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木曜マジック・バラエティ

2011.06.09

浅原晃の「デッキタイムトラベル!」 Part6 -コンボの系譜 後篇

By 浅原 晃


 3回に渡って行ってきたコンボも後編の今回で完結。スカージから続きを書いていこう。

■2003年

22) 《ドラゴンの嵐》

 《精神の願望》は登場してから、ヴィンテージからスタンダードまで、あらゆる環境で活躍したのに対し、同じくしてスカージで登場した《ドラゴンの嵐》は、9マナという重さ、そして、出せるものがドラゴンだけであるという点で、トーナメントシーンとしては見向きもされない、それでいて、完璧なファンカードとして認識されていた。
 その当時出せるドラゴンが《刃の翼ロリックス》や《シヴ山のドラゴン》といったものと考えれば、マナ加速に加速を重ねて、返しの《神の怒り》で大好きなドラゴンが全滅となれば、当然とも言えるのだが、それはそれとして、カードの印象としては強く残っていたカードだ。

 このときの、《ドラゴンの嵐》は、スカージがスタンダードシーンから落ちるまで、トーナメントで活躍することはほとんど無かった。

 しかし、時のらせんでタイムシフトという過去のカードが再録されることになり、そこに《ドラゴンの嵐》が加わったときは状況は一変していた。


⇒2006年 +《ボガーダンのヘルカイト》

『ドラゴンストーム』 三原槙仁
世界選手権06 優勝 / スタンダード
8 《島/Island》
4 《山/Mountain》
4 《蒸気孔/Steam Vents》
4 《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
1 《石灰の池/Calciform Pools》
1 《戦慄艦の浅瀬/Dreadship Reef》

-土地(22)-

4 《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》
2 《狩り立てられたドラゴン/Hunted Dragon》

-クリーチャー(6)-
4 《睡蓮の花/Lotus Bloom》
4 《炎の儀式/Rite of Flame》
4 《煮えたぎる歌/Seething Song》
4 《万の眠り/Gigadrowse》
4 《手練/Sleight of Hand》
4 《差し戻し/Remand》
4 《時間の把握/Telling Time》
4 《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》

-呪文(32)-
1 《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》
1 《計略縛り/Trickbind》
3 《紅蓮地獄/Pyroclasm》
3 《無知の喜び/Ignorant Bliss》
4 《撤廃/Repeal》
1 《石灰の池/Calciform Pools》
2 《戦慄艦の浅瀬/Dreadship Reef》

-サイドボード(15)-

 あの三原槇仁の伝説のトップデッキで世界選手権を制するまでに進化した《ドラゴンの嵐》。《ドラゴンの嵐》はそもそも、それ単体で強さを持っているカードではなく、ドラゴンの強さやストームの性質上、マナ加速が環境にどれだけ存在するかに強さを依存している。 ファンカードであった《ドラゴンの嵐》を実戦レベルにまで引き上げたのは、瞬殺を可能にした《ボガーダンのヘルカイト》と《煮えたぎる歌》や《炎の儀式》、《睡蓮の花》といった優秀なマナ加速が同時に存在したからだろう。

 また、《石灰の池》といったマナをプール出来る土地が存在しており、打消し呪文に対しても十分なマナを持って仕掛けることができた、ストームはマナさえあれば、打消し呪文をほぼ無効化するというのも躍進の一因になっている。

 この《ドラゴンの嵐)》はラヴニカブロックと第9版がスタンダード落ちした、次の世界選手権07でも活躍を果たす。


⇒2007年 +《背骨岩の小山》

『刈り痕ストーム』 Patrick Chapin
世界選手権07 準優勝 / スタンダード
12 《山/Mountain》
4 《背骨岩の小山/Spinerock Knoll》
4 《菌類の到達地/Fungal Reaches》
4 《溶鉄の金屑場/Molten Slagheap》

-土地(24)-


4 《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》

-クリーチャー(4)-
4 《睡蓮の花/Lotus Bloom》
4 《炎の儀式/Rite of Flame》
4 《ショック/Shock》
2 《タール火/Tarfire》
4 《ぶどう弾/Grapeshot》
4 《火葬/Incinerate》
3 《裂け目の稲妻/Rift Bolt》
3 《紅蓮術士の刈り痕/Pyromancer's Swath》
4 《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》

-呪文(32)-
4 《十二足獣/Dodecapod》
2 《命運の輪/Wheel of Fate》
2 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
3 《硫黄破/Sulfurous Blast》
2 《巣穴からの総出/Empty the Warrens》
2 《記憶の点火/Ignite Memories》

-サイドボード(15)-


 前述した「ドラゴンストーム」がローテーションによって失ったものはいくつかあるが、その中でも大きかったのが《煮えたぎる歌》の損失だ。それによって《ドラゴンの嵐》は終わったデッキという風潮さえなされていた。最も安定したマナ加速を失って、9マナという膨大なマナはそう簡単には生まれない。

 しかし、ある特定のショートカットによってマナの支払いをタダのしてしまう効果がマジックには多く存在する。ローウィンの秘匿土地は条件さえ満たせれば、置いたときにライブラリーの上から4枚の内1枚を秘匿し、その秘匿したカードをタダで使うことができる土地だ。

 そして、赤の秘匿土地である《背骨岩の小山》の条件とは7点のダメージを1ターンに対戦相手に与えること、それに適していた形として採用されたのが赤単バーンとのハイブリットだ。
 特に《裂け目の稲妻》を待機しておけば、次のターンに呪文が唱えられ、マナを使わずに3点のダメージをストームを稼ぎながら与えられるという点でこのデッキを支えていた呪文と言えるだろう。

 副次的なコンボとして《ぶどう弾》と《紅蓮術士の刈り痕》で相手を焼き殺すことも可能だ。


■2004年

23) 《歯と爪》

 《ドラゴンの嵐》と同じく多くのマナが必要で2体までのクリーチャーまで何でも戦場に呼び出すことができる《歯と爪》がミラディンに登場したとき、コンボ好きのプレイヤーはありとあらゆるリストから、2つのクリーチャーの組み合わせを考えたことだろう。

