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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:放浪の吟遊詩人、イーサーン(デュエルコマンダー)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:放浪の吟遊詩人、イーサーン(デュエルコマンダー)

by 岩SHOW

 マジックにはシーズンというものがある。セットが発売されてから、次のセット発売前までが大体1つのシーズンで、この間にプロツアー・グランプリ・プロツアー地域予選などのイベントが開催される。『イニストラードを覆う影』発売前の今はまさしくシーズンオフとも言える状態。ここからプレリリースを挟み、発売、グランプリ、プロツアー......と流れるように続いていく。このオフは、間もなく環境が変わるということもあって、特に気合いを入れて調整するというよりは、日々プレビューを眺めながらゆる〜くまったり、マジックを楽しむのが良いのでは。こんな時だからこそ、カジュアルなゲームを遊んでみるのも良いだろう。例えば......そう、統率者戦とか。

 統率者戦は、1枚の統率者と99枚のデッキを用いて、4人以上で遊ぶ多人数戦フォーマットだ。古くはエルダー・ドラゴン・ハイランダーと呼ばれ、その名の通りデッキはハイランダー(基本土地以外の同名カードはデッキに1枚まで)で構築し、伝説のクリーチャーを1枚統率者に指定する。この統率者は統率領域という場所に置かれた状態でゲームを行い、それが唱えられる時ならいつでもそこから唱えてよい。8枚目の手札のようなものだ。デッキの色もこの統率者自身の色+そのテキスト中に登場するシンボルに定義づけられ、例えば《ヴリンの神童、ジェイス》を統率者に指定した場合は青単のデッキを組む必要がある。

 これらデッキと統率者を用いて、3人以上のプレイヤーを相手に戦う。1対1では強力なカードがその力を発揮できず、その逆に通常のゲームではポテンシャルを発揮できずにいたカードが輝きを見せたり。伝説のクリーチャーの能力をコンセプトにしてデッキが組まれるため、それぞれのキャラクターが色濃く出るのも醍醐味だ。多人数戦ならではのワイワイ感も、マジックは楽しむためのゲームであるということを再確認させてくれる。

 さて、そんな統率者戦で、どんなデッキを組めばいいのか? 簡単な話で、好きな伝説のクリーチャーで組むのが一番! デッキへの愛着が違ってくるので、まずは例えコンボ要素などを持っていなくても、好きなクリーチャーでデッキを組むべきだ。特にない、というのなら『統率者(2015年版)』のような、構築済みデッキを買ってそれをベースにいじっていくのも良いだろう。そこからステップアップして、強キャラと呼ばれる連中に手を伸ばしていく......のが良いだろう。

 プレイヤーを4人そろえるのが大変?《Mana Crypt》なんかのカードが手に入らない?そんな君には、「デュエルコマンダー」なんかも良いんじゃないかな? 統率者戦と同様の構築ルールで、1対1で対戦を行う。レガシーなどにちょっと飽きてきたプレイヤーなんかがたしなんでいるフォーマットだ。禁止カードが異なっていたりするんだが......百聞は一見に如かず、とりあえずデッキリストを見ていただこう。

Noham Maubert - 「統率者:放浪の吟遊詩人、イーサーン」
Angelic Tournament Commander 優勝 / デュエルコマンダー (2016年2月7日)[MO] [ARENA]
24 《冠雪の森
1 《ドライアドの東屋
1 《魂の洞窟
1 《吹きさらしの荒野
1 《樹木茂る山麓
1 《霧深い雨林
1 《新緑の地下墓地
1 《ガイアの揺籃の地
1 《ニクスの祭殿、ニクソス
1 《黄塵地帯
1 《家路
1 《ロノムの口
1 《地盤の際
1 《不毛の大地
1 《リシャーダの港

