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2012.03.20

行弘賢の「プロツアーへの道!」モダン攻略編 第2回:モダン環境徹底研究!


 皆さんこんにちは!

 今回は特集の2回目ということで、モダンについて本格的に攻略していこうと思います。
 「プロツアーって何?」「モダンってどんな形式?」については、第1回でお届けしていますので、ご覧いただいていない方は、ぜひそちらもお願いします。

 行弘賢の「プロツアーへの道!」モダン攻略編 第1回:ここが楽しい!プロツアー


モダンのおさらい

 モダンが競技マジックのフォーマットとして最初に場を設けられたのはプロツアー・フィラデルフィア2011でのことです。
 この時は今よりずっと禁止カードが少なく、《雲上の座/Cloudpost(MRD)》や、青赤のコンボ系デッキに必須の《思案/Ponder(M12)》や《定業/Preordain(M11)》もフル投入できました。

 しかし、あまりにも《雲上の座/Cloudpost(MRD)》とコンボデッキが猛威を振るい、環境を停滞させていたので、この大会の後に多数の禁止カードが追加されます。

 特にその後の環境に影響が大きかったのは、《定業/Preordain(M11)》と《思案/Ponder(M12)》が禁止になったことにより、あらゆるコンボデッキが弱体化したことです。《緑の太陽の頂点/Green Sun's Zenith(MBS)》が禁止されたことにより、『ZOO』も若干ながら力を落としています。


 次にモダンが採用されたプレミアイベントは世界選手権2011でした。
 プロツアー・フィラデルフィアの後、多数の禁止カードが発表され環境が大きく変わったフィールドで結果を残したのは『ZOO』でした。

 《緑の太陽の頂点/Green Sun's Zenith(MBS)》が禁止されてしまったそのスロットを埋めるべく採用されたのが《瞬唱の魔士/Snapcaster Mage(ISD)》で、アドバンテージを取りつつクロックとして機能するため《緑の太陽の頂点/Green Sun's Zenith(MBS)》を失ったZOOにおいて非常に重要な立ち位置のカードとして機能しました。

 《野生のナカティル/Wild Nacatl(ALA)》に代表される素早いクロックは、コンボデッキが弱体化したフォーマットでは以前にも増して強く、この世界選手権ではZOOが大活躍しました。

 《罰する火/Punishing Fire(ZEN)》+《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows(FUT)》は『ZOO』のようなタフネスが3以上あるクリーチャー以外のビートダウンデッキを駆逐してしまいました。
 これもまた環境を停滞させる恐れがあるということで、この世界選手権の後、《野生のナカティル/Wild Nacatl(ALA)》と《罰する火/Punishing Fire(ZEN)》の両方ともの禁止が発表されました


 さて、このようにプロツアーと世界選手権という大きな大会の結果を受けて多数の禁止カードが発表され、現在のモダンは流動的にメタゲームが変わっていく非常に健全なフォーマットに生まれ変わりました。
 様々な禁止によりコンボが弱体化し、《罰する火/Punishing Fire(ZEN)》の禁止によりビートダウンも様々な形態のデッキが存在できるようになっています。

 コントロールはコンボの種類の減少により採用するべき対策カードを絞りやすく、ビートダウンの序盤のプレッシャーも《野生のナカティル/Wild Nacatl(ALA)》の退場により若干緩くなっていますので、場をコントロールして重いカードをプレイするスロウゲームをやりたいデッキも活躍できる環境になりました。


現環境の代表デッキ

 ここでは、現環境でよく見かけるアーキタイプを列挙して見ていきましょう。


メリーラ・ポッド

 《シルヴォクののけ者、メリーラ/Melira, Sylvok Outcast(NPH)》と、《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM)》などの頑強クリーチャーを《出産の殻/Birthing Pod(NPH)》でサーチして、「無限ライフ」や「無限ダメージ」を狙うクリーチャーコンボデッキです。
 これは後ほど詳しく解説いたします。


親和

 《電結の荒廃者/Arcbound Ravager(DST)》《頭蓋囲い/Cranial Plating(5DN)》を主軸として、それらの真価を引き出す0~1マナの軽量アーティファクト、《メムナイト/Memnite(SOM)》や《羽ばたき飛行機械/Ornithopter(M10)》《信号の邪魔者/Signal Pest(MBS)》などがたくさん入ったデッキ。

