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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

2017.09.21

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ラクドス・トークン(モダン)

by 岩SHOW

 リミテッドで強いカードは構築でも強い。近年巷で囁かれるようになった、マジックの定説だ。

 すべてがすべて、そういうわけではないということを先に断っておこう。マジックのカードは、大雑把に分けると構築とリミテッドという2つのフォーマットで用いられることになる。この2つは、同じマジックでもゲーム性が大きく異なる。なので構築で強いカードが、リミテッドという限られたカードのみを用いて戦う世界においては強くなかったりする。その逆もまた然りで、リミテッドでは優秀なクリーチャーであっても構築で用いるには重すぎる、なんてことも多々ある。

 ただ、そんなマジックの常識を覆すリミテッドでも構築でも強い、トータル・パワーカードも存在する。最近のカードであれば《栄光をもたらすもの》なんかはその象徴だ。過去に比べてクリーチャーの質が向上し、プレインズウォーカーというゲームシステム的に強いカードが毎セット収録されている、というのがこの定説を裏付けているのだろう。何度も言うけど、必ずしもそうではないんだけどね。昔に比べてそういうカードが増えたという話。

 ここ数年でこれを最も実証したカード、となると《群れネズミ》を置いて他にはない。

 この2マナのネズミは、手札を捨てるとどんどん増殖する。あなたの戦場にいるネズミに等しいパワー/タフネスを持つ能力と、この増殖能力が噛み合って、とんでもない打点を叩き出す。ネズミが増えるごとにそのパワー合計は1→4→9→16→25...と、えげつないことになっていく。

 1枚でゲームに勝てる、ぶっ壊れカードと評されたものだが、デビュー当初の評価は「リミテッド専用カード」というものだった。後に黒いパーマネントが多数並ぶことをよしとする「黒単信心」なるデッキが誕生したことで、この《群れネズミ》はマスターピースとしてそのデッキに組み込まれて大暴れするようになったのだ。いやぁ、もうずいぶん前のことのように感じるなぁ。

 今日はそんな《群れネズミ》が久しぶりに大量発生からの災害を巻き起こしているデッキを発見したので紹介しよう、「ラクドス・トークン」だ!

Yoshumotto - 「ラクドス・トークン」
Magic Online Modern MOCS 6勝2敗 / モダン (2017年8月27日)
3 《沼》
1 《山》
2 《血の墓所》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《新緑の地下墓地》
2 《湿地の干潟》
4 《黒割れの崖》
2 《変わり谷》

-土地(22)-

4 《闇の腹心》
4 《群れネズミ》
4 《ゴブリンの熟練扇動者》

-クリーチャー(12)-
4 《致命的な一押し》
4 《コジレックの審問》
2 《稲妻》
2 《思考囲い》
3 《終止》
1 《集団的蛮行》
1 《戦慄掘り》
4 《血染めの月》
1 《コラガンの命令》
3 《ヴェールのリリアナ》
1 《反逆の先導者、チャンドラ》

-呪文(26)-
1 《渋面の溶岩使い》
1 《オリヴィア・ヴォルダーレン》
1 《強迫》
1 《墓掘りの檻》
2 《集団的蛮行》
1 《神々の憤怒》
1 《鞭打つ触手》
1 《コラガンの命令》
4 《虚空の力線》
1 《滅び》
1 《粉砕の嵐》

-サイドボード(15)-
MTGO Standings Modern MOCS より)

 ラクドス(黒赤)カラーのコントロールを重視したデッキだ。手札破壊とクリーチャー除去で、相手にさせたいことをさせない、無慈悲なボードコントロールを続けながらフィニッシャーで勝利する。そのフィニッシャーの枠に選ばれたのが《群れネズミ》、そして同様に発売前の評価は低かったものの使ってみるとこれが強いのなんの、一時代を築き上げた《ゴブリンの熟練扇動者》だ。

 これらの主軸双方がクリーチャー・トークンを生成するカードなので「ラクドス・トークン」と呼ばせてもらった。白系のトークンデッキとは設計思想が根本から異なる。白絡みのトークンデッキは、トークンを生成した後に強化して殴るビートダウン。このコントロール寄りのデッキでは強化してやる必要はなく、むしろトークンが出ることで勝手に打点は上昇。大事なのはこれらの前を塞ぐクリーチャーを掃除してやることと、手札破壊で除去を落としてやることだ。これを徹底すれば、トークン生成クリーチャーズが自然と対戦相手を打ちのめしてくれることだろう。

 この手のデッキ紹介でいつも触れているが、このデッキの強みはやはり《血染めの月》。

 これ1枚で、完全沈黙してしまうデッキは決して少なくない。それらのデッキがリカバリーを果たす前にどつき倒す、という意味でもネズミとゴブリンは好相性。4枚も採用してしまって、効かない相手もいるし腐らないのかって? だからこその《群れネズミ》! そういう時はさっさと餌にして、ネズミを増やしてやればよいのだ。

 ネズミとゴブリン、部族の頭数をカウントするこれらの主砲と《変わり谷》の噛み合いっぷりも素晴らしい。なめてかかると思いもよらぬ大ダメージを受けてしまうことだろう。このデッキ自体が、そういう「なめ」に対する処罰者的な側面があるよね。

 リミテッド番長とは呼ばせない、そんなカードたちの思いを感じたのであれば、構築で活躍するようなデッキを作ってあげてほしい。常識を覆せ!

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