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第52回:日本選手権予選の注目デッキ
2011.05.04
第52回:日本選手権予選の注目デッキ
こんにちはー。
今週は日本選手権予選を抜けたデッキの中から、比較的珍しいデッキを紹介していきたいと思います。「新たなるファイレクシア」のリリースも近付き、この環境で遊べるのも残り僅かとなりましたが、今週も最後までよろしくお願いします!
「集団変身」
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11 《島/Island》 7 《森/Forest》 4 《カルニの庭/Khalni Garden》 4 《霧深い雨林/Misty Rainforest》 1 《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》 -土地(27)- 4 《巣の侵略者/Nest Invader》 4 《海門の神官/Sea Gate Oracle》 4 《コジレックの捕食者/Kozilek's Predator》 3 《クローン/Clone》 4 《霜のタイタン/Frost Titan》 -クリーチャー(19)- |
3 《成長の発作/Growth Spasm》 2 《エルドラージの碑/Eldrazi Monument》 3 《集団変身/Mass Polymorph》 4 《迫撃鞘/Mortarpod》 2 《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》 -呪文(14)- |
3 《酸のスライム/Acidic Slime》 4 《よじれた映像/Twisted Image》 4 《マナ漏出/Mana Leak》 4 《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》 -サイドボード(15)- |
The Finals2010でも《集団変身/Mass Polymorph》を使ってトップ8に残った八朔さんが、日本選手権予選に持ち込んだデッキはもちろんそのアップデートバージョンでした。
このデッキのメインテーマは、トークンを大量生産し、それを様々な方法で悪用するというものです。それがそのまま勝利に直結するわけなんですが、このデッキには主に2つの勝ち手段が用意されており、ひとつ目はデッキ名にもなっている《集団変身/Mass Polymorph》で、ふたつ目は《エルドラージの碑/Eldrazi Monument》を駆使して殴り勝つプランです。
大量のクリーチャーがいる状況で《集団変身/Mass Polymorph》をキャストすれば、《霜のタイタン/Frost Titan》や、またはそのコピーになれる《クローン/Clone》が現れ、数ターンも経たない内にゲームに勝てます。
(編注:《クローン》は同時に戦場に出るクリーチャーのコピーとなることはできず、上記打ち消し線部分のの記述は誤りでした。お詫びして訂正いたします。)
パッと見では、デッキに入っているクリーチャーの総数が多いので《霜のタイタン/Frost Titan》が確実に出ない印象を受けるかもしれませんが、《巣の侵略者/Nest Invader》や《コジレックの捕食者/Kozilek's Predator》からトークンを大量に出している状況ならば、概ね《霜のタイタン/Frost Titan》に辿り着くことができます。
これがこのデッキが理想とする勝ち方なんですが、《集団変身/Mass Polymorph》は6マナと重い上に、一度見せてしまうと奇襲効果はなくなってしまい、こちらが6マナ揃うターンには、カウンターを構えられ続けてしまうことがよくあります。
普通の《集団変身/Mass Polymorph》デッキだとその状況をなかなか打破できないものですが、そこで役に立つのが《エルドラージの碑/Eldrazi Monument》です。普通であれば0/1でしかないトークンですが、ここに《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》と《エルドラージの碑/Eldrazi Monument》が加われば話は別です。特に《エルドラージの碑/Eldrazi Monument》の威力は特筆すべきもので、《集団変身/Mass Polymorph》用と思われたトークンが突如、強力なアタッカー兼破壊されないブロッカーになるというのは、セカンドプランとしては申し分ないですね。
海外ではプランBと呼ばれる、この「第2の勝ち手段」がしっかりしていることが、このデッキの長所です。僕も何度か《集団変身/Mass Polymorph》デッキを作った経験があるのですが、あまりそれだけに拘ると良い結果は出ないと、身を持って実感しています。
一昔前の《集団変身/Mass Polymorph》のフィニッシャーと言えば《嵐潮のリバイアサン/Stormtide Leviathan》《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》が一般的でしたが、これらは重いので、《集団変身/Mass Polymorph》からではないと戦場に出せないデメリットがありました。
しかしこのデッキはフィニッシャーを《霜のタイタン/Frost Titan》にしているので、これならば容易にキャストすることができます。フィニッシャーの選択ひとつでも、随分とデッキの印象は変わるものですね。
本来ならば《集団変身/Mass Polymorph》用にクリーチャーを確保する目的のトークンたち。そして《集団変身/Mass Polymorph》で導かれるはずの《霜のタイタン/Frost Titan》。最初に与えた役割だけで満足せずに、もう一段階上を目指した、八朔さんの努力の集大成と言えるデッキに仕上がっています。
サイドボードの《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》もプランBにはもってこいの1枚で、《紅蓮地獄/Pyroclasm》や《審判の日/Day of Judgment》のような全体除去にも耐性が付きます。