-土地(38)-

1 《東屋のエルフ
1 《極楽鳥
1 《ボリアルのドルイド
1 《エルフの神秘家
1 《Fyndhorn Elves
1 《ジョラーガの樹語り
1 《ラノワールのエルフ
1 《クウィリーオン・レインジャー
1 《桜族の斥候
1 《スカイシュラウドのレインジャー
1 《森を護る者
1 《ワイアウッドの共生虫
1 《献身のドルイド
1 《エルフの幻想家
1 《獣相のシャーマン
1 《水蓮のコブラ
1 《ファイレクシアの破棄者
1 《ティタニアの僧侶
1 《ラノワールの使者ロフェロス
1 《桜族の長老
1 《スクリブのレインジャー
1 《旅するサテュロス
1 《根の壁
1 《迷える探求者、梓
1 《エルフの大ドルイド
1 《永遠の証人
1 《激情の共感者
1 《再利用の賢者
1 《ウッド・エルフ
1 《ケイラメトラの侍祭
1 《ムル・ダヤの巫女
1 《真面目な身代わり
1 《ティムールの剣歯虎
1 《アルゴスの庇護者、ティタニア
1 《囁きの森の精霊
1 《映し身人形
1 《原始のタイタン
1 《森林の怒声吠え
1 《森林の始源体
1 《孔蹄のビヒモス

-クリーチャー(40)-
1 《召喚士の契約
1 《調和の中心
1 《輪作
1 《探検の地図
1 《踏査
1 《頭蓋骨絞め
1 《楽園の拡散
1 《繁茂
1 《俗世の教示者
1 《大地の知識
1 《緑の太陽の頂点
1 《稲妻のすね当て
1 《適者生存
1 《森の知恵
1 《森の占術
1 《冬の宝珠
1 《内にいる獣
1 《からみつく鉄線
1 《出産の殻
1 《召喚の調べ
1 《野生語りのガラク

-呪文(21)-
mtgtop8.com より引用)

 フランスはヴァランスで開催されたAngelic Tournament Commanderにて優勝したNoham Maubertの《放浪の吟遊詩人、イーサーン》デッキだ。このデュエルコマンダーのトーナメント、参加人数はなんと102人!このトーナメントでTOP8に入った統率者の種類は《スレイベンの守護者、サリア》《大渦の放浪者》《戦争のアスラ、ジェナーラ》×2、《ヴリンの神童、ジェイス》《聖トラフトの霊》、そして1位と2位が《放浪の吟遊詩人、イーサーン》となっている。緑単色でありながらこの成績を残しているイーサーンは、自身がそれだけ強力な統率者であるということだ。

 《放浪の吟遊詩人、イーサーン》の能力は、ライブラリーから直接クリーチャーを戦場に出すというもの。この能力は、単純にアドバンテージを稼ぎ出すし、ハイランダー構築において好きなカードを好きなタイミングでサーチできるという能力の持つ意味は大きい。《出産の殻》《適者生存》と3枚あれば、ほぼ確実に今欲しいクリーチャーを手に入れることが出来るだろう。

 イーサーンの能力は強力とは言え、緩慢ではある。3マナで戦場に出し、次のターンに3マナで1マナのクリーチャーを戦場に出して......そのまた次は2マナで......なんてことをちんたらやっていて果たして本当に強いのか?もちろん、その点の解決策は用意していますぜ。まずは初回起動で《クウィリーオン・レインジャー》を持ってくるのだ。そうすると...‥マナさえあれば、毎ターンに2回能力を起動できる。倍速ともなるとさすがに強力で、最後は7マナ《森林の始原体》、8マナ《孔蹄のビヒモス》と流れるように展開してグッチャグッチャに踏み潰してK.O.

 盤面をじっくり作って、大量のマナからイーサーンでアドバンテージを稼いで......と、言うなればこれはもう育成ゲー。後半はイーサーンも竪琴からギターに持ち替えて、ゴリゴリにギターをかき鳴らさせて、バンバン盤面にインパクトを投下させよう!

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