 《大焼炉/Great Furnace(MRD)》のようなアーティファクト・土地こそ多数禁止されていますが、《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus(MBS)》や《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus(DST)》《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel(DST)》などのアーティファクトとして数えられる土地は使用可能なうえ、《オパールのモックス/Mox Opal(SOM)》により爆発的な展開力が可能となっています。
 実戦レベルで常に高いパフォーマンスを発揮するビートダウンデッキ。具体例は次節でご紹介します。


ウルザトロン

 《ウルザの塔/Urza's Tower(5ED)》等のウルザシリーズランドを用いて重いカードをプレイするデッキ。青白や赤緑、青赤等様々なカラーの組み合わせのデッキが存在します。
 これも次節で例を挙げてご説明します。


ジャンド

 赤緑黒の3色のカラーリングのデッキ。《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》に代表される優秀なハンデス(手札破壊)と、《終止/Terminate(ARB)》などの除去で相手を妨害しつつ、《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》や《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf(ARB)》のような質の良いクリーチャーで攻めます。


《欠片の双子》

 《詐欺師の総督/Deceiver Exarch(NPH)》や《やっかい児/Pestermite(LRW)》に、《欠片の双子/Splinter Twin(ROE)》か《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker(CHK)》を使うことで「無限トークン」を生み出すコンボデッキ。前記のプロツアー・フィラデルフィアの優勝デッキです。


青赤ストーム(青赤昇天)

 《煮えたぎる歌/Seething Song(9ED)》などの赤のマナ加速や《血清の幻視/Serum Visions(5DN)》などの軽量ドロー呪文を多数唱え、マナを増やして《炎の中の過去/Past in Flames(ISD)》をプレイし、最終的には《ぶどう弾/Grapeshot(TSP)》といったストーム呪文で勝利を目指すコンボデッキ。

 《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension(ZEN)》を採用しているタイプもあります。


緑白タッチ赤「トラップ」

 《召喚の罠/Summoning Trap(ZEN)》や、《風立ての高地/Windbrisk Heights(LRW)》や《苔汁の橋/Mosswort Bridge(LRW)》といった「秘匿」土地シリーズから、《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn(ROE)》などの制圧力のあるクリーチャーを戦場に出すデッキ。

 《裂け目の突破/Through the Breach(CHK)》でハンドに来た重いクリーチャーを走らせるコンボも内蔵されています。


青白赤Delver

 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets(ISD)》や《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx(ZEN)》など、大きなダメージクロックが刻める1マナ域を展開し、《差し戻し/Remand(RAV)》や《呪文貫き/Spell Pierce(ZEN)》のような軽いカウンターと《稲妻/Lightning Bolt(M11)》《稲妻のらせん/Lightning Helix(RAV)》のような軽い除去で妨害しつつ、一方的に殴りきることを目指すクロックパーミッションデッキ。


赤単

 《ゴブリンの先達/Goblin Guide(ZEN)》《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental(CON)》などの速攻持ちクリーチャーや、《モグの狂信者/Mogg Fanatic(10E)》《ケルドの匪賊/Keldon Marauders(PLC)》のような早く戦場に出て確実に打点を上げられるクリーチャーを中心に、1枚で3点以上の火力で早いターンに押し切ってしまうバーンデッキ。

 黒を混ぜて《夜の衝突/Bump in the Night(ISD)》が入っているタイプもありますね。


アグロローム

 《壌土からの生命/Life from the Loam(RAV)》により回収した土地を、このカードの発掘により墓地に落ちた《カラスの罪/Raven's Crime(EVE)》や《炎の突き/Flame Jab(EVE)》など「回顧」カードで有効活用するデッキ。

 《突撃の地鳴り/Seismic Assault(10E)》も《壌土からの生命/Life from the Loam(RAV)》と非常に相性が良く、中心になっています。
 その他のパーツとして、《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》や《闇の腹心/Dark Confidant(RAV)》《田舎の破壊者/Countryside Crusher(MOR)》がクリーチャーが多めに入った、いわゆるアグロタイプが基本形です。直近のグランプリ・リンカーンを制したのがこのデッキです。(リンク先は英語カバレージ)


 これらのデッキの他にも多数のデッキタイプがありますが、現環境で活躍しているデッキをざっと挙げるとこんな感じになります。

 簡単に説明させていただきましたが、更にこの中から安定してマジック・オンライン(MO)のデイリー・イベント(DE)で入賞しているデッキを中心に、より詳しい解説をさせていただきたいと思います。


