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突然の衰微

Gaby Spartz / Tr. Tetsuya Yabuki

2017年3月1日

原文はこちら

 『モダンマスターズ 2017年版』のプレビュー開始です! 今日は皆さんにとっておきのプレゼントをお持ちしました。それは......

(ドラムロール)

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 《突然の衰微》は『ラヴニカへの回帰』にある「呪文や能力によっては打ち消されない」サイクルのひとつです。登場以来あらゆるフォーマットに多大な影響を与え、マジックの歴史上でも最強の除去呪文のひとつと評されるようになりました。

 緑と黒を用いるデッキに不可欠な《突然の衰微》の強みは、その柔軟性です。除去を大量に扱うデッキにメインから採用できるのはもちろん、対戦相手が繰り出す脅威への対抗策として少量を備えておくこともできます。また、除去必須の厄介なパーマネントへの保険としてサイドボードに忍ばせておくことも可能です。

 《突然の衰微》は、3マナ以下のクリーチャーを除去するのに最高の1枚です。モダンで活躍するクリーチャーの多くが3マナ以下なのも追い風でしょう! 例えば「感染」デッキでは、対戦相手に毒カウンターを10個与えるために《荒廃の工作員》や《ぎらつかせのエルフ》が主力となっています。《突然の衰微》がなければ、暴風のごとき強化呪文の連打からの一撃で勝負が決まってしまうのです。

 《欠片の双子》は現在モダンで禁止カードに指定されていますが、これがあったころは《詐欺師の総督》や《やっかい児》との無限コンボを止めるために《突然の衰微》が欠かせませんでした。「欠片の双子」デッキはコストの軽い打ち消し呪文満載なので、「打ち消されない」《突然の衰微》がコンボを破るのにうってつけだったのです。

 《突然の衰微》は現在でも、《死の影》や《電結の荒廃者》《鋼の監視者》《野生のナカティル》、そして《タルモゴイフ》など、モダンで活躍するクリーチャーを除去するのに重宝されています。

 さてクリーチャー除去としての性能も文句なしですが、《突然の衰微》が傑作たるゆえんはさまざまな問題に対処できることです。「親和」デッキに対しては《頭蓋囲い》を破壊できるという点が見逃せません。《頭蓋囲い》は《羽ばたき飛行機械》のような取るに足らないクリーチャーも強大な脅威へ変えてしまうため、クリーチャー除去だけでは対処しきれないのです。

 そこで《稲妻》や《終止》をクリーチャーへ撃ち込むのではなく、《突然の衰微》を《頭蓋囲い》へ放つことで、対戦相手の脅威へ対処しつつ優れたクリーチャー除去を温存できるわけです。クリーチャーによる攻め手を封じる《罠の橋》のような厄介なアーティファクトも、《突然の衰微》で破壊できます。


《突然の衰微》 アート:Svetlin Velinov

 エンチャントに目を向けてみても、例えば《石のような静寂》や《安らかなる眠り》《相殺》《夜明けの宝冠》《紅蓮術士の昇天》と枚挙にいとまがありません。それから《ヴェールのリリアナ》や《ダク・フェイデン》、《ドムリ・ラーデ》といったプレインズウォーカーにまで対処できるのです。

 《突然の衰微》は打ち消し呪文をものともしません。対戦相手が《否認》や《呪い捕らえ》に苦しそうに視線を送る目の前で、大事にしているパーマネントを壊してやるというのは、何とも言えぬ愉快さがありますね。ただし厳密に言えば、《突然の衰微》も「打ち消される」場合があります。呪文の解決時に対象が不適正であると(呪禁を持ったり緑や黒のプロテクションを持ったりすると)、《突然の衰微》はルールによって打ち消されるのです。《使徒の祝福》や《顕在的防御》のような《突然の衰微》の破壊の力を防ぐカードにはご注意を。

 そして、《突然の衰微》には黒緑の2色を強く感じられるところも私は好きです。《破滅の刃》や《殺害》など、黒といえばクリーチャー除去の色です。その精神は《突然の衰微》のマナ・コストにも表れていますね。では緑は? そう、《帰化》や《茨潰し》など、緑はクリーチャー以外のパーマネント除去に優れた色です。さらに打ち消し呪文への対抗手段を持つ色でもあり、《突然の衰微》の「呪文や能力によっては打ち消されない」という一文はそこから来ているわけです。そういった要素が混ざり合い、《突然の衰微》は黒緑の2色をよく表現した超一流の除去になったのです。

 私は『モダンマスターズ』シリーズが大好きで、今回の『モダンマスターズ 2017年版』でドラフトを楽しむ日を今か今かと待っています。《突然の衰微》の再録はどうですか? ぜひ皆さんの感想を(英語で)お伝えください。Twitterなら@gabyspartzまで。twitch.tv/gabyspartzでやっている配信にコメントをいただけるのも嬉しいです。

—Gaby

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