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ワールド・マジック・カップ2012予選・大阪 観戦記事・ショートインタビュー

ワールド・マジック・カップ2012予選・大阪 観戦記事・ショートインタビュー

By 津村 健志


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決勝戦: 中井 直(京都) vs. 赤池 庸(大阪)

 130名を超える参加者が集った大阪予選も、いよいよ決勝戦を残すのみとなった。緊張の面持ちで席に着くのは、中井 直と赤池 庸。共に「青白」のデッキを駆る両者だが、その構成は似て非なるものである。

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中井 直(左) vs. 赤池 庸(右)

 片や非常にオーソックスなタイプの「青白Delver」を持ち込んだ京都の中井。Luis Scott-Vargasのリストを参考に作り上げたというそのリストを手に、正確なプレイングと圧倒的な勢いをもってしてここまで勝ち進んできた。実はコントロールデッキをこよなく愛する中井は、直前まで「青黒コントロール」にほぼ全ての調整時間を費やしていたそうだが、いくつかの理由から急遽「青白Delver」に乗り換えたのだと言う。結果としてそれが功を奏した形となったわけだが、比較的プレイングが難しいと言われる「青白Delver」デッキをあっさりと使いこなすあたりに、彼の技術の高さを垣間見ることができる。

 対するは《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》の入っていないリスト、いわゆる「青白No-Delver」を操る大阪の赤池 庸。過去に4度のプロツアー予選優勝経験を持つ赤池は、類い稀なデッキ構築能力を持つプレイヤーであり、基本セット2011発売直後に早期の段階で洗練された「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》」デッキを世に送り出した人物として知られている(参考)。今大会に向けて日々Magic Onlineの結果をチェックしては検討を重ね、最終的にメインデッキから投入された4枚の《幻影の像/Phantasmal Image》と1枚の《太陽のタイタン/Sun Titan》が印象的な独自のリストを仕上げてきた。

 昨晩一足先に決勝が行われた東京予選では、「青白Delver」が見事に優勝を勝ち取っているが、ここ大阪の地でも《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》は栄光を掴み取るのか。それとも、「青白No-Delver」がスタンダードに新たな風を送り込むのか。

 日本代表というたったひとつの椅子を巡って、今戦いの火蓋が切って落とされる。

Game 1

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中井 直

 予選ラウンドの結果で上位だったため、先手後手の選択権を持つ中井は当然のように先手を選択。中井はマリガンすることなく初手をキープし、対する赤池も《島/Island》×2、《金属海の沿岸/Seachrome Coast》、《刃の接合者/Blade Splicer》、《思案/Ponder》、《マナ漏出/Mana Leak》、《月の賢者タミヨウ/Tamiyo, the Moon Sage》といったバランスの良い7枚をキープした。

 どちらも序盤は《思案/Ponder》と《思考掃き/Thought Scour》で手札を整理させるだけの静かな立ちあがりとなったが、《魂の洞窟/Cavern of Souls》にバックアップされた中井の《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》がこの静寂を打ち破る。赤池は中井のターン終了時に《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》から《思考掃き/Thought Scour》をフラッシュバック。自身のターンに《刃の接合者/Blade Splicer》を追加し守りを固め、更なる《思案/Ponder》で手札を整えていく。

 2枚目の《魂の洞窟/Cavern of Souls》で「天使」を宣言し、《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》でアタックを敢行する中井。赤池は《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》を考慮して《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》とゴーレム・トークンでこれをダブルブロックするが、ここで現れるは《修復の天使/Restoration Angel》。この天使が《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》を戦闘から救いつつ中井の陣営を厚くする。

 盤面で若干の遅れをとった赤池だったが、ここまで相当数のドローサポートを唱えているだけあって手札は非常に充実している。中井がフルタップのこの隙に《月の賢者タミヨウ/Tamiyo, the Moon Sage》を通して[+1]能力で《修復の天使/Restoration Angel》をタップすると、《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》のアタックに備えて《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》、《刃の接合者/Blade Splicer》、ゴーレム・トークンら全てのクリーチャーを守りに残してターンを返した。

 《月の賢者タミヨウ/Tamiyo, the Moon Sage》を放っておくわけにはいかない中井は、《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》と天使・トークンで《月の賢者タミヨウ/Tamiyo, the Moon Sage》にアタック。赤池は先ほどのターンと同じブロックでこれに応えるが、中井の2枚目の《修復の天使/Restoration Angel》が再び《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》を戦闘から救う。

 6ターン目を迎えた赤池は盤面と手札を見て考えを巡らせる。

 ここで盤面を整理しておくと、中井の側には《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》と2体の《修復の天使/Restoration Angel》(1体はタップ状態)、赤池には《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》、《刃の接合者/Blade Splicer》、ゴーレム・トークン、そして「忠誠度」が1の《月の賢者タミヨウ/Tamiyo, the Moon Sage》。ライフは20対16で中井リードとなっている。

 考えがまとまった赤池は《幻影の像/Phantasmal Image》で《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》を「対消滅」させ、《月の賢者タミヨウ/Tamiyo, the Moon Sage》の[+1]能力でアンタップ状態の《修復の天使/Restoration Angel》をタップして全軍でアタック宣言。ゴーレム・トークンこそ《四肢切断/Dismember》されてしまうものの、これでライフレースは一気に互角に。さらに中井のマナが1マナしかないことを受け、このタイミングで自身の《修復の天使/Restoration Angel》をキャストして《刃の接合者/Blade Splicer》の再利用を試みるが、これは中井の2枚目の《四肢切断/Dismember》によって阻まれる。手札には有効牌こそないものの、このターンで盤面の優位を築き上げることに成功した赤池。このまま押し切ってしまえるか?