親和

Kyohei Kawaguchi
プロツアー・アヴァシンの帰還予選・大阪日本橋 優勝
1 《山/Mountain》
4 《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
4 《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》
3 《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》
3 《空僻地/Glimmervoid》
1 《黒割れの崖/Blackcleave Cliffs》

-土地(16)-

4 《メムナイト/Memnite》
4 《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》
4 《信号の邪魔者/Signal Pest》
4 《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》
4 《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》
4 《鋼の監視者/Steel Overseer》
2 《刻まれた勇者/Etched Champion》

-クリーチャー(26)-
4 《オパールのモックス/Mox Opal》
3 《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum》
1 《溶接の壺/Welding Jar》
4 《感電破/Galvanic Blast》
2 《爆片破/Shrapnel Blast》
4 《頭蓋囲い/Cranial Plating》

-呪文(16)-
1 《刻まれた勇者/Etched Champion》
2 《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
3 《呪文貫き/Spell Pierce》
3 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
3 《鞭打ち炎/Whipflare》
3 《血染めの月/Blood Moon》

-サイドボード(15)-

(デッキリスト:「BIG MAGIC日本橋店@どーもabknです」より)

 親和は《メムナイト/Memnite(SOM)》や《羽ばたき飛行機械/Ornithopter(M10)》、《オパールのモックス/Mox Opal(SOM)》の0マナアーティファクトから手札を一気に展開し、全体に修正を与える《信号の邪魔者/Signal Pest(MBS)》や《鋼の監視者/Steel Overseer(M11)》、アーティファクトが多いほど爆発的な打点が期待できる《頭蓋囲い/Cranial Plating(5DN)》《電結の荒廃者/Arcbound Ravager(DST)》でゲームを決めるのが基本戦術になります。

 親和は初手をキープする基準が大切で、特に《頭蓋囲い/Cranial Plating(5DN)》は親和の一番強いカードなので、そこを引けるかどうかが重要になります。《頭蓋囲い/Cranial Plating(5DN)》の水増しとして《鋼打ちの贈り物/Steelshaper's Gift(5DN)》を採用しているデッキリストもよく見かけますね。

 《電結の荒廃者/Arcbound Ravager(DST)》は、MO上のDEで勝っているデッキでは2~3枚の採用としているレシピを多く見かけますが、このレシピは4枚となっています。
 2枚引くとモッサリして弱い、というのがその少ない枚数の理由なのですが、2枚目の《電結の荒廃者/Arcbound Ravager(DST)》は《電結の荒廃者/Arcbound Ravager(DST)》で生け贄に捧げると、「接合」能力でもともと乗っている+1/+1カウンター分も+1/+1カウンターが増えるので1枚で2点分の計算ができます。

 さらに、2枚目を出してしまえば、戦場のアーティファクトのほとんどを生け贄に捧げて《電結の荒廃者/Arcbound Ravager(DST)》にオールイン!する、いわゆる「キレ荒廃者」をしても、


  • 大量に+1/+1カウンターの乗った《電結の荒廃者/Arcbound Ravager(DST)》
  • 《羽ばたき飛行機械/Ornithopter(M10)》等の回避能力持ちクリーチャー
  • もう1枚の《電結の荒廃者/Arcbound Ravager(DST)》

 の3体さえ残せば対戦相手は除去が3枚必要となります。

 このように、複数枚引いた時も活用方法があるので、個人的にはキープ基準にもなる《電結の荒廃者/Arcbound Ravager(DST)》は4枚採用するべきだと思います。

 《刻まれた勇者/Etched Champion(SOM)》はかなり強く、苦手なマッチアップでもその相性差をひっくり返すほどのカードパワーを発揮します。
 戦場に出た段階で金属術を達成していることがほとんどで、全ての色のプロテクションを持つ以上ほとんど除去することが不可能であり、さらに《頭蓋囲い/Cranial Plating(5DN)》は色の無い装備品なので装備可能、といった無茶苦茶な性能です。
 被覆ならばまだどうとでもやりようはあるのですが、「プロテクション(すべての色)」なのでブロッカーとして地上を止める時も非常に強く、よく《タルモゴイフ/Tarmogoyf(FUT)》なんかを地上でもじもじさせている所を見かけますね。
 親和の3マナはかなり重い部類に入るため、2~3枚の採用となっているレシピが多くなっていますが、メタゲーム次第で枚数を変えやすいスロットなので、この部分は調整しやすいと思います。


