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津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ

2016.07.28

津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ 『異界月』発売!新環境攻略

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 こんにちは!晴れる屋の津村です。

 いよいよ『異界月』もリリースされ、新セット発売後恒例となったプロツアーが近づいてまいりました。この度のプロツアーは今シーズン最後ということで、いつも以上に気合いの入ったプレイヤーや調整グループが多いのではないかと思います。僕たち日本勢もご多分に漏れず、それぞれの目標を達成すべく練習に取り組んでおります。

 今週はそんな今シーズン最後のプロツアー『異界月』に向け、プロツアーの前哨戦と評される「StarCityGames.com Open Columbus」から最新のデッキを紹介していきたいと思います。前環境は「白緑トークン」と「バント・カンパニー」の二強状態でしたが、『異界月』を経て各デッキや環境はどのように変化したのでしょうか?

 まずはトップ8に残ったデッキをご覧ください。

「StarCityGames.com Standard Open Columbus」 トップ8デッキ

  • 優勝・「バント・カンパニー」
  • 準優勝・「スゥルタイ・コントロール」
  • 3位・「バント・カンパニー」
  • 4位・「白緑トークン」
  • 5位・「バント・カンパニー」
  • 6位・「赤緑ゴーグル」
  • 7位・「黒緑《過ぎ去った季節/Seasons Past》」
  • 8位・「白黒天使トークン」

輝きを増した「バント・カンパニー」

 依然としてその力が健在であると世に示した「バント・カンパニー」。《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》、そして《呪文捕らえ/Spell Queller》といった高品質のクリーチャーが多数登場したことにより、これまで以上に圧倒的な存在感を放っています。

 2日目進出率でも2位に2倍近くの差を付けてダントツ (参考記事) 、トップ64に22名を送り込む大車輪の活躍。

 前環境から最高クラスの力を誇っていたことに加え、超が付くほどの有望株が加入したとなればこの結果にも納得です。プロツアーまでに他のデッキの完成度がどこまで「バント・カンパニー」に迫ることができるのか。今回のプロツアーの大きな見所のひとつだと思います。

 さて、それではここからは各デッキの変化や新デッキをご覧いただきましょう。まずは圧巻のパフォーマンスを披露した「バント・カンパニー」から。

(以下、デッキリストは StarCityGames.com より引用させていただきました)

「バント・カンパニー」

Devin Koepke - 「バント・カンパニー」
StarCityGames.com Standard Open Columbus 優勝 / スタンダード (2016年7月23~24日)
3 《森》
5 《平地》
1 《島》
3 《梢の眺望》
4 《大草原の川》
3 《ヤヴィマヤの沿岸》
2 《伐採地の滝》
4 《進化する未開地》

-土地(25)-

4 《無私の霊魂》
4 《森の代言者》
3 《薄暮見の徴募兵》
4 《反射魔道士》
4 《呪文捕らえ》
3 《異端聖戦士、サリア》
3 《不屈の追跡者》
2 《大天使アヴァシン》

-クリーチャー(27)-
4 《ドロモカの命令》
4 《集合した中隊》

-呪文(8)-
3 《ラムホルトの平和主義者》
2 《巨森の予見者、ニッサ》
1 《不屈の追跡者》
2 《石の宣告》
2 《否認》
2 《オジュタイの命令》
2 《悲劇的な傲慢》
1 《次元の激高》

-サイドボード(15)-

 前述の通り《無私の霊魂/Selfless Spirit》や《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》など、幾多の新戦力を得たことでより一層完璧なデッキへと近づいた「バント・カンパニー」。しかしながら、このデッキにとって最大の収穫は《呪文捕らえ/Spell Queller》に他なりません。

 これまでに何度もお伝えしてきたように、「バント・カンパニー」の強みのひとつとして「対峙する際の難しさ」が挙げられます。「バント・カンパニー」側が構えているカードが《集合した中隊/Collected Company》なのか、それとも《ドロモカの命令/Dromoka's Command》や《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn》なのか。それを瞬時に判別するにはどれだけ練習しても足りないくらいですが、《呪文捕らえ/Spell Queller》はそれに拍車をかける1枚。