《酸のスライム/Acidic Slime》は《霜のタイタン/Frost Titan》と合わせてランデスしてもよし、相手の装備品やエンチャントを壊してもよしの万能クリーチャー。ランデスをする場合は、《酸のスライム/Acidic Slime》という有能なコピー先が増えるので、《クローン/Clone》がいつも以上に役に立ちます。
《よじれた映像/Twisted Image》は「ボロス」の《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》、そしてこのデッキにとっては致命的な《狡猾な火花魔道士/Cunning Sparkmage》をただ同然で除去できる、優秀なカードですね。これとメインに入っている《迫撃鞘/Mortarpod》のおかげで、《狡猾な火花魔道士/Cunning Sparkmage》を苦にしなくなったことも、このデッキの躍進の理由のひとつでしょう。
《マナ漏出/Mana Leak》は言わずとしれた現代の《対抗呪文/Counterspell》。「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》」にも、《審判の日/Day of Judgment》を使う「青白コントロール」にもサイドインできます。
「黒白感染」
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9 《沼/Swamp》 4 《平地/Plains》 4 《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》 4 《湿地の干潟/Marsh Flats》 3 《地盤の際/Tectonic Edge》 -土地(24)- 4 《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》 4 《屍百足/Necropede》 4 《ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader》 2 《荒廃のドラゴン、スキジリクス/Skithiryx, the Blight Dragon》 -クリーチャー(14)- |
4 《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》 3 《破滅の刃/Doom Blade》 2 《強迫/Duress》 2 《喉首狙い/Go for the Throatf》 2 《血の署名/Sign in Blood》 2 《神への捧げ物/Divine Offering》 2 《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》 1 《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind》 1 《伝染病の留め金/Contagion Clasp》 1 《迫撃鞘/Mortarpod》 -呪文(20)- |
3 《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》 3 《黒の太陽の頂点/Black Sun's Zenith》 2 《神への捧げ物/Divine Offering》 2 《存在の破棄/Revoke Existence》 2 《精神腐敗/Mind Rot》 2 《強迫/Duress》 1 《囁き絹の外套/Whispersilk Cloak》 -サイドボード(15)- |
じわじわと勢力を伸ばしてきた「感染」デッキのニューバージョンが、大楠さんの披露した「タッチ白」型です。
《ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader》がメタ的にいい位置にいるので、この手のデッキの活躍が目立つようになってきましたが、やはり正解と呼べるデッキリストの構築は難しいようで、リストどころか、「黒単」色だったり「青黒」バージョンだったりと、まだまだ色の統一すらできていないのが現状です。
そんな現状に風穴を開けるべく、ついには大橋さんのような「タッチ白」バージョンまで出てきたわけです。このリストの秀逸なのは、第44回の連載でお伝えした課題のひとつである「クロックを上げるカード」をどうするかという問題を、《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》という環境最強のカードでクリアしているところです。
更には白を入れることで、「黒単」や「青黒」では対処しづらい《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》のような装備品対策も、《神への捧げ物/Divine Offering》で簡単にまかなえます。
メインボードもサイドボードも白いカードは《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》と《神への捧げ物/Divine Offering》《存在の破棄/Revoke Existence》しか取っておらず、「Caw-Blade」に支配された現環境下での、《帰化/Naturalize》系のカードの重要さが伺えますね。
しかしこのデッキに限らず、今日の対抗色デッキが抱える問題として、色マナの不安定さが挙げられます。友好色が《天界の列柱/Celestial Colonnade》や《氷河の城砦/Glacial Fortress》、さらには《金属海の沿岸/Seachrome Coast》まで使用できるのに対し、対抗色デッキでは《湿地の干潟/Marsh Flats》のようなフェッチランドしかないので、これは仕方のない問題と言えます。
大楠さんはそれを考慮した上で、強気に《地盤の際/Tectonic Edge》まで採用していますが、その弊害は色濃く出ていて、白マナ発生源は僅か8枚のみです。大楠さんは実際に予選を抜けているので、このままでもいいように思えますが、もしこのデッキを使う場合は、単純に土地の総数を増やすなり、《地盤の際/Tectonic Edge》を減らすなりで、白マナを増やした方がいいでしょう。
