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市川ユウキの「プロツアー参戦記」

2017.08.11

市川ユウキの「プロツアー参戦記」 プロツアー『破滅の刻』 後編

yuukiichikawa.jpg

 こんにちは!チーム「武蔵」の市川です。

 今回は前回の続きとして、プロツアーに向けての大会レポートを綴っていこうと思います。よろしくお願いします。


0.ドラフト雑感

 いつもの流れ、大会レポート前にまずはドラフトの雑感から。

オフェンス優位な環境......ではあるが

 前環境、『アモンケット』3パックに引き続き、オフェンス優位な環境であることは変わりません。

 「督励」を軸に攻め立てるビートダウンは依然強力で、督励クリーチャーはディフェンス側に不利なブロックを強いてきます。

 ただ、アモンケットの《突風歩き》や《頭巾の喧嘩屋》など、「ちょっと強すぎない?」と愚痴りたくなるような「督励」クリーチャーはおらず、全体的にパワーダウンした印象。

 逆に前環境で「督励」と比肩して強力だったキーワード能力「不朽」は『破滅の刻』では収録されておらず、4/4クリーチャーとして戦場に戻す「永遠」に置き換わっています。

 この「永遠」は「不朽」と違ってコモンで存在しているのは《実績ある戦闘員》と《不動の歩哨》のみ。また、この2枚はデッキの22枚目、23枚目、のようなギリギリデッキに入るかどうかといったクオリティのカードで、能力自体は強力ではあるものの、「不朽」と違って鳴りを潜めている様子。

 前環境では除去が弱く、概ね2マナ、3マナのクリーチャーに対して4マナ、5マナの除去を打たざるを得ない状態でしたが、『破滅の刻』ではコモンで、軽く、強い除去が5色全てに存在し、

 前環境でチーム「MTG Mint Card」が行っていたドラフトテクニック「軽いクリーチャーにカルトーシュ全部載せ!」戦法が取りづらくなっています。カルトーシュ自体が1パックからしか出なくなったことも、もちろん影響力大です。

 まとめると、

  • 依然オフェンス優位な環境でありながらも、守るデッキも十分勝てる。

 といった印象でした。

Magic Onlineで大流行!な青赤

 前回の『アモンケット』から、リアルではプレリリースの週にMagic Online(MO)でリリースされるようになった関係から、構築もさることながら、ドラフトも環境理解が早くなってきています。

 特に私がMOでドラフトをしていて、最も敗北するアーキタイプとして認識していたのが《謎変化》や《血水の化身》などを軸として呪文中心に構成されている「青赤スペル」。

 このアーキタイプはレアが無くても勝てる、再現性の高いアーキタイプで、2マナ域は《謎変化》が極上ですが、《火付け射手》や《呪文織りの永遠衆》でも十二分な活躍を見せますし、

 除去は《発射》が望ましいですが、テンポを重視しているアーキタイプなのでリソース差はそこまで気にならず、《送還》も実質的に除去として機能します。

 《棘モロク》や《突破》など、単色のカードでありながらほぼ「青赤スペル」専用のカードが存在していたりと、卓で1人になった時のバリューも高く、また卓にもう1人程度いたとしても他のカード、クリーチャーは《ケンラの潰し屋》などで問題なく代用できますから、決め打ちするにしてはリスクは最小限に感じられました。


1.グランプリ・京都2017

 そんなこんなで前哨戦のグランプリ・京都2017です。

 前哨戦なのでざっくりと結果報告を。

初日/シールドデッキ
市川ユウキ
グランプリ・京都2017 初日シールドデッキ / 『破滅の刻』『アモンケット』シールドデッキ (2017年7月22日)
6 《平地》
5 《森》
1 《島》
1 《周到の砂漠》
1 《信義の砂漠》
1 《ハシェプのオアシス》
1 《生存者の野営地》