 《呪文捕らえ/Spell Queller》の唯一の弱点らしい弱点は、思わぬタイミングで除去されてしまった際に大きくアドバンテージを失う可能性があることですが、そこは《無私の霊魂/Selfless Spirit》で除去を無効化するよう工夫されています。

 《無私の霊魂/Selfless Spirit》は自軍のクリーチャーを除去から守ったり戦闘を一方的なものにしてくれるだけでなく、これまでの「バント・カンパニー」では難しかった任意のタイミングでの《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn》の「変身」をも可能とします。飛行クリーチャーは「白緑トークン」に対して良い働きをしますし、《無私の霊魂/Selfless Spirit》と《呪文捕らえ/Spell Queller》の加入のおかげでデッキパワーの増加だけでなく、「白緑トークン」への耐性も自然と上がっているのも素晴らしいです。

 そして、最後の新戦力が《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》。

 スタンダード環境は大半のデッキが基本でない土地に依存しているので、《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》が生き残ってしまえばそれだけで展開力に大きな差が付いてしまいます。《反射魔道士/Reflector Mage》との組み合わせは恐ろしいまでのテンポアドバンテージを稼ぎ出しますし、対戦相手の《集合した中隊/Collected Company》や《ゼンディカーの代弁者、ニッサ/Nissa, Voice of Zendikar》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》などを弱体化できる点も見逃せません。

 強力なクリーチャーが大量に登場したため、「バント・カンパニー」はデッキ構築が難しくなったという嬉しい悲鳴も聞こえてくるほどですが、このリストは非常に完成度が高く美しいリストに仕上がっています。Devinさんと同じリストを使用したチームメイトたちも16位、19位、21位と軒並み好成績を収めており、このリストがいかに強力であったかを垣間見ることができます。

 このリストは王道中の王道といった形でしたが、全く異なるアプローチで結果を残していたプレイヤーがいたので、そちらもご覧いただきましょう。

「バント現出カンパニー」

Jack Fogle - 「バント現出カンパニー」
StarCityGames.com Standard Open Columbus 14位 / スタンダード (2016年7月23~24日)
3 《森》
3 《平地》
3 《島》
3 《梢の眺望》
4 《大草原の川》
2 《ヤヴィマヤの沿岸》
3 《伐採地の滝》
4 《進化する未開地》

-土地(25)-

4 《薄暮見の徴募兵》
4 《森の代言者》
2 《ラムホルトの平和主義者》
4 《邪悪の使者》
4 《反射魔道士》
4 《呪文捕らえ》
2 《巨森の予見者、ニッサ》
4 《老いたる深海鬼》

-クリーチャー(28)-
3 《ドロモカの命令》
4 《集合した中隊》

-呪文(7)-
2 《ラムホルトの平和主義者》
1 《ヴリンの神童、ジェイス》
2 《不屈の追跡者》
3 《否認》
2 《忌の一掃》
1 《石の宣告》
1 《ドロモカの命令》
1 《オジュタイの命令》
2 《悲劇的な傲慢》

-サイドボード(15)-

 こちらは《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend》、そしてそれを円滑に使用するために《邪悪の使者/Foul Emissary》を採用した新しいアプローチ。

 《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend》を唱えた際に誘発する能力は《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn》に負けず劣らずの強烈なものですし、「現出」のおかげで《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn》よりも早いターンからキャストできるのが強みです。

 メインデッキに関してはこちらも完成度が高く、プロツアーで活躍する可能性が十二分にあると思われますが、このリストの懸念点はサイドボード後のプランだと思います。みなさんもご存知のように《集合した中隊/Collected Company》で2体以上を導くためには、それ相応のクリーチャー数が必要だと言われています。一般的な「バント・カンパニー」が3マナ以下のクリーチャーを25枚以上採用しているのに対し、このリストは24枚しか採用できておらず、サイドボード後にこれ以上クリーチャー数を減らすことは難しいと考えられます。