 親和のサイドボード後は《血染めの月/Blood Moon(8ED)》で対戦相手の事故を狙う、『月ハメ』プランがよく採用されます。

 サイド後は対戦相手も大量のアーティファクト対策をサイドボードから投入してくるため、《血染めの月/Blood Moon(8ED)》を張ることで軸をずらしたゲームをして勝利を目指さないと、相性差が厳しいということだと思います。
 このことを考えて、親和と対戦する時は《血染めの月/Blood Moon(8ED)》がサイド後に出てくるものだと認識し、序盤のフェッチランドからは基本土地を積極的に集めるようにするように気をつけたいですね。


 このリストは、同じ和歌山県で一緒にマジックしている友人が大阪のプロツアー予選を抜けた時に使用したものです。
 前日に同じ大阪で開催されたプロツアー予選で火力が欲しいマッチアップと多く当たったということで、採用していた《物読み/Thoughtcast(MRD)》を抜いて《爆片破/Shrapnel Blast(MRD)》や《刻まれた勇者/Etched Champion(SOM)》に変え、このリストで参戦したそうです。

 モダンは現在多種多様なデッキがあるため、メタゲームの移り変わりが激しくなっています。なので、気が付いたことは積極的に採用するのが良いかもしれませんね。


ウルザトロン

allstarz97 (22nd Place)
Modern PTQ #3567588 on 03/18/2012
3 《島》
1 《山》
1 《蒸気孔》
2 《シヴの浅瀬》
1 《繁殖池》
4 《ウルザの塔》
4 《ウルザの鉱山》
4 《ウルザの魔力炉》
4 《沸騰する小湖》
1 《ウギンの目》

-土地(25)-

1 《無限に廻るもの、ウラモグ》
3 《引き裂かれし永劫、エムラクール》

-クリーチャー(4)-
4 《イゼットの印鑑》
1 《虹色のレンズ》
4 《探検の地図》
4 《差し戻し》
3 《紅蓮地獄》
2 《電解》
4 《知識の渇望》
3 《強迫的な研究》
4 《裂け目の突破》
1 《卑下》
1 《撤廃》

-呪文(31)-
1 《呪文滑り》
2 《ワームとぐろエンジン》
2 《墓掘りの檻》
2 《払拭》
1 《噴出の稲妻》
2 《倦怠の宝珠》
2 《古えの遺恨》
2 《焼却》
1 《紅蓮地獄》

-サイドボード(15)-

 前回の記事で紹介した青白トロンとはまた別の「青赤トロン」です。
 《けちな贈り物/Gifts Ungiven(CHK)》+《堀葬の儀式/Unburial Rites(ISD)》ではなく、《裂け目の突破/Through the Breach(CHK)》+《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn(ROE)》プランを採用しています。

 軽量除去とドローを多く採用しており、基本的にはトロンを無理やり揃えに行くのではなく、ボードをコントロールしながら《裂け目の突破/Through the Breach(CHK)》コンボを目指すデッキに仕上がっています。

thekid (1st Place)
Modern PTQ #3567580 on 03/17/2012
4 《燃え柳の木立ち》
4 《ウルザの鉱山》
4 《ウルザの魔力炉》
4 《ウルザの塔》
1 《アカデミーの廃墟》
1 《ウギンの目》

-土地(18)-

1 《ワームとぐろエンジン》
1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》

-クリーチャー(2)-
4 《彩色の宝球》
4 《彩色の星》
4 《予言のプリズム》
4 《衝動のタリスマン》
4 《古きものの活性》
4 《探検の地図》
4 《森の占術》
3 《探検》
4 《精神隷属器》
1 《全ては塵》
4 《解放された者、カーン》

-呪文(40)-
2 《呪文滑り》
2 《ワームとぐろエンジン》
2 《大祖始の遺産》
2 《原基の印章》
3 《紅蓮地獄》
2 《古えの遺恨》
2 《焼却》

-サイドボード(15)-

 こちらは最近目覚ましい勢いで台頭してきた緑単トロンです。
 緑単というのもおこがましいぐらい無色のカードしか採用されていないのには理由があり、青赤トロンと違いこちらのトロンは3ターン目に《解放された者、カーン/Karn Liberated(NPH)》をプレイするのをコンセプトにしているため、基本的には序盤は色マナの出る土地を置くことができません。

