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金色の格付け

Dave Humpherys / Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru

2013年3月15日

原文はこちら

 私が二度目のリード・デベロッパーを担当したギルド門侵犯についての私自身の見解をまとめる中で、多色のカードを焦点としたセットのデベロップの詳細についてもっと調べたいと思いました。ラヴニカへの回帰とギルド門侵犯の物語を伝える一環として、私達はコモンやアンコモンに豊富にある金色のカードを用いました。リミテッドの環境を作るときに、これは変わった問いをもたらしました。私達は伝統的なセットを作る中で多くの進歩を遂げてきましたが、これらのセットは伝統的なものではなかったのです。

 私達はコモンの特定の色におけるカードのパワーの最良の配分を見つけることで自身の技術を洗練してきました。カード群の強さにあまりにも差があるとプレイヤーに思わせてしまったアヴァシンの帰還などの過去のセットから、我々はリミテッドに関する教訓を得ました。お気づきのように、私達はそのセットのストーリーを伝える助けになるものを除き、並外れたリミテッド用カードをコモン以外にしようとし始めました。一般的に、私達は《闇への追放/Dark Banishing》よりも強力にならないように上限を設定しています。しかしながら、私達は意図的にギリギリのところを狙います。例えば、そのセットの中で指折りのベスト・コモンである《暁の熾天使/Seraph of Dawn》はアヴァシンの帰還の天使テーマに対する承認であり、この上限を飛び越えるよう意図されていました。

 ラヴニカへの回帰とギルド門侵犯のコモンがその上限を越えないようにした一方で、私は金色のカードがパワー・レベルの中で単色の同じようなものよりプッシュされるようにしました。結局のところ、ギルドとエキサイティングな金色のカードはこのブロックではほとんど同じものです。ギルド門侵犯と...そしてドラゴンの迷路でドラフトをして、それが何を意味しているかを見てください。

リミテッドで強い「金色」

 金色のカードがセットの力の大きな割合を占める場合、実験は困難になります。私たちは、ギルド門侵犯のリミテッドのデッキの大多数が2色で構成された単一ギルドのデッキになるようにする一方、人々が必要に応じて実験できるようにしました。私の最初のラヴニカへの回帰のドラフトではグルールをドラフトしました。それは面白く、他で言及したように多くの人々が楽しんだ物語でした。ロンドンで行われたギルド門侵犯を使った最初のグランプリでは、ファブリツィオ・アンテーリ/Fabrizio Anteriがゴルガリ(本当は彼のデッキには2枚赤マナを要求するカードが入っていましたが、ただそれだけです)をプレイして初日に9-0を達成しました。このような話がルールの例外であることは分かっていますが、私達はこのようなことが起こるのを大いに求めています。金色に強いカードを集めすぎることはこのような例外が起きるチャンスを減らしてしまうでしょう。

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 私達が金色のカードにもっと多くの力を注げば、より早くギルドに沿ったピックへとドラフトする人達を仕向けてしまうでしょう。私達はプレイヤーが序盤のピックでドラフトの流れを読めるように、そしてどちらの側のギルドにつくかの選択肢を残せるように十分な数の単色のカードを提供しようと思いました。金色のより大きな力はプレイヤーに金色のカードをタッチした3色に向かうことを奨励しますが、代わりに単色のカードはいかに上手く、そして早く手札と土地を噛み合わせるかに基づいた大きな変化をもたらすことができます。

 金色により力を与えることで、ドラゴンの迷路のドラフトはインパクトのあるものになるでしょう。ドラゴンの迷路では3色、3ギルドのデッキがより多くなるでしょうが、私達はやはりプレイヤーが1つのギルドにこだわれるように望んでいます。この場合、あなたがドラゴンの迷路をドラフトするときにどのギルドを選んだかに関わらず、ラヴニカへの回帰、もしくはギルド門侵犯のどちらかではあなたのギルドの金色のカードは回ってこないでしょう。プレイヤーを2色デッキにこだわるように誘うには、単色と金色の間に優れたパワーバランスが求められます。