 かといって《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend》を減らすのは本末転倒ですし、サイドボーディングで入れ替えられる枠に限りがある点が《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend》型の課題ではないかと思います。

 このリストのように《ラムホルトの平和主義者/Lambholt Pacifist》、《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy》、《不屈の追跡者/Tireless Tracker》など、3マナ以下のクリーチャーを入れ替えるプランはひとつの正解かもしれませんし、もしかするとそういったデメリットを度外視してでも《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend》を優先すべきなのかもしれません。この辺りはプロツアーまでにしっかりとして練習して結論を出したいと思いますが、《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend》がお好きな方はぜひこのアプローチもお試しください。

「スゥルタイ・コントロール」

Ali Aintrazi - 「スゥルタイ・コントロール」
StarCityGames.com Standard Open Columbus 準優勝 / スタンダード (2016年7月23~24日)
4 《沼》
3 《森》
2 《島》
4 《風切る泥沼》
4 《窪み渓谷》
3 《詰まった河口》
2 《伐採地の滝》
4 《進化する未開地》

-土地(26)-

4 《ヴリンの神童、ジェイス》
4 《森の代言者》
2 《棲み家の防御者》
1 《約束された終末、エムラクール》
1 《巨森の予見者、ニッサ》
1 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》
1 《龍王シルムガル》

-クリーチャー(14)-
2 《ウルヴェンワルド横断》
1 《闇の掌握》
1 《究極の価格》
2 《破滅の道》
1 《殺害》
2 《ジェイスの誓い》
1 《リリアナの誓い》
4 《衰滅》
2 《面晶体の記録庫》
1 《研究室の捜索》
2 《最後の望み、リリアナ》
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》

-呪文(20)-
2 《ラムホルトの平和主義者》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》
1 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》
1 《龍王シルムガル》
2 《死の重み》
2 《知恵の拝借》
1 《苦い真理》
3 《即時却下》
1 《最後の望み、リリアナ》

-サイドボード(15)-

 前環境でも少数ながら存在していた「スゥルタイ・コントロール」。以前との決定的な違いは、「昂揚」ギミックと墓地を有効活用できるようになったところです。

 前環境までの「昂揚」と言えば、構築シーンで見かけるのは《ウルヴェンワルド横断/Traverse the Ulvenwald》や《精神壊しの悪魔/Mindwrack Demon》といった限られたものだけで、「昂揚」を達成できるような構成にするにはあまりにも見返りが少なすぎました。ですがこの度登場した《墓後家蜘蛛、イシュカナ/Ishkanah, Grafwidow》、そして「昂揚」と同様に墓地のカードタイプを参照する《約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised End》は、「昂揚」を意識させるに十分すぎるほどのカードパワーを秘めています。

 また、「昂揚」達成と墓地活用、さらには序盤の時間稼ぎも兼ねる《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》もこのデッキにとって重要なカードです。

 サイドボードに投入されている《即時却下/Summary Dismissal》は、主に《約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised End》対策という意味合いが強いと思われます。これまでコントロールデッキが手を焼いていた《世界を壊すもの/World Breaker》や《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger》、ついでに誘発した《ウギンの聖域/Sanctum of Ugin》などなど、通常のカウンター呪文では対処できない能力にも触れられる優良カード。

 このデッキは他のミッドレンジやコントロールデッキに対して非常に強い構成で、メインから《衰滅/Languish》が4枚採用されているので、「白単人間」相手にも善戦できると思います。ただし、コントロールデッキの課題は「バント・カンパニー」に打ち勝てるかどうかなので、それが実現できるのであればプロツアーでの活躍も見込めるでしょう。

 「バント・カンパニー」に対しては、《呪文捕らえ/Spell Queller》や《不屈の追跡者/Tireless Tracker》をきちんと除去できるかどうかも大切ですが、ゲーム全体を通して守り一辺倒にならないことも大切です。「バント・カンパニー」は《薄暮見の徴募兵/Duskwatch Recruiter》、《不屈の追跡者/Tireless Tracker》、《集合した中隊/Collected Company》とアドバンテージを得る手段が豊富で、それら全てを捌こうとするのは得策ではありません。そのため、このデッキのように《森の代言者/Sylvan Advocate》やプレインズウォーカーでプレッシャーをかけていき、要所を除去呪文で凌ぐといった展開に持ち込めれば理想的です。

