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2012.10.11

行弘賢の「プロツアーへの道!」モダン攻略編 第3回:『ラヴニカへの回帰』のインパクト

By 行弘 賢


 皆さんこんにちは!

 今月の「MOを遊びつくせ!」はプロツアーの日程の都合上お休みになりますが、その代りに『ラヴニカへの回帰』後のモダン環境特集をやらせていただくことになりましたので、よろしくお願いします。


1. モダンって何?

 モダン・フォーマットとは、『第8版基本セット』以降の基本セットと『ミラディン』以降の拡張セット、いわゆる「新枠」のカードのみでデッキを組むフォーマットです。

 フォーマットの特徴として、強力なコンボデッキや汎用性の高すぎるカードは禁止として、構築の多様性を保つようになっています。詳しい禁止カードは「2012年9月20日 DCI制限禁止リスト告知」をご参照ください。さらに詳しいフォーマットの概要を知りたい方は、過去のモダン特集の記事を参考にしていただけたらと思います。


2. モダン環境に影響を与えそうな『ラヴニカへの回帰』のカード

 ここからは『ラヴニカへの回帰』よりモダンの環境に影響を与えそうなカードを、デッキとともに紹介していきたいと思います。


《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman(RTR)》

 1マナという軽さ、さらに混成マナということもあり、どのデッキにも採用できうるカードになっています。能力自体も非常に強力で、対戦相手の墓地を追放することで墓地利用するデッキをメインから対処することもでき、さらにはモダンの顔とも言える《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》にも耐性があります。
 マナ加速、自身のライフ回復、対戦相手のライフ減少と、見た目以上に幅広く使いやすい能力は、「汎用性」という言葉がよく似合うカードです。


《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman(RTR)》が加入しそうなデッキ:「ジャンド」

DaShakAttack (3-1)
Modern Daily #4413776 on 10/06/2012
2 《沼》
1 《森》
1 《草むした墓》
2 《黄昏のぬかるみ》
2 《血の墓所》
4 《黒割れの崖》
1 《踏み鳴らされる地》
2 《怒り狂う山峡》
4 《樹上の村》
4 《新緑の地下墓地》
1 《湿地の干潟》
1 《霧深い雨林》

-土地(25)-

4 《闇の腹心》
4 《タルモゴイフ》
3 《台所の嫌がらせ屋》
4 《血編み髪のエルフ》

-クリーチャー(15)-
4 《コジレックの審問》
3 《思考囲い》
4 《稲妻》
2 《終止》
2 《大渦の脈動》
2 《ジャンドの魔除け》
3 《ヴェールのリリアナ》

-呪文(20)-
1 《台所の嫌がらせ屋》
3 《外科的摘出》
4 《古えの遺恨》
1 《焼却》
2 《内にいる獣》
1 《ジャンドの魔除け》
3 《塩まき》

-サイドボード(15)-

 《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM)》と、《ジャンドの魔除け/Jund Charm(ALA)》の枚数を少しずつ調整して2~3枚投入される可能性があると思います。
 手札のマナ域が被り、いわゆる「モッサリした展開」というのがジャンドの一番の負けパターンと言えるので、マナ加速の要素も備えた《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman(RTR)》はデッキのマスターピースとも言えるかもしれません。


《突然の衰微/Abrupt Decay(RTR)》

 打ち消されない、3マナ以下のパーマネント破壊(土地以外)。
 これがインスタントタイミングで行われることで、《欠片の双子/Splinter Twin(ROE)》デッキに対する強烈な回答になります。
 それだけでなく、《不忠の糸/Threads of Disloyalty(BOK)》や《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles(5DN)》、《血染めの月/Blood Moon(CHR)》など、対処しなければ即負けに繋がるパーマネントにも対処することが可能です。
 《大渦の脈動/Maelstrom Pulse(ARB)》と色、効果が似ているために比べられやすいですが、インスタントであるためこちらの方が優先されることが多くなりそうです。


《突然の衰微/Abrupt Decay(RTR)》が加入しそうなデッキ:「ジャンド」

(デッキレシピは省かせていただきます)

