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Top8 Draft:彌永 淳也(東京)
Top8 Draft:彌永 淳也(東京)
By Shuhei Nakamura

彌永 淳也。
このトップ8でプロプレイヤーレベル6到達を決めたこの若者は前回の2007年度のグランプリ・北九州 ディフェンディングチャンピオンであり、今大会トップ8中ただ一人の前大会でのトップ8でもある。
また、彌永ほど行動力に溢れた日本人プレイヤーを知らない。
筆者が旅先の思いがけないところで遭遇する彌永を見るのは一度や二度では無い。グランプリホルダーにその行動力、第三世代と呼ばれる若手集団の中では目下プレイヤー・オブ・ザ・イヤーレースをリードしている渡辺 雄也(神奈川)がクローズアップされがちだが彌永も勝るとも劣らない異彩を放っている存在なのである。
そんな彌永ではあるが、来期は就職活動でマジックの比重を下げる事を明言している。フルタイムで活動できる残り少ない時間の中で新たなる勲章と次なるレベルを賭けた戦いが始まる。
■第1パック
1-1
《無謀な識者/Reckless Scholar》、《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator》、《飛来する矢の罠/Arrow Volley Trap》、《緑織りのドルイド/Greenweaver Druid》
アンコモン、レアに強力といえるカードが無い微妙なパック。
その中から彌永が選択したのは《無謀な識者/Reckless Scholar》。これまでの環境と異なり手札に余っている土地にしても一定の価値があるために低く評価されがちだか充分に有用な一枚だ。
1-2
《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》、《リバー・ボア/River Boa》、《髑髏砕きの巨人/Shatterskull Giant》
青スタートで青い有効カードが流れて来ない展開。2色目ともなる彌永の選択は黒。
1-3
《コーの空漁師/Kor Skyfisher》、《天空のアジサシ/Welkin Tern》、《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》、《墓所王の探索/Quest for the Gravelord》
上家に白は薄いのか判断の分かれるところ。
1-4
《刃牙の猪/Bladetusk Boar》、《巨身化/Gigantiform》
青白黒のカードは見受けられず。赤か緑の2択。
1-5
《霧深い雨林/Misty Rainforest》、《取り消し/Cancel》
上陸、探求カウンターとフェッチランドの有効性は見た目以上に高い。
1-6
《無謀な識者/Reckless Scholar》、《松明投げ/Torch Slinger》
赤か青かの2択で青を選択。赤は切ったか。
1-7
1-8
1-9
《ニッサに選ばれし者/Nissa's Chosen》、《カビーラの交差路/Kabira Crossroads》、《血の貢ぎ物/Blood Tribute》
1-10
《緑織りのドルイド/Greenweaver Druid》、《地鳴りの揺るぎ/Seismic Shudder》
1-11
《アクームの隠れ家/Akoum Refuge》、《オンドゥの僧侶/Ondu Cleric》
1-12
1-13
1-14
全体的に決め手に欠けるパックが続いた中で色決めで苦労したが、一応は当初の青黒に落ち着いた。
だが、「一応は」の青黒路線。ここからのパック展開次第ではまだまだ全然変更の余地がある。
■第2パック
2-1
他にも候補として《無謀な識者/Reckless Scholar》があるが、この装備品の前にはお呼びでは無い。
2-2
《天空のアジサシ/Welkin Tern》、《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile》
2-3
《見栄え損ない/Disfigure》、《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》、《血の長の昇天/Bloodchief Ascension》
ようやくの除去らしい除去カードを。
2-4
《天空のアジサシ/Welkin Tern》、《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》、《ハグラの悪魔信者/Hagra Diabolist》
2-5
《巨大蠍/Giant Scorpion》、《沼のぼろ布まとい/Bog Tatters》
2-6
《魂の階段の探検/Soul Stair Expedition》、《噛み針の罠/Needlebite Trap》
2-7
2-8
《乱動への突入/Into the Roil》はこの時点で取れるカードの品質では断じてないカード。苦難が続いている彌永にとっては一息つけた形。
ただし、そのカードの隣には《地獄火の雑種犬/Hellfire Mongrel》がいたのでパック自体が強かった可能性も。
2-9
2-10
2-11
2-12
現時点で同盟者はゼロだが、これから次第では使えるカード。
2-13
2-14
第1パックの迷走から一転、不退転の決意で青黒へと路線を確定させた。
ただ、カードパワーには一抹どころか大いに不安があり、3パック目の早い巡目でどれだけのパワーカードを確保できるか。このドラフトが成功と呼べるにはその点にかかりそうである。
■第3パック
3-1
《サラカーの匪賊/Surrakar Marauder》、《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》、《ゴーマゾア/Gomazoa》、《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile》
除去に欠けているのと、防御的なカードが不足している為の選択か。
3-2
《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》、《ニマーナの売剣/Nimana Sell-Sword》、《鞭打ちの罠/Whiplash Trap》
3-3
《ウマーラの猛禽/Umara Raptor》、《無謀な識者/Reckless Scholar》
3-4
《風乗りの長魚/Windrider Eel》、《ウマーラの猛禽/Umara Raptor》
ここで強烈な2択を迫られる事となる。
単純なカードパワーでは《風乗りの長魚/Windrider Eel》に一日の長があるが、ここから同盟者が複数枚確保できるなら《ウマーラの猛禽/Umara Raptor》が正解となる。そして、彌永の選択は《ウマーラの猛禽/Umara Raptor》。
3-5
《取り消し/Cancel》、《不気味な発見/Grim Discovery》、《コーの空漁師/Kor Skyfisher》
3-6
《沼のぼろ布まとい/Bog Tatters》、《血の饗宴/Feast of Blood》
しかし、流したカードの中には《溶岩の玉の罠/Lavaball Trap》や《コーの飛空士/Kor Aeronaut》が......
3-7
3-8
《マキンディの盾の仲間/Makindi Shieldmate》、《カビのシャンブラー/Mold Shambler》
3-9
3-10
《呪文貫き/Spell Pierce》、《愚鈍な虚身/Mindless Null》
3-11
3-12
《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile》、《血の求道者/Blood Seeker》
最後の最後、この巡目にして最高の収穫が。
3-13
3-14
率直にデッキの感想を述べるならば決して良いデッキではない。
この環境のゲームを決定付ける軽いクリーチャーは充分とは言えず、同盟者シナジーも不足気味、黒と言えばの除去の枚数にも不安が残る。
それは彌永自身が一番痛感しているだろう。
最後の一人になるまで時間一杯までデッキ構築に費やし、何度も何度も構成に変更を加えて提出されたのがこのリストだ。
彌永 「緑をやればたぶん決勝戦まではいけるデッキを組めたんですけど......」
彌永は続ける。
彌永 「緑はこの大会中やらないと決めていたから」
確かに1パック目の9手目、10手目に緑が明らかに不人気というシグナルがあった。
しかし、彌永は自分に科したルールを守り、数ある選択肢の中から青黒という道を、このデッキを選び取った。
彌永 「トップ8に残れた事でレベル6が確定して、上乗せの(プロポイント)1点にあまり価値はないから」
たしかに準々決勝はそうだろう。だがそれが優勝ならば......
そう、ひとまずは準々決勝。
対戦相手はグランプリ・マニラ チャンピオンの菅谷 裕信だ。
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