 緑は土地に関連するマナ加速に優れた色であり、この時代にはそれに加えてトロンと呼ばれる、3種類の土地が存在した。《ウルザの塔》《ウルザの鉱山》《ウルザの魔力炉》の3つの土地は、全てが揃えば無色7マナを出すことができる土地で《歯と爪》を双呪で使うためには{7}{G}{G}が必要で、無色マナの部分をすべて補える計算になっていた。さらに、《森の占術》や《刈り取りと種まき》といった特殊地形をサーチする呪文を存在しており、揃えることは比較的容易だった。

 基盤は揃っており、後は優秀なクリーチャーが揃うのを待つだけ、最初に《歯と爪》が大きな強化を遂げたのは、フィフスドーンで《メフィドロスの吸血鬼》が加わってからだろう。


⇒2005年 +《トリスケリオン》+《メフィドロスの吸血鬼》

『緑単トロン』 Julien Goron
フランス選手権05 優勝 / スタンダード
7 《森/Forest》
1 《先祖の院、翁神社/Okina, Temple to the Grandfathers》
4 《ウルザの塔/Urza's Tower》
4 《ウルザの鉱山/Urza's Mine》
4 《ウルザの魔力炉/Urza's Power Plant》
1 《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》

-土地(21)-

3 《ぶどう棚/Vine Trellis》
4 《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
3 《永遠の証人/Eternal Witness》
2 《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》
1 《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》
1 《トリスケリオン/Triskelion》
1 《メフィドロスの吸血鬼/Mephidross Vampire》
1 《隔離するタイタン/Sundering Titan》

-クリーチャー(16)-
2 《金属モックス/Chrome Mox》
4 《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》
4 《森の占術/Sylvan Scrying》
4 《刈り取りと種まき/Reap and Sow》
2 《忘却石/Oblivion Stone》
3 《すき込み/Plow Under》
4 《歯と爪/Tooth and Nail》

-呪文(23)-
4 《トロールの苦行者/Troll Ascetic》
1 《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》
3 《素拳の岩守/Iwamori of the Open Fist》
2 《腐食ナメクジ/Molder Slug》
1 《忘却石/Oblivion Stone》
3 《忍び寄るカビ/Creeping Mold》
1 《すき込み/Plow Under》

-サイドボード(15)-

 これはさらに神河物語から、《鏡割りのキキジキ》を加えた形だ。《メフィドロスの吸血鬼》は自分の全てのクリーチャーに吸血鬼能力(クリーチャーにダメージを与えると+1/+1カウンターが乗る)を与えるため、《トリスケリオン》の自身の+1/+1カウンターをダメージに変える能力と合わせることによって、相手のクリーチャーに無限のダメージ、このコンビが居る限り、相手だけ《神の怒り》状態にしてしまえた。

 さらに、《鏡割りのキキジキ》と《隔離するタイタン》の組み合わせは、相手の基本土地を全て破壊してしまうほどの効果を持っていた。

 《歯と爪》の効果はクリーチャーによって拡張する。《歯と爪》はクリーチャーを新セットから得ることで、相手だけ《神の怒り》や《ハルマゲドン》といった効果にまで膨れ上がり、環境のトップメタに至るまでになっていった。

 コンボ要素を秘めたデッキがパートナーの獲得によって化ける例は多い。《ドラゴンの嵐》と《歯と爪》はその典型的な例と言えるかもしれない。


24) 《第二の日の出/Second Sunrise(MRD)》

 ミラディンからはもう一つ、ミラディンから《第二の日の出》を使った「サニー・サイド・アップ」という面白いデッキを紹介したい。「サニー・サイド・アップ」はエクステンデッドのデッキであり、キャントリップ付きアーティファクトを戦場を経由して墓地に送り、《第二の日の出》で大量に戻し、またドローを繰り返し、最終的には大量のストームを稼いだ《思考停止》で相手のライブラリーを削り切る。


⇒2006年 +《スカイクラウドの卵》+《妖術師のガラクタ》など

『サニー・サイド・アップ』 Sylvain Lauriol
世界選手権06 / エクステンデッド
2 《平地/Plains》
3 《島/Island》
3 《冠雪の島/Snow-Covered Island》
2 《教議会の座席/Seat of the Synod》
2 《セファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseum》
4 《遺跡発掘現場/Archaeological Dig》
4 《幽霊街/Ghost Quarter》

-土地(20)-


-クリーチャー(0)-
4 《第二の日の出/Second Sunrise》
4 《作り直し/Reshape》
1 《オアリムの詠唱/Orim's Chant》
2 《狡猾な願い/Cunning Wish》
2 《神秘の指導/Mystical Teachings》
1 《トレイリアの風/Tolarian Winds》
4 《睡蓮の花/Lotus Bloom》
4 《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
4 《彩色の星/Chromatic Star》
4 《妖術師のガラクタ/Conjurer's Bauble》
1 《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》
4 《スカイクラウドの卵/Skycloud Egg》
2 《ダークウォーターの卵/Darkwater Egg》
2 《モスファイアの卵/Mossfire Egg》
1 《サングラスの卵/Sungrass Egg》

-呪文(40)-
1 《思考停止/Brain Freeze》
1 《拭い捨て/Wipe Away》
2 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2 《オアリムの詠唱/Orim's Chant》
1 《天使の嗜み/Angel's Grace》
1 《計略縛り/Trickbind》
1 《大霊堂の戦利品/Spoils of the Vault》
1 《回収/Reclaim》
1 《種蒔き時/Seedtime》
1 《真髄の針/Pithing Needle》
3 《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》