金色の分配

 各ギルドには金色のコモンが4枚あり、そのうち1枚は混成カードです(一枚怪しいものも混ざっていますが、それについては後で説明します)。ラヴニカへの回帰の配置を実験した後で、リミテッド向けのベストなバランスを1つは良いもの、2つは平均的なもの、そして1つはうさんくさいものにすると決定しました。私達はこれらにより厳密な定義付けをしました:非常にフレーバーあふれる「A」「B」「C」に良く知っているカードを対応させました。必ずしもこの文が読んで楽しいものになるとは思いませんが、私は今がこれらをあなたと共有するいい機会だと信じています。これらはギルド門侵犯を含む最近のセットでのいくつかの奇行と、どのようにして私達が金色のカードを新しく見たかを説明する助けになります。

 では「B」について紹介しましょう。「B」は《盲目の幻/Blind Phantasm》です。また《皇帝一角獣/Regal Unicorn》も「B」です。そして「B」は《暴動の小悪魔/Riot Devils》でもあります。「B」は次の水準に達するまで、これらのカードよりもあなたのシールドデッキのプールにある入れたいカードのことです。

 《風のドレイク/Wind Drake》は「B」ではありません。「A」です。従って《野生のグリフィン/Wild Griffin》も「A」です。「A」は私が述べた上記の《闇への追放/Dark Banishing》の水準に達するまでの3マナ2/2飛行かそれ以上のカードです。その水準以上のものは...

 ええ、もちろん「A+」です。私の知るところでは、最初にエリック・ラウアー/Erik Lauerが考案した、ファイルのやりとりを円滑にし、カードを議論する語彙を与えるためのシステムには、ABCの三段階しかありませんでした。何故《闇への追放/Dark Banishing》は「A」ではないのでしょうか? 私の推測では、私達がより多くの区分を求めたとき、部内では既に確立されていたABCの定義にもう慣れていたのでこれがシステムに加えられたのでしょう。私達には、既にA+というよりよい水準があります。多分あなたはその名前を連想するのではないでしょうか? 私達は一般的にこのカードのグループをモッティ/Motisと呼びます。特に速いフォーマットでは《闇への追放/Dark Banishing(7ED)》よりも強いのかどうかというところに議論が起こりますが、ドラフトでなくシールドに注目すると、モッティは他の議論の枠組みを示してくれるものになります。ちなみにこのニックネームは《マハモティ・ジン/Mahamoti Djinn》から来ています。

 しかしながら、「C」を忘れてはいけません。ここに至って私は「C」の説明が一番簡単なことを発見しました。「C」は単純に「B」の下になります。従って「C」は無色2マナと有色1マナで2/3よりも悪いカードです。

 このシステムはなかなか簡単そうに聞こえます、いいですか? ええ、格付けがされたファイルに向かうときに私達が発見したことは、経験あるプレイヤーやデベロッパーの間でさえ、かなり広い価値観の範囲があることです。 これらのカードの価値のスプレッドシートを詳しく調べると、あるカードがABC全ての評価を受けるのは全く珍しいことではありません。

 この記憶を確かめるために、私はギルド門侵犯後期の格付けを見直しました。ここに、5人の評者の間で少なくとも3種類の異なる評価を受けたレアでないカードのリストがあります:《門なしの守護者/Guardian of the Gateless》、《霊気化/AEtherize》、《真夜中の復活/Midnight Recovery》、《影切り/Shadow Slice》、《向こう見ずな技術/Madcap Skills》、《順応する跳ね顎/Adaptive Snapjaw》、《薨の徘徊者/Mortus Strider》、そして《装甲輸送機/Armored Transport》です。これらのカードがどうやって大きな変化を経験したかと、ついでに私達のコミュニティの間での誇大広告の度合いには興味をそそられます。

