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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:トレインレック(その実マルドゥ・コントロール)(モダン)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:トレインレック(その実マルドゥ・コントロール)(モダン)

by 岩SHOW

 月曜日の昼下がり。時差ボケと度重なるイベントで眠たいのを必死にこらえながら、いつものように取り上げるデッキを探していた。余談の中の余談だとは思うが、僕は普段こういう時にもコーヒーやエナジードリンクなどは口にしないようにしている。カフェインの摂り過ぎがどうこうというわけではなく、なんとなく自力で乗り越えたいという小学生の根性が未だに生き続けている。眠い時は手や足のツボを刺激してなんとか乗り切るのだ。節約にもなって一石二鳥だ。

 そんな具合で、手のひらをゴリゴリ刺激しながらネット巡回をしていると目に飛び込んできた名は「Trainwreck」。おいおい、懐かしいやんか。Train Wreckというのは列車事故、ひいては大惨事のこと。かつてレガシーにはこれを名に冠する「トレインレック」というデッキがあった。コアすぎて知らない人の方が多いデッキであるが......黒のどっしり腰を据えるコントロールデッキに緑をタッチしたもののことである。手札破壊とクリーチャー除去でコントロールして行き、黒単では触れないエンチャントおよびアーティファクトは緑にお任せ、対戦相手の動きが止まったら《陰謀団の貴重品室》から大量の黒マナを生み出し《ヘルドーザー》《妖精の女王、ウーナ》などの重量級フィニッシャーに繋げる。《破滅的な行為》とこれらのフィニッシャーで対戦相手のリソースを根こそぎ奪ってしまう、すなわち大惨事ということでこの名がついたのだろう。

 個人的に《ヘルドーザー》が好きなのでこの「トレインレック」自体もストライク寄りのデッキである。実際に動いているところは1、2度しか見たことはないが......まあ、レガシーには適合しづらいデッキなのは事実。高速化したレガシーのスピードに取り残され消えていったのだった。......そんな「トレインレック」が現代に蘇ったのか!その実態をこの目で確かめねばならない。そんなわけで今日は以下のリストを皆で見ていきましょうや。

Dustin Drury - 「トレインレック」
PPTQ - Dublin @ Turn Zero Games ベスト4 / モダン (2016年9月10日)[MO] [ARENA]
1 《
1 《平地
2 《
1 《聖なる鋳造所
1 《血の墓所
1 《神無き祭殿
4 《黒割れの崖
2 《乾燥台地
4 《血染めのぬかるみ
1 《湿地の干潟
4 《乱脈な気孔
2 《鋭い突端
1 《幽霊街

-土地(25)-

4 《前兆の壁
1 《ゴブリンの闇住まい
1 《騒乱の歓楽者
1 《引き裂かれし永劫、エムラクール

-クリーチャー(7)-
4 《コジレックの審問
4 《稲妻
4 《流刑への道
2 《思考囲い
1 《仕組まれた爆薬
2 《稲妻のらせん
4 《未練ある魂
1 《はじける破滅
1 《コラガンの命令
2 《ヴェールのリリアナ
4 《先駆ける者、ナヒリ

-呪文(29)-
1 《大祖始の遺産
2 《安らかなる眠り
2 《石のような静寂
2 《機を見た援軍
1 《神々の憤怒
1 《苦渋の破棄
1 《溶鉄の雨
1 《塵への崩壊
1 《滅び
1 《殺戮遊戯
1 《仕組まれた爆薬
1 《紅蓮の達人チャンドラ

-サイドボード(15)-
mtgtop8.com より引用)

 フォーマットはレガシーからモダンに変更、色も黒タッチ緑から赤黒白の3色に。おいおい全く違うデッキやんか!《ヘルドーザー》を出せ!と思わなかったわけではないが、同じデッキに恋い焦がれた世代かもしれないのにヤイヤイ言うのは野暮というもの。黒くて手札と盤面を攻めるコントロールデッキだから良いじゃないかと。

 この「マルドゥ・トレインレック」はモダン環境における黒・赤・白の軽量・優良除去を詰め込んでいる。この3色といえば時代を問わず、クリーチャーに対処してきた色である。10年を超える長いスパンが生み出したそれら除去のオールスターが集結、そんじょそこらのビートダウンではこのデッキのなんとしても生き残ろうとする本能に勝ることはできないだろう。懐かしの《はじける破滅》で各種コンボが投げつけようとする《引き裂かれし永劫、エムラクール》を未然に処理できるのもナイス。

 各種コンボには手札破壊で対抗。お馴染みの《思考囲い》《コジレックの審問》コンビで抗おう。《ヴェールのリリアナ》まで繋げればギチギチと手札を絞めつけて追い込むことができるだろう。こっちは《未練ある魂》なんかを捨ててやれば問題なし。

 このあたりは「ジャンド」や「アブザン」とは共通の強みである。全天候型のデッキに仕上がっている、実にマルドゥらしい。

 さて、コントロールにとって肝心のフィニッシャーだが......赤と白が採用されているデッキでは定番の《先駆ける者、ナヒリ》と《引き裂かれし永劫、エムラクール》のコンビはこのデッキでもしっかり採用されている。

 ナヒリが単体でアドバンテージをもたらすし、エムラクールを投げつければ大抵は勝つだろう。盤面と手札を捌いたうえで、このエムラクールシュートで滅殺で盤面を粉々にする、大惨事を引き起こして勝つ姿はなんとも「トレインレック」で、なるほどこの名を継ぐに値するじゃないかと。

 エムラクール以外にもナヒリと相性の良い《ゴブリンの闇住まい》に、インスタントとソーサリーを多用するこのデッキにとっては有り難いドロー源である《騒乱の歓楽者》が採用されている。歓楽者の使用感は気になるところ。これと《未練ある魂》で攻め立てるとか、無茶苦茶楽しそうで......ワクワクしてくるってぇ! トレインレック欲が高まったら、このデッキを是非その手に!

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