-サイドボード(15)-


 このデッキのもっとも優れている点はギミックがパズルのように組み合わされており、プレイするものに考えるといういい刺激を与えてくれることだ。筆者が出会った中でも「もっとも一人回しが面白いデッキ」であり、「サニーサイドアップ」は最高の暇つぶしとしても使うことができる。ただ、問題は決めるターンが非常に長いことで、こちらが思考している間に、対戦相手は文字通り《思考停止》してしまうことだろう。ある意味、対戦には向かないというのも一人回しが面白いこのデッキらしいのかもしれない。


■2005年

25)《早摘み》

 《早摘み》はミラージュに初めて登場し、第7版、第9版と再録されたが、コンボデッキの重要パーツとして使われたのは第7版の「再供給ファイア」であり、本格的に流行したのは第9版以降になってからだ。時代が前後するが、まずは「再供給ファイア」のデッキレシピを紹介しよう。


⇒2001年 +《再供給》+《ギトゥの火》

『再供給ファイア』 藤田剛史
世界選手権01 / スタンダード
11 《森/Forest》
6 《島/Island》
3 《平地/Plains》
1 《山/Mountain》
1 《沼/Swamp》

-土地(22)-


-クリーチャー(0)-
2 《サーボの網/Tsabo's Web》
1 《破滅的な行為/Pernicious Deed》
4 《不屈の自然/Rampant Growth》
4 《連合戦略/Allied Strategies》
4 《再供給/Restock》
1 《ギトゥの火/Ghitu Fire》
4 《オアリムの詠唱/Orim's Chant》
3 《もつれ/Tangle》
2 《渦まく知識/Brainstorm》
4 《俗世の相談/Worldly Counsel》
4 《砕土/Harrow》
4 《早摘み/Early Harvest》
1 《嘘か真か/Fact or Fiction》

-呪文(38)-
3 《ジュントゥのくい/Juntu Stakes》
2 《破滅的な行為/Pernicious Deed》
2 《反論/Gainsay》
1 《もつれ/Tangle》
2 《勇士の再会/Heroes' Reunion》
2 《嘘か真か/Fact or Fiction》
3 《サーボの命令/Tsabo's Decree》

-サイドボード(15)-

 《早摘み》は基本土地を全てアンタップし、マナブーストを行うカードである。ともに使われるカードは時代によって様々だが、その構造はほとんど変わらない。基本土地を並べて、大量のマナを生み出し、ドロー呪文を使い、また《早摘み》で大量のマナを生み出す。
 ただ、《早摘み》だけでは、相手に致死量となるほどのマナを生み出すことはできないので、このデッキでは《再供給》によって、《早摘み》を何度も使いまわして、そのマナを得て勝負を決める。


⇒2006年 +《春の鼓動》+《現し世の裏切り者、禍我》

『禍我シュート』 Maximilian Bracht
プロツアー・ホノルル06 6位 / スタンダード
10 《森/Forest》
10 《島/Island》
1 《山/Mountain》
1 《沼/Swamp》

-土地(22)-

4 《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
4 《幻の漂い/Drift of Phantasms》
1 《現し世の裏切り者、禍我/Maga, Traitor to Mortals》

-クリーチャー(9)-
4 《春の鼓動/Heartbeat of Spring》
4 《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》
4 《差し戻し/Remand》
4 《交錯の混乱/Muddle the Mixture》
1 《ブーメラン/Boomerang》
4 《早摘み/Early Harvest》
1 《奇妙な収穫/Weird Harvest》
4 《木霊の手の内/Kodama's Reach》
1 《喚起/Recollect》
1 《強迫的な研究/Compulsive Research》
1 《火想者の発動/Invoke the Firemind》

-呪文(29)-
4 《殴打蔦の葛/Vinelasher Kudzu》
3 《素拳の岩守/Iwamori of the Open Fist》
2 《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》
1 《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》
1 《紅蓮地獄/Pyroclasm》
3 《大竜巻/Savage Twister》
1 《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》

-サイドボード(15)-

 2006年のプロツアーホノルルでは第9版に再録された《早摘み》を《春の鼓動》との組み合わせによって、爆発的なマナを生み出し《現し世の裏切り者、禍我》によって相手のライフを全て削る通称「マガシュー」が登場した。

 このデッキは《春の鼓動》によってマナ的には基本土地が2倍の枚数あるかのように機能するため、「再供給ファイア」のような循環はさせず、4枚の《早摘み》だけでもマナのほとんどを補うことができた。

 動きとしてはクリーチャーをサーチできる《奇妙な収穫》から《幻の漂い》をサーチし、《幻の漂い》の変成によって3マナのカードつまりは《早摘み》に変え、その《早摘み》を連打し、同様にサーチが可能な《現し世の裏切り者、禍我》によって決める。もちろん、その過程には膨大なマナが必要だが、それを実現できるのが《春の鼓動》だったのだ。


26) 《ゴルガリの墓トロール》

 新しいカードと過去のカードから新しいデッキが掘り起こされるというのは良くある話だが、文字通りデッキをひたすらに堀り起こしていくいわゆる「発掘」デッキが登場したのは、ラヴニカブロックに入ってからだ。
 発掘はゴルガリギルド特有のキーワードであり、その特性はデッキからカードを墓地に落とすことで、特定のカードを回収できる・・・ではなく、ほとんどの場合、デッキからカードを落とすために、発掘カードを墓地に落とすといった利用法だった。

 何故、墓地に落とすことが強いことなのか?といえば、単純明快にして、墓地にあると強いカードがマジックには多数存在しているからだ。


⇒2005年 +《綿密な分析》+《イチョリッド》

『フリゴリッド』 Michael Krumb
グランプリ・シャーロット05 優勝 / エクステンデッド
1 《沼/Swamp》
4 《湿った墓/Watery Grave》
4 《セファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseum》
4 《汚染された三角州/Polluted Delta》
3 《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
2 《草むした墓/Overgrown Tomb》

-土地(18)-

4 《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》
4 《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》
4 《朽ちゆくインプ/Putrid Imp》
4 《サイカトグ/Psychatog》
4 《イチョリッド/Ichorid》
2 《不可思議/Wonder》