「黒青感染」
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4 《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》 4 《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》 4 《闇滑りの岸/Darkslick Shores》 2 《飛翔する海崖/Soaring Seacliff》 10 《沼/Swamp》 -土地(24)- 4 《疫病のマイア/Plague Myr》 4 《胆液爪のマイア/Ichorclaw Myr》 4 《疫病のとげ刺し/Plague Stinger》 4 《ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader》 4 《ファイレクシアの槽母/Phyrexian Vatmother》 -クリーチャー(20)- |
4 《吸血鬼の一噛み/Vampire's Bite》 4 《ひずみの一撃/Distortion Strike》 2 《ゲスの玉座/Throne of Geth》 4 《転倒の磁石/Tumble Magnet》 2 《活線の鞭/Livewire Lash》 -呪文(16)- |
4 《強迫/Duress》 1 《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》 4 《見栄え損ない/Disfigure》 2 《漸増爆弾/Ratchet Bomb》 2 《伝染病の留め金/Contagion Clasp》 2 《堕落した良心/Corrupted Conscience》 -サイドボード(15)- |
今週紹介させていただくもうひとつの「感染」デッキがこちらです。
「青黒」バージョンは比較的よく見かけますが、このデッキはその中でもアグレッシブさを追求しています。豪華20枚の感染クリーチャーを、《ひずみの一撃/Distortion Strike》と《吸血鬼の一噛み/Vampire's Bite》でバックアップするのが基本戦略となります。とにかく、こちらの攻撃を通す事に全てを賭けていて、その他のスペルも相手のクリーチャーをタップできる《転倒の磁石/Tumble Magnet》、《ひずみの一撃/Distortion Strike》、《吸血鬼の一噛み/Vampire's Bite》とコンボを形成する《活線の鞭/Livewire Lash》、攻撃が通らない状況でも「毒」を与えられる《ゲスの玉座/Throne of Geth》と、これ以上ない前のめりなデッキになっています。
《吸血鬼の一噛み/Vampire's Bite》は意外性の固まりと言っても差し支えない素晴らしいカードで、予想されていない場合は強烈な1マナのフィニッシュブローになります。
このデッキを使用したことで、《吸血鬼の一噛み/Vampire's Bite》の強さに驚かされ、もう少しこのタイプも研究する必要があると感じました。
メインボードが真っ直ぐかつ綺麗な構成なので、サイドボードもあまり入れ替える必要はなく、《活線の鞭/Livewire Lash》と《ゲスの玉座/Throne of Geth》の計4枚だったり、《転倒の磁石/Tumble Magnet》4枚だったりと、相手次第で入らないカードを抜いて必要なカードを最低限の枚数入れるようになっています。
少しだけ変更点を加えるなら、《胆液爪のマイア/Ichorclaw Myr》を《屍百足/Necropede》に、《ゲスの玉座/Throne of Geth》を《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas》にしたいですね。《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas》まで入れる場合は、《胆液爪のマイア/Ichorclaw Myr》ではなく《疫病のとげ刺し/Plague Stinger》を《屍百足/Necropede》にしてもいいかもしれません。《疫病のとげ刺し/Plague Stinger》は《吸血鬼の一噛み/Vampire's Bite》と相性がいいので、抜くのに少し抵抗がありますが、《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas》を有効活用するためには仕方のない変更と言えます。
「白茶単」
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11 《平地/Plains》 4 《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》 2 《激戦の戦域/Contested War Zone》 -土地(17)- 4 《メムナイト/Memnite》 4 《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》 4 《信号の邪魔者/Signal Pest》 4 《きらめく鷹/Glint Hawk》 4 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》 4 《鋼の監視者/Steel Overseer》 3 《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》 2 《不退転の大天使/Indomitable Archangel》 -クリーチャー(29)- |
4 《オパールのモックス/Mox Opal》 4 《聖なる秘宝の探索/Quest for the Holy Relic》 4 《鍛えられた鋼/Tempered Steel》 2 《アージェンタムの鎧/Argentum Armor》 -呪文(14)- |