 そのため、無色でも色マナが生成できる《彩色の星/Chromatic Star(10E)》系のキャントリップ・マナフィルターアーティファクトが多数採用されています。

 《古きものの活性/Ancient Stirrings(ROE)》はトロンにおいて《探検の地図/Expedition Map(ZEN)》でもあり、《解放された者、カーン/Karn Liberated(NPH)》にもなる非常に優秀なサーチカードです。このカードが存在するため、このデッキがこれだけの高い完成度のデッキになったといっても過言ではありません。

 《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows(FUT)》が採用されているのは、親和のようなクロックが速いビートダウンが相性の悪いことから、サイド後に赤の軽量除去を大量にサイドインするためです。
 一応メインデッキは緑単なので「緑単トロン」ですが、サイド後は赤緑になります。

 トロン全般は《血染めの月/Blood Moon(8ED)》によりトロンが効力を発揮しなくなるため苦しいのですが、《原基の印章/Seal of Primordium(PLC)》が使える緑系トロンならサイド後もそれほど苦しまなくてすみそうですね。


メリーラ・ポッド

Good_Game (1st Place)
Modern Premier #3567590 on 03/19/2012
4 《森》
1 《沼》
1 《平地》
2 《草むした墓》
2 《森林の墓地》
1 《寺院の庭》
1 《剃刀境の茂み》
1 《神無き祭殿》
4 《新緑の地下墓地》
2 《湿地の干潟》
2 《霧深い雨林》
1 《ガヴォニーの居住区》

-土地(22)-

4 《極楽鳥》
1 《貴族の教主》
3 《臓物の予見者》
4 《根の壁》
3 《シルヴォクののけ者、メリーラ》
1 《エーテル宣誓会の法学者》
4 《台所の嫌がらせ屋》
1 《永遠の証人》
1 《調和スリヴァー》
1 《イーオスのレインジャー》
1 《静寂の守り手、リンヴァーラ》
1 《納墓の総督》
1 《残忍なレッドキャップ》
1 《目覚ましヒバリ》
1 《叫び大口》
1 《太陽のタイタン》

-クリーチャー(29)-
2 《思考囲い》
4 《出産の殻》
3 《召喚の調べ》

-呪文(9)-
1 《クァーサルの群れ魔道士》
1 《オルゾフの司教》
4 《強情なベイロス》
1 《最後のトロール、スラーン》
1 《残忍なレッドキャップ》
1 《ワームとぐろエンジン》
1 《思考囲い》
2 《虚無の呪文爆弾》
2 《四肢切断》
1 《化膿》

-サイドボード(15)-


 「メリーラ・ポッド」は《極楽鳥/Birds of Paradise(M12)》や《根の壁/Wall of Roots(TSB)》からマナ加速し、《出産の殻/Birthing Pod(NPH)》や《召喚の調べ/Chord of Calling(RAV)》で《シルヴォクののけ者、メリーラ/Melira, Sylvok Outcast(NPH)》+《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM)》or《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap(SHM)》+《臓物の予見者/Viscera Seer(M11)》を揃えるのが目的のデッキです。

 《シルヴォクののけ者、メリーラ/Melira, Sylvok Outcast(NPH)》と《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM)》に加え《臓物の予見者/Viscera Seer(M11)》が揃うと、コンボスタート。
 《臓物の予見者/Viscera Seer(M11)》により《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM)》を生け贄に捧げて占術すると、《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM)》は「頑強」により戻ってきますが、《シルヴォクののけ者、メリーラ/Melira, Sylvok Outcast(NPH)》の能力により-1/-1カウンターが乗らずに戻ってくるために、最初の状態に戻ります。
 これで好きな回数だけ占術を行い、《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM)》が戻ってきたときの2点のライフを得ることができます。
 好きなだけライフを得つつ、占術を繰り返して1枚採用されている《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap(SHM)》がライブラリトップに来るようにし、次のターンには同様のサイクルで「無限ダメージ」が決まります。

 《出産の殻/Birthing Pod(NPH)》はコンボを揃えるだけではなく、《目覚ましヒバリ/Reveillark(MOR)》や《太陽のタイタン/Sun Titan(M12)》などの単純にカードパワーが高いカードを持ってきて押すだけで勝てることもよくあります。
 《緑の太陽の頂点/Green Sun's Zenith(MBS)》がその汎用性の高さから禁止されてしまったように、この《出産の殻/Birthing Pod(NPH)》もその場その場で最善のクリーチャーを探し出せるので、モダンというカードプールが広い環境では、こういったサーチ能力がついているカードは非常に強いようです。


