イベントカバレージ
1st Draft:渡辺 雄也(神奈川)
1st Draft:渡辺 雄也(神奈川)
By Shuhei Nakamura
先週のグランプリタンパの夕べ、筆者はある二人のプレイヤーから全く同じ質問をうけた。
《猛り狂うベイロス/Rampaging Baloths》か《忌まわしい最期/Hideous End》。ドラフトの初手でどちらを取る?
ひとりは《猛り狂うベイロス/Rampaging Baloths》を選択し、公式イベント初の0-3という悔いの残る結果を、もうひとりは《忌まわしい最期/Hideous End》を選択し、準々決勝で無念の敗退をすることとなった。
この手の実戦経験中から生まれた質問はざらにあるが同じ日にそれぞれ違うドラフト内でしかも奇しくもプレイヤーオブザイヤーを争う二人に、である。
さてその二人がこれまた奇しくもこの北九州で同テーブルでドラフトを囲むこととなった。渡辺 雄也(神奈川)とMartin Juza(チェコ)、別の道を選び共に自らのピックを悔やんだこの二人が一週間の間にどのように進化を遂げたのか、POYレースの趨勢に大きな影響を与えるこのドラフトを英語カバレージではジュザサイドで、日本語カバレージでは渡辺雄也サイドをお伝えしたい。
なお、ピック候補中の順列は筆者がもしこの席に座った時に取るであろう順位付けである。併せて参考になれば幸いである。

■第1パック
1-1
《カズールの大将軍/Kazuul Warlord》、《信頼おける山刀/Trusty Machete》、《未達への旅/Journey to Nowhere》、《コーの飛空士/Kor Aeronaut》、《精神ヘドロ/Mind Sludge》
点数的に考えると大将軍。ではあるが渡辺の赤嫌いを筆者は知っているだけにどれを取るかは予測の範囲内を出ない。
一応、3番手の《未達への旅/Journey to Nowhere》までが候補としては考えられるが現実的には大将軍か山刀の2択である。
時間一杯まで使って選択したのは《カズールの大将軍/Kazuul Warlord》。あとで本人に聞いたところ3-0を目指すなら敢えて自分がやりたくない色という危険を冒してでも強力な同盟者ドラフトを選択すべきと思ったとの事。
1-2
《迷いし者の番人/Shepherd of the Lost》、《ゴーマゾア/Gomazoa》、《松明投げ/Torch Slinger》
赤いカードにそこまでの魅力が無い以上、それ以外で一番点数が高いカードならこれか
1-3
《天空のアジサシ/Welkin Tern》、《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》
赤、そして白のカードが選択肢に無い中で黒か青のどちらを取るかの選択、
ここで渡辺は青を選択。
1-4
《潮汐を作るもの、ロートス/Lorthos, the Tidemaker》、《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》、《グール・ドラズの吸血鬼/Guul Draz Vampire》
8マナと非常に重いものの試合を決定付けるロートスを取るかと思われたが《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》を選択。
これも後で本人に聞いたところ渡辺的には8マナと重いロートスは取るべきカードでは無いとのこと。
1-5
《血の求道者/Blood Seeker》、《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》
黒路線に
1-6
《墓所の切り裂き魔/Crypt Ripper》
ここまでくれば黒。である
1-7
《無謀な識者/Reckless Scholar》、《風をまとう突撃/Windborne Charge》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks》
点数的に一番高く、かつデッキ全体の方向性が青黒とはっきりとする良い形に
1-8
《取り消し/Cancel》、《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》
青黒へと思っていたところに暗雲が、シールド戦よりかは格段に落ちるがそれでも強力な《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》が8手目に登場。
卓内での白の明らかな人気薄状態で流れに乗るか現状維持かの選択を突きつけられるがとりあえずは現状維持気味に《取り消し/Cancel》を選択。
1-9
《コーの飛空士/Kor Aeronaut》、《血の求道者/Blood Seeker》
《コーの飛空士/Kor Aeronaut》が帰ってくる。明らかな白の人気薄。
だが前ピックで白を流した事もあり、流れを重視して黒を強調する選択に出た。
1-10
《麻痺の掌握/Paralyzing Grasp》、《領地のベイロス/Territorial Baloth》
1-11
これは非常に嬉しい収穫。この順手で除去としてカウントできるカードを取れるのはありがたい。
1-12
赤、白とピックに入り最終的には本人の好きな青黒路線へと舵を切った。
色替えを重ねた割にはピックにまとまりが中々に好感触である。
特に吸血鬼とデッキ選択が著しく狭いが非常に強力な《血の饗宴/Feast of Blood》が取れた事は大きい。これから黒の吸血鬼に青を寄せた形のデッキへと志向していくと思われる。
■第2パック
2-1
《コーの空漁師/Kor Skyfisher》、《鞭打ちの罠/Whiplash Trap》、《カルニの宝石/Khalni Gem》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks》
