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Beyond the Basics -上級者への道-

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タップ、タップ......ストップ!

Gavin Verhey / Tr. Yuusuke "kuin" Miwa / TSV testing

2017年4月20日

原文はこちら

 それはすべてのゲームで行うことだ。うまくいけば毎ターンそうするだろうし、時には1ターンに何度も行うことがあるだろう。

 それは何かって? 土地をタップすることだ!

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 マジックについてあらゆるプレイヤーが最初に学ぶことの1つは、自分の土地をタップして呪文を唱える、ということだ。

 この概念はマジックにおいて極めて基本となる点で、ゲームプレイの中心的要素であり、このゲーム世界に浸透している象徴的行為と言える。「タップ」という言葉が聞こえたら、マジックの会話かと思ってつい振り返ってしまうね。(皮肉にも、私の肩をタップ......トントンと叩くのと同じ効果がある。)

 したがって、(土地を置かない昔のおかしいデッキは置いておいて、)ゲーム中必ず呪文を唱えるために土地をタップするのであれば、出来る限り適切に土地をタップできるように意識するだろう。当然だよね。

 ところが私たちは、しばしば慎重さを失う。最も新しい、最もお気に入りの絵柄の土地であってもなんでもすぐタップしては、内心肩をすくめる。そして、「大した問題じゃないさ」と自分に言い聞かせるんだ。

 そう、やってしまう。

 メイン・フェイズに呪文を唱えてから、その後に使おうと思っていたコンバット・トリック(訳注1)のための色マナを残さなかったことに気付いて、自分の頭を叩いたことはあるかい?

(訳注1:コンバット・トリック/戦闘フェイズ中に、クリーチャーを支援する呪文や能力)

 コントロール・デッキを使う対戦相手が、まだ手札があるのに青マナが出る土地を全てタップしてきたとき、打ち消し呪文をかいくぐる好機だと気づけるだろうか?

 ドロー呪文を使うときのマナの残し方が悪く、引いてきたカードが使えなくて、引いたカードの嘲笑が聞こえたことは?

 そう、土地の残し方は問題だ。

 たとえそれが100回に1回の問題だとしても、土地をタップする頻度を考えれば、よく起こることと言えるだろう!

 タップミスはいつでも見かける事例だ――であれば、より良いタップのために、いかにミスを避けるかについて語るべきだろう。反射的にではなく、意識的にタップする時がきたんだ。

 適切にタップするためには、3つの段階がある。始めよう!

1.その後、何をプレイする可能性があるだろうか?

 常に行うべき基本として、なるべく幅広く色の種類の組み合わせが残るように、土地をタップしよう。

 例えば、《森》が2枚、《平地》が1枚、《まばらな木立ち》が1枚あるとしよう。唱えたいのは《栄光半ばの修練者》だ。

 この時、通常は《平地/Plains(USG)》と《森/Forest(10E)》をタップしてマナを出すのが最善だ。そうすれば、残った土地から緑マナも白マナも出せる。

 きわめて特殊な状況を除けば、2色選んで出せる土地を使うよりも先に、1色しか出せない土地をタップしてマナを出すべきだ。2色土地は単色土地よりも選択肢を増やせる。この差は実践する上でもわかりやすいだろう。2色土地は後から使うんだ。

 ね、簡単だろう? じゃあもう一度やってみよう。

 4枚の《森/Forest(10E)》と5枚の《島/Island(10E)》――合計で9枚の土地がある。墓地の《精神》を余波で唱えてカードを2枚引きたい。どの土地を残そうか?

 これはちょっと難しいかな。自分のデッキに何が入っているかによって、残すべき土地は変わってくる!

 2色とも必要なカードはどれくらいあるだろうか? 引いたカードと手札にある1マナのカード、どちらも唱えるつもりだろうか? デッキの構成に完全に依存するので、場合によっては{U}{U}{G}ではなく{G}{G}{U}と残したい有力な理由があるかもしれない。

2.対戦相手はこちらの手札を推測しているのか?

 その後何もプレイしなかったり、どう土地を残しても変わりがない時もあるだろう。それでも、こちらを警戒している対戦相手にとっては、どの土地を残しているかが重要な情報となる。

 実際これは、最初の要点よりも重要なことだろう。私たちは自分自身が何を持っているのかを常に知っているし、できるならばほとんどの場合は適切に土地をタップするものだ。しかし対戦相手はこちらの手札を知らない――こちらの土地という曇りガラスのようなものを通して、こちらの手札を透かし見ているんだ。

 スタンダードで赤緑の速攻デッキを使っていて、《山/Mountain(KLD)》が2枚、《森/Forest(9ED)》が2枚あるとしよう。クリーチャーを唱えるために3マナを使った。残りの手札に唱えられるカードが特にないとしても、残っている1マナがどちらかは大きな違いとなる!