4 《コーの火歩き/Kor Firewalker》 1 《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》 4 《沈黙/Silence》 3 《神への捧げ物/Divine Offering》 3 《神聖の力線/Leyline of Sanctity》 -サイドボード(15)- |
今まで紹介したかったのにできていなかったアーキタイプの中に、「白茶単」という軽いアーティファクトクリーチャーを多用したビートダウンデッキがありました。
岡田さんはそのデッキと「白単アーマー」のハイブリッドになっており、両デッキのいいところを上手く組み合わせています。《メムナイト/Memnite》《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》《きらめく鷹/Glint Hawk》はどちらのデッキにおいてもエースですし、そこに着目してこのデッキを作ったのはすばらしいですね。
「白茶単」も「白単アーマー」もメインボード戦は最強クラスの強さを誇っているので、このデッキも例にもれずメインボード戦はかなりの勝率を期待できます。
こう書くと課題もすぐさま見えてくるでしょうが、それはサイド後の《帰化/Naturalize》系のカードへの弱さです。今は「Caw-Blade」のせいで環境に《帰化/Naturalize》系のカードが溢れています。僕の好きな「青茶単」も、それに対して効果的な策がないので、使用を控えているような状況ですからね。
岡田さんはその役目を《不退転の大天使/Indomitable Archangel》に任せていますが、これは非常に良い戦略に思えます。4マナ4/4の飛行だけでも相手次第では十分な戦力ですし、前述の通りサイド後には《帰化/Naturalize》への耐性が付きますからね。特に「Caw-Blade」相手には《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》を出されようとも、ちゃんと壁として機能するのが嬉しいですね。
そんなわけでメインは非常に良い構成だと思ったのですが、サイドボードには少し改良の余地があるように思えました。
「赤単」系のデッキが多いので、《コーの火歩き/Kor Firewalker》はこのような「白単」系のデッキなら4枚採用は手堅いでしょう。《神への捧げ物/Divine Offering》も大本命の「Caw-Blade」に効くので3枚採用も納得です。
《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》は意外と何でも封じられて便利なので、4枚目を取ってもいいように思われます。
問題はそれ以外のスペースです。《沈黙/Silence》も《神聖の力線/Leyline of Sanctity》もおそらく「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》」対策だと思うのですが、《沈黙/Silence》はともかく《神聖の力線/Leyline of Sanctity》はこの手のデッキに入れるのはあまりお勧めできません。
第46回の連載で紹介した「青白コントロール」のようなデッキのサイドボードには《神聖の力線/Leyline of Sanctity》は必須ですが、その違いはなんでしょう?
今まであまり詳しく解説していなかった気がするので、僕なりの考えをここで紹介させていただこうと思いますが、それを読む前に今一度考えてみてください。
答えは単純明快でクリーチャーデッキか否かです。個人的な見解としては、クリーチャーデッキが《神聖の力線/Leyline of Sanctity》を入れても「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》」への勝率は改善しません。
なぜなら《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》は、その気になればこちらのクリーチャーを全滅させることが容易にできるからです。その状況下だと相手の《原始のタイタン/Primeval Titan》や《業火のタイタン/Inferno Titan》全てに対処した上で、《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》の噴火量に勝るクリーチャー数を展開する必要があるのですが、これは現実的なプランとは思えません。ほとんどのビートダウンデッキが抱える問題として、6/6という屈強な肉体を持つ《原始のタイタン/Primeval Titan》を対処すること自体が難しいですしね。
逆に「青白コントロール」にはこれはあてはまりません。クリーチャーのほとんど入っていない「青白コントロール」ならば、《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》はただの土地同然に成り下がりますし、《原始のタイタン/Primeval Titan》や《業火のタイタン/Inferno Titan》も《糾弾/Condemn》や《審判の日/Day of Judgment》で対処可能です。
「青白コントロール」のフィニッシャーはプレインズウォーカーですが、《神聖の力線/Leyline of Sanctity》はそれらを守る役割も果たしているので、そういった観点で見ても、このプランにフィットしていると言えますね。
なので結論としては、《原始のタイタン/Primeval Titan》自体に対処できないデッキ、または《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》でクリーチャーを狙われるときついデッキは《神聖の力線/Leyline of Sanctity》を採用すべきではないと思います。
「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》」相手だけではなく、他のデッキ対策という意味合いがあるのならいいのですが、「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》」用に採用しているのであれば、自分のデッキリストと相談して、採用を検討し直してもいいでしょう。
