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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

2017.07.06

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ムーン・エルフ(モダン)

by 岩SHOW

 グランプリ・ラスベガス2017では4歳の子がトーナメントに参加していることが大きな話題となった。マジックはどんどんとプレイヤーの年齢層が高くなっている印象を受けるので、若いプレイヤーが増えることはこの上なく喜ばしいことだ。

 4歳の子はモダンで「エルフ」を用いていた。盤面いっぱいにエルフを並べる姿は一見微笑ましいが、対戦する側からすれば地獄の光景だろうなと(笑)。エルフは侮られがちだが、回りだすと他を寄せ付けない圧倒的な展開から一気に勝ちへ持っていく力があるので、これからもモダンでは有力なデッキタイプであり続けることだろう。《群れのシャーマン》を採用した緑黒か、メインはほぼ単色の緑白が主流ってところかな。

 そんなエルフ界に、第3の勢力となるか? 赤の要素を強く持ったものが登場したのでここで紹介しよう。名付けて「ムーン・エルフ」!

ValueCity - 「ムーン・エルフ」
Magic Online Competitive Modern Constructed League 5勝0敗 / モダン (2017年6月1日)
8 《森》
2 《踏み鳴らされる地》
1 《寺院の庭》
3 《樹木茂る山麓》
3 《吹きさらしの荒野》
1 《ペンデルヘイヴン》

-土地(18)-

4 《エルフの神秘家》
3 《ラノワールのエルフ》
4 《遺産のドルイド》
4 《ドゥイネンの精鋭》
4 《エルフの幻想家》
1 《過酷な指導者》
1 《漁る軟泥》
4 《エルフの大ドルイド》
4 《月の大魔術師》
3 《背教の主導者、エズーリ》
1 《永遠の証人》
1 《再利用の賢者》

-クリーチャー(34)-
4 《召喚の調べ》
4 《集合した中隊》

-呪文(8)-
1 《ブレンタンの炉の世話人》
1 《本質の管理人》
1 《戦争の報い、禍汰奇》
1 《ファイレクシアの破棄者》
1 《無私の霊魂》
1 《呪文滑り》
1 《弁論の幻霊》
1 《エルフのチャンピオン》
1 《スズメバチの巣》
1 《剛胆な勇士》
1 《再利用の賢者》
1 《不屈の追跡者》
1 《生類の侍臣》
2 《大祖始の遺産》

-サイドボード(15)-
MTGO Standings Competitive Modern Constructed League より)

 ムーンとは《月の大魔術師》のこと。なるほど......考えましたな。

 《月の大魔術師》は《血染めの月》と同じ能力を持っている。基本でない土地は山となる。元々の能力を失って、ただの《山》になってしまうということだ。これを利用して、モダンに存在するさまざまな土地を使用しまくるデッキを抑え込むことができる。《血染めの月》自体は多数のデッキのサイドボードに、また赤が色濃いデッキではメインから採用しており馴染深いカードかと思う。一方、クリーチャーとなったことで対処されやすくなった《月の大魔術師》は元祖月と比べるとその姿を見る機会は少ない。クリーチャーは脆い。《稲妻》なんかでサックリ対処されてしまう。

 ただ、クリーチャーとなることの利点もある。このデッキではその点を買って、元祖月ではなく人の形をしたこちらを採用している。エンチャントに比べれば、クリーチャーは戦場に直接出す手段が多い。エルフデッキには《召喚の調べ》に《集合した中隊》と、モダンでもツートップと言えるその手段が標準装備されている。これらを用いてライブラリーから、しかもインスタント・タイミングで突然戦場に着地させようというわけだ。エルフデッキ相手に自分の土地をケアする必要というのはほとんどないため、まさしく青天の霹靂、ピシャリと決まって行動不能になるデッキもあることだろう。この発想は面白い!

 基本的にはエルフデッキとして動く。1ターン目には《エルフの神秘家》《ラノワールのエルフ》、2ターン目には《エルフの大ドルイド》、3ターン目いっぱいエルフ出して溢れるマナでゥワッシャァァァ、みたいな。最大効率での展開を念頭に入れながら、エルフを並べて《背教の主導者、エズーリ》で全軍強化して殴り勝つ。

 とにかくマナがあふれんばかりに湧いてくるので《召喚の調べ》から《孔蹄のビヒモス》に繋げるタイプのリストもあるが、この「ムーン・エルフ」ではややオーバーキルなその動きを捨てて《月の大魔術師》のスロットに充てている。1枚挿しのクリーチャーを《召喚の調べ》で持ってきてそれが激的に刺さるデッキを倒そうという、いわゆるシルバーバレット戦略もメインデッキでは控えめで、《再利用の賢者》《漁る軟泥》くらいか......と思っていたら、これは面白い。刺さるどころかザックリと喉元を描き切る可能性を秘めた《過酷な指導者》が採用されている。

 マナ能力でない起動型能力を対戦相手が使用すれば2点ダメージ、この能力により苦しめられる相手とは...「ランタン・コントロール」だ。《写本裁断機》などライブラリーを削るアーティファクトを起動して勝つデッキなので、それを封じられるとなかなかに厳しいものがある。《罠の橋》を貼って攻撃による勝利を防いでくる相手への抵抗の意志が垣間見える。他にも「親和」なんかもガチャガチャ能力を起動するデッキなので、これが出てくると思ったように動けなくなるということもあるだろう。「バーン」のお供かと思っていたが、こういう使い方も良さそうだ。

 サイドボードはクリーチャー13枚! どれがどういった相手に効くのかを考えてみてほしい。面白いのは《スズメバチの巣》《剛胆な勇士》あたりか。

 《スズメバチの巣》は地上で戦うアグロデッキ全般に、特に《死の影》を用いるデッキ相手にインスタント・タイミングで登場させてブロッカーにすれば何が起きるか...想像してみてほしいね。《剛胆な勇士》もエルドラージをバッサバッサと斬り捨て御免な頼れるヤツとなってくれることだろう。

 メインは予想外の月攻めで「トロン」や「エルドラージ」系相手に度肝を抜いて勝利する、これがエルフの新しい形となるか? 《召喚の調べ》《集合した中隊》のおかげで、新セットでクリーチャーが姿を現わせばそれだけエルフの可能性も拡がっていく。エルフに限らず、他の中隊系デッキが好きな皆も『破滅の刻』に今一度注目!

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