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Play Design -プレイ・デザイン-

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プレイヤーからプレイ・デザイナーへ

Tom Ross / Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru

2017年12月1日

原文はこちら

 やあ皆さん!

 私はトム・ロスと言います。レガシーの感染をプレイする奴として知っている人もいるかもしれませんね。

 私はマジックを20年以上プレイしてきました。初めて出たプロツアーは2001年のニューオーリンズで、そこで勝ったのは1マッチでした。

 それ以降いくつかのプロツアーに出て、2009年のホノルルでは幸運にもトップ8に入賞しました。私のマジックでの実績のほとんどはStarCityGames.comツアーでのもので、オープンをいくつかとインビテーショナルを2回優勝しました。私の最大の実績は、2014年のコミュニティ・カップでウィザーズ・オブ・ザ・コーストの社員を倒したことです。

 私は何度かマジックを休止したことはありましたが、完全に止めたことはありません。トーナメント・シーンを離れているときでも、いつもプレビュー・シーズンを楽しみにしていましたし、皆がプレイしたデッキを記録し続けていました。

 私は競技マジックをプレイする時間を楽しんできました。とても未練はありますが、私は新しい冒険を始める場所にいます。

私の旅

 この夏、トッド・スティーブンス/Todd Stevens(StarCityGames.comのコンテンツ・プロデューサー)と私は、どういうわけかマイケル・メジャース/Michael Majorsを無事に全米横断させるためにヴァージニア州ロアノークからネバダ州ラスベガスまでの32時間の遠征に巻き込まれました。最後の仕事としての3日間のグランプリは、見逃すにはあまりにも魅力的でした。そこから、ジェリー・トンプソン/Gerry Thompsonは、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストで仕事を始めさせるためにマイケルをワシントン州レントンまで送り届けることに成功しました。

 その後は私自身が長いドライブをする時間がやってきました。グランプリへの寄り道はありません。この時は将来のルームメイトで同僚になるダン・ムッサー/Dan Musserと車2台のキャラバンを組んで旅していました。

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もう二度とやりたくない。

 この旅は水曜の明け方から始まり、土曜の夕暮れまでかかりましたが、オフィスが閉まる前にアパートの鍵をギリギリ受けることができました。ちょっとした危険な吹雪で、2時間にわたって時速10マイルしか出せなかったことを除いては、この旅は順調に進みました。

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ルイジアナではよくあること。

 現在私はウィザーズ・オブ・ザ・コーストで働き安住を得ています。来年発売されるセットのために何枚かのカードをデザインして、他のカードを調整しました。

私の役割

 プレイ・デザインの主な目標の1つはスタンダードを健全なものにすることです。その次にリミテッドを楽しいものにすることです。統率者戦、モダン、レガシーのような他のフォーマットも意識しています。後ろ2つは私の出番です。

 SCGツアーは、私をプロツアー参加者がするよりもモダンやレガシーに焦点を当てさせるように習慣づけました。モダンとレガシーは構築可能なデッキが無限に近い、とても広大なフォーマットです。既存のカード・プールを記憶してアドバンテージを得るための新しい視点を考え出すことはとても難しい課題です。

 なので私はモダンやレガシーを壊すものが何も出ないようにするために最善を尽くしています。《宝船の巡航》はスタンダードではいいカードでしたが、より古いフォーマットではそうではありませんでした。私はスタンダードやリミテッドが苦手なわけではありませんが、古いフォーマットで起こる事態の悪化に対する安全弁として選抜されました。

 また私はフューチャー・フューチャー・リーグにおいて合理化された1マナ域満載のアグロデッキの現実性をチェックしています。我々はスタンダードで。皆が皆赤単をプレイするようにはなってほしくはないです、そうですよね?

私が好きなものは?

 1996年に『アイスエイジ』のスターター・デッキを初めて開けて以来、私はカードがどのように作られるかずっと不思議に思っていました。高校時代はノートにアイデアを書き溜めていました。控えめに言ってもこれは理想の仕事です。

 収入の軸として競技マジックをプレイすることは疲れます。その賞金は上位に寄っていて、どんな小さな見落としもトーナメントでの失敗になり得ます。ただマジックをプレイしている人ではなく、マジックにより定義されている人なのです。あなたはマジックプレイヤーなのです。

 定期的な旅は本当に大変な部分です。月に2回の週末、時にはそれ以上ののこともあり、金曜から月曜までかかることもままあります。トーナメントによっては木曜日も費やさないとだめかもしれません。ホテルは数が限られていて、長い移動距離があります。

 私の肩にかかる重みは変化しました。今の私は、マジックの長期的な成長に精神的なエネルギーを費やすようになりました。デッキリストを提出する予定のプレイヤー・ミーティング数分前にサイドボードの15番目のカードについてあれこれ迷うのではなく、今は物事を適正なものにするための数か月間を過ごしています。もちろん何をどのように変えるか考えないといけないことは増えていますが、全体的には私はこの変化を歓迎しています。

 ストレスのレベルは下がりました。報酬は増えました。

 私はまだここにあるすべてを扱えるようには決してなっていません。それでも毎日楽になっているように感じます。

あなたなしではここにはいなかった

 私の旅の間に支えてくれたことを感謝したい人達がたくさんいます。最大の感謝の気持ちを送ります。

  • 初めて行った地元のお店、「Major League」に。
  • 私の情熱の正当性を決して疑うことのなかった私の母と手に。
  • 約4年前にプロツアー予選で出会ったガールフレンド、ヒラリー/Hillary、その無限の愛と支援に。
  • 娘が私の赤単デッキをプレイし始めてから算数の点数が良くなったとペアリング場所の前で私を呼び止めて伝えてくれた男性に。
  • ヒューストンで、私のデッキの1つがマジックに戻してくれたのでドラッグを止められたと私に伝えてくれた男性に。(私は彼と握手して1年後も同じことを聞きたいと伝えました。やったぞ!)
  • 感染がきっかけでモダンやレガシーを始めたと私に伝えてくれた全ての人に。
  • カード(特に《Tropical Island》と《凶暴化》)に私のサインで「状態を悪くして」ほしいと言ってくれた全ての人に。
  • マジック休止中にトーナメントでプレイさせてくれたルイジアナ州バトンルージュにある「Rocket's Hideout」のエイプリル・オルセン/April Olsenとジョン・アームストロング/John Armstrongに。(その特大小切手が今でも壁にかけてあることを願ってます!)
  • ウェブサイトで執筆させてくれたStarCityGames.comとピート・ホーフリング/Pete Hoeflingに。
  • 私の愛するゲームを作る助けをする機会を与えてくれたウィザーズ・オブ・ザ・コーストに。
  • これまでに出会った全ての友人に――コミュニティはマジックの本当に最高の部分です。

 今は良い戦いをする時です。

トム・ロス (@Boss_MTG)

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