 インスタントのパーマネント破壊ということで、マナ域の問題も考えて《大渦の脈動/Maelstrom Pulse(ARB)》、《終止/Terminate(ARB)》の両方を少しずつ削って2~3枚の採用になると思われます。


《イゼットの魔除け/Izzet Charm(RTR)》

 今回の各種「魔除け/Charm」はどれも強力ですが、この《イゼットの魔除け/Izzet Charm(RTR)》はカウンターによるコンボ耐性、2点火力による《闇の腹心/Dark Confidant(RAV)》などの軽量クリーチャー除去、2枚引いて捨てる「物あさり」能力と、モダンの環境にピッタリな能力になっています。


《イゼットの魔除け/Izzet Charm(RTR)》が加入しそうなデッキ その1:「青白赤クロックパーミッション」

HungryHungryHomer (4-0)
Modern Daily #4413898 on 10/08/2012
1 《島》
1 《平地》
1 《山》
2 《神聖なる泉》
2 《蒸気孔》
1 《聖なる鋳造所》
1 《湿った墓》
1 《永岩城》
4 《沸騰する小湖》
3 《乾燥台地》
3 《霧深い雨林》
1 《湿地の干潟》
1 《ムーアランドの憑依地》

-土地(22)-

4 《秘密を掘り下げる者》
4 《ステップのオオヤマネコ》
4 《瞬唱の魔道士》
4 《聖トラフトの霊》
1 《ヴェンディリオン三人衆》

-クリーチャー(17)-
4 《稲妻》
4 《流刑への道》
4 《血清の幻視》
1 《信仰無き物あさり》
4 《稲妻のらせん》
4 《マナ漏出》

-呪文(21)-
1 《大修道士、エリシュ・ノーン》
1 《エメリアの盾、イオナ》
1 《呪文貫き》
2 《大祖始の遺産》
2 《否認》
1 《解呪》
1 《粉々》
4 《けちな贈り物》
1 《堀葬の儀式》
1 《戦争と平和の剣》

-サイドボード(15)-

 除去ができ、カウンターができ、引きすぎた土地やマッチによって腐る《流刑への道/Path to Exile(CON)》を新たなリソースへと変えることができる《イゼットの魔除け/Izzet Charm(RTR)》は、クロックパーミッションが必要な要素を全て兼ね備えていると言っても過言ではありません。
 《流刑への道/Path to Exile(CON)》、《信仰無き物あさり/Faithless Looting(DKA)》、《稲妻のらせん/Lightning Helix(RAV)》あたりを削って2~3枚の採用になりそうです。


《イゼットの魔除け/Izzet Charm(RTR)》が加入しそうなデッキ その2:「青緑赤ヴァラクート」

pyromaniac4290 (3-1)
Modern Daily #4413871 on 10/08/2012
6 《森》
2 《島》
1 《繁殖池》
4 《踏み鳴らされる地》
4 《蒸気孔》
3 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》
2 《霧深い雨林》

-土地(22)-

4 《桜族の長老》
3 《瞬唱の魔道士》

-クリーチャー(7)-
4 《手練》
4 《遥か見》
4 《深遠の覗き見》
4 《差し戻し》
4 《明日への探索》
3 《炎渦竜巻》
4 《謎めいた命令》
4 《風景の変容》

-呪文(31)-
4 《払拭》
4 《呪文貫き》
4 《古えの遺恨》
2 《クローサの掌握》
1 《炎渦竜巻》

-サイドボード(15)-

 先日の改定により《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle(ZEN)》が禁止解除され、一躍注目のアーキタイプになった「青緑赤ヴァラクート」ですが、ここでも《イゼットの魔除け/Izzet Charm(RTR)》は、クリーチャーデッキ相手に序盤を捌き、コンボ相手にはカウンター、引けば勝てるカードである《風景の変容/Scapeshift(MOR)》《原始のタイタン/Primeval Titan(M12)》を引きに行くことも可能と、良いことずくめになっています。