最後に紹介いたしますのは。

 さて、モダンの様々なデッキを紹介いたしましたが、最後は僕が友人のPTQの練習のために作った『エスパーヒバリ』の紹介をさせていただきます。

deathsnow 『ギフトヒバリ』
2 《島/Island(10E)》
1 《平地/Plains(NPH)》
1 《沼/Swamp(ISD)》
1 《神聖なる泉/Hallowed Fountain(DIS)》
2 《金属海の沿岸/Seachrome Coast(SOM)》
2 《秘教の門/Mystic Gate(SHM)》
4 《闇滑りの岸/Darkslick Shores(SOM)》
1 《湿った墓/Watery Grave(RAV)》
1 《神無き祭殿/Godless Shrine(GPT)》
3 《孤立した礼拝堂/Isolated Chapel(ISD)》
4 《湿地の干潟/Marsh Flats(ZEN)》
1 《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》
1 《反射池/Reflecting Pool(SHM)》

-土地(24)-

1 《臓物の予見者/Viscera Seer(M11)》
4 《前兆の壁/Wall of Omens(ROE)》
2 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》
1 《悪鬼の狩人/Fiend Hunter(ISD)》
1 《鏡の精体/Mirror Entity(LRW)》
2 《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant(FUT)》
1 《誘惑蒔き/Sower of Temptation(LRW)》
4 《熟考漂い/Mulldrifter(LRW)》
4 《目覚ましヒバリ/Reveillark(MOR)》
2 《影武者/Body Double(PLC)》

-クリーチャー(22)-
4 《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek(ROE)》
2 《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》
1 《悲劇的な過ち》
2 《流刑への道/Path to Exile(CON)》
1 《破滅の刃/Doom Blade(M12)》
3 《けちな贈り物/Gifts Ungiven(CHK)》
1 《堀葬の儀式/Unburial Rites(ISD)》

-呪文(14)-
3 《孤独な宣教師/Lone Missionary(ROE)》
2 《潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler(ALA)》
1 《翻弄する魔道士/Meddling Mage(ARB)》
4 《大爆発の魔道士/Fulminator Mage(SHM)》
1 《誘惑蒔き/Sower of Temptation(LRW)》
1 《流刑への道/Path to Exile(CON)》
3 《解呪/Disenchant(TSB)》

-サイドボード(15)-

 このデッキは当初、
「《心なき召喚/Heartless Summoning(ISD)》を張って《熟考漂い/Mulldrifter(LRW)》想起したら1マナで2枚引けるから超強くない!?」
 といったコンセプトにより作成されたのですが、《心なき召喚/Heartless Summoning(ISD)》を張ってしまうと、


  • 《誘惑蒔き/Sower of Temptation(LRW)》で対戦相手の《闇の腹心/Dark Confidant(RAV)》なんかのタフネス1をもらってきても死んでしまう
  • パワーが元々低いクリーチャーの集まりなので殴り勝つのが難しい
  • そもそも《心なき召喚/Heartless Summoning(ISD)》に頼っているために引かないとモッサリ感が半端無い

 などなど、たくさんの欠陥を抱えていることに気が付きました。

 更に言えば、《目覚ましヒバリ/Reveillark(MOR)》を起点としたコンボとして、
「《目覚ましヒバリ/Reveillark(MOR)》をコピーした《影武者/Body Double(PLC)》が墓地に落ちた時に、《影武者/Body Double(PLC)》=《目覚ましヒバリ/Reveillark(MOR)》の能力により『自分自身+何か』を戦場に戻すことができ、サイクルになる」
 というものがあります。

 ここで必要な要素を並べると、

  • (墓地にある)《目覚ましヒバリ/Reveillark(MOR)》
  • 《影武者/Body Double(PLC)》
  • 《熟考漂い/Mulldrifter(LRW)》などパワー2以下で能力付きクリーチャー
  • 任意に生け贄に捧げられる能力(《臓物の予見者/Viscera Seer(M11)》など)

