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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

2017.07.07

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:STF(サヒーリ・ソプター・フェリダー)(モダン)

by 岩SHOW

 サヒーリ・ライは多元宇宙を旅した果てに、ようやく愛猫が伸び伸びと暮らす環境を見つけた。モダンである。スタンダードがだめなら、ここで......かくして《サヒーリ・ライ》と《守護フェリダー》は、モダンで《欠片の双子》ロスに苦しむコンボマニアたちとともに、新たなデッキの創造に明け暮れていた。

 そして、ひとつの形が出来上がった。スタンダードではあまり活かされなかった、サヒーリの持つ「アーティファクトをコピーする」能力。モダンであれば、『ミラディン』から今日まで続く長い歴史の中で作られた一癖も二癖もある独特のアーティファクトが溢れている。これらとのシナジーをより活かす方向に進化したデッキが......これだ。

TheNobodys - 「STF」
Magic Online Competitive Modern Constructed League 5勝0敗 / モダン (2017年5月31日)
2 《島》
1 《平地》
1 《神聖なる泉》
2 《蒸気孔》
4 《溢れかえる岸辺》
3 《汚染された三角州》
4 《金属海の沿岸》
1 《硫黄の滝》
2 《空僻地》

-土地(20)-

2 《光り物集めの鶴》
1 《呪文滑り》
3 《守護フェリダー》

-クリーチャー(6)-
3 《オパールのモックス》
4 《ミシュラのガラクタ》
4 《血清の幻視》
2 《流刑への道》
2 《大祖始の遺産》
1 《群の祭壇》
1 《真髄の針》
3 《飛行機械の鋳造所》
2 《弱者の剣》
1 《液鋼の塗膜》
1 《発展のタリスマン》
2 《罠の橋》
4 《発明品の唸り》
4 《サヒーリ・ライ》

-呪文(34)-
1 《エーテル宣誓会の法学者》
1 《ファイレクシアの破棄者》
1 《イゼットの静電術師》
1 《発明の領事、パディーム》
2 《墓掘りの檻》
1 《真髄の針》
2 《神聖な協力》
2 《神々の憤怒》
1 《血染めの月》
1 《摩耗+損耗》
2 《先駆ける者、ナヒリ》

-サイドボード(15)-
MTGO Standings Competitive Modern Constructed League より)

 《発明品の唸り》でコンボパーツやその時々で必要なカードをサーチする、アーティファクト・コンボ・コントロールといった趣のこのデッキ。《サヒーリ・ライ》とコンボするカードに《守護フェリダー》以外のルートを用意し、除去1枚でストップという悩みから脱する革新的なアプローチ! その方法とは、《サヒーリ・ライ》そのものをアーティファクトにしてしまうという、字面だけ見ればとても恐ろしい禁断の技!

 というのは大げさだが、《液鋼の塗膜》でサヒーリをアーティファクトにしてしまおうということである。彼女の[-2]能力でアーティファクトになった彼女自身をコピーする。アーティファクト製の《サヒーリ・ライ》コピーが誕生、これを戦場に残し、そして[-2]能力でまたしても自身の複製を作る。これを延々繰り返す......というか永遠に繰り返すことができる。サヒーリの形をした鉄塊が、自身の模造品を作り続ける。この儀式を《群の祭壇》の前で行うと......対戦相手のライブラリーは削り切れることだろう。除去に優れた相手に、またデッキのシステム的に攻撃して勝つことができないタイプの相手には、この「液鋼サヒーリ」コンボで勝つのだ!

 この宇宙創成のようなコンボとともにこのデッキに採用されているもう一つのコンボがある。それが《弱者の剣》×《飛行機械の鋳造所》の通称「ソプター(飛行機械)コンボ」だ。

 《弱者の剣》が墓地にある際に1/1のクリーチャーが戦場に出ると、これを墓地から戦場に戻してそれに装備させるという能力が誘発する。《飛行機械の鋳造所》はアーティファクトを1個生け贄に捧げると1/1の飛行機械トークンを生成する。つまり、《弱者の剣》を生け贄に捧げてトークンを出すと、そのコストにした剣が還ってくるのだ。マナを払っただけ飛行機械を生成してライフを回復できるという......文面では少しその恐ろしさが伝わりづらいかな。とにかくビートダウンデッキを使っていたら絶望するコンボなのだ。

 想像してみてほしい。相手のライフが毎ターン5点、6点と増えながら何体も何体もブロッカーが増殖し、こちらの攻撃は全く通らなくなり飛行機械が上空からライフを削ってくる......投了だよ投了!

 2016年4月に、禁止カードから解禁された《弱者の剣》。このコンボだけでは相性の問題などで勝ち切ることは難しかったため、「これ」というデッキはこれまで登場していなかったのだが......サヒーリとの抱き合わせというアプローチは良いかもしれない。

 このソプターコンボがその力を発揮したのはエクステンデッドの時代にまでさかのぼる。《暗黒の深部》と《吸血鬼の呪詛術士》のコンボ、通称「ダークデプス」とこのソプターを組み合わせた、どちらのルートもあるデッキが猛威を振るった。このデッキでは《交錯の混乱》がどちらのコンボパーツへもアクセスできる万能サーチとして使われた。サヒーリとソプターが同居する今回のデッキでも、両方のコンボパーツをサーチできる《発明品の唸り》が同様の役目をはたしてデッキの完成度を高めている。いやぁ、デッキ制作者の情熱を感じるね。

 上述のダークデプス&ソプターデッキは、その頭文字を取って「DDT」と呼ばれた。DDTとはプロレス技の名称でもあり、ゆえに多くのプレイヤーによって馴染みやすい名称だったのだろう。DDTというのは殺虫剤の名称であり、Damian's Dinner Timeとこれに倣って......今日のデッキもSaheeli Thopter Felidarの頭文字をそれぞれとって「STF」と呼んでみたい。「ステップオーバー・トーホールド・ウィズ・フェイスロック」の略称で、こちらも一般的なプロレス技だ。......ダメ?ダメか。また来週~ッ。

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