 だがそう思ったのも束の間、中井の次なる一手はこの状況下で100点満点の《戦争と平和の剣/Sword of War and Peace》!

 《戦争と平和の剣/Sword of War and Peace》をまとった《修復の天使/Restoration Angel》が赤池のライフを11へと削り落とし、さらに《戦争と平和の剣/Sword of War and Peace》のダメージが《月の賢者タミヨウ/Tamiyo, the Moon Sage》をも葬り去る。

 そして《月の賢者タミヨウ/Tamiyo, the Moon Sage》を失ってしまった赤池は《戦争と平和の剣/Sword of War and Peace》をどうすることもできず、一進一退の攻防が続いた1ゲーム目は中井が先取。

 中井 1-0 赤池

Game 2

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赤池 庸

 一度のマリガンを挟んだものの、《島/Island》、《平地/Plains》、《魂の洞窟/Cavern of Souls》、《幻影の像/Phantasmal Image》、《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》、《刃の接合者/Blade Splicer》となかなかの6枚をキープした赤池。

 序盤は中井の《思考掃き/Thought Scour》くらいしかアクションのなかった両者だが、3ターン目には赤池が《刃の接合者/Blade Splicer》を、返すターンに中井が《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》をキャストし、お互いのデッキを象徴するカードでゲームの狼煙をあげる。

 赤池は自身のデッキのトレードマークである《幻影の像/Phantasmal Image》をもってして《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》を対消滅させるとアタックを開始する。中井は続くターンに《魂の洞窟/Cavern of Souls》で「天使」を宣言してプレッシャーをかけるが、手札に《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》を持つ赤池はこれを無視してアタックを継続。赤池が戦闘後に2体目の《刃の接合者/Blade Splicer》を追加してターン終了を宣言すると、中井はここで《修復の天使/Restoration Angel》をキャストする。これを即座に《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》しようとした赤池だったが、中井は《精神的つまづき/Mental Misstep》でこれを拒否。

 中井は自身のターンに入ると《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》で赤池の手札を確認した上で、1ゲーム目の逆転劇を演出した《戦争と平和の剣/Sword of War and Peace》を《修復の天使/Restoration Angel》にまとわせ強烈なカウンターアタックを見舞う。1ゲーム目の再現なるかといったところだったが、今回は赤池が一枚上手だった。《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》で《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》を使い《修復の天使/Restoration Angel》を手札に追い返すと、力強く全クリーチャーをレッドゾーンに送り込み中井のライフを2まで削り落す。

 中井も《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》と《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》の組み合わせで必死に延命を図ろうとしたが、赤池の猛攻を止めるまでには至らなかった。

 中井 1-1 赤池

Game 3

 泣いても笑ってもこれが最後の一戦。この大一番で7枚の初手をキープした中井に対し、赤池に与えられた初手は、《島/Island》、《魂の洞窟/Cavern of Souls》、《幽霊街/Ghost Quarter》、《太陽のタイタン/Sun Titan》、《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》、《機を見た援軍/Timely Reinforcements》、《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》と微妙なラインナップ。

 悩みに悩みぬいた末にマリガンを決断した赤池は、《島/Island》、《金属海の沿岸/Seachrome Coast》、《刃の接合者/Blade Splicer》、《修復の天使/Restoration Angel》、《はらわた撃ち/Gut Shot》、《機を見た援軍/Timely Reinforcements》の6枚で最終ゲームに挑む。

 先手の中井は《金属海の沿岸/Seachrome Coast》からマナを支払って《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》という慎重な立ちあがり。2ターン目こそアクションのなかった中井だが、3ターン目には《魂の洞窟/Cavern of Souls》から《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》を呼び出す最高のスタートを切る。

 一方で未だに3枚目の土地に辿り着けない赤池は、今しがた引いたばかりの《思案/Ponder》に全てを託す。しかしながらその3枚も《思案/Ponder》、《思考掃き/Thought Scour》、《幽霊街/Ghost Quarter》といまひとつピリッとせず、もう一度《思案/Ponder》をキャストするのみでターンを終える。

 静かに《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》で時計の針を進め、《金属海の沿岸/Seachrome Coast》を置いてターンを返す中井。赤池は先ほどの《思案/Ponder》で詰み込んでおいた《魂の洞窟/Cavern of Souls》で強引に《刃の接合者/Blade Splicer》を通しにかかるが、「ゴーレム・トークン」は即座に《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》されてしまい万事休す。

 返すターンに中井が《戦争と平和の剣/Sword of War and Peace》をキャストすると、赤池はそっと右手を差し出した。

 中井 2-1 赤池

 日本代表の座を掴み取ったのは中井 直!



優勝・中井 直選手(京都) ショートインタビュー

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予選ラウンドの成績

 6-1-1

いつもマジックを遊んでいるお店はどこですか?

 アメニティドリーム京都店です。

このデッキを選んだ理由はなんだったのでしょうか?

 実はコントロールデッキが大好きで、調整では「青黒コントロール」ばかり練習していたんですが、カードが揃わなかったりで急遽「青白Delver」を使うことにしたんです。

予選ラウンドで負けたデッキを教えていただけますか?

 山本(明聖)さんの「青白Delver」です。でも準々決勝でリベンジできて、それがすごく嬉しかったですね。

今大会を終えて、デッキに変更を加えたい点はおありでしたか?

 サイドボードの《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》は「赤緑」系のデッキにしか使わなかったので、軽くて役割のはっきりした《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》でもよかったかもしれません。

Magic Onlineはプレイされていますか?

 やっていません。体験版はダウンロードしたんですけどね(笑)

ワールド・マジック・カップに向けて意気込みをお聞かせください。

 チームメイトに迷惑をかけないように精一杯がんばりたいです。

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