《神聖の力線/Leyline of Sanctity》とは違い、《沈黙/Silence》はこのデッキの戦略に合致した非常に良いカードだと思います。相手のデッキ次第では、ほぼ《Time Walk》同様の効果を得られますし、《聖なる秘宝の探索/Quest for the Holy Relic》を起動する前に安全確認としてキャストしても強いです。
このデッキは非常に洗練されたリストなので、もしも「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》」相手に《沈黙/Silence》4枚、《神聖の力線/Leyline of Sanctity》3枚を入れるとなるとデッキのバランスが崩れてしまい、爆発力の低下も気になるので、そういった意味でも《神聖の力線/Leyline of Sanctity》は要らないように思えますね。
《神聖の力線/Leyline of Sanctity》を何にするかというのはまだ提示できないのですが、1枚は追加の《不退転の大天使/Indomitable Archangel》がいいでしょう。
「ナヤ」
| 3 《森/Forest(10E)》 2 《平地/Plains(M11)》 2 《山/Mountain(M11)》 4 《乾燥台地/Arid Mesa(ZEN)》 4 《剃刀境の茂み/Razorverge Thicket(SOM)》 4 《銅線の地溝/Copperline Gorge(SOM)》 3 《活発な野生林/Stirring Wildwood(WWK)》 2 《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove(M11)》 -土地(24)- 4 《極楽鳥/Birds of Paradise(M11)》 2 《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves(M11)》 4 《戦隊の鷹/Squadron Hawk(M11)》 4 《獣相のシャーマン/Fauna Shaman(M11)》 2 《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》 4 《狡猾な火花魔道士/Cunning Sparkmage(WWK)》 4 《刃砦の英雄/Hero of Bladehold(MBS)》 2 《復讐蔦/Vengevine(ROE)》 1 《業火のタイタン/Inferno Titan(M11)》 -クリーチャー(27)- | 4 《稲妻/Lightning Bolt(M11)》 1 《バジリスクの首輪/Basilisk Collar(WWK)》 1 《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine(MBS)》 1 《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind(SOM)》 2 《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura(ROE)》 -呪文(9)- | 1 《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll(MBS)》 1 《酸のスライム/Acidic Slime(M11)》 1 《業火のタイタン/Inferno Titan(M11)》 3 《自然の要求/Nature's Claim(WWK)》 3 《屈折の罠/Refraction Trap(WWK)》 3 《裏切りの本能/Traitorous Instinct(ROE)》 1 《バジリスクの首輪/Basilisk Collar(WWK)》 1 《骨溜め/Bonehoard(MBS)》 1 《ぐらつく峰/Teetering Peaks(ZEN)》 -サイドボード(15)- |
僕の大好きな「ナヤ」デッキが、長い年月を経てスタンダードの第一線に帰ってきました。
「ナヤ」と言えば《獣相のシャーマン/Fauna Shaman》と《復讐蔦/Vengevine》のセットを連想させますが、このデッキには《復讐蔦/Vengevine》は2枚しか入っていません。《復讐蔦/Vengevine》を押しのけてまで投入されているのは、最近では「Caw-Blade」にもよく入っている《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》です。
その圧倒的な攻撃力に加え、現状では環境に存在する「剣」が《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind》と《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》しかないので、これらのプロテクションにひっかかる《復讐蔦/Vengevine》よりも活躍の機会が多いですね。
しかし「新たなるファイレクシア」には、僕らの待ち望んだ「プロテクション(白)」を付けられる《戦争と平和の剣》があります。

これさえあれば《戦隊の鷹/Squadron Hawk》も《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》も怖くありません。そもそもこの手のデッキが減少してしまった理由のひとつに、環境最強のデッキである「Caw-Blade」が「プロテクション(緑)」を付ける環境最高の装備品をメインから採用している、というものがあり、今までだとそれはとてつもなく大きな問題でした。
ですがそれは最早過去の出来事です。《復讐蔦/Vengevine》も《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》もスペック的には使われていないのがおかしいくらいのカードですが、《戦隊の鷹/Squadron Hawk》を効果的に突破できない現状では使用を躊躇するのも仕方のないことです。このデッキはそれを《狡猾な火花魔道士/Cunning Sparkmage》で緩和していますが、これからはそこに《戦争と平和の剣》が加わります。