「黒緑昂揚」

Todd Stevens - 「黒緑昂揚」
StarCityGames.com Standard Open Columbus 20位 / スタンダード (2016年7月23~24日)
8 《沼》
6 《森》
4 《ラノワールの荒原》
4 《風切る泥沼》
2 《進化する未開地》

-土地(24)-

3 《節くれ木のドライアド》
4 《残忍な剥ぎ取り》
3 《棲み家の防御者》
3 《森の代言者》
4 《死霧の猛禽》
2 《精神壊しの悪魔》
1 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》

-クリーチャー(20)-
4 《死の重み》
4 《闇の掌握》
4 《破滅の道》
4 《最後の望み、リリアナ》

-呪文(16)-
1 《棲み家の防御者》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》
2 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》
3 《空への斉射》
2 《強迫》
4 《精神背信》
1 《衰滅》

-サイドボード(15)-

 先ほどのデッキとは打って変わって、「昂揚」能力を全面に押し出し、前のめりな構成をしたデッキがこちらの「黒緑昂揚」です。

 基本的には《残忍な剥ぎ取り/Grim Flayer》、《精神壊しの悪魔/Mindwrack Demon》、《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》といったカードを駆使して墓地を肥やしていくことになるので、その戦略と合致した《棲み家の防御者/Den Protector》+《死霧の猛禽/Deathmist Raptor》パッケージも併用されています。

 「黒緑昂揚」デッキは序盤から終盤まで粘り強く戦えるデッキで、2色のデッキなので土地構成が《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》に強いことも長所です。また、誕生して間もないデッキなので、今後の伸びしろが大きいところも評価できます。

 これくらい攻めるデッキでも《約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised End》はフィニッシャーにうってつけなので、もしかすると採用を検討してもいいかもしれません。現状のままでは少しソーサリーやインスタントが少ないので、《約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised End》を採用するなら《ウルヴェンワルド横断/Traverse the Ulvenwald》や《衰滅/Languish》を採用してみてもいいでしょう。

「白緑トークン」

Eric Rill - 「白緑トークン」
StarCityGames.com Standard Open Columbus 4位 / スタンダード (2016年7月23~24日)
6 《森》
5 《平地》
4 《梢の眺望》
4 《要塞化した村》
2 《ウェストヴェイルの修道院》
4 《進化する未開地》

-土地(25)-

4 《搭載歩行機械》
4 《森の代言者》
2 《ラムホルトの平和主義者》
4 《大天使アヴァシン》
2 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》

-クリーチャー(16)-
4 《ニッサの誓い》
4 《ドロモカの命令》
2 《石の宣告》
1 《悲劇的な傲慢》
4 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

-呪文(19)-
2 《棲み家の防御者》
1 《龍王ドロモカ》
1 《保護者、リンヴァーラ》
3 《空への斉射》
2 《石の宣告》
2 《進化の飛躍》
1 《神聖なる月光》
1 《荒野の確保》
1 《次元の激高》
1 《悲劇的な傲慢》

-サイドボード(15)-

 前環境の活躍っぷりからすると、少し物足りない結果になってしまった「白緑トークン」。今回の結果が控えめだった原因としては、(1)飛行クリーチャーの増量、(2)《ゼンディカーの代弁者、ニッサ/Nissa, Voice of Zendikar》や《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》の力を半減させる《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》の登場が挙げられます。

 今回上位に入賞した「白緑トークン」のリストで注目すべきは、飛行クリーチャー対策が多めに採用されていたことで、このリストでは《墓後家蜘蛛、イシュカナ/Ishkanah, Grafwidow》がそれにあたります。