 非常に多くのカードが複数の人からBの評価を受け、同時に複数の人からAの評価を受けました。また複数の人からBの評価を受け、複数の人からCの評価を受けたカードもあります。もしあなたがこれを単にデベロップ・チームの考えだと思うなら、ファンサイトがどのようにして私達のセットの色のレビューに取り組んだかの記事の通読をお勧めします。そこでは実際に、トッププレイヤーがかなりの割合でカードに反対の評価をしているところを見つけることができます。もしコンリー・ウッズ/Conley Woodsとルイス・スコット・ヴァーガスLuis Scott-Vargasのギルド門侵犯のレビューを隣り合わせて比較してみれば、同じ5段階評価を使っていても、《死の接近/Death's Approach》のように場面や状況を選ぶカードでは多くの違いを見つけられるでしょう。このようなカードは一般的に評価が難しく、しばしば違いが大きくなります。

変わり者

 私が詳細に説明したように、私達はしばらく前に各ギルドにコモンの「C」が必要だと感じ、従ってそこには単色のカードとの相対的なバランスがありました。そしてまた、ギルドが他の各ギルドとバランスを取るために《破壊的一撃/Shattering Blow》のようなカードを求めました。このバランスを活かすために《原初の訪れ/Primal Visitation》のようなあなたが頭を掻いてしまうようなカードがいくつかあります。4マナではこれは良い働きをし、速攻を与えるのは存外役に立っていました。しかしながらこれは「B」でした。私達は自らのルールの例外を作りましたが、私が上記で説明したものの多くは与えられた目標を行うのに適切な場所ではないようでした。

 私達は他のグルールの金色のコモン3つ、《闘技/Pit Fight》、《破滅のワーム/Ruination Wurm》そして《ザル=ターの豚/Zhur-Taa Swine》には満足していました。《原初の訪れ/Primal Visitation》はデベロップの後期にマナコストを増やされました。速攻を取り除いて、そこに何かを加えるべきだったでしょうか? そうかもしれません。しかしながら、私達は何か実用的でないものを必要としており、そしてそれは依然として赤と緑のカードに見える必要がありました。そのため+2/+2速攻では説得力に欠けていたのです。しかし全体的には、私はこれが重要となったレアケースに満足しています。《待ち伏せのバイパー/Ambush Viper》をあなたがコントロールしていて《原初の訪れ/Primal Visitation》をトップデッキしたゲーム、または時々ある場が空になったゲームであなたが《原初の訪れ/Primal Visitation》を持っていて、ゲームの後半に小さなクリーチャーを引いた場合などです。そして《原初の訪れ/Primal Visitation》はプロツアーやグランプリのフィーチャーマッチでも見かけます。「C」であることは脇に追いやられるのではなく、ただ「C」であることを意味しているだけです。「C」でゲームに勝利することはマジックのリミテッドでの醍醐味です。

 私達はアンコモンの金色カードにはより寛大で、各ギルドに「A+」を与えるために最善を尽くしています。同様に「C」もあり、《深みのマーフォーク/Merfolk of the Depths》と《強要された自白/Coerced Confession》です。

めぐり逢えたら

 しかしながら、怒りを生み出すこれらの変わり者の記述をそのまましてにおきたくはありません。私は観客動員記録を更新したギルド門侵犯のリミテッドのグランプリについて片っ端からもっと考えるのがいいと思います。ギルドのバランスの点で不備が無いとは言えませんが、私はこのグランプリがとても楽しいもので、ラヴニカへの回帰とドラゴンの迷路への対比とシナジーの両方を作り出す目標をよく達成できたと信じています。

 この記事の後、ここでの私の寄与する頻度が大きく減少するでしょう。私はいつか将来Latest Developmentsの持ち回りから外れることになります。ドラゴンの迷路のプレビューの公開開始とともに、過去や現在の開発部からのレギュラー・ゲスト何人かの支援のもとサム・スタッダ−ト/Sam Stoddardがメインで担当するようになります。もしかしたらまだこの記事で私が出てくるかもしれません。全ての私への意見や私の記事に対する投稿に心から感謝しています。しばらくは、私は2週間後の期日だけでなく、さらに来たるべきセットによって多忙です。私は第一子の誕生にとても興奮しています!

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