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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

2017.03.08

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:バント・マーベル(スタンダード)

by 岩SHOW

 賞金制トーナメント、プロツアー、数度のグランプリやプロツアー予選......と経てきて、『霊気紛争』入りのスタンダード環境も細かいところで変化し続けてきた。「黒緑巻きつき蛇」が、「コピーキャット」が、「マルドゥ機体」が、それぞれTOP8を独占するという競争を繰り広げている。

 ここにきて「黒緑」は少し後れを取ったか。最初期のデッキの完成度は高かったものの、それゆえにデッキとしての細かな成長を重ねることができず、《老いたる深海鬼》を加えることでデッキパワーを大幅に上げた「4色コピーキャット」や、各自のチューンでさまざまな側面を持たせることのできる「マルドゥ機体」に置いていかれつつあるかなぁ......というところ。以前チラっと紹介したヤソさん(八十岡翔太)の「ティムール電招」も使用者数を増やして無視できない勢力となってきている。まだまだ、メタゲームは流動し続けることだろう。

 「ティムール電招」のように、皆が三強に夢中の間にひっそりこっそり別デッキを調整し続けた猛者もいることだろう。かつての三強の一角であった《霊気池の驚異》デッキも、最近ちょこちょことその姿を見るようになった。「コピーキャット」とのハイブリッド型ではなく、エネルギーを得て《霊気池の驚異》を起動、大物をマナを支払わずに唱えるという戦略を軸に据えた「○○マーベル」と名乗れるデッキだ。

 相変わらずエネルギーを生み出すのが得意な青赤緑の「ティムール・マーベル」が割と主流で、このデッキは《約束された終末、エムラクール》の穴を埋めるべく、《つむじ風の巨匠》など普通に唱えられるクリーチャーを多数採用するというアプローチを取っている。霊気池からめくりたい大物は《絶え間ない飢餓、ウラモグ》。パーマネントを2枚吹き飛ばし、破壊不能とライブラリー破壊能力を持ったスーパーフィニッシャーだ。

 ただ、10マナという重さゆえに手札に来てしまうとお手上げ、というのがこのエルドラージの難点で(その点エムラクールはコストが軽くなるのが偉かった)、フィーチャーマッチなどでもこれが手札に押し寄せてきて何もできずに負ける、というプレイヤーを幾度となく見てきたものだ。

 今日紹介するデッキは、この「霊気池デッキにおけるウラモグ問題」を解決しようというう新しいアプローチを推し進めてきたのであろう、新しい形の霊気池デッキだ。果たしてマーベルという名にふさわしいマーベラスなデッキに仕上がっているのだろうか? 何はともあれリストをチェック。

Capriccioso - 「バント・マーベル」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2017年2月15日)
5 《森》
2 《平地》
2 《島》
2 《要塞化した村》
1 《梢の眺望》
4 《植物の聖域》
1 《大草原の川》
4 《霊気拠点》

-土地(21)-

4 《スレイベンの検査官》
2 《光り物集めの鶴》
4 《ならず者の精製屋》
3 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》

-クリーチャー(13)-
4 《霊気との調和》
4 《ガラス吹き工の組細工》
4 《織木師の組細工》
2 《霊気溶融》
3 《鼓舞する彫像》
2 《金属の叱責》
4 《霊気池の驚異》
2 《燻蒸》
1 《ニッサの復興》

-呪文(26)-
2 《不屈の追跡者》
2 《保護者、リンヴァーラ》
2 《領事の権限》
2 《自然のままに》
2 《霊気溶融》
2 《否認》
2 《金属の叱責》
1 《燻蒸》

-サイドボード(15)-
MTGO Standings Competitive Standard Constructed League より)

 「バント(緑白青)・マーベル」だ。《霊気池の驚異》《絶え間ない飢餓、ウラモグ》は必須パーツ、《光り物集めの鶴》は前環境からの定番カードで、ブロッカーの仕事をしつつ霊気池など必要なアーティファクトを掘り当てる役目を担う。あとはエネルギーを得るカードをズラッと並べればデッキにはなる。エネルギー獲得手段の新顔として《ならず者の精製屋》を採用。3マナでエネルギー2個と1枚ドロー、パワー3のブロッカーとして働くナイスガイだ。

 おっと、このデッキが得た新戦力はそれだけじゃない。先に述べた通り、ウラモグ問題を解決する凄腕のカードこそ......《鼓舞する彫像》だ。

 マジ?マジなのだ。このアーティファクトは、自分のアーティファクトでない呪文すべてに即席を与える。アーティファクトをタップすることで不特定マナコストの支払いに充てることができるようになるので、彫像自身はもちろん、エネルギーを得るために並べた組細工や、《スレイベンの検査官》《不屈の追跡者》で得られる手掛かり・トークン、そして《霊気池の驚異》がマナ・アーティファクトになってしまうというわけだ。これだけのバックアップがあれば、ウラモグを呼び出すことも不可能じゃない。

 ライブラリーから、あるいは手札から超重量級フィニッシャーを出せるようになった「バント・マーベル」。青と緑はエネルギー関係として、3色目に白が選ばれた理由は......先に挙げた《スレイベンの検査官》と、「黒緑巻きつき蛇」をはじめとするクリーチャーデッキ全般に効く《燻蒸》、そしてサイドボードの対「コピーキャット」お手軽兵器《領事の権限》なんかが使えることを考慮してのチョイスだろう。赤とはまた違った良さがあるので、どちらを選ぶかは自身が臨むトーナメントへの読みと、最終は好みかな(便利な結論)。

 白も赤もいけるのであれば、黒なんかどうだろう。除去は強いし、エネルギーを使ってドローできたり......考えるのはタダだから暇があったらやってみることをお勧めしよう。僕は《巻きつき蛇》と《霊気池の驚異》が同居するわけわからんリストになって挫折したよ!

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