-クリーチャー(22)-
4 《トレイリアの風/Tolarian Winds》
4 《ゾンビの横行/Zombie Infestation》
4 《綿密な分析/Deep Analysis》
4 《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
4 《金属モックス/Chrome Mox》

-呪文(20)-
4 《炎まといの天使/Firemane Angel》
4 《一瞬の平和/Moment's Peace》
3 《天啓の光/Ray of Revelation》
4 《棺の追放/Coffin Purge》

-サイドボード(15)-

 「フリゴリッド」と呼ばれるデッキはエクステンデッドの環境を一変させた。このデッキのもっともすぐれているところは、その安定性にある。デッキからカードを墓地に落とすこと自体がドローのようなものであり、発掘6と書かれている《ゴルガリの墓トロール》を発掘することはまるで6枚のドローと変わらない。《イチョリッド》は何回でも甦り、そのたびにフラッシュバック呪文である《陰謀団式療法》や《綿密な分析》を使いさらに墓地を肥やすことができた。

 また、このデッキは一度墓地に《ゴルガリの墓トロール》を落としてしまえば、ほとんど呪文を使わないという、マジック史上でも類を見ない動きをするデッキである。呪文を使わないということは、万能と言われた《対抗呪文》もただの紙切れ同然なのだ。

 このデッキは未来予知によって《ナルコメーバ》と《黄泉からの橋》が加わることでさらに瞬殺が可能なコンボデッキへと進化し、レガシーやヴィンテージでも長い活躍を見せている。


⇒2007年 +《ナルコメーバ》+《黄泉からの橋》

レガシー版『ドレッジ』 Martin Scheinen
世界選手権07 / レガシー
4 《セファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseum》
1 《地底の大河/Underground River》
4 《Underground Sea》
4 《湿った墓/Watery Grave》

-土地(13)-

1 《セファリッドの賢者/Cephalid Sage》
1 《炎の血族の盲信者/Flame-Kin Zealot》
4 《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》
3 《ゴルガリの凶漢/Golgari Thug》
4 《イチョリッド/Ichorid》
4 《ナルコメーバ/Narcomoeba》
4 《朽ちゆくインプ/Putrid Imp》
4 《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》

-クリーチャー(25)-
4 《打開/Breakthrough》
4 《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
3 《綿密な分析/Deep Analysis》
3 《戦慄の復活/Dread Return》
4 《黄泉からの橋/Bridge from Below》
4 《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond》

-呪文(22)-
1 《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》
4 《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》
2 《虚空の杯/Chalice of the Void》
4 《虚空の力線/Leyline of the Void》
4 《真髄の針/Pithing Needle》

-サイドボード(15)-
ヴィンテージ版『ドレッジ』 Nick Calcaterra
ヴィンテージ選手権07 Top8 / ヴィンテージ
4 《Bazaar of Baghdad》
4 《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》

-土地(8)-

2 《セファリッドの賢者/Cephalid Sage》
2 《炎の血族の盲信者/Flame-Kin Zealot》
4 《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》
4 《ゴルガリの凶漢/Golgari Thug》
4 《イチョリッド/Ichorid》
4 《ナルコメーバ/Narcomoeba》
4 《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》

-クリーチャー(24)-
4 《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
4 《戦慄の復活/Dread Return》
4 《暴露/Unmask》
4 《黄泉からの橋/Bridge from Below》
4 《虚空の杯/Chalice of the Void》
4 《虚空の力線/Leyline of the Void》
4 《血清の粉末/Serum Powder》

-呪文(28)-
2 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
4 《Contagion》
3 《エメラルドの魔除け/Emerald Charm》
4 《恭しき沈黙/Reverent Silence》
2 《Taiga》

-サイドボード(15)-

 構造的にほとんどマナを必要としないため、《Bazaar of Baghdad》などの強力な土地が存在するヴィンテージ環境では土地がほとんど使用されていない。

 墓地対策が必要というのは、「発掘」が存在する環境ならば誰もが気にかけることだろう。


■2006年

26) 《変幻の大男/Protean Hulk(DIS)》

 ディセンションで加わった《変幻の大男》は墓地に落ちることでコンボ要素として機能する。コンボだったパーツをどのように制定するかというのはもちろん、どうやって墓地に落とすかというのもコンボとして重要なポイント。


⇒2006年 +《溺れたルサルカ》+《御霊の足跡》

『リアルジャパニメイション』 黒田正城
日本選手権06 / スタンダード
4 《湿った墓/Watery Grave》
4 《地底の大河/Underground River》
4 《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct》
5 《島/Island》
1 《沼/Swamp》
1 《雲の宮殿、朧宮/Oboro, Palace in the Clouds》
1 《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water's Edge》
1 《嘆きの井戸、未練/Miren, the Moaning Well》
1 《死の溜まる地、死蔵/Shizo, Death's Storehouse》
1 《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》
1 《繁殖池/Breeding Pool》

-土地(24)-

1 《精神を刻むもの/Mindslicer》
1 《初めて苦しんだもの、影麻呂/Kagemaro, First to Suffer》
1 《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》
2 《潮の星、京河/Keiga, the Tide Star》
2 《絶望の天使/Angel of Despair》
3 《溺れたルサルカ/Drowned Rusalka》
4 《変幻の大男/Protean Hulk》
4 《思考の急使/Thought Courier》

-クリーチャー(18)-
4 《ゾンビ化/Zombify》
2 《死後剛直/Vigor Mortis》
4 《強迫的な研究/Compulsive Research》
4 《留まらぬ発想/Ideas Unbound》
4 《御霊の足跡/Footsteps of the Goryo》

-呪文(18)-
4 《最後の喘ぎ/Last Gasp》
1 《骸骨の吸血鬼/Skeletal Vampire》
3 《暗黒破/Darkblast》
3 《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》
2 《死後剛直/Vigor Mortis》
2 《シミックの空呑み/Simic Sky Swallower》

