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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

2016.12.14

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:青赤現出(スタンダード)

by 岩SHOW

 今年もいろんな出会いがあったなぁ。どっちかと言うと人に話しかけられることの多い人間なんだけども、今年はそれに恵まれたように思う。もちろん、チャンスを活かしてこちらから声をかけて......ということも多々。世界選手権2016での「岩SHOWチャレンジ」なる企画で、世界のトッププロたちと腕相撲したのも大きかった。あそこでルイス・スコット=ヴァーガス/Luis Scott-Vargasとも縁ができて、今ではすっかりお友達だ。

 直近のイベントで言えばワールド・マジック・カップ2016。ここではトーナメント前日にプレイヤーインタビューを行ったのだが......その際、フランスチームのラファエル・レヴィ/Raphael Levyと話す機会を得た。ラファエルと言えば、プロツアーの生き証人。すべてのプレイヤーの中で最も多くのプロツアーに参加しており、生涯獲得プロポイントは695!まさしく、歴戦の英雄だ。

 そんな英雄、ナイストゥミーチューと挨拶するとさわやかな笑顔で右手を差し出してくれた。ありがたく握手させてもらいながら、ちょうど聴いてみたかったことを。1か月ほど前に僕がファンデッキでリーグ戦に出るという企画を行っている時に、ラファエルがウィザーズ社から提供されているものらしきアカウントと対戦。その時のことを尋ねてみると......間違いなく彼本人であり、しっかりと覚えていてくれていた。こういうの、嬉しいねぇ。記事を書くためにリーグ戦を丸々録画しているところだったらしい。

 彼がその時に使用していたデッキは、プロツアー『カラデシュ』で使用されていたものと同じだった。そのデッキとは「青赤現出」。つい先日のグランプリ・デンバー2016でもTOP8に1名送り出していたデッキだ。ちょうどいいタイミングなので、ここで紹介させてもらおう。

Andrew Wolbers - 「青赤現出」
グランプリ・デンバー2016 4位 / スタンダード (2016年12月3~4日)
6 《島》
6 《山》
4 《尖塔断の運河》
4 《さまよう噴気孔》
1 《高地の湖》
2 《ウギンの聖域》

-土地(23)-

4 《秘蔵の縫合体》
4 《縫い翼のスカーブ》
4 《改良された縫い翼》
1 《不憫なグリフ》
4 《老いたる深海鬼》

-クリーチャー(17)-
3 《稲妻の斧》
4 《安堵の再会》
2 《苦しめる声》
4 《熱病の幻視》
4 《コジレックの帰還》
3 《癇しゃく》

-呪文(20)-
2 《稲妻織り》
4 《流電砲撃》
3 《儀礼的拒否》
1 《払拭》
3 《否認》
1 《ナヒリの怒り》
1 《秘密の解明者、ジェイス》

-サイドボード(15)-
グランプリ・デンバー2016 イベントカバレージ より)

 このデッキはこれまでにも紹介してきた「現出ドレッジ」「グリクシス現出」と同系統のデッキである。手札から墓地にゾンビを落とす→ゾンビを戦場に引きずり出す→そのゾンビを餌に現出エルドラージを叩き付ける!というなかなかにストーリー性のある動きを見せるデッキだ。

 この現出系のデッキを組むのであれば青は外せない。最強の現出持ち《老いたる深海鬼》と、5枚目以降の現出持ちとして使いやすい《不憫なグリフ》を擁するからだ。深海鬼がいなくちゃ現出デッキは始まらない。これを対戦相手のアップキープに唱えて、土地やクリーチャーをギチッと縛り上げる!これを二度三度繰り返すのが必勝パターンだ。

 この青に添えるカラーとしては黒が多い。墓地から自力で帰ってくるゾンビの筆頭《憑依された死体》を用いることができ、かつ死体の後をぞろぞろついてくる《秘蔵の縫合体》を最悪の場合素出しできるというのもあって、黒青+αというデッキが主流だ(上記2種もそう)。しかしフランスの英雄がプロツアーで披露したこのデッキは、黒を採用していない。青の相棒に赤を選び、このイゼットカラー2色でまとめあげてあるのだ。

 赤という色には《苦しめる声》《稲妻の斧》といった、イニストラード・ブロックのマッドネスと併せるために再録されていた手札を捨てることをコストに要求するカードが複数存在する。そして『カラデシュ』では《安堵の再会》も獲得。これにより、墓地にゾンビを埋めるのは赤いカードだけでも十分に可能になった。

 また埋められるゾンビも、青には《縫い翼のスカーブ》《改良された縫い翼》が存在するため、これら8枚で十分《秘蔵の縫合体》を蘇らせることができる。

 2色でまとめることの最大の利点は、マナベースの安定化だ。3色となると、どれだけ多色土地に恵まれた環境でも色事故で負けるケースが起こり得る。条件によってはタップインとなってしまう土地を多くとらざるを得ないのも問題だ。たっぷりの基本土地で安定運用、健康的で実に宜しい。

 また、2色に抑えることで土地に余裕ができ、色マナを生み出さない特殊な仕事を担う土地を運用しやすくなったのもセールスポイントだ。《ウギンの聖域》をしっかりと取って、他の現出デッキよりも確実な《老いたる深海鬼》連打モードへ持っていける。安定性と爆発力の両立、わがままを押し通す強力なデッキである。

 《老いたる深海鬼》でパーマネントタップ+《コジレックの帰還》誘発という盤面崩壊コンボの強力さは変わらぬまま。周りがクリーチャーデッキばかりで困っているそこのあなた、レジェンドイチオシの逸品を一度お試しあれ。

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