 もしアンタップしている土地が《森/Forest(10E)》であれば、対戦相手はそれを《顕在的防御/Blossoming Defense(KLD)》の前触れだと受け取るだろう。逆にアンタップしている土地が《山/Mountain(KLD)》であれば、《ショック/Shock(AER)》を構えていると判断されるかもしれない。

 手札が使えなくなるようにマナを残すよりは、手札が使えるようにマナを残すほうが自然だろう。したがって、どちらかのカードを想起させると同時に、逆の色のカードを持っている可能性が低い、と思われるはずだ。

 つまり、実際にはどちらも持っていなかったとしても、残す土地によっては、次のターンの対戦相手の動きに大きく影響する可能性がある。《顕在的防御/Blossoming Defense(KLD)》を持っていると思わせられたなら、対戦相手は除去呪文の使用をためらうかもしれない。あるいは《ショック/Shock(AER)》を警戒して、理想的ではない攻撃を仕掛けてくるかもしれない。

 対戦相手に警戒してほしいのはどちらのカードだろうか? どちらを持っていると思わせれば、こちらにとって最高の状況に誘導できるだろうか? 持っていると思わせたいカードの色が、残しておくべき土地を決めるだろう。

 もちろん、これにはさらに先の段階がある。


《本質の散乱/Essence Scatter(AKH)》 アート:Josh Hass

 古典的な例を見てみよう。打ち消し呪文が満載された白青のコントロール・デッキを使って、速攻デッキと対戦している。こちらのターンに、青マナを全て使って呪文を唱える。

 なんてこった! 守りが崩れてしまった。対戦相手はこのとんでもない失敗を素早く察知し、クリーチャーを侵入させようと手札から解き放った。これじゃあヒーロー失格だよ!

 ......次のターンに《燻蒸/Fumigate(KLD)》で一掃するつもりなら別だけどね。

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「トラップさ!」

 このテクニックは《対抗呪文/Counterspell(EMA)》と《神の怒り/Wrath of God(EMA)》の時代からのものだ。防衛状態が解けたかのように巧妙に思い込ませて、それを利用する。

 わざとスキを見せるテクニックは、もちろん、《燻蒸/Fumigate(KLD)》をもってしても手に負えない状況が引き起こされる可能性を警戒する必要がある。例えば、相手がプレインズウォーカーをプレイしそうであれば避けたほうがいいだろう。とはいえ、この種のテクニックは何にでも応用できる。

 先ほどの赤緑速攻デッキの話に戻ろう。ただし今回のこちらの手札には、次のターンにプレイするつもりの強力な4マナ域クリーチャーがいて、なおかつ《顕在的防御/Blossoming Defense(KLD)》も実際に持っている、とする。

 4マナ域のクリーチャーは《顕在的防御/Blossoming Defense(KLD)》を構えた状態で出したいので、このターンは3マナ域のクリーチャーを唱えることにした。手札に《顕在的防御/Blossoming Defense(KLD)》があるので、残す土地は《森/Forest(10E)》にしたいと考えるだろう。

 しかしここで残す土地を《山/Mountain(KLD)》にして、《顕在的防御/Blossoming Defense(KLD)》を持っていないとアピールすればどうなるだろうか?

 このターンの土地の残し方から、相手はこちらが《顕在的防御/Blossoming Defense(KLD)》を持っている可能性が低いと判断するかもしれない。そうすれば、後々にこちらが出した4マナ域のクリーチャーに除去呪文をそのまま唱えるだろう――ところが除去対策は完璧だ。あるいは無防備な3マナ域に除去呪文を使われるかもしれないが、その分、次の除去呪文から4マナ域を守れるので、特に問題ではないだろう。

 ああ、この作戦には危険が伴う。おそらく実際は、《顕在的防御/Blossoming Defense(KLD)》のために《森/Forest(10E)》を残すことを選ぶんじゃないかな。それでも、選択肢として考慮するだけの意味はあるだろう。

 マナの使い方には、目に見えるもの以上のことが関係してくるんだ。

3.相手は何をプレイするだろうか?

 マナの使い方についての最後の段階は、こちらが残す土地と対戦相手が使うかもしれないカード、その関係性について考えることだ。

 これはほかに比べれば頻繁に起こる状況ではないが、起こった場合、大変な状況に陥ってしまうだろう。

 今回の記事の助言に従って対戦しているとしよう。選択肢を最大限に持つため、合計2枚の土地のうち基本土地のほうをタップして、2色土地を残している。今は対戦相手のターンだ。

 対戦相手は《不毛の大地/Wasteland(EMA)》をプレイしてきた。

 こちらの2色土地は《不毛の大地/Wasteland(TMP)》され、このターン、呪文は何も使えなくなってしまった!

 対戦相手が《不毛の大地/Wasteland(TMP)》や《血染めの月/Blood Moon(MM3)》を使うデッキだと分かっているなら、タップする土地の優先順位を脳内で適切に入れ替えなければならない。この例では、基本土地を残すことでこの問題は解決できる。

 しかし、タップする土地についての考えを混乱させる状況はこれだけではない。

 対戦相手が《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren(M11)》のようなカードを使っていて、お互いに毎ターン追加でカードを1枚引く状況になったらどうだろう? 引いてくるカードを適切にプレイするために、マナをもっときちんと使いたいと考えるはずだ。

 対戦相手のデッキに何が入っているのかを意識して、それに応じて優先順位を調整していこう。

タップアウト

 適切に土地をタップすることで、どれだけ呪文のプレイを最適化でき、いかに対戦相手を翻弄できるか――その効果にきっと驚くことだろう!

 土地の使い方について、この週末に開催されるプレリリース以上にふさわしい練習場所があるだろうか? プレリリースに参加して、『アモンケット』の厳しい試練に直面したとき、今回の教訓を生かしてみよう!(プレリリースについてはここで調べられるぞ。)

 何か考えや感想があるかな? ぜひとも聞かせてほしい! TwitterTumblr、あるいはBeyondBasicsMagic@gmail.comに英語でメールしてくれれば、いつでも読ませてもらうよ。

 楽しんでね。必要な色を出せる土地がすべてタップしていて使えない、ということがありませんように。

 また会おう。

Gavin / @GavinVerhey / GavInsight / beyondbasicsmagic@gmail.com

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