-サイドボード(15)-

 このような形で、スタンダードでは《御霊の足跡》を使い《変幻の大男》をリアニメイトし、有効なカードをデッキから引っ張ってくるといった使われ方が主だったが、下の環境では強力なコンボも生まれた。


⇒2007年 +《閃光》

『ハルクフラッシュ』 Steven Sadin
グランプリ・コロンバス07 優勝 / レガシー
3 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4 《汚染された三角州/Polluted Delta》
3 《島/Island》
1 《沼/Swamp》
1 《Underground Sea》
1 《Tropical Island》
1 《Tundra》

-土地(14)-

4 《変幻の大男/Protean Hulk》
4 《闇の腹心/Dark Confidant》
1 《屍肉喰らい/Carrion Feeder》
1 《霊体の先達/Karmic Guide》
1 《ボディ・スナッチャー/Body Snatcher》
1 《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》

-クリーチャー(12)-
4 《Force of Will》
4 《目くらまし/Daze》
4 《渦まく知識/Brainstorm》
4 《神秘の教示者/Mystical Tutor》
4 《閃光/Flash》
1 《虐殺/Massacre》
1 《残響する真実/Echoing Truth》
4 《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》
4 《金属モックス/Chrome Mox》
4 《相殺/Counterbalance》

-呪文(34)-
4 《虚空の力線/Leyline of the Void》
3 《虐殺/Massacre》
1 《恭しき沈黙/Reverent Silence》
3 《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
4 《クウィリーオンのドライアド/Quirion Dryad》

-サイドボード(15)-

 2007年に《閃光》のテキストが裁定により「クリーチャーが戦場に一旦出てから墓地に落ちる」ようになった(元はマナを払わないと戦場に出なかった)。

 これを利用して《閃光》によって《変幻の大男》を落とし、《霊体の先達》と《屍肉喰らい》から、《変幻の大男》を釣り、《鏡割りのキキジキ》に繋げて無限循環させるというコンボが可能になった。
 この形は速度を重視していないタイプだが、理論上可能な数値で0ターンキルもできるデッキとして「ハルクフラッシュ」は有名である。ただ、妨害呪文を多く積んだバージョンでも2ターン、遅くとも3ターンキルは安定して可能だったために、早さを求める必要がなかったとさえいえるデッキだろう。

 ちなみに0ターンキルのパターンは《宝石の洞窟》と《猿人の指導霊》などで相手のアップキープに《閃光》を使い、《大霊堂の信奉者》と《変容する壁》を使い一気にライフを失わせる。

 ただ、余りにも隙が無く早いコンボであったために、すぐに《閃光》が禁止カードとなり、その姿を消すことになった。


■2007年

27) 《野生のつがい/Wild Pair(PLC)》

 時のらせんブロック構築では、コンボデッキというよりも《適者生存》に近いコンボ型のクリーチャーデッキが生まれた。それが、《野生のつがい》だ。《野生のつがい》は手札からクリーチャーを唱えて戦場に出たとき、それのパワーとタフネスの合計が同じクリーチャーをデッキから持ってくることができる。


⇒2007年 +各種スリヴァー

『野生のつがい』 Guillaume Wafo-Tapa
グランプリ・モントリオール07 3位 / 時のらせんブロック構築
6 《島/Island》
4 《森/Forest》
1 《山/Mountain》
1 《平地/Plains》
4 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
1 《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》
1 《ウルザの工廠/Urza's Factory》
4 《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》

-土地(22)-

1 《白たてがみのライオン/Whitemane Lion》
4 《根の壁/Wall of Roots》
4 《宝革スリヴァー/Gemhide Sliver》
4 《休眠スリヴァー/Dormant Sliver》
3 《念動スリヴァー/Telekinetic Sliver》
1 《反射スリヴァー/Reflex Sliver》
1 《暗心スリヴァー/Darkheart Sliver》
3 《熱狂スリヴァー/Frenetic Sliver》
1 《神秘の蛇/Mystic Snake》
1 《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》
1 《増力スリヴァー/Might Sliver》

-クリーチャー(24)-
4 《予感/Foresee》
4 《連合の秘宝/Coalition Relic》
4 《野生のつがい/Wild Pair》
2 《占有/Take Possession》

-呪文(14)-
1 《念動スリヴァー/Telekinetic Sliver》
1 《熱狂スリヴァー/Frenetic Sliver》
2 《根絶/Extirpate》
3 《砕岩を食うもの/Detritivore》
3 《裂け目掃き/Riftsweeper》
1 《スリヴァー軍団/Sliver Legion》
1 《神秘の蛇/Mystic Snake》
1 《白たてがみのライオン/Whitemane Lion》
1 《収穫するものテネブ/Teneb, the Harvester》
1 《ヴェズーヴァ/Vesuva》

-サイドボード(15)-

 元々、《野生のつがい》は《白たてがみのライオン》を戦場と手札を往復させてアドバンテージを取っていくことをメインにしている。しかし、《野生のつがい》は6マナと重く、それから多くのマナを使うために単体で頼れるほどのコンボ要素はない。

 それならばそもそも連携の必要なスリヴァーの補助として使うことで、スリヴァーを揃えながら自然とアドバンテージを取れるというシステムを組み込み、デッキとして自然と闘いながら、コンボとしての瞬発力も備えた形を実現している。コンボとしても戦えるし、スリヴァーとしても戦える。コンボを一つの選択肢に据えたパターンと言えるだろう。

■2008年

28) 《目覚ましヒバリ》

 モーニングタイドでコンボもしくは、コントロールとしてスタンダードでオーバーパワーな力を発揮したのが《目覚ましヒバリ》だ。このカードはコンボ要素も持っているが、基本的に《一瞬の瞬き》と一緒に使われ、《熟考漂い》などが戻ってくるだけでも多大なアドバンテージを得られるため、コントロールとして組まれることも多い。素のスペック、想起を持ったクリーチャーを使いまわすなど、盤面をコントロールする力がそもそも強かった。