-土地(16)-

1 《苦刃の戦士》
1 《栄光半ばの修練者》
1 《突風歩き》
1 《結束に仕える者》
1 《不屈のエイヴン》
1 《レト一門の槍の達人》
1 《用心深いナーガ》
3 《オアシスの祭儀師》
1 《微光鱗のドレイク》
1 《名誉あるハイドラ》
2 《縞カワヘビ》
1 《選別ワーム》

-クリーチャー(15)-
1 《悪戦+苦闘》
1 《旅行者の護符》
1 《知識のカルトーシュ》
2 《待ち伏せ》
2 《砂爆破》
1 《砂漠の拘留》
1 《死後の放浪》

-呪文(9)-
Kyoto1.jpg

 メインデッキはこんな感じで構築。

 シールドでは何枚出ても嬉しい《オアシスの祭儀師》が3枚も出たので緑と、低マナの優秀なクリーチャーと除去のある白を軸に構築するのは確定。

ptakh_t8_yukuhiro.jpg

 ただ、不戦勝明けの緒戦を負けてしまったこともあり、チーム「武蔵」のチームメイトであり、リミテッド巧者の行弘さんに相談してみると、

 《悪戦+苦闘》はそこまで強いカードじゃないし、クリーチャーが少ないので要らない。

 《抑え難い渇き》は優良除去なので入れない手はない、逆に序盤の緑のぼんやりとしたクリーチャー群を抜いて緑を薄くしてマナベースを緩和する、

 《相殺の風》や《俗物の放棄》は相手の強力なカードに対応できる可能性があってサイクリングだから入れ得......。

 などなど、有益な情報がたくさん!

市川ユウキ
グランプリ・京都2017 初日シールドデッキ・改訂版 / 『破滅の刻』『アモンケット』シールドデッキ (2017年7月22日)
6 《平地》
4 《森》
2 《島》
1 《周到の砂漠》
1 《信義の砂漠》
1 《ハシェプのオアシス》
1 《生存者の野営地》

-土地(16)-

1 《栄光半ばの修練者》
1 《突風歩き》
1 《結束に仕える者》
1 《不屈のエイヴン》
3 《オアシスの祭儀師》
1 《微光鱗のドレイク》
1 《名誉あるハイドラ》
2 《縞カワヘビ》
1 《選別ワーム》

-クリーチャー(12)-
1 《旅行者の護符》
2 《抑え難い渇き》
1 《知識のカルトーシュ》
2 《待ち伏せ》
2 《砂爆破》
1 《相殺の風》
1 《砂漠の拘留》
1 《俗物の放棄》
1 《死後の放浪》

-呪文(12)-
Kyoto2.jpg

 行弘さんの教えを受け、サイドボード後はこんな感じにしていました。

 その甲斐もあり、レアは少ないながらも初日は7勝2敗で折り返し。

 ミスで負けてしまった試合もあり、あと1勝できたかな~といった悔しさもありました。


2日目/1stドラフト
市川ユウキ
グランプリ・京都2017 2日目1stドラフトデッキ / 『破滅の刻』『アモンケット』ブースタードラフト (2017年7月23日)
6 《森》
2 《島》
1 《沼》
1 《山》
1 《隠れた茂み》
1 《周到の砂漠》
1 《イプヌの細流》
1 《熱烈の砂漠》
1 《生存者の野営地》
1 《進化する未開地》
1 《死者の砂丘》

-土地(17)-

1 《実績ある戦闘員》
1 《ナーガの生気論者》
1 《川ヤツガシラ》
1 《気性の荒いクーズー》
1 《ラムナプの採掘者》
1 《最後の明日の予見者》
2 《オアシスの祭儀師》
2 《採石場の甲虫》
1 《苦弓の名射手》
2 《猛り狂うカバ》
1 《謎めいた海蛇》

-クリーチャー(14)-
1 《花粉のもや》
2 《活力のカルトーシュ》
1 《砂の下から》
1 《正気減らし》
1 《致死の一刺し》
1 《発射》
1 《天導+先導》
1 《徙家+忘妻》