渡辺にとって非常に苦しいパック。
黒は何も無く、青にしてもあまり見栄えがしない。仕方が無くといった感じで《コーの空漁師/Kor Skyfisher》を選択。
2-2
《未達への旅/Journey to Nowhere》、《落とし穴の罠/Pitfall Trap》、《巨大蠍/Giant Scorpion》
やはり黒も青も無いパック。白のナンバー1、ナンバー2コモンを取れたことで白が使用カラーとして復帰の検討と色拘束の薄さからタッチ白も視野に入れた形に軌道修正か
2-3
ここにきて青最強のアンコモン、《マーフォークの海忍び/Merfolk Seastalkers》。
もちろん取れること自体には悪くは無いのだが色選択がぶれてしまうため戴けない。
2-4
《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile》、《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition》、《ぐらつく峰/Teetering Peaks》
やはりカードパワーは高くないのだが黒を確定させる為には致し方のない
2-5
《コーの空漁師/Kor Skyfisher》、《アイオーの廃墟の探検/Ior Ruin Expedition》
これは流石に白を確定させるか
2-6
《セジーリの隠れ家/Sejiri Refuge》、《鞭打ちの罠/Whiplash Trap》、《コーの装具役/Kor Outfitter》
タッチ白を踏まえて《セジーリの隠れ家/Sejiri Refuge》を取るかと思われたが《鞭打ちの罠/Whiplash Trap》を選択。
2-7
《ウマーラの猛禽/Umara Raptor》、《ジュワー島の隠れ家/Jwar Isle Refuge》
青コモンの第2グループのこのカードがこの順手で、青も同じく人気薄か
2-7
《取り消し/Cancel》、《噛み針の罠/Needlebite Trap》
2-8
《鞭打ちの罠/Whiplash Trap》、《カビーラの福音者/Kabira Evangel》
本人曰く、今回のドラフトで一番嬉しかった帰ってきたカード。
2-9
《探検の地図/Expedition Map》、《マーフォークの道探し/Merfolk Wayfinder》
2-10
青と白で揺れている今の状態にとって福音
青黒路線かと思われたがこの第2パックでは黒が全く取れずむしろ白と青に比重が傾くという渡辺にとって非常に苦しい展開となってしまった。青黒か青白、或いは白黒か。
第3パックで路線をはっきり決めれる強力なカードがあればむしろスッキリと路線の選択するのだが...
■第3パック
3-1
《堕ちたる者、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Fallen》、《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》、《忌まわしい最期/Hideous End》、《天空のアジサシ/Welkin Tern》
レア、アンコモン、コモンと黒の、いや環境最強のカード達が大集合。
ここで渡辺は最後の賭けに出る。意を決してアジサシを取り青白路線に。
3-2
《マラキールの門番/Gatekeeper of Malakir》《噴出の稲妻/Burst Lightning》、《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》、《精神ヘドロ/Mind Sludge》
と思うと青白路線で取るものが無く黒い強力カード達が溢れている。
本人曰く、《カズールの大将軍/Kazuul Warlord》の青白タッチ赤も検討に入れての《噴出の稲妻/Burst Lightning》。
3-3
《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》、《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》
やはり苦しい。
3-4
《生きている津波/Living Tsunami》、《未達への旅/Journey to Nowhere》、《カザンドゥの刃の達人/Kazandu Blademaster》、《空の遺跡のドレイク/Sky Ruin Drake》
直前の2手と比べて青白のカードが溢れている非常に難しいパックに遭遇。
これまで涸れていたからといってここまで溢れなくともと...。
筆者的にはゲームを速やかに勝てる《生きている津波/Living Tsunami》を取るかと思っていたが渡辺の選択は《未達への旅/Journey to Nowhere》。
3-1で流した《堕ちたる者、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Fallen》《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》への解答を用意する為か。
3-5
3-6
使われて初めて分かる系の強力レア《世界を鎮める者/World Queller》がこの順目での獲得。ようやく光らしきものが
3-7
3-8
《コーの装具役/Kor Outfitter》、《潮路の海蛇/Sliptide Serpent(NEM)》
3-9
《乱動への突入/Into the Roil》、《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》、《クラーケンの幼子/Kraken Hatchling》
突入、なのだがここに来ても《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》が流れてくるとは...