 ただ、《影武者》を絡めた無限コンボを搭載したデッキも多く活躍している。


⇒2008年 +《影武者/Body Double(PLC)》+《大いなるガルガドン/Greater Gargadon(TSP)》

『ジョイタイム』 Yong Han Choo
プロツアー・ハリウッド08 Top4 / スタンダード
4 《戦場の鍛冶場/Battlefield Forge》
2 《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》
4 《変わり谷/Mutavault》
4 《秘教の門/Mystic Gate》
2 《反射池/Reflecting Pool》
4 《冠雪の島/Snow-Covered Island》
1 《冠雪の平地/Snow-Covered Plains》
2 《鮮烈な小川/Vivid Creek》

-土地(23)-

2 《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher》
2 《影武者/Body Double》
2 《大いなるガルガドン/Greater Gargadon》
4 《熟考漂い/Mulldrifter》
4 《目覚ましヒバリ/Reveillark》
4 《誘惑蒔き/Sower of Temptation》
2 《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》

-クリーチャー()-
2 《入念な考慮/Careful Consideration》
4 《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》
2 《精神石/Mind Stone》
2 《一瞬の瞬き/Momentary Blink》
2 《否定の契約/Pact of Negation》
4 《ルーンのほつれ/Rune Snag》
2 《神の怒り/Wrath of God》

-呪文(18)-
2 《エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher》
3 《隆盛なる勇士クロウヴァクス/Crovax, Ascendant Hero》
2 《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》
2 《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》
2 《テフェリーの濠/Teferi's Moat》
1 《ヴェズーヴァの多相の戦士/Vesuvan Shapeshifter》
2 《太陽と月の輪/Wheel of Sun and Moon》
1 《薄れ馬/Wispmare》

-サイドボード(15)-

 このデッキにおいてもっとも大きな働きをするのは《大いなるガルガドン》だろう。《目覚ましヒバリ》+《影武者》からの、《造物の学者、ヴェンセール》による無限バウンスといったコンボ要因だけでなく、《目覚ましヒバリ》の戦場から離れたとき効果を好きなタイミングで使えるほか、《誘惑蒔き》で奪ったクリーチャーを返すこともない。

 速度という点では他のコンボに比べて遅いといえるが、コンボを常に狙えながら、アドバンテージと盤面に対する支配力も高いデッキであるといえ、環境に常に存在し続けたデッキだ。


29) 《絵描きの召使い》

 シャドウムーアのペインターと呼ばれる《絵描きの召使い》は、戦場にあるカードだけでなく、全てのカードに色を描いてしまう稀有なカードだ。そのためいくつか色に関係のあるものとコンボが成り立つ。
 代表的なのは、レガシー環境における、《丸砥石》とのコンボだろう。


⇒2008年 +《丸砥石》

『ペインター・グラインドストーン』 John Scamihorn
レガシー選手権08 Top8 / レガシー
2 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
1 《大焼炉/Great Furnace》
6 《島/Island》
8 《山/Mountain》
1 《教議会の座席/Seat of the Synod》
1 《Volcanic Island》

-土地(19)-

4 《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》
4 《月の大魔術師/Magus of the Moon》
4 《絵描きの召使い/Painter's Servant》
4 《粗石の魔道士/Trinket Mage》

-クリーチャー(16)-
4 《渦まく知識/Brainstorm》
1 《残響する真実/Echoing Truth》
4 《Force of Will》
1 《誤った指図/Misdirection》
4 《思案/Ponder》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
3 《赤霊破/Red Elemental Blast》
1 《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
2 《丸砥石/Grindstone》
1 《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》
1 《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》

-呪文(25)-
1 《呪われた巻物/Cursed Scroll》
1 《残響する真実/Echoing Truth》
1 《ガイアの祝福/Gaea's Blessing》
1 《丸砥石/Grindstone》
4 《モグの狂信者/Mogg Fanatic》
1 《真髄の針/Pithing Needle》
1 《紅蓮破/Pyroblast》
1 《赤霊破/Red Elemental Blast》
1 《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》
2 《破壊放題/Shattering Spree》
1 《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》

-サイドボード(15)-

 《丸砥石》はライブラリーを2枚削り、色が同じならばそれを繰り返す。《絵描きの召使い》によって、デッキのカードの色も1色に固定されるために、デッキが0枚になるまでライブラリーは削れてしまう。また、このデッキには色対策のカードがメインから積まれており、それも《絵描きの召使い》とのコンボによって、メインから無駄にならない仕様になっている。

 スタンダードシーンにおいては、《混沌とした反発》などによって、相手はパーマネント×2点のダメージを受けるといったコンボなどで使われたが、確定で倒せるほどのダメージが入りにくいこと、《絵描きの召使い》自身が除去されやすいクリーチャーであるために、安定性に欠けるため一線級までには至らなかった。


30) 《ブリン・アーゴルの白鳥》

 どちらかといえば、ローウィン、シャドウムーアブロックにおいて、もっともコンボらしいコンボを生み出したのは《ブリン・アーゴルの白鳥》だろう。
 このクリーチャーは与えられたダメージを全て軽減しその分をドローに変えることで、《突撃の地鳴り》のようなマナの掛からないダメージソースと組み合わせて瞬殺コンボとして機能したからだ。


⇒2008年 +《突撃の地鳴り》

『スワンアサルト』 Aaron Nicastri
オーストラリア選手権08 優勝 / スタンダード
4 《ダクムーアの回収場/Dakmor Salvage》
4 《宝石鉱山/Gemstone Mine》
4 《偶像の石塚/Graven Cairns》
4 《反射池/Reflecting Pool》
4 《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
4 《鮮烈な小川/Vivid Creek》
3 《鮮烈な湿地/Vivid Marsh》

-土地(27)-

4 《ブリン・アーゴルの白鳥/Swans of Bryn Argoll》
3 《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》