-呪文(9)-

 1stドラフトは自他共に認めるゴミデッキ「4色産廃」を組み上げるも、まさかの2勝1敗。

 適当に取っておいた《正気減らし》が《イプヌの細流》、《ラムナプの採掘者》と組み合わせてデッキで二番の勝ち筋になるとは思いもしませんでした。(一番は相手の事故)

2日目/2ndドラフト
市川ユウキ
グランプリ・京都2017 2日目2ndドラフトデッキ / 『破滅の刻』『アモンケット』ブースタードラフト (2017年7月23日)
7 《平地》
5 《森》
3 《山》
1 《信義の砂漠》
1 《不屈の砂漠》

-土地(17)-

2 《突風歩き》
1 《栄光半ばの修練者》
1 《ロナスの重鎮》
2 《不屈のエイヴン》
1 《誇り高き君主》
1 《孤高のラクダ》
1 《演習ミイラ》
1 《信義の侍臣》
1 《尽きぬ希望のエイヴン》
2 《王神の天使》
1 《猛り狂うカバ》
1 《大いなるサンドワーム》

-クリーチャー(15)-
1 《マナリス》
2 《強制的永眠》
1 《救済の恩寵》
2 《発射》
1 《砂爆破》
1 《捲土+重来》

-呪文(8)-

 2ndドラフトは打って変わって満足行くデッキがピックできました。

 白だけドンドコ流れ来る状態で、3パック目で《突風歩き》、《栄光半ばの修練者》が流れて来るラッキーさもあって、良い出来栄え。

 これは3-0いったか?!と思ったのも束の間、1戦目を勝利した後に待ち構えていたのは《王神、ニコル・ボーラス》擁するグリクシス・コントロールで手のひらの上でコロコロされて負け。

 最終ラウンドひとつ前ですでに4敗、賞金圏内でもなく、グランプリキャップも最下部2点で埋まっている関係から、もし最終ラウンド勝っても何のメリットもありません。

 プロポイントが欲しい!という最終ラウンドの相手に勝ちを譲って、前哨戦となるグランプリ・京都2017は10勝5敗で終了。

周りを見渡すと

 プロツアー『破滅の刻』と連戦になる今大会。

 もちろんプロツアーに参戦する海外のプロプレイヤーも多数参加していたことから、海外のプレイヤーはこの環境をどういう風に考えているかがデッキから自ずと見えてきます。

 と周りの海外プレイヤーを見渡すと「青赤スペル」の海、海、海。

 Magic Onlineでの一般的な評価のみならず、有識者をもってしても「青赤スペル」が最強のアーキタイプであることは揺るがないようです。

 これだけ流行していることを鑑みると、プロツアーでは「青赤スペル」は避けたいところ。

 今回もプロツアーに向けてドラフトはある程度戦略を練っていくことに。

緑多色

 前環境から引き続いて強力な緑多色。

 さらに強力なマナクリーチャー、《オアシスの祭儀師》の追加によってこのアーキタイプは強化されました。

 督励することにより色マナを2つ供給できる《オアシスの祭儀師》によって、ダブルシンボルのカードも容易にタッチ可能。

 2パック目、3パック目に流れて来た強力なレアカードを余すことなく使うことができます。

 逆に流れて来るレア次第のところもあり、ギャンブル要素もあります。

 卓内が協調(隣の人のやっている色をある程度把握してそれらのカードを流し合うこと)していると、緑多色にとって向かい風となります。

白青

「下止めて上殴る」

 これは古来より伝わりしリミテッドでの白青の戦術ですが、現代においても有効です。

 特に《忘れられた王族の壁》は相手のアタッカーを凌ぎつつ、プレイヤーにダメージを蓄積でき、白青の戦略に非常に噛み合っているカードです。

 軽量除去、下を止めるタフなクリーチャー、上から殴るアタッカーなど、それらが全てコモンで賄えることができ、初手でレアに恵まれなかった場合など、積極的に狙っていっても良いアーキタイプです。