 他のリストでは《首絞め/Noose Constrictor》も採用されていましたし、「白緑トークン」に限らず、多くのデッキのサイドボードに《空への斉射/Aerial Volley》が散見されるようになったことからも、《呪文捕らえ/Spell Queller》が環境に与えた影響がいかに大きかったかを窺い知ることができます。

 残念ながら今後も《呪文捕らえ/Spell Queller》や《無私の霊魂/Selfless Spirit》の活躍は続くと思うので、「白緑トークン」の今後は飛行クリーチャー対策を今以上に徹底できるかにかかっていると思います。

 また、今後はサイドボードに全体除去呪文を採用するのであれば、《無私の霊魂/Selfless Spirit》を加味して《次元の激高/Planar Outburst》よりも《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance》を優先するといいでしょう。

「青白スピリット」

Jeff Hoogland - 「青白スピリット」
StarCityGames.com Standard Open Columbus 13位 / スタンダード (2016年7月23~24日)
8 《島》
8 《平地》
4 《大草原の川》
4 《港町》
1 《曲がりくねる川》

-土地(25)-

4 《霊廟の放浪者》
4 《鎖鳴らし》
4 《無私の霊魂》
4 《呪文捕らえ》
4 《大天使アヴァシン》

-クリーチャー(20)-
1 《本質の変転》
2 《予期》
3 《停滞の罠》
1 《風への散乱》
3 《オジュタイの命令》
2 《次元の激高》
3 《意思の激突》

-呪文(15)-
2 《ヴリンの神童、ジェイス》
2 《往時の主教》
2 《神聖な協力》
2 《否認》
2 《絹包み》
2 《即時却下》
2 《次元の激高》
1 《疑惑の裏付け》

-サイドボード(15)-

 現代に蘇ったクロックパーミッションこと「青白スピリット」。とにかく「インスタント」タイミングで動くことを意識した造りで、このカラーリングならば真っ先に思い付く《反射魔道士/Reflector Mage》すら入っていない徹底っぷり。

 クリーチャーの質で勝る「バント・カンパニー」にこそ苦戦を強いられそうですが、飛行クリーチャーとカウンター呪文満載のこの構築は「白緑トークン」や中速のデッキに対して絶大な効果を発揮します。《空への斉射/Aerial Volley》など飛行クリーチャー対策がすでに盛りだくさんなのは気掛かりなものの、「黒緑昂揚」と同様に今後の成長に期待が持てるデッキです。

「白黒天使コントロール」

Ronnie Ritner - 「白黒天使コントロール」
StarCityGames.com Standard Open Columbus 8位 / スタンダード (2016年7月23~24日)
8 《沼》
5 《平地》
4 《コイロスの洞窟》
4 《乱脈な気孔》
4 《放棄された聖域》
1 《ガイアー岬の療養所》

-土地(26)-

3 《折れた刃、ギセラ》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》
2 《サリアの槍騎兵》
1 《大天使アヴァシン》
1 《保護者、リンヴァーラ》
1 《消えゆく光、ブルーナ》

-クリーチャー(10)-
2 《強迫》
4 《闇の掌握》
2 《究極の価格》
1 《神聖な協力》
3 《骨読み》
3 《破滅の道》
1 《苦渋の破棄》
3 《衰滅》
2 《最後の望み、リリアナ》
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》
2 《死の宿敵、ソリン》

-呪文(24)-
1 《フェリダーの仔》
1 《消えゆく光、ブルーナ》
2 《死の重み》
1 《強迫》
3 《精神背信》
1 《集団的蛮行》
2 《鞭打つ触手》
1 《苦渋の破棄》
1 《骨読み》
1 《次元の激高》
1 《最後の望み、リリアナ》

-サイドボード(15)-

 「StarCityGames.com Open」の放送で初めて「合体」を成功させたプレイヤーとして、大きな注目を集めたRonnie Ritnerさん。彼が持ち込んだデッキは、《サリアの槍騎兵/Thalia's Lancers》から各種伝説のクリーチャーを導く「白黒天使コントロール」でした。