-クリーチャー(7)-
4 《女王への懇願/Beseech the Queen》
2 《ガイアの祝福/Gaea's Blessing》
4 《睡蓮の花/Lotus Bloom》
4 《思案/Ponder》
4 《突撃の地鳴り/Seismic Assault》
4 《時間の把握/Telling Time》
4 《思考囲い/Thoughtseize》

-呪文(26)-
3 《滅び/Damnation》
3 《炎渦竜巻/Firespout》
4 《インプの悪戯/Imp's Mischief》
2 《クローサの掌握/Krosan Grip》
3 《否定の契約/Pact of Negation》

-サイドボード(15)-

 基本的な構造は明確であり、《ブリン・アーゴルの白鳥》と《突撃の地鳴り》を戦場に出した後、手札の土地を1枚捨てて、2点のダメージを白鳥に当てることで2枚のカードを引く。墓地に《ダクムーアの回収場》があれば発掘して確実に土地を手にすることができるので、ライブラリーを限界まで全て手札とし、最終的に手札の土地を全て対戦相手に投げつけて勝利する。

 コンボ特化型の他にも、構成パーツが少ないために様々な形が許容でき、コントロールタイプのフィニッシャーとして、このコンボが起用される形も存在している。


⇒2009年 +《血編み髪のエルフ》

『続唱スワン』 Paulo Vitor Damo da Rosa
グランプリ・バルセロナ09 Top4 / スタンダード
2 《戦場の鍛冶場/Battlefield Forge》
2 《滝の断崖/Cascade Bluffs》
4 《火の灯る茂み/Fire-Lit Thicket》
2 《ギトゥの宿営地/Ghitu Encampment》
4 《偶像の石塚/Graven Cairns》
1 《山/Mountain》
4 《反射池/Reflecting Pool》
4 《岩だらけの大草原/Rugged Prairie》
4 《背骨岩の小山/Spinerock Knoll》
4 《樹上の村/Treetop Village》
4 《鮮烈な岩山/Vivid Crag》
4 《鮮烈な林/Vivid Grove》
1 《鮮烈な湿地/Vivid Marsh》
1 《鮮烈な草地/Vivid Meadow》

-土地(41)-

4 《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》
4 《ブリン・アーゴルの白鳥/Swans of Bryn Argoll》

-クリーチャー(8)-
2 《むかつき/Ad Nauseam》
2 《瀝青破/Bituminous Blast》
2 《捕らえられた陽光/Captured Sunlight》
1 《原初の命令/Primal Command》
4 《突撃の地鳴り/Seismic Assault》

-呪文(11)-
2 《沈黙のオーラ/Aura of Silence》
4 《田舎の破壊者/Countryside Crusher》
2 《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》
1 《原初の命令/Primal Command》
2 《難問の鎮め屋/Vexing Shusher》
2 《枝細工下げの古老/Wickerbough Elder》
2 《神の怒り/Wrath of God》

-サイドボード(15)-

 また、続唱がアラーラの再誕で加わると、それを利用した「続唱スワン」が現れる。続唱を持った《血編み髪のエルフ》を唱えた場合、3以下の呪文をライブラリーの上から捲って使えるが、このデッキでは3以下の呪文を《突撃の地鳴り》しか入れていないので、確実に《突撃の地鳴り》を引っ張ってくることが出来る。

 スワンアサルトのコンボはデッキの性質上、土地が多ければ多いほどに確実に決まる。このデッキでは実に41枚もの土地を入れており、コンボの途中で土地が止まるということはほとんどない。また、副次的に使われている《むかつき》+《突撃の地鳴り》のコンボも土地が多い構成だからこそ使えるもので、デッキの強みになっている。土地が多いということは、手段が少ないということになるが、結局はどの続唱も《突撃の地鳴り》に繋がると考えれば残りの全てのカードが勝ち手段そのものであり、逆に土地の多さが《突撃の地鳴り》の強さを際立たせている。まさに、目からうろこの構築と言えるだろう。


■2009年

31) 《吸血鬼の呪詛術士》

 パーマネントの上のカウンターをすべて取り除く。これは、本来はプレインズウォーカー対策として機能する能力だが、それを持つ《吸血鬼の呪詛術士》はエクステンデッド環境ではコンボパーツとして使われた。


⇒2009年 +《暗黒の深部》

『ヘックスメイジ・デプス』 Paulo Vitor Damo da Rosa
プロツアー・オースティン09 Top8 / エクステンデッド
4 《暗黒の深部/Dark Depths》
1 《幽霊街/Ghost Quarter》
4 《涙の川/River of Tears》
4 《沈んだ廃墟/Sunken Ruins》
1 《沼/Swamp》
4 《トレイリア西部/Tolaria West》
2 《地底の大河/Underground River》
4 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》

-土地(24)-

4 《闇の腹心/Dark Confidant》
4 《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》
3 《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》

-クリーチャー(11)-
3 《女王への懇願/Beseech the Queen》
4 《交錯の混乱/Muddle the Mixture》
3 《撤廃/Repeal》
4 《思考囲い/Thoughtseize》
4 《虚空の杯/Chalice of the Void》
4 《金属モックス/Chrome Mox》
3 《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》

-呪文(25)-
4 《苦花/Bitterblossom》
2 《滅び/Damnation》
1 《破滅の刃/Doom Blade》
1 《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》
1 《真髄の針/Pithing Needle》
1 《殺戮の契約/Slaughter Pact》
2 《不忠の糸/Threads of Disloyalty》
2 《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》
1 《イクスリッドの看守/Yixlid Jailer》

-サイドボード(15)-

 《暗黒の深部》の上に乗せられたカウンターは強さではなく、封じている枷を示しており、それがなくなれば、太古のマリット・レイジが復活するというものだ。10個のカウンター1個につき3マナ、本来は30マナ掛かる部分を《吸血鬼の呪詛術士》ならばたったの2マナで取り除けてしまう。そこから生まれるのは20/20破壊されないクリーチャーで、対戦相手に攻撃が通れば倒すのは一瞬だ。