白黒ゾンビ

 白黒ゾンビはここまでの緑多色、白青のような「ふんわり個々のカードパワーで勝つ」アーキタイプではなく、カード相互のシナジーに重きを置いたアーキタイプです。

 イメージでは《オケチラの報復者》や《毒の責め苦》などのどんなデッキに入っても一定の活躍を見せる評価の高いコモンから、白単or黒単のピックをしているタイミングで、7手目以降に《ミイラの大王》、《ほころびミイラ》、もしくは10手目程度に《型破りな戦術》が流れた来た時に一気に白黒ゾンビに舵を切ります。

 これらはレアもしくはそれに準ずるアンコモンなどが出なかった時に向かうアーキタイプ群であり、強力なレアなどが出たらその限りではありません。

 ドラフトでは柔軟さが大事ですからね!


2.プロツアー『破滅の刻』

 いよいよ本戦です。

 グランプリ・京都2017でも加点が無かったので、プラチナレベル到達に求められるスコアは変わらず12勝4敗。

 12勝4敗はなかなかできないものですから、気負いせず、ベストを尽くせるように頑張ります!

初日/1stドラフト
市川ユウキ
プロツアー『破滅の刻』 1日目1stドラフトデッキ / 『破滅の刻』『アモンケット』ブースタードラフト (2017年7月28日)
8 《平地》
8 《沼》
1 《信義の砂漠》

-土地(17)-

1 《扇持ち》
3 《呻きの壁》
1 《枯死コウモリ》
1 《不毛地の蠍》
3 《不動の歩哨》
1 《屍肉の金切り声上げ》
1 《尽きぬ希望のエイヴン》
1 《王神の天使》
1 《双陽の熾天使》

-クリーチャー(13)-
1 《強制的永眠》
1 《心臓露呈》
1 《野望のカルトーシュ》
1 《砂漠の拘留》
1 《荷降ろし》
1 《型破りな戦術》
3 《毒の責め苦》
1 《啓示の刻》

-呪文(10)-

 ん......?

  • 第1回戦 青赤黒 ××
  • 第2回戦 青赤 ××
  • 第3回戦 青赤 ○××

 ギ......

 ギ......


 ギェー!!!!!!


 と、いうことで、目を覆うようなデッキで、目を覆うような0勝3敗スタート。

 初手はとかくパッとしたカードが無く、《毒の責め苦》か《穿刺の一撃》の二択。

 《穿刺の一撃》は青赤を避けたい関係上、同点のカードの二択である以上《毒の責め苦》をピック。

 その後2枚目の《毒の責め苦》、《尽きぬ希望のエイヴン》、《王神の天使》とあまりパッしないピックが続く中、5手目で流れてきたカードが

 《啓示の刻》。マナシンボルがキツく、《マナリス》などのマナサポートからプレイするとそれも巻き込んでしまうため、使い勝手が良いとは決して言えませんが、全体除去は全体除去。

 それをピックして白黒のある程度長いゲームを見据えたデッキを構築しようと狙っていきますが......。

 気付いたらこんなデッキに。

 1戦目は《蝗の神》を軸に据え、脇を固めるカードも強い青赤黒のコントロールデッキに負け、2戦目は綺麗な青赤スペルにコテンパン。

 3戦目は私の上家のプレイヤーで、流石に0勝2敗ラインらしくお互いにデッキが弱い。泥臭いゲーム展開になり相手の重いサイクリングクリーチャー《花崗岩のタイタン》、《砂漠セロドン》がゲームを決める「らしい」幕引き。


 これにより前半戦を0勝3敗で最悪の折り返し。

 初日抜けのために構築ラウンドで4勝1敗以上が求められます。


初日/構築ラウンド

 使用デッキは黒単ゾンビ。

市川ユウキ - 「黒単ゾンビ」
プロツアー『破滅の刻』 / スタンダード (2017年7月28~29日)
20 《沼》
2 《イフニルの死界》
2 《ウェストヴェイルの修道院》