《世紀の実験/Epic Experiment(RTR)》《どぶ潜み/Guttersnipe(RTR)》

《世紀の実験/Epic Experiment(RTR)》《どぶ潜み/Guttersnipe(RTR)》が加入しそうなデッキ:「青赤ストーム」

whiterknight (4-0)
Modern Daily #4245800 on 08/28/2012
5 《島》
3 《山》
1 《蒸気孔》
4 《硫黄の滝》
4 《沸騰する小湖》

-土地(17)-


-クリーチャー(0)-
4 《ギタクシア派の調査》
4 《信仰無き物あさり》
4 《血清の幻視》
4 《思考掃き》
1 《稲妻》
4 《魔力変》
4 《捨て身の儀式》
3 《発熱の儀式》
4 《ぶどう弾》
4 《紅蓮術士の昇天》
4 《煮えたぎる歌》
3 《炎の中の過去》

-呪文(43)-
3 《稲妻》
1 《破壊放題》
4 《残響する真実》
3 《早霜》
2 《紅蓮地獄》
2 《巣穴からの総出》

-サイドボード(15)-

 大量の軽量ドロー、マナ加速より《炎の中の過去/Past in Flames(ISD)》をプレイし、大量に呪文を唱えることでストームを稼ぎ《ぶどう弾/Grapeshot(TSP)》で勝利を狙うデッキです。
 そのデッキの構造上《世紀の実験/Epic Experiment(RTR)》は非常にデッキとマッチしており、X=4以上でプレイできたなら基本的には勝つことができると思います。
 役割として《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension(ZEN)》に近い部分となりますので、そこと入れ替えると良いでしょう。

 《どぶ潜み/Guttersnipe(RTR)》はメインにクリーチャーがいない青赤ストームのサイド後に投入することで、新たな勝ち筋として機能してくれると思います。


《汚損破/Vandalblast(RTR)》

 モダン黎明期より常にメタゲームの一角を占めてきた「親和」は、現在でも意識しなければいけないアーキタイプの代表格です。
 そのため、あらゆるデッキのサイドボードに《戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War's Wage(SOK)》や《古えの遺恨/Ancient Grudge(ISD)》等のアーティファクト対策は常備されています。しかしこれらを採用できないデッキや、能力の強さを加味すると、新たな「親和」対策のサイドボードとして採用される可能性はあると思います。


3. 何より大事なのは「土地」

 『ラヴニカへの回帰』が既存のデッキに様々な影響を与え、デッキを強化している事からもセットの強さが際立ちますが、『ラヴニカへの回帰』がモダンに与えた一番大きな影響は《草むした墓/Overgrown Tomb(RTR)》等の「ギルドランド」の再録だと思います。

 モダンは《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》等の「フェッチランド」が使用できる都合上、「ギルドランド」があるかないかでデッキを組める幅が大きく変わってきます。「ギルドランド」が再録されたことで、これまで以上に新規のプレイヤーの方が参入しやすい環境になると、ますますモダンが盛り上がりますね!
 この流れで「フェッチランド」も再録していただけると...なんて欲しがりすぎですかね?


4. 個人的に期待している1枚!

《鐘楽のスフィンクス/Sphinx of the Chimes(RTR)》

 《壌土からの生命/Life from the Loam(RAV)》等の「発掘」のシステムと相性が良く、「発掘」のカード2枚を捨て、更にその「発掘」のカードを「発掘」し手札に加えることで、山札を引ききってしまうことも可能です。
 このコンボ自体は非常に強力ですので、なんらかのアーキタイプができるかもしれませんね。


5. プロツアーに注目!

 『ラヴニカへの回帰』参入後のモダンのプレミアイベントとして、10月19~21日にプロツアー「ラヴニカへの回帰」がアメリカ・シアトルで行われます。
 新環境でプロ達がどのようなデッキを持ってくるのか、今から楽しみですね。僕も参加する予定ですので、頑張ってきたいと思います。


 皆さん最後まで読んでいただきありがとうございました。また来月お会いしましょう! それではー。

ラヴニカへの回帰

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