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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:モンスター:エナジーデック(スタンダード)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:モンスター:エナジーデック(スタンダード)

by 岩SHOW

 マジックにおいて、赤と緑は怪物を担う色だ。怪物と一口に言ってもいろいろある......そういう意味では黒も怪物の色ではあるが。

 黒い怪物は腐敗したなにがなんだかわからない混成物だったり、コズミックホラーだったりと......超常的・闇や恐怖の具現化的なものが主流だったりするのに対し、赤や緑はより生物らしい怪物カードを輩出している。黒がホラーなら、赤緑はモンスターってところだね。

 かつてはモンスターというクリーチャータイプも存在したが、4枚のカードにしか印刷されず廃止された。後に『テーロス』で「怪物化」という能力が作られ、そこで赤と緑は多種多様な自然界の怪物を世に送り出したものである。中でも《世界を喰らう者、ポルクラノス》と《嵐の息吹のドラゴン》はとても強力で、そのカードパワーで対戦相手を圧倒する「赤緑モンスター」と呼ばれるデッキが作られたものである。

 現行スタンダードには、《嵐の息吹のドラゴン》に匹敵する強力なドラゴンがいる。ご存知《栄光をもたらすもの》だ。やはり強いドラゴンがいるとマジックは楽しい。

 これに加えて、現環境にはドラゴンとは異なる竜がいる。恐竜だ。かつて大地を踏みしめていたという巨大生物の代表格。ドラゴンも恐竜もまとめて1つのデッキに共存させることができるのが、マジックというゲームの面白いところだ。

 『テーロス』期以来の久々な、「赤緑モンスター」デッキを紹介しようじゃないか。

Glenn Muijen - 「赤緑モンスター」
Standard Monthly @ GameForce (Eindhoven) 優勝 / スタンダード (2017年11月5日)[MO] [ARENA]
6 《
3 《
4 《隠れた茂み
4 《根縛りの岩山
1 《ハシェプのオアシス
4 《霊気拠点

-土地(22)-

4 《緑地帯の暴れ者
4 《通電の喧嘩屋
3 《牙長獣の仔
3 《貪る死肉あさり
3 《不屈の神ロナス
3 《切り裂き顎の猛竜
2 《熱烈の神ハゾレト
3 《栄光をもたらすもの
1 《レギサウルスの頭目

-クリーチャー(26)-
4 《霊気との調和
4 《蓄霊稲妻
2 《削剥
3 《キランの真意号

-呪文(13)-
2 《暴れ回るフェロキドン
1 《切り裂き顎の猛竜
1 《栄光をもたらすもの
3 《マグマのしぶき
2 《顕在的防御
1 《削剥
2 《焼けつく双陽
2 《反逆の先導者、チャンドラ
1 《生命の力、ニッサ

-サイドボード(15)-
mtgtop8.com より引用)

 赤と緑のパワフルなモンスターたちを詰め込みました!というわかりやすいコンセプト。とにかくクリーチャーを出して、ぶん殴る!

 アグレッシブなデッキだが、軽いクリーチャーばかりで構成された面展開で勝負するデッキとは根本的に異なる。2マナの怪物が対処されれば3マナの怪物が、それも討ち死にすれば4マナ・5マナと、1体でも十分な戦闘力を誇る怪物を順に戦場に送り出していく、やや中速寄りのデッキとなっている。4マナ以上のクリーチャーが9枚採用されているところからも、その狙いが分かる。

 ベースとなっているのは赤緑のエネルギーデッキだ。今ではスタンダードにおける《タルモゴイフ》的な立ち位置になっている《牙長獣の仔》はもちろん、瞬間的な打点はそれを上回る《通電の喧嘩屋》を2マナ圏に採用。

 そしてこれもモンスターと言えるだろう、1マナ3/4のエネルギー食い《緑地帯の暴れ者》らと、これらにエネルギーを供給する《霊気拠点》《霊気との調和》《蓄霊稲妻》を用いて序盤は戦うことになる。モンスターといえば、エナジード......なんでもない。とにかく、ゴクゴクとエナジーを補給してやれば、これらでも十部に対戦相手を踏み潰すことができるだろう。

 エナジー部隊がダメだった場合、恐竜を中心としたモンスターを檻から解き放とう。優秀なサイズのクリーチャーで、相手のブロックをものともせずに力で突破してやろう。

 こういう展開になった時に、《通電の喧嘩屋》は役目を終えて指をくわえて見ているのかというと、そんなことはない。相手のクリーチャーに道を塞がれ殴れなくなった者には、操縦者としての仕事が待っている。《キランの真意号》に乗り込んで、空から攻めろ。地上は恐竜に大型哺乳類、空には戦艦とドラゴン......これぞ闘争だ! 戦いの怪物となるのだ!

 まあ、デッキとしての強さを純粋に求めるのであれば、「ティムール・エネルギー」の方が良いだろう。同じ4マナクリーチャーでも《切り裂き顎の猛竜》よりも《逆毛ハイドラ》の方が優れている点は多い。

 ただ、100%負けているわけじゃない。《逆毛ハイドラ》は何をどうしてもカードを引くことはできないが、《切り裂き顎の猛竜》は2枚3枚とカードを提供してくれる可能性があるのだ。そこに、夢を見たって良い。《レギサウルスの頭目》で速攻を得られるのは恐竜だけだ、ハイドラじゃダメ。

 何よりも、このカードが好き・使っていて楽しいという思いがあれば、それで君のデッキは正当化される。恐竜を使いたいけど、他に組んでいる人がいないから......そんな理由で、やりたいことを諦めちゃもったいない。世界を見渡せば、ほらちゃんと同志がいるぞ。君の中のモンスター、解き放ってやろうじゃないか! これから恐竜デッキが強くなって、巻き返せるかもしれないしね!

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