 ただ、エクステンデットには《流刑への道》といった「破壊されない」を無視するような除去が横行していたため、決まれば勝ちの類ではなかった。それをさらに《思考囲い》や《虚空の杯》でサポートすることで勝利できるデッキとなっている。


32) 《変身》

 基本セット2010で再録された《変身》はランダムに何が出る夢のあるカードである・・・というわけではなく、強力なクリーチャーをマナを踏み倒して出すといった使い方をする。デッキに出したいクリーチャーだけを入れて、トークンを生成して《変身》を打ち込めば、そのクリーチャーを確実に呼び出すことができる。
 では、どれだけ強いクリーチャーならば、実用的なのか? その答えはエルドラージ覚醒だ。


⇒2010年 +《引き裂かれし永劫、エムラクール》

『エムラクール変身』 Taufik Indrakesuma
グランプリ・マニラ10 準優勝 / スタンダード
2 《森/Forest》
4 《ハリマーの深み/Halimar Depths》
10 《島/Island》
4 《カルニの庭/Khalni Garden》
4 《霧深い雨林/Misty Rainforest》

-土地(24)-

2 《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》

-クリーチャー(2)-
4 《目覚めの領域/Awakening Zone》
4 《剥奪/Deprive》
4 《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》
4 《乱動への突入/Into the Roil》
4 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
2 《否認/Negate》
4 《変身/Polymorph》
4 《思案/Ponder》
4 《広がりゆく海/Spreading Seas》

-呪文(34)-
2 《全ては塵/All Is Dust》
4 《瞬間凍結/Flashfreeze》
1 《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》
2 《否認/Negate》
4 《送還/Unsummon》
2 《鞭打ちの罠/Whiplash Trap》

-サイドボード(15)-

 エルドラージは今までのクリーチャーとはまさに次元が違うレベルのカードであり、さらに《引き裂かれし永劫、エムラクール》はエルドラージの三神の中でもトップの力を持っている。呪文に対して耐性がある上、1回でも攻撃できれば、滅殺6によって相手の場を壊滅状態にすることができる。《カルニの庭》経由ならば、最速3ターンで《引き裂かれし永劫、エムラクール》が降臨するため、対峙する場合は速度にも警戒する必要があった。

 ただ、残念ながら《引き裂かれし永劫、エムラクール》のような神でも弱点がある。《精神を刻む者、ジェイス》を相手に置かれるとどうしようもない。そのためにこちらも多くのジェイスを使う必要があるのだ。


33)《欠片の双子》

 では、最後に今現在使用可能な瞬殺コンボとしてよく知られている、この《欠片の双子》と《詐欺師の総督》のコンボを紹介しよう。


⇒2011年 +《詐欺師の総督(NPH)》

『青赤緑《欠片の双子》』Tim Landale
StarCityGames オープントーナメント・オークランド 3位
2 《森/Forest》
4 《島/Island(NPH)》
2 《山/Mountain》
4 《銅線の地溝/Copperline Gorge(SOM)》
3 《ハリマーの深み/Halimar Depths》
4 《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》
4 《怒り狂う山峡/Raging Ravine》
4 《沸騰する小湖/Scalding Tarn(ZEN)》

-土地(27)-

4 《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》
4 《詐欺師の総督/Deceiver Exarch(NPH)》
1 《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》
4 《業火のタイタン/Inferno Titan(M11)》

-クリーチャー(13)-
4 《定業/Preordain(M11)》
3 《稲妻/Lightning Bolt》
2 《マナ漏出/Mana Leak》
2 《探検/Explore》
3 《欠片の双子/Splinter Twin》
2 《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren(M11)》
4 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》

-呪文(20)-
2 《強情なベイロス/Obstinate Baloth》
3 《自然の要求/Nature's Claim(WWK)》
2 《呪文貫き/Spell Pierce(ZEN)》
4 《瞬間凍結/Flashfreeze(M10)》
4 《紅蓮地獄/Pyroclasm》

-サイドボード(15)-

 《欠片の双子》はもともと《やっかい児》との無限コンボで知られているカードだ、《やっかい児》と《詐欺師の総督》はほぼ同じ能力を持っているので、《詐欺師の総督》に《欠片の双子》を付けて、コピーを出し、元の《詐欺師の総督》を起こしてという形で無限にトークンが生み出せる。すべてが速攻を持っているのでそれらで攻撃すれば勝利となる。

 《詐欺師の総督》は1/4なので、《稲妻》に耐性がある分《やっかい児》よりもコンボの点だけで見れば上位だ。ただ、このコンボの重要な点は今の環境を考えた場合、メタりやすい部類に数られるというところだろう。そのため、青赤緑といったターボランドにコンボを混ぜる形にして、戦略の選択肢の一つとしての使われ方をすることが多い。

 クリーチャー戦場に出すコンボの安定性が低いのは、クリーチャー自体が破壊されやすいものだからだ。メタられやすいというのは、クリーチャー除去の質をシフトするだけで、例えば《稲妻》でなく、《四肢切断》を組み込んでいくなどで、対応されてしまうことを意味している。《呪文滑り》などの対策もあるが、コンボパーツが一つ増えてしまうことになり安定性が犠牲になる、防ごうとしている相手を突き破るのはなかなか簡単ではない。

 その際にハイブリッドした戦略ならば、相手も対応の仕方に裏目が生じる。《四肢切断》は《業火のタイタン》を殺し切れないので構えていても大きな被害を受けるのだ。特定の対策に対して弱点を持つコンボはその弱点を補うのではなくて、別の攻め方をすることで、それで勝利することも、結果的にそのガードを開けられるときもあるだろう。
 もちろん、これが全て正しいということもないが、このスタイルのリストはそういった利点があるといえるのだ。



 というわけでコンボの歴史はここまで、マジックのコンボはもちろんこれだけではないし、もしかしたら誰も知らないものすら隠れているかもしれないし、これからもたくさん生まれるであろうコンボを探して見るのも面白いと思う。

それでは、また次回。


2011年日本選手権予選

マジックウィークエンド・名古屋

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