 《サリアの槍騎兵/Thalia's Lancers》は《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet》や《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn》といった古株から、《折れた刃、ギセラ/Gisela, the Broken Blade》と《消えゆく光、ブルーナ/Bruna, the Fading Light》の「合体」システムまで、実に多くの選択肢を与えてくれる1枚。特に《保護者、リンヴァーラ/Linvala, the Preserver》をピンポイントでサーチできるのは、コントロールデッキにとって朗報以外のなにものでもありません。

 これまで「白黒コントロール」のフィニッシャーを務めていた《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》には、クリーチャー除去呪文に強い反面で飛行クリーチャーや「瞬速」クリーチャーに弱いという側面があります。《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet》や《折れた刃、ギセラ/Gisela, the Broken Blade》はそういった小型クリーチャーに非常に強いので、「バント・カンパニー」過多の現状ならば伝説のクリーチャーを優先する十分な動機があると思います。

 《折れた刃、ギセラ/Gisela, the Broken Blade》と《消えゆく光、ブルーナ/Bruna, the Fading Light》を「合体」させてみたい!という方にぜひともお勧めしたいデッキですね。

「今週の一押し~青赤現出エルドラージ~」

Levi Gaines - 「青赤現出エルドラージ」
StarCityGames.com Standard Open Columbus 64位 / スタンダード (2016年7月23~24日)
6 《島》
2 《山》
4 《シヴの浅瀬》
4 《さまよう噴気孔》
3 《ヤヴィマヤの沿岸》
2 《戦場の鍛冶場》
4 《ウギンの聖域》

-土地(25)-

4 《ヴリンの神童、ジェイス》
4 《空中生成エルドラージ》
4 《作り変えるもの》
2 《巡礼者の目》
3 《現実を砕くもの》
2 《不憫なグリフ》
4 《老いたる深海鬼》

-クリーチャー(23)-
4 《次元の歪曲》
3 《苦しめる声》
4 《コジレックの帰還》
1 《タイタンの存在》

-呪文(12)-
3 《引き裂く流弾》
1 《払拭》
2 《否認》
2 《焙り焼き》
3 《光輝の炎》
1 《タイタンの存在》
1 《即時却下》
2 《意思の激突》

-サイドボード(15)-

 「今週の一押し」は「現出」クリーチャーを使用した「エルドラージ」デッキです。《コジレックの帰還/Kozilek's Return》と《ウギンの聖域/Sanctum of Ugin》を最大限に生かすべく、《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend》だけでなく《不憫なグリフ/Wretched Gryff》までもが採用されています。

 単体性能で見ると《不憫なグリフ/Wretched Gryff》は《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend》と比較対象にもなりませんが、《コジレックの帰還/Kozilek's Return》と《ウギンの聖域/Sanctum of Ugin》を誘発させるという点では追加の《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend》としてカウントできるというわけですね。

 《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend》と《膨らんだ意識曲げ/Distended Mindbender》、そして《州民を滅ぼすもの/Decimator of the Provinces》のカードパワーは本当にすごいので、「現出」クリーチャーを生かす方法を研究することもプロツアーまでの必須課題だと思います。

おわりに

 今週の「スタンダード・アナライズ」は以上です。前評判通り、またはそれ以上の「バント・カンパニー」の活躍に驚きましたが、はたしてこの支配はどこまでまで続くのでしょうか。

 現状では「バント・カンパニー」の完成度が抜きん出ているものの、伸びしろという意味では「バント・カンパニー」よりも他のデッキの方が可能性があると思うので、世界各国のスタープレイヤーがプロツアーに持ち込むデッキをお見逃しなく! なお、「マジック:ザ・ギャザリング 日本語公式サイト」では、この度も生放送をお届け予定です。8月1日には市川 ユウキさんをゲストに迎えての直前生放送もございますので、そちらの方もお楽しみに!

プロツアー『異界月』直前生放送

プロツアー『異界月』生放送

<日本語実況付き生放送ページ>

<英語実況付き生放送ページ>


 それでは、また次回の連載でお会いしましょう。

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