-土地(24)-

4 《墓所破り》
4 《戦慄の放浪者》
4 《無情な死者》
3 《金属ミミック》
4 《アムムトの永遠衆》
4 《戦墓の巨人》

-クリーチャー(23)-
2 《致命的な一押し》
3 《闇の掌握》
4 《闇の救済》
4 《リリアナの支配》

-呪文(13)-
3 《ゲトの裏切り者、カリタス》
1 《致命的な一押し》
3 《精神背信》
1 《闇の掌握》
2 《失われた遺産》
1 《霊気圏の収集艇》
1 《領事の旗艦、スカイソブリン》
3 《最後の望み、リリアナ》

-サイドボード(15)-

 私が所属する調整チーム「武蔵」。

 そこで対赤単アグロ、またその他へも高い勝率を誇ったのがこの「黒単ゾンビ」でした。

 対赤単アグロに於いて高い勝率を誇っている最も大きな理由が、除去の信頼性の差です。

 《闇の掌握》、《闇の救済》は赤単アグロが擁する中で最も対処しづらい《熱烈の神ハゾレト》を、最もスマートに対処できる呪文です。

 それに対して《ショック》や《焼夷流》はこちらの要所である《アムムトの永遠衆》、《戦墓の巨人》(4/4サイズで出ることを想定)を対処できません。

 サイドボードも、《ゲトの裏切り者、カリタス》や《最後の望み、リリアナ》など、単色ながら対赤単アグロにおいて有効なカードを選択できるため、サイドボード後も有利に戦えます。

 このチーム「武蔵」作の黒単ゾンビ。

 最も大きなポイントは《呪われた者の王》が入っておらず、替わりに《アムムトの永遠衆》が投入されているところでしょう。

 これは《削剥》、《蓄霊稲妻》などの単体除去が環境に蔓延している点がそうさせています。

 《墓所破り》を展開→除去→《金属ミミック》を展開→除去という展開からの《呪われた者の王》は寂しいものがありますが、《アムムトの永遠衆》であればそのままゲームを決めてしまってもおかしくはありません。

 また、《焼けつく双陽》などの全体除去に対して耐性があるのも好材料の一つでしょう。

 《アムムトの永遠衆》は相手に呪文を1枚唱えられることを想定すると、基本的に4/4サイズですから、3点系の全体除去であれば盤面に残ってくれます。

「最大値は《呪われた者の王》が高いが、環境に存在するアンチカードを考えると、《アムムトの永遠衆》の方が優先される」

 という考えです。

 また、『破滅の刻』リリース後の大規模トーナメントで黒単ゾンビが全く勝っていないことも非常にポジティブな要素です。

 十分に環境を戦えるデッキパワーはあるが、過小評価されているこの状況はまさに前回のプロツアー『アモンケット』と全く同じ状況で、ここで黒単ゾンビを選ばないのは理外の行動。と考えた私はチーム「武蔵」作の黒単ゾンビを選択しました。


 気になる結果は!?

  • 第4回戦 赤緑ランプ ○○
  • 第5回戦 白青《王神の贈り物》 ○××
  • 第6回戦 赤緑ランプ ○○
  • 第7回戦 赤黒アグロ ○×○
  • 第8回戦 白タッチ黒アグロ ×○×

 惜しくも一歩届かず。

 構築3勝2敗、リミテッドと併せて3勝5敗で初日落ち。

 対白青《王神の贈り物》は唯一目をつぶった、相性が悪いマッチアップです。

 《激変の機械巨人》が横並び戦略である黒単ゾンビには強力な1枚ですし、火力のようなリーチスペルが無い黒単ゾンビにとって、序盤押していても後半《王神の贈り物》で盤面を取られてしまうと、逆転する術が無くなってしまいます。

 最終戦の白タッチ黒アグロはサイドボード後も《模範的な造り手》や《栄光半ばの修練者》などのタフネス1を抜けきれない、超高速ビート。

 3ゲーム目はサイドボードに3枚忍ばせている《最後の望み、リリアナ》さえ引ければ......という展開でしたがついぞ彼女は姿を見せてくれず、初日敗退となってしまいました。