綺麗な23枚しかない。これが渡辺、筆者双方の共通見解。
デッキとしては決して悪くは無いのだが流しているカードに対してデッキパワーが低すぎる為、あまり前途に良いものが見えないというのが正直なところである。
1、2パック目ともに流れてくるカードに翻弄されたドラフトであった。
その中で感想戦として話題に挙がった選択が1-1の《カズールの大将軍/Kazuul Warlord》と1-9で流した《コーの飛空士/Kor Aeronaut》、そして3-1の黒い三連星であった。たらればの話をしても仕方がないがもし1-1で《信頼おける山刀/Trusty Machete》を取っていれば、1-9で《コーの飛空士/Kor Aeronaut》を取っていればまた違っていたものになっていたかもしれない。渡辺、筆者双方ともデッキの予想スコアは1-2に設定せざるをえなかったがなんとか2-1で折り返して欲しい。渡辺の健闘を祈る。
| {W} | {U} | {B} |
|
1/1 《崖を縫う者/Cliff Threader》 2/2 《未達への旅/Journey to Nowhere》 1/1 《カビーラの福音者/Kabira Evangel》 1/1 《コーの装具役/Kor Outfitter》 2/2 《コーの奉納者/Kor Sanctifiers》 2/2 《コーの空漁師/Kor Skyfisher》 1/1 《雨雲の翼/Nimbus Wings》 1/1 《迷いし者の番人/Shepherd of the Lost》 0/1 《盾の仲間の祝福/Shieldmate's Blessing》 1/1 《世界を鎮める者/World Queller》 |
2/2 《取り消し/Cancel》 1/1 《乱動への突入/Into the Roil》 1/1 《マーフォークの海忍び/Merfolk Seastalkers》 0/2 《マーフォークの道探し/Merfolk Wayfinder》 1/1 《麻痺の掌握/Paralyzing Grasp》 1/1 《無謀な識者/Reckless Scholar》 0/1 《呪文貫き/Spell Pierce》 1/1 《ウマーラの猛禽/Umara Raptor》 2/2 《天空のアジサシ/Welkin Tern》 2/2 《鞭打ちの罠/Whiplash Trap》 |
0/2 《血の求道者/Blood Seeker》 0/1 《墓所の切り裂き魔/Crypt Ripper》 0/1 《血の饗宴/Feast of Blood》 0/1 《ハグラのクロコダイル/Hagra Crocodile》 0/1 《心臓刺しの蚊/Heartstabber Mosquito》 0/1 《貪欲な罠/Ravenous Trap》 |
| {R} | {G} | {0} |
|
0/1 《噴出の稲妻/Burst Lightning》 0/1 《カズールの大将軍/Kazuul Warlord》 0/1 《ルーン炎の罠/Runeflare Trap》 |
0/1 《獣狩り/Beast Hunt》 0/1 《絡め汁/Tanglesap》 |
7/7 《平地/Plains》 8/8 《島/Island》 1/1 《セジーリの隠れ家/Sejiri Refuge》 1/1 《飛翔する海崖/Soaring Seacliff》 0/1 《探検の地図/Expedition Map》 |
前の記事: 初日全勝デッキリスト
| 次の記事: Round 9:藤田 剛史(大阪) vs. 八十岡 翔太(東京)
イベントカバレージ/グランプリ北九州09 一覧に戻る