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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:スゥルタイ・コントロール(スタンダード)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:スゥルタイ・コントロール(スタンダード)

by 岩SHOW

 我はエムラクール。『異界月』の登場により流行したマジック的フレーズだ。エムラクールは他の生物に干渉し、それらをエルドラージへと変質させる。この最悪の恐怖の最新の姿をカード化したものが《約束された終末、エムラクール》だ。

 このカード......そりゃあ使ってみたいってぇ! 13/13飛行トランプル、インスタントに対するプロテクションというワガママボディもさることながら、対戦相手をコントロールしてしまう悪夢の如き能力を持っているのがたまらない。この怪物、使うにはどんなデッキが良いのか......真っ先に答えを出したのはこのデッキだ。

Ali Aintrazi - 「スゥルタイ・コントロール」
StarCityGames.com Standard Open Columbus 準優勝 / スタンダード (2016年7月23~24日)[MO] [ARENA]
4 《
3 《
2 《
4 《風切る泥沼
4 《窪み渓谷
3 《詰まった河口
2 《伐採地の滝
4 《進化する未開地

-土地(26)-

4 《ヴリンの神童、ジェイス
4 《森の代言者
2 《棲み家の防御者
1 《巨森の予見者、ニッサ
1 《墓後家蜘蛛、イシュカナ
1 《龍王シルムガル
1 《約束された終末、エムラクール

-クリーチャー(14)-
2 《面晶体の記録庫
2 《ウルヴェンワルド横断
1 《闇の掌握
1 《究極の価格
2 《破滅の道
1 《殺害
2 《ジェイスの誓い
1 《リリアナの誓い
4 《衰滅
1 《研究室の捜索
2 《最後の望み、リリアナ
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス

-呪文(20)-
2 《死の重み
2 《ラムホルトの平和主義者
2 《知恵の拝借
1 《最後の望み、リリアナ
1 《苦い真理
3 《即時却下
2 《ゲトの裏切り者、カリタス
1 《墓後家蜘蛛、イシュカナ
1 《龍王シルムガル

-サイドボード(15)-
StarCityGames.com より引用)

 エムラクールは墓地のカード1種類につき、マナコストが{1}軽くなる。クリーチャー、インスタント、ソーサリー、土地なんて具合に落ちていれば9マナ。割と現実的だ。アーティファクト、エンチャント、プレインズウォーカーと増えるにつれ、破格のコストでこれを唱えられるようになる。同様に対戦相手をコントロールする《精神隷属器》が唱えて起動まで併せて10マナなので、それを考えれば過剰にマナコストを下げずとも十分な強さだなぁと思う。このデッキも、エムラクールを9~8マナぐらいで唱えようというアプローチの元、組まれていると思われる。

 ただ、この長大なる怪異を唱えるのが目的だからって、それを4枚積む!なんて無茶はしていないのもポイント。13マナのカードがゲーム開始時に手札に来ると、それはもうマリガンも同じ。約束されているのは終末であって、開幕ではないからね。ゆえにこのデッキでも採用枚数はわずかに1枚に抑えられている。

 1枚だったら引かないんじゃないの?とご心配のあなた。大丈夫、《ウルヴェンワルド横断》があるよ! 昂揚を達成していればライブラリーからお好みのクリーチャーをサーチしてくることができる。どうせエムラクールを唱えるには墓地を肥やす。だったら、昂揚カードも採用しちゃおう、というのがこの「スゥルタイ昂揚」の狙いだ。

 デッキを構成するのは「スゥルタイ・季節」と同様のカード...《森の代言者》《ヴリンの神童、ジェイス》《巨森の予見者、ニッサ》《龍王シルムガル》と優秀なクリーチャーに、《闇の掌握》《破滅の道》《衰滅》といった優秀な除去呪文。基本はこれらを用いてコントロールデッキとして立ち回っていく。クリーチャーのカードパワーが高いので、適当に除去してこれらで殴って勝つというゲームになることも往々にしてあるだろう。

 以前までのスゥルタイ・カラー(黒緑青)のコントロールデッキと一線を画すのは《面晶体の記録庫》の採用。これはマナを伸ばす役目と、墓地に落として墓地のカード種類のカウントを増やす任務を与えられたアーティファクトだ。

 エムラクール以外にも《棲み家の防御者》や《龍王シルムガル》といったマナ喰い虫がいるので2マナの使い道はたんとあるし、カードが必要になったら能力を起動して2枚ドローできるのでなかなかに便利。その上で墓地が肥える......素晴らしいチョイスだ。

 《リリアナの誓い》《ジェイスの誓い》も、コントロール目線で見れば他のカードの方がもっと強力だが、昂揚を狙うので墓地のカウントが増やせるエンチャントのこれらをわざわざ採用している。いずれも効果が薄い状況下なら、《ヴリンの神童、ジェイス》でさっさと捨ててしまっても良いしね。

 コントロールしつつ墓地を肥やして、さあ昂揚の恩恵に与ろう。《研究室の捜索》で、わずか4マナで3枚ドロー!これはやられた方はたまったもんじゃないな。《墓後家蜘蛛、イシュカナ》は5マナで3/5到達と単体では少々物足りないが、昂揚状態であれば1/2到達の蜘蛛トークンを3体引き連れてやってくる。これだけ揃えば制圧力もなかなか、《搭載歩行機械》に除去を使うことをためらう必要もなくなるというものだ。起動型能力は7マナ必要と重たいが、これも《面晶体の記録庫》が支えてくれることだろう。

 これに加えて先述の《ウルヴェンワルド横断》と《約束された終末、エムラクール》があれば、勝利など容易いもの。《ウルヴェンワルド横断》はゲーム序盤は土地を探すのに使って、墓地とマナが潤沢になったら《束縛なきテレパス、ジェイス》で再度唱えてエムラクールという動きができれば理想的だ。

 エムラクールで対戦相手のコントロールを得たら、とりあえず手札のカードは無駄遣いしよう。除去や火力はすべてそのプレイヤーやクリーチャーへ投げつけ、サーチ系のカードは使うだけ使っといて「見つかりませんでした」、プレインズウォーカーの忠誠度は無駄に消費し、クリーチャーはエムラクールに突っ込ませる......思いつく限りの壊滅状態を演出して、絶望の追加ターンをくれてやろう。

 このデッキで輝きを放つのは、「白黒天使コントロール」にも採用されていた《最後の望み、リリアナ》。ゴリゴリとライブラリーを掘って墓地を肥やし、その状況で必要なクリーチャーを回収。何度も何度も出てくる《龍王シルムガル》なんて、まさしく地獄。これにより墓地に落ちたクリーチャーでないカードは《棲み家の防御者》で回収して美味しくいただこう。この[-2]以外にも、[+1]能力は《森の代言者》を採用しているこのデッキでは攻防にわたって有用だ。相手の代言者とのお見合い状態をこれで解消できるのはありがたい限り。ストーリー的には対立する存在だが、エムラクールとの相性もこの上なく良い。新しい神話レアのパワーを味わいたいなら、このデッキがオススメだ!

 今週は『異界月』参入後の新環境のデッキを紹介したが、はたしてプロツアー『異界月』ではどんなデッキが登場するのやら。今から楽しみでしょうがないッ! 今回もこの世界最高峰の舞台での激闘を日本へ向けてお届けする実況を担当させていただくので(掲載タイミングではもう真っ最中ですな)、よろしくお願いします! 毎度どんな戦いが繰り広げられるのか読めないプロツアーだが、マジック熱に満ちたものになることは「約束された週末」だ! 2015-2016シーズンの最終戦、見逃すな!

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