 となりますが、《心なき召喚/Heartless Summoning(ISD)》を張ってしまうと『任意に生け贄に捧げられる能力』の部分の選択肢がかなり狭まってしまい、《大いなるガルガドン/Greater Gargadon(TSP)》を採用するしかなく、そうなってしまうと何色やねん!と突っ込みが入ってしまうほどマナベースもタイトになり、結果として《血染めの月/Blood Moon(8ED)》がぶっ刺さりまくるという、もう完全にグダグダなデッキになってしまいました。

 結局《心なき召喚/Heartless Summoning(ISD)》とはそこでお別れし、新たに《けちな贈り物/Gifts Ungiven(CHK)》を採用することで非常にバランスの取れたデッキとなりました。

 《けちな贈り物/Gifts Ungiven(CHK)》からこのデッキが持ってくるパッケージはおおむね2つです。


ケース1:無限コンボ

  • 《目覚ましヒバリ/Reveillark(MOR)》
  • 《影武者/Body Double(PLC)》
  • 《堀葬の儀式/Unburial Rites(ISD)》
  • 《臓物の予見者/Viscera Seer(M11)》

 手札に《目覚ましヒバリ/Reveillark(MOR)》がいない時は概ねこの4枚を持ってきます。いる時は、ヒバリの部分を《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant(FUT)》なんかに変えると良いです。

 とにかくこんな風に持ってくると、大抵《影武者/Body Double(PLC)》+《目覚ましヒバリ/Reveillark(MOR)》が手札に加わるはずなので、返しで《影武者/Body Double(PLC)》を《臓物の予見者/Viscera Seer(M11)》として出し、次ターンに《目覚ましヒバリ/Reveillark(MOR)》想起、通ったら《影武者/Body Double(PLC)》を生け贄に捧げた後に《影武者/Body Double(PLC)》と《臓物の予見者/Viscera Seer(M11)》を釣り上げます。
 あとは《熟考漂い/Mulldrifter(LRW)》や《前兆の壁/Wall of Omens(ROE)》で「無限ドロー」や、《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant(FUT)》で「無限バウンス」してしまいましょう。


ケース2:《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》+除去

  • 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》
  • 《流刑への道/Path to Exile(CON)》
  • 《破滅の刃/Doom Blade(M12)》
  • 《悲劇的な過ち》

 または

  • 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》
  • 《流刑への道/Path to Exile(CON)》
  • 《誘惑蒔き/Sower of Temptation(LRW)》
  • 《悪鬼の狩人/Fiend Hunter(ISD)》

 親和やメリーラ・ポッドなんかのクリーチャーデッキ相手で使う選択肢です。
 この4枚を選べば確実に除去となるカードが2枚手に入るので、クリーチャーを除去したい時はこの2パターンを覚えておけば良いと思います。
 マナの都合や対戦相手の除去性能によって、どちらのパッケージを持ってくるかは選んでください。


ハンデス(hand destruction=手札破壊)が多い理由

 このデッキは《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek(ROE)》4枚、《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》2枚とかなり多めのハンデスを採用しています。
 自分のデッキが《熟考漂い/Mulldrifter(LRW)》や《前兆の壁/Wall of Omens(ROE)》など強力なドローシステムを持っているため、消耗戦に持ち込みたいという理由はもちろんあるのですが、青赤ストームや《欠片の双子》等のコンボデッキに対してはこちらのコンボスピードが遅いため、ハンデスで妨害しなければ間違いなく相手のほうが先にコンボが決まってしまいます。
 したがって、多くハンデスを採用することにより、あらゆるデッキにメインボードから戦いやすくしています。

 カウンターやハンデスが入っているデッキ相手にもハンデスは効果的ですし、サイドボード後は《血染めの月/Blood Moon(8ED)》を抜くこともできるので、この環境の《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek(ROE)》と《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》は非常に優秀ですね。


モダンを制するのはデッキ愛!?

 ここまでに何度もお伝えしてはいますが、この環境は正直どのデッキを使っても「有り」だと思います。
 好きなデッキを使い込み、勝てるように強くしていく。これはデッキ構築の根底だと思いますし、それが可能なモダンは本当に面白いと思います。好きなデッキを勝てるようになるまで調整するというのは、環境を理解しなければできないことですし、そこまで環境を理解することができたならば結果の方が後からついてくると思います。

 プロツアー・アヴァシンの帰還の予選シーズンも後半戦に突入しましたが、まだまだチャンスはあります。是非皆さんモダンをやりこんで参加してみてくださいね。
 予選スケジュールはこちらから!

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 それでは皆さん、最後まで記事を読んでいただき本当にありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう!

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