事もあって情報交換をしたプロ達もあまり練習をしていない様子。むしろ、プロツアー・サンディエゴに参加しない地元プレイヤーや大々的にプロモーションをしているチャネルファイアーボールの専属プロ達の方が手ごわい印象を受けます。

jpg

 ヨーロッパの知り合いプロと初戦であたり、お互いに練習不足を露呈しつつも何とか勝ったりと3連勝するものの続く2戦を連続で落としてあっという間に崖っ淵、2日目への生死を賭けた最終戦へと立たされてしまいましたがこれを何とか勝利して7勝2敗で2日目に進出。最終戦は、対赤単バーンデッキ戦で《血染めの月/Blood Moon》を貼られている3本目、次のターンにはおおよそこちらが負けという状況で唯一こちらに残っていた緑白マナ発生源の《貴族の教主/Noble Hierarch》に《流刑への道/Path to Exile》を打ち込んで《平地/Plains》を確保して《野生のナカティル/Wild Nacatl》を巨大化、最後の5点を削り取るという薄氷を踏むような勝ち方でした。

 こんなギリギリの戦いを制した事だし明日は良い日になるかなと思っても、そうはならないのがマジック、翌日は2連敗からスタートで下手をすればプロポイントも貰えないという状況からのスタート、その後なんとか3連勝して1点のプロポイントを確保できるところまではいけました。とはいえ、獲得プロポイントが2点になるか1点になるかがかかった2日目最終戦では対戦相手の先手1ターン目に《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》セットからの《思考囲い/Thoughtseize》キャスト。続いて《暗黒の深部/Dark Depths》《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》、次のターンに20/20がアタックで3ターンキルを食らって負けというなんとも虚しいもの。まあこれもマジックですね。この程度の練習量でプロポイント1点が貰えたと見れば充分でしょう。

 次週はいよいよ今年最初のプロツアーであるサンディエゴ。

 明日にはサンディエゴへと出発です、そしてこの記事が掲載される頃にはちょうど大会前日へとなっているはずです。出来れば良い結果を残したいものですが...

 それではまた次週、世界のどこかでお会いしましょう。

この記事についてツイートする

前の記事: 第0回:2009年グランプリ・プラハ | 「世界一周:先週のなかしゅー」一覧に戻る | 次の記事: 第2回:プロツアー・サンディエゴ