「Caw-Blade」の長所として、ゲームが長引いても手札が多いという点が挙げられますが、この新たな「剣」はそれを逆手に取ってこちらのプラスに変えられます。
まだ新環境について言えることはあまりありませんが、僕がひとつだけ確信していることは、これからはこのデッキのように《復讐蔦/Vengevine》や《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》を使ったデッキの活躍が目立つようになるでしょう。《戦争と平和の剣》の恩恵を最大限に受けられるのは、「Caw-Blade」ではなく、《戦隊の鷹/Squadron Hawk》に手を焼いていたデッキなのです。
未来の話はこの辺にしてデッキの解説に戻りましょう。
このデッキの特徴は、環境を読み切り、《復讐蔦/Vengevine》よりも優先して《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》を採用しているところですが、他にも《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》の採用も見逃せない点ですね。
《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》は単純に強いというだけではなく、相手の《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》に対する最も効果的な解答でもあります。この手のデッキは、やはり普通に《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》を破壊しようとすると、途方もない苦労が必要となってしまうので、この方法は一番無理がなく、なおかつ相手に《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》が入っていない場合でも強いカードなのでお勧めです。
サイドボードにも様々な工夫がされていて、特に目を引くのは「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》」対策の《裏切りの本能/Traitorous Instinct》でしょうか。
火力の少ないデッキだと、《裏切りの本能/Traitorous Instinct》を《原始のタイタン/Primeval Titan》に使ってもたまにダメージが足りないことがあるのですが、表西さんはその展開を減らすよう1枚だけ《ぐらつく峰/Teetering Peaks》を入れています。対「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》」以外のマッチアップでも、《狡猾な火花魔道士/Cunning Sparkmage》、《電弧の痕跡/Arc Trail》を使ってマナクリーチャーを除去してくる「赤単」や「ボロス」相手には、単純に追加の土地としてサイドインしてもいいですね。
《屈折の罠/Refraction Trap》も「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》」のように《紅蓮地獄/Pyroclasm》を使ってくる相手に効果的です。《紅蓮地獄/Pyroclasm》ではなく《審判の日/Day of Judgment》を使ったデッキは、序盤の除去が薄いことが多いので、そのような相手には《獣相のシャーマン/Fauna Shaman》から導かれる《復讐蔦/Vengevine》か《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》で十分に対抗できます。
残りのカードは用途が分かりやすいと思うので解説は省かせていただくとして、新環境後のこのデッキはの展望についてもう少しだけ。
前述の通り、僕が今期待しているのはこの手のデッキの台頭です。繰り返しになりますが、《戦争と平和の剣》には環境を変えるだけの力があり、その恩恵を受けられるのは「Caw-Blade」ではないはずです。
それを踏まえた上で将来的に変更を施すとすれば、《狡猾な火花魔道士/Cunning Sparkmage》1枚、《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》2~3枚、《稲妻/Lightning Bolt》0~1枚、《バジリスクの首輪/Basilisk Collar》1枚、《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》1枚を抜いて、《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》1~2枚、《復讐蔦/Vengevine》2枚、《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》1枚、《戦争と平和の剣》1~2枚を入れるといいでしょう。
《復讐蔦/Vengevine》と《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》は《戦争と平和の剣》のおかげで本来の力を発揮出来ると思うので、枚数の増量は理にかなっていると思います。
それに伴い、《戦争と平和の剣》をより確実に引くためにも、《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》は増量したいですね。もしかすると《戦争と平和の剣》は複数枚入れた方がいいかもしれないですが、こればかりは実際に使用してみないとなんとも言えないので、とりあえずは様子見ですね。
今週は以上になります。次週は「新たなるファイレクシア」がスタンダードにどう影響を与えるかを見ていきたいと思います。
ここで議論されているトップ5と、僕の思考にどんな違いがあるかにも注目してみてください。
それでは、また来週ー!
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