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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

2017.05.09

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:黒緑昂揚(スタンダード)

by 岩SHOW

 このデッキはしぶとい!と思うものに黒緑の昂揚デッキがある。墓地にカードを置く能力や呪文を活用し(マジックプレイヤーはしばしばこれを「墓地を肥やす」と形容する)、カードタイプが4種類以上墓地にある状態=昂揚状態にした後に、《ウルヴェンワルド横断》《墓後家蜘蛛、イシュカナ》ら昂揚ボーナスでカードパワーが跳ね上がるものを用いて盤面を圧倒しようという、中速のコントロール寄りのデッキだ。

 墓地を活用するという黒緑の典型的なイメージ通りに動き、個人的にはかなり好きなものである。危機的な状況からの《約束された終末、エムラクール》で逆転ファイトを演じたり(残念ながら現在はもう見られない光景だ)、《巻きつき蛇》《新緑の機械巨人》でアグレッシブに攻めたり......手を変え品を変えマイナーチェンジを重ねることでスタンダード環境に生き残り続けている。そんな昂揚デッキの最新の姿がコチラ。

John Taylor - 「黒緑昂揚」
StarCityGames.com Standard Classic Atlanta 4位 / スタンダード (2017年4月30日)
7 《沼》
6 《森》
4 《花盛りの湿地》
4 《風切る泥沼》
2 《進化する未開地》

-土地(23)-

4 《残忍な剥ぎ取り》
2 《不屈の追跡者》
1 《刻み角》
2 《精神壊しの悪魔》
1 《ゲトの裏切り者、カリタス》
3 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》
1 《害悪の機械巨人》

-クリーチャー(14)-
4 《致命的な一押し》
4 《ウルヴェンワルド横断》
3 《発生の器》
3 《闇の掌握》
2 《過去との取り組み》
1 《餌食》
2 《不帰+回帰》
3 《最後の望み、リリアナ》
1 《死の権威、リリアナ》

-呪文(23)-
1 《刻み角》
2 《豪華の王、ゴンティ》
1 《ゲトの裏切り者、カリタス》
1 《ムラーサの緑守り》
2 《知恵の拝借》
1 《人工物への興味》
1 《餌食》
3 《ヤヘンニの巧技》
2 《生命の力、ニッサ》
1 《死の権威、リリアナ》

-サイドボード(15)-
StarCityGames.com より引用)

 大きな収穫は《死の権威、リリアナ》の獲得か。......と、新カードについて語るその前に、まずは環境的な話から。《守護フェリダー》が禁止され、スタンダードから「コピーキャット」が去った、この事実は昂揚にとって無視できないものである。そりゃそうだ、前までは5ターン目に昂揚したぞと喜び勇んで《墓後家蜘蛛、イシュカナ》を出して蜘蛛・トークンを並べて喜んでいたら、その返しのターンで天文学的な数字の猫の群れが押し寄せてきていたのだ。土地をすべてタップしてターンを返すと、死につながる。常に《闇の掌握》を構えて行動せねばならず、これはシビア過ぎた。

 そんな厳しいマッチアップも環境からなくなり、さまざまなデッキが陽の当たるところに出てきた。多くのクリーチャーデッキに対してはイシュカナの鉄壁っぷりは驚異的なものだ。かかってこいよ、と新環境に息巻いているところだ。

 デッキ構成に大きな変化はないが、先述の《死の権威、リリアナ》を手に入れたことで盤面をより強固に護れるようになった。彼女の能力でイシュカナをひたすら蘇らせている光景を想像してみてほしい......こんなんクリーチャーデッキで相手するの無理、だよなぁ。

 《不帰+回帰/Never+Return(AKH)》は《破滅の道》に代わる万能除去として採用されている。このカードはただ便利なだけでなく、墓地に置いても輝きを失わない。《残忍な剥ぎ取り》なんかの能力で墓地に置いて、すぐさま《回帰/Return(AKH)》として唱える激シブなプレイングも可能だ。特に同型戦ではイシュカナなんかを追放しておくと、後々安心。有効活用していきたいカードである。

 リスト的にはそれほど大きな変化はないが、相対的に地位が上がったデッキだと言えるだろう。

 ......目新しいリストが見たいって? 皆、そう言ってくると思ったよ。もちろん擁してるぜ。BIG MAGIC Open Standard Vol.9にて存在感を示した、僕も実況していて使いてぇと思わされた「はま屋のはまさん」こと金川俊哉が使用した「スゥルタイ昂揚」だ!

金川 俊哉 - 「スゥルタイ昂揚」
BIG MAGIC OPEN Vol.9 スタンダード 12位 / スタンダード (2017年5月3日)
3 《森》
3 《沼》
1 《島》
4 《花盛りの湿地》
2 《風切る泥沼》
3 《植物の聖域》
2 《窪み渓谷》
3 《異臭の池》
2 《進化する未開地》

-土地(23)-

4 《残忍な剥ぎ取り》
4 《森の代言者》
2 《不屈の追跡者》
1 《イフニルの魔神》
1 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》
1 《害悪の機械巨人》
2 《歩行バリスタ》

-クリーチャー(15)-
4 《致命的な一押し》
4 《ウルヴェンワルド横断》
4 《検閲》
2 《闇の掌握》
1 《造反者の解放》
1 《不帰+回帰》
4 《自然に仕える者、ニッサ》
2 《死の権威、リリアナ》

-呪文(22)-
2 《刻み角》
1 《不屈の神ロナス》
1 《豪華の王、ゴンティ》
1 《ゲトの裏切り者、カリタス》
2 《儀礼的拒否》
2 《自然のままに》
2 《否認》
3 《ヤヘンニの巧技》
1 《最後の望み、リリアナ》

-サイドボード(15)-
BIG MAGIC より引用)

 2ターン目《残忍な剥ぎ取り》、3ターン目剥ぎ取り攻撃でダメージが通ったら能力でライブラリーの一番上に土地を置く。そのまま《自然に仕える者、ニッサ》をX=1で唱えて[0]能力起動、そうすると土地が戦場に出てマナ加速に!というアイディアを軸に組まれた、昂揚デッキの新たな形だ。

 本人も《イフニルの魔神》は要らないと語ったり、まだまだお試しカードが多数採用されている状態でありながら350名以上の同トーナメントで12位の好成績を残している。ポテンシャルは相当に高そうだ。剥ぎ取り+ニッサを軸に、君もデッキを考えてみよう! 昂揚はマイナーチェンジを重ねて生き延びる! プロツアーでも要注目だ。



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