3.まとめ

デッキ選択

 黒単ゾンビを選択したことに後悔はありません。

 チーム内でのリーグでの勝率を見たディジタルな思考での選択、かつ、環境で一番多いであろう赤単アグロに理論的に有利なためです。

 ただ、白青《王神の贈り物》や、私は運よく勝てましたが赤緑ランプなど、メタ外となると予測していた少数のデッキには滅法相性が悪く、尖った選択であったことは間違いないでしょう。

 そのため、チーム「武蔵」で黒単ゾンビを選択し、ドラフトラウンドで勝てずに下位卓に沈んでしまった私、八十岡さん、行弘さんは下位卓特有のカオスなメタゲームに飛び込んでしまい、苦戦を強いられた格好に。

原根 健太 - 「黒単ゾンビ」
プロツアー『破滅の刻』 スタンダード部門 9勝1敗 (2017年7月28~29日)
20 《沼》
2 《イフニルの死界》
2 《ウェストヴェイルの修道院》

-土地(24)-

4 《墓所破り》
4 《戦慄の放浪者》
4 《無情な死者》
3 《金属ミミック》
4 《アムムトの永遠衆》
4 《戦墓の巨人》

-クリーチャー(23)-
2 《致命的な一押し》
3 《闇の掌握》
4 《闇の救済》
4 《リリアナの支配》

-呪文(13)-
3 《ゲトの裏切り者、カリタス》
1 《致命的な一押し》
3 《精神背信》
1 《闇の掌握》
2 《失われた遺産》
1 《霊気圏の収集艇》
1 《領事の旗艦、スカイソブリン》
3 《最後の望み、リリアナ》

-サイドボード(15)-
プロツアー『破滅の刻』 イベントカバレージ より)

 その反面、ドラフトラウンド1勝2敗ながらも、運よく赤単アグロの波に乗れた原根さんは2日目も好調を維持し、なんと12勝4敗でゴールドレベル達成!

 おめでとうございます!

チーム「武蔵」行く末は......。

 初日終了時点でのチーム「武蔵」、各メンバーの成績は

  • 市川ユウキ 3勝5敗(初日落ち)
  • 八十岡翔太 3勝5敗(初日落ち)
  • 山本賢太郎 3勝5敗(初日落ち)
  • 渡辺雄也 4勝4敗
  • 行弘賢 4勝4敗
  • 覚前輝也 6勝2敗

 と、初日落ち3人を筆頭に惨憺たる結果に。

 プロツアー前、20点以上点差があって、セーフティラインと思われていましたが、ここまで大コケするとそれはまた別の話。

 これで抜かれたら......「Enter the Battlefield」に強さの秘訣は!とか特集されたのに!(恥ずかしい)


TeamLast.jpg

 と雑念たっぷりでヤキモキしていましたが、終わってみると1位通過。

 どうも2位と3位だった「Genesis」と「MtG Mint Card」もあまり振るわなかったようで、波乱なく、前回の順位のまま動いた形になったようです。あーよかった。

Musashi.jpg

 この結果により、10月にボストンで行われるチームシリーズ決勝戦に出場することが決まりました。

 チームシリーズを優勝して、名実ともにチーム「武蔵」が最強のチームであることを世界に知らしめたいですね!


まとめ

 今回のプロツアーを終えたことによって、今シーズンも終了。

 ここまで所持していた40点、プロツアー参加点の3点を併せて43点、プラチナには届かず、来シーズンもゴールド・レベルでのスタートとなりました。

 前シーズン、前々シーズンもですが、5点~10点プラチナに足りないポジションで終了することが多く、これはまだ私は運が良くないとプラチナになれない実力なんだなぁと自覚させられます。

 壁があることは人を成長させますし、上にはまだまだ強者がいる事実は、まだまだ自分を奮い立たせます。

 来シーズンはプレイヤーとしてもっと実力を磨き、今度こそプラチナレベルを達成したいですね!


 今回のプロツアー参戦記は以上です。

 いかがだったでしょうか、それではまた、次回の記事で(次回の記事があるかは現時点では未定ですが)お会いしましょう!

 市川

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