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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Zoo(モダン)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Zoo(モダン)

by 岩SHOW

 プロツアー『イニストラードを覆う影』はスペイン・マドリードにて開催された。初めて訪れたスペインは......情熱の国、と言われるだけあって、日差しは強く、人々も「オラァ!」と力強く挨拶。お酒も安く、オリーブも美味しい。良い国だ! そんなスペインで、プロツアーの裏で行われているイベントがあった。モダン・レガシー・ヴィンテージなどなどを3日間かけて遊べる複合イベントで、モダンのトーナメントには299名が集まったそうな。スペインのマジックも活気があってイイネ!今日はそのVII Edición del Arcanis Deluxe 2016 Super ModernのTOP8で情熱溢れるデッキを見つけたので、アミーゴたちに紹介するぞ!

Guillermo Gil
VII Edición del Arcanis Deluxe 2016 Super Modern 7位 / モダン (2016年4月24日)[MO] [ARENA]
1 《
1 《
2 《踏み鳴らされる地
1 《寺院の庭
2 《聖なる鋳造所
4 《樹木茂る山麓
4 《吹きさらしの荒野
4 《乾燥台地

-土地(19)-

4 《実験体
4 《ゴブリンの先達
4 《密林の猿人
4 《野生のナカティル
2 《軍勢の忠節者
4 《炎樹族の使者
3 《火打ち蹄の猪
3 《タルモゴイフ
4 《無謀な奇襲隊
3 《ゴーア族の暴行者

-クリーチャー(35)-
1 《稲妻
1 《変異原性の成長
4 《アタルカの命令

-呪文(6)-
3 《スレイベンの守護者、サリア
1 《ブリキ通りの悪党
3 《神聖
3 《流刑への道
2 《自然のままに
2 《安らかなる眠り
1 《古えの遺恨

-サイドボード(15)-
Arcanis Projectmtgtop8.com より引用)

 クリーチャー35枚!その他呪文6枚!すごい構成だ。赤緑白の3色で構成されるこのデッキ、その採用されているクリーチャーの顔ぶれから、いわゆる「Zoo」というデッキに分類できる。「Zoo」とはその名の通り動物園で、古くは《密林の猿人》《サバンナ・ライオン》ら1マナパワー2のゴリラやライオンが相手に殴りかかるデッキであった。

 時代とともに《番狼》《野生のナカティル》と採用される動物たちはより強力なものへとアップデートされ、《タルモゴイフ》《貴族の教主》《悪斬の天使》と採用されるクリーチャーも動物から離れていったが、コスト比で見た打撃力の高い軽量クリーチャーで殴り、除去や火力でそれらをサポートする赤緑白デッキというスタイルは脈々と受け継がれており、デッキタイプを示す言葉として「Zoo」という名が残っている。個人的には「ヒューマンZoo」というデッキ名を耳にした時に衝撃を受けたりしたもんだが、まあ脱線しそうなのでこの辺に留めておこう。

 「Zoo」は上述のようにクリーチャーを1ターン目から積極的に展開し、それらの道を除去と火力で切り開くビートダウンだ。ただ、このデッキにおいて除去と呼べる呪文は......《稲妻》1枚のみ!ライフをいち早く削りたいこのデッキタイプにおいて、軽くて扱いやすく、最後のライフ数点を焼き尽くす《稲妻》は4枚あっても足りないカード......だと思ってたんだが。どうやらその限りでもないらしい。他の呪文は《変異原性の成長》1枚に《アタルカの命令》4枚。《稲妻》2枚でも《変異原性の成長》2枚でもない散らかし方に玄人感を覚える。《アタルカの命令》が4枚、ということはこのデッキの狙いはもうそれだけでわかる。1、2マナのクリーチャーを並べて《アタルカの命令》で3点ダメージと自軍クリーチャーに+1/+1修正(ついでに到達も)与えてバコーン!!という動きで、遅くとも4ターン目には20点のライフを削りきる、そういうデッキになっている。

 クリーチャーを分類すると、1マナ18枚、2マナ14枚、4マナ3枚という構成になっている。1マナクリーチャーが大体9枚入っていれば、1ターン目にほぼ確実に展開ができると言われており、18枚とはその倍の値。これはもう展開できない方がウソというもの。4マナは《ゴーア族の暴行者》で、これは4マナ4/4トランプルとしてではなくもっぱら湧血能力を用いて攻撃クリーチャーを強化するのに用いる。わずか2マナで+4/+4修正とトランプルを与え、クリーチャー・カードを能動的に墓地に落とせるので《タルモゴイフ》のパワーを上げたりもできる。

 クリーチャーの中で目を引くのは《炎樹族の使者》《無謀な奇襲隊》のペア。2マナ2/2で戦場に出た時に赤緑計2マナを生み出す《炎樹族の使者》と、そのターンにすでに呪文を唱えていると2マナで唱えられる上に自軍に+1/+0修正と速攻を付与する《無謀な奇襲隊》。この2枚の相性の良さといったら。これらだけで2ターン目に5点のダメージを与えることができる。1ターン目に《野生のナカティル》が飛び出していれば?2ターン目に9点だ。このブン周りには現モダン環境の多くのデッキがお手上げだ。

 女性が舞い、野郎が応える、情熱的なラッシュ......これはまさかフラメンコ?なんとも情熱の国らしいデッキだ。なお、挨拶の「オラァ!」は良いが、ゲーム中に勢い余っての「オラァ!」は攻撃的な発言として